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[区長あいさつ] 平成22年 第1回区議会定例会 招集あいさつ・所信表明

本日、ここに平成22年第一回区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位におかれましては、ご出席を賜わりまして深く感謝申し上げます。

私にとりましては、今年、平成22年は、区長就任12年目を迎えて、これまでの3期にわたる区政運営の正に真価が問われる年となります。その上でさらに、未来を展望しながら豊島区の今後の方向性を定める重要な年になると考えております。

区議会の皆さまとともに、26万区民の生活を守り、長期的な課題には、しっかりと将来を見据え、厳しい経済状況下にある区政の難局を乗り越えてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

それでは、今定例会の開会にあたりまして、区政にあたる、私の所信の一端を申し上げ、ご理解とご協力を賜わりたいと存じます。

1.平成22年度の施政方針について

はじめに、平成22年度の施政方針について申し上げます。

日本経済は、一昨年秋以降、危機的な状況にありましたが、輸出、生産ともに持ち直しつつある上に、設備投資は下げ止まりつつあるとして、多くの民間シンクタンクでは非常に緩やかな回復基調に向かうとの見通しを立てています。

経済状況は最悪期を脱しつつあるとはいえ、雇用情勢はなお依然として厳しく、また個人消費も今一つ力のない動きをつづけているようでありまして、区民のみなさんが景気の回復を実感するには程遠く、加えて、デフレや円高による「二番底」のリスクも懸念されるなど、区民のみなさんが先行きへの不安を拭えないでいることを強く感じております。

こうしたなか、東京都は、平成22年度の都税収入が6,063億円、12.7%の減収となる見通しの下に当初予算を編成しました。率・額ともに都政史上過去最大の下げ幅を記録した昨年に引き続く、大幅な落ち込みであります。

区財政におきましても、一時期の危機的な状況から脱し、安定的な運営が可能となる状況まで改善してきましたが、それを上回る経済環境の激変があり、特別区民税を始めとする一般財源の減収が当面見込まれるなど、非常に厳しい状況となっています。

一方で、今なお、重い負債の解消、高齢化の進展による将来の医療費や介護給付費の負担増、生活保護の急増に伴う扶助費の大幅な増加、老朽化した公共施設の改築・改修など多くの財政課題を抱えております。

景気の底が見えない経済情勢を踏まえ、持続可能な財政運営を確保するため、債務を圧縮し、将来負担の軽減を図るとともに、年度間の財源調整を行う財政調整基金や公債費負担の軽減を図る減債基金、さらには、長期間にわたる学校改築を着実に推進するための義務教育施設整備基金などの確保を今後も着実に行ってまいりたいと考えております。

一方、これまで、豊島区の目指す姿としての「文化と品格を誇れる価値あるまち」を実現するために、様々な施策とともに、文化創造都市、環境都市の実現に取り組み、一定の成果を上げたものと自負しております。さらに、がん対策など生涯健康都市の実現を重点化するとともに、これまでの施策の集大成として、区民のみなさんはもちろん訪れる全ての方に安全と安心を実感していただけるまちを「安全・安心都市」と位置付け、その実現に向けて取組んでまいりたいと考えております。

急激な景気悪化に対応し、区民生活の安心を確保するため、財政の健全化、またその持続は不可欠であります。

今後も更なる構造改革に取り組み、スリムで効率的な行政経営を確立するとともに、豊島区の将来像の実現に向け邁進してまいりますので、区議会の皆さまのご理解と一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

2.平成22年度予算案について

次に、平成22年度予算案について申し上げます。

一般会計と5つの特別会計を加えた平成22年度の総予算規模は、1,430億3千1百万円であり、対前年度比57億5百万円の増、4.2%のプラスとなりました。

一般会計予算は、959億5千5百万円であり、対前年度比66億6千5百万円の増、7.5%のプラスとなりました。平成元年度以降では6番目の伸び、2年振りのプラス予算であり、予算規模が9百億円を超えるのは平成14年度以来8年ぶりとなるものであります。これは、職員定数の削減や人事委員会勧告などの反映により、人件費は減少するものの、新たに、子ども手当の支給経費を計上するとともに、生活保護費や国民健康保険事業会計繰出金が大きく増加したためであります。この増加分を除いた予算規模は昨年並みの約899億円となることから、厳しく抑えた予算であると考えております。

一般会計予算の特徴について申し上げますと、歳入では、課税人口の増加と一人当たり課税額の増加により、平成14年度以来、対前年度増の計上を続けてきた特別区民税が、課税人口は引き続き増加するものの、一人当たり課税額が減少するために、対前年度比6億9千万円、2.8%のマイナスとなる242億7千9百万円の計上となっています。

また、特別区財政調整交付金については、景気後退に伴う企業収益の急激な悪化を反映し、法人住民税が大幅な減収となる中ではありますが、前年度の実績に基づいて算定される経費が増加することから、対前年度比1億円、0.4%のプラスとなる、280億円を計上しています。

一方、特別区債は、地域防災無線のデジタル更新、西池袋中学校建替え、(仮称)南長崎中央公園の整備などにより、対前年度比で14億円増加して、31億6千2百万円の発行となりました。これにより、起債依存度は1.4ポイント増加し、3.3%となっております。

次に、歳出の特徴ですが、経費別では、人件費が減少する一方で、事業費及び投資的経費が増加となっています。

人件費の総額は、予算人員の減による給与費の減などにより、対前年度比4億9千9百万円、2.2%のマイナスとなる218億1千9百万円となっています。

一方、事業費の総額は、対前年度比68億1千3百万円、12.2%ものプラスとなる、625億9百万円の計上となっています。これは、主に、子ども手当支給経費29億4千7百万円、国民健康保険事業会計繰出金18億8千6百万円、生活保護費18億8千2百万円が、それぞれ対前年度増となるなどによるものであります。

投資的経費の総額は、116億2千6百万円であり、対前年度比3億5千1百万円、3.1%のプラスとなりました。これは長崎中学校跡地における、(仮称)南長崎中央公園の整備、西池袋中学校の建替えなどの経費が増加したことなどによるものであります。

また、目的別では、福祉費が、子ども手当の創設や生活保護費の増などにより、対前年度比13.9%、42億5千7百万円のプラス、また都市整備費が、市街地再開発事業経費の増などにより、対前年度比36.6%、17億8百万円のプラスとなっています。これにより、歳出の構成比を前年度と比較しますと、福祉費が36.4%で2.1ポイント増であり、都市整備比が6.6%で1.4ポイント増加しております。

平成22年度予算では、景気の悪化に伴う個人所得の減少により特別区民税が減収するばかりでなく、株価の下落・低迷等の影響により各種交付金が減少するなど、約26億8千万円の財源不足が見込まれ、収支をあわせるために様々な措置を講じました。

しかしながら、平成15年度以来7年振りに財政調整基金からの繰入金14億1千3百万円を予算計上しなければならず、昨年度の用地売却に続き、2年連続で財源対策を講じることとなりました。

そのような財源対策を講じた上で、一般財源が対前年度比4億1千万円のマイナスとなる一方で、子ども手当負担金、生活保護費負担金、特別区債などの特定財源が70億7千5百万円の増加となり、結果的に予算規模が拡大したことがこの予算の大きな特徴であります。

平成22年度予算は、区民生活に密着した福祉・保健施策の充実、経済状況を踏まえた中小事業者等や生活者への支援、雇用機会の創出、さらに、新たに本区が目指すセーフコミュニティの認証取得などを含め、101項目の新規・拡充事業を盛り込むことにより、新たな区民要望に可能な限り応えるとともに、これまでの行政サービスの水準を低下させることなく、景気悪化の長期化に備え、財政調整基金からの取り崩しをできるだけ抑えるなど、将来を見据えながら編成いたしたものであります。

3.平成22年度の事業展開について

次に、平成22年度の事業展開について、申し上げます。

(1)都市再生

まず、都市再生について申し上げます。

池袋副都心グランドビジョンの実現に向けた池袋副都心ガイドプランを本年度中に策定し、来年度は、ガイドプランに沿って、新庁舎整備、東西デッキ計画などリーディングプロジェクトを推進してまいります。

池袋駅及び駅周辺整備計画案の実現に向け、地下サインの改善を図るため、サイン誘導システム整備調査を行います。また、LRTを中心とした新たな地域公共交通システムの導入を視野に入れた、人と環境に優しい池袋の交通のあり方の検討を併せて進めます。

一方、大塚駅では、南北自由通路が開通し、駅周辺の整備が進展しております。椎名町駅では周辺整備に着手し、平成24年度の完成に向けて作業が進んでおります。

池袋副都心グランドビジョンと地域ビジョンのバランスある推進を図るとともに、社会経済状況を踏まえ、複数の都市再生プロジェクトによって、地域活力や文化、環境など地域の価値を高めるとともに、区民のみなさんに向けて魅力ある計画を発信してまいります。

また、老朽化に伴う建替えなどマンションに係る様々な問題を放置することは将来にわたって都市再生上の大きな課題であるとの認識のもとに、23区で一早くマンション担当課長を置き、平成15年度以来の分譲マンション実態調査を実施するほか、耐震改修助成事業を開始し、老朽化も含めた様々なマンション対策に積極的に取り組んでまいります。

(2)新庁舎整備

次に、新庁舎整備について申し上げます。

南池袋二丁目A地区に関しましては、昨年5月に再開発事業を進めるパートナーとして、首都圏不燃建築公社と株式会社東京建物の2社が決定し、7月末には旧日出小学校跡地周辺の地区計画が都市計画決定される中、いよいよ、さる1月26日、東京都から市街地再開発事業組合としての正式な設立認可が下りたのであります。今後は、権利変換計画認可へと事業を進めてまいります。

新庁舎につきましては、昨年11月に新庁舎の設計に向けた考え方を整理した「新庁舎整備計画」を策定いたしました。

また、設計チームには、日本を代表する著名な建築家である隈研吾氏と新進気鋭の造園家の平賀達也氏にご参加いただくこととなりまして、すでに何回も意見交換をさせていただいております。両氏のご参画によりまして、今までお示した外観とは全く異なり、次世代に誇れる斬新なデザインとなり、21世紀にふさわしい、都市と自然が調和した「環境庁舎」と呼べるような、環境都市豊島区のシンボルとなる素晴らしい建物となることを確信しているところであります。

現在、基本設計の最終段階に取り組んでいるところでありますが、来年度中の実施設計の完了を目指すために庁舎建築担当課長をおくことといたしました。

平成26年末の竣工に向けて着実に計画を推進してまいります。

また、それに合わせて、庁舎室内基本レイアウトの作成を行うとともに窓口サービスの検討を進めてまいります。

(3)文化・産業振興

次に、文化政策と産業振興について申し上げます。

「文化政策」の分野では、昨年12月12日には、東京芸術劇場大ホールを会場として、文化庁長官表彰受賞記念式典を開催いたしました。谷村新司さんをはじめ、豊島区民合唱団、ジュニア・アーツ・アカデミーのみなさんが素晴らしいステージを見せてくださいました。あらゆる政策にわたり、地域の総合力を結集してさらなる文化活動を進め、文化庁長官表彰という栄誉に浴した「文化を誇れるまち豊島区」をアピールしてまいりたいと決意を新たにいたしました。文化の力をもって、街のイメージを大きく変える飛躍の一年とすべく、全国をリードするような取り組みをさらに展開してまいりたいと考えております。

本年度は、雑司が谷では「雑司が谷歴史と文化のまちづくり懇談会」、南長崎では「トキワ荘通り・協働プロジェクトまちづくり懇談会」と、トキワ荘と並木ハウスのそれぞれを中心にしたまちづくりについて地元のみなさんと議論を続けてまいりました。いよいよ来年度は第2ステージに入ります。

鬼子母神参道にある「並木ハウスアネックス」の一部を借り上げ、情報提供、展示、販売及びイベント機能などを備えた情報ステーションを設置・運営いたします。

また、トキワ荘にゆかりのある施設、跡地などを表記した案内板を設置するとともに、マンガマップ等の作成を支援して、それぞれの街の魅力を強くアピールしてまいります。

一方で、一昨年秋からの不況が長引く中、消費不振による価格の引き下げなどの影響が中小企業、商店街に大きくのしかかっています。昨年相次いだ大規模店舗のオープンにより池袋の商圏が拡大することは期待できますが、池袋から離れた商店街等にとりましては消費低迷の影響はより厳しくなるものと考えられます。今後とも、中小企業並びに各種商店街施策の積極的な展開により、地域経済の基盤強化に取組んでまいります。

景気の二番底が危惧される中、中小企業の資金繰りを支援するために来年度についても、緊急の経済対策として拡充した、小規模零細企業者を対象とする利子補給や、信用保証料に関する補助率を継続するとともに、中小企業への相談体制を強化したワンストップの総合支援センターである「としまビジネスサポートセンター」の開設に向けて準備を進めております。

区内中小企業をPRし、区内産業の底力を示すべく、今年で3回目となる「としまものづくりメッセ」を3月11日から3日間、サンシャイン・シティの展示ホールで開催いたします。

このメッセは、大都市の中の産業の現状から、これからのまちづくりを考えていくことを目的としており、今回は、『「産業」と「文化・環境」の融合』をテーマに、特別展示「コンテンツ文化産業展示」や環境関連イベントなど、多彩な内容となっております。

このように様々な角度から、地域ぐるみで区内企業の活性化を推進してまいります。

(4)環境

次に環境政策について申し上げます。

日本一人口密度が高く、商業業務などの様々な機能が集積する豊島区は、エネルギーや資源の大量消費地であり、同時に、大量のCO2を排出する都市でもあります。

池袋副都心の飛躍的再生を進めつつも、環境への負荷を最大限減らすことこそ、この街で今を生きる私たちにとっての、将来の世代に対する、責務であります。

そこで、昨年3月に策定した環境基本計画では、CO2を2025年までに05年度比で30%以上削減することを豊島区として目指すことといたしました。

このために推進しておりました太陽エネルギー機器及び高効率給湯器に関する家庭への助成件数は、昨年12月1日現在で前年の3倍に達しました。また、5月に実施した「学校の森」植樹祭は、区民の緑化意識の向上のみならず、低炭素社会へ向けたライフスタイル転換の契機となったものと考えております。

さらに来年度は、「学校の森」に続き、公共施設に宮脇方式での植樹を行います。宮脇方式での植樹が困難な施設では緑のカーテンなど様々な手法を活用して「グリーンとしま」の再生に取り組んでまいります。

環境都市づくりの担い手は、私たち一人ひとりの意識と行動であります。

日本一の高密都市であり、緑が少ない豊島区であればこそ、グリーンとしまの再生に向けて挑戦を続けてまいります。議員各位におかれましても、これら事業の成功に向けて、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

さて、池袋西口駅前広場は約40年ぶりの大改造が進展しておりまして、来年3月には、エレベーターを設置するなどユニバーサルデザインに配慮した街として、大きく生まれ変わります。そこには、環境都市豊島区に相応しいシンボルを設置したいと考え、近年新たな緑化技術として注目されている「モザイカルチャー」を活用することで、環境にも優しく豊島区のシンボルにふさわしい夢が溢れる空間を演出できるものと考えております。

CO2の排出を抑えながらも、活力のある「低炭素地域社会づくり」に向け、区民の皆さんとともに、地域からの環境ムーブメントを興してまいります。

また、区の率先行動といたしましては、区施設の中で最も温室効果ガスを排出している健康プラザとしまの設備について最新の省エネ技術を導入し、エネルギー消費効率の改善に取り組みます。さらに21年度に実施した清和小学校の校庭芝生化に引き続き、南池袋小学校、長崎小学校での芝生化を進めてまいります。

資源循環型地域社会づくりにつきましては、「新資源回収事業」の一層の定着に取り組んでまいります。

(5)福祉・子育て

次に、福祉と子育てについて申し上げます。

昨年、「個人の尊厳が守られ、すべての人が地域で共に支えあい、心豊かに暮らせるまち」を基本理念とし、すべての分野において、地域における“共助”を構築することを目標とした地域保健福祉計画を策定いたしましたが、その着実な推進に向け、取組んでまいります。来年度は、障害者のニーズを踏まえ必要なサービス量を見込むため、また、高齢者の生活・健康状態や保健福祉サービスに対する需要を把握するための調査を行います。また、新計画の中核をなす事業としてモデル事業をスタートした“コミュニティソーシャルワーカー”の地域への浸透を図ってまいります。

薄れつつある地域のコミュニティのなかで、如何にして「新たな支え合い」の仕組みを再構築していくか、新たな挑戦として積極的に取り組みたいと考えております。

平成22年度は、65才以上の一人暮らし・高齢者のみの世帯の状況を把握するために実態調査を行い、調査結果を民生・児童委員と地域包括支援センターに提供することにより、地域における見守り体制の充実強化を図ることとします。

これまで、千川小学校跡地の活用については、飛び地部分に高松第一保育園を移転改築し、小学校跡地には、運動機能に配慮した近隣公園を整備することとしてまいりました。しかし、区内に特別養護老人ホームを整備する必要性が高く、改めて区内用地を検討いたしますと、千川小学校跡地が有力な候補として浮上してきました。そこで、同校跡地の活用については、特別養護老人ホーム、保育園、公園等の整備を検討してまいることといたしました。ご理解をいただきますようお願いいたします。

一方で、自立を支援することも重点を置いて取組む必要があります。

かつての路上生活者で簡易旅館や宿泊所に起居しながら生活保護を受給している者は平成19年度のおよそ2倍となっていますが、長年の路上生活によって身辺自立ができない被保護者も多くなっています。こうした被保護者の自立を促進するため、相談機能を強化するとともに、アパートなど地域生活への移行を促し、定着支援を行うことで生活自立・就労自立を達成できるように図ってまいります。

生活保護世帯数は、20年4月と比較しますと、22年1月には2年足らずのうちに36%も増加しています。こうした状況に対応するため、西部生活福祉課を新らたに設け2課体制とし、職員を増員配置することといたしました。

保育園の待機児童が全国的な問題となっておりますが、本区でも、平成20年度当初58人だった待機児童数が平成21年度当初には、122人になるなど、待機児童問題の解消は待ったなしの課題でありました。

この課題に対応すべく、「平成22年度保育計画」を策定しているところであります。この計画は、計画期間の5カ年で、私立保育園を含めた10園程度の改築・改修を実施し、受け入れ定員の増を確保した上で、認証保育園・認可保育園の誘致を図るとともに、改築等を行わない施設でも受け入れ数の拡充に工夫を凝らすなどによりまして、3百人の受入れ枠の拡大を図るものであり、平成22年度は、計画期間の初年度として着実な計画の実現に取組んでまいります。

新たな施設を設けることが困難な中、老朽化した保育園を改築・改修して、園児の受け入れ数を拡充することは急務でありまして、まず、平成22年度は、東部子ども家庭支援センターを近隣の適地に移転いたします。現センター施設を仮園舎として利用することによりまして、平成23年度以降、西巣鴨第三、西巣鴨第二、東池袋第一の各保育園の改修・改築を行い、定員規模の拡充を図ってまいります。さらに、池袋第二保育園が使用している仮園舎施設の利用を延長いたします。

さる1月25日には、JRの新井良亮副社長さんをお尋ねし、JR東日本が大塚駅に建設を進めている駅隣接ビルに60人規模の認可保育所を設置することをお約束いただいてまいりました。大塚駅隣接ビルに新たな認可保育所が設置されれば、山手線内で初めての駅立地の保育園となり、極めて利便性の高い施設となります。

また、保育ママ事業の拡充を図るなど、積極的に、待機児対策に取組んでまいります。

(6)教育

次に、教育について申し上げます。

これまで本区では、区独自に学力調査を実施することに加えて、国、都が実施する悉皆の学力調査の結果について、毎年、全小中学校が独自に結果の分析を行い、全学校で授業改善推進プランを作成することで、学力向上に努めてまいりました。この結果、豊島区は小学校のみならずこれまで若干苦戦していた中学校においても全国並びに東京都の平均を上回る学力向上を達成しております。

平成22年度からは、国は全国悉皆の学力調査は行わず、抽出調査を実施するとの事でありますが、本区では区独自の学力調査をさらに充実させ、小学校3年から中学校3年までの全児童・生徒について2科目から5科目へと科目数を増やして学力調査を実施してまいります。

本区の学力調査は全児童・生徒の個々の学力の達成状況を把握するとともに理解が不足する事項やつまづきの原因を把握し、それを授業や個別の指導で生かしていくことを目的としております。今後はこうした区独自の調査結果を活用するとともに、区立小・中学校英語教育の直営実施及び内容の充実、学校図書の充実などに努め、より一層の学力向上を推進してまいります。

今後10年間を見据えた豊島区の教育振興の基本となる「教育ビジョン2010」の改定作業も最終段階を迎えております。この教育ビジョンでは学力向上のみならず、低下傾向が指摘されている体力の向上や、新学習指導要領の完全実施、情報機器活用による教育環境の向上、老朽化した学校施設の改築など、総合的な教育推進計画を作成することとしております。

また、今回のビジョンの改定では、これまで「教育豊島」として先進的な取組みを続けてきた本区の教育施策を更に発展させていくため、新たに「教育都市としま」の構築を目指す計画と位置付け、区内六大学との教育連携や区内の教育、文化などの様々な人材及び教育資源の活用も図る内容となっております。

来年度はいよいよ、学校改築計画の第1番目の改築校である西池袋中学校の改築に着手してまいります。西池袋中学校の改築に先立ち、旧真和中に建設中の仮校舎も3月に竣工し、年度内には仮校舎への移転も完了します。

平成24年度には最新の設備を備え、地域防災や環境負荷の低減にも配慮した新西池袋中学校が完成いたします。学校の建替えに関しましては、区、教育委員会はもちろん、保護者さらに地域の方々と協議を尽くすことが必要です。3月15日には目白小の建替えを考える会からは区長提言をいただけることとなっておりますが、来年度は新たに、池袋中学校、池袋第三小学校の改築を考える会を発足いたします。

教育環境を巡っては、新聞報道によると国や都が相次いで、40人学級の見直しや、東京都における教員加配方針、及び月2回程度の土曜授業実施の提案がなされるなど、様々な状況変化も生じております。今後とも、こうした国や都の動向にも注目しながら、本区の児童、生徒のゆるぎない学力向上や健やかな心と体の育成を目指し、熱意と情熱を傾け教育施策の向上を支援してまいります。

(7)健康

次に、健康政策について申し上げます。

昨年5月に5カ年を計画期間とする「健康プラン」を策定しました。同計画は23年度を見直すこととしているため、各施策について進捗管理と評価を行うための「健康プラン推進会議」を設置し、各分野ごとに施策の検討を進めております。

まず、がん対策に更に重点的に取組むために「がん対策担当課長」を設けることにいたしました。これまで、区独自検診である「特定検診」、国との連携による乳がん受診勧奨イベント、無料クーポン検診や健康チャレンジを実施することによりまして、受診者数の増加に一定の成果を上げてまいりましたが、さらに、区民のがん検診受診率向上を目指し、積極的に勧奨を行うとともに、検診を実施し、がんの早期発見、早期治療を促進してまいります。区のがん対策を総合的に推進するため、本年1月に設置した私を本部長とするがん対策推進本部において、「がん予防条例」の制定に取り組むほか、受診勧奨パンフレットの送付やイベントの開催などにより、がん検診の受診率の向上に努めるとともに、「がん予防計画」の策定に取り組んでまいります。

また、来年度は生後2カ月から5歳未満の小児を対象にヒブワクチンの接種助成を新規事業とし、乳幼児が、髄膜炎、敗血症、肺炎などを併発する怖れのあるヒブ感染症の感染防止に努めます。この他にも、新型インフルエンザ対策など健康危機管理を健康施策の柱として着実に各事業を実施してまいります。

「支え合い、はぐくむ健康なまちづくり」を推進しながら、最重点施策としての「安全・安心都市づくり」の推進に向けて積極的に取り組んでまいります。

(8)安全・安心

最後に、安全・安心について申し上げます。

日本一高密な都市となった豊島区で、「住みたいまち・訪れたいまち」としても価値を高めていくためには、品格ある街並みや魅力ある店舗の誘致を図ることに加え、まちに暮らし続けていこうという信頼感、また、まちを訪ねてみようという信頼感を醸成していくことが必要です。この信頼感こそ「安全・安心」に他なりません。

安全で、安心して暮らし、訪れることができるまちづくりに取り組むためには、地域の個性を生かし、多様なコミュニティとの連携を図ることが不可欠です。一方で、人口が流動し続けている高密都市としての特徴として、ややもすると希薄化しがちな地域コミュニティの再生を図り、さらには協働化を推進する手段として、「安全・安心都市づくり」は大きく貢献することと考えています。

WHO・世界保健機関は、外因による死亡やけがの予防についての住民と行政との取組みに基準を設け、基準に合致する自治体を「セーフコミュニティ」として認証しています。セーフコミュニティは、外因による死亡やけがの予防についての住民と行政との連携によって取り組んでいこうとするものですが、外因によるけが等(外傷)が生じる状況は、地域によって様々です。日本有数の繁華街を抱え、さらには日本一の高密都市である豊島区の状況は、他では例を見ないものとなることが想定されます。また、閑静な住宅地や繁華街など多様な顔を持つ豊島区では、区内であっても、地域が持つ課題は異なります。

地域の力を結集させ、地域ごとの優先課題を抽出し、それぞれの地域の実情に合った取組みを行う必要があります。

繁華街が抱える課題は、犯罪防止をはじめ、風俗の客引きやキャッチセールス、営業騒音、そして自転車利用のマナーなど、多岐にわたるものであり、これまでも様々な取組みを行ってきましたが、個別の事象ごとに対策を講じるだけでは限界があると考えております。そのためには、安全・安心都市づくりに係る様々な施策を部局を超えて横断的に編成し、これまでの集大成としての安全・安心都市を実現してまいりたいと考えております。

認証基準に合致するためには、全ての施策を安全・安心の視点で見つめ直し、施策相互間の効果的な融合を図るばかりでなく、なによりも、区民のみなさん、区内のあらゆる主体と緊密な連携をとりながらセーフコミュニティ実現に向けた体制を構築する必要があります。

地域コミュニティの活性化が課題となる中、WHOの定める基準に達することは大きなハードルであることは間違いありません。しかし、地域の絆、地域の力を回復するとともに、区が安全で安心して暮らし訪れることができるまちであることを内外にアピールするために、セーフコミュニティの認証取得に取組んでまいります。

2月22日には、警察・消防を始め、街のみなさんとともに、区を挙げて認証取得に取り組んでまいることを宣言したいと考えております。議員各位におかれましても、安全・安心都市の実現に向けて、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 

レオナルド・ダ・ビンチと並ぶ、ルネサンスの巨人ミケランジェロは、
「人間にとって最大の危険は、
高い目標を設定して達成できないことではなく、
低い目標を設定して達成し、満足してしまうことである。」と言っています。

妥協を許さず、常に高い目標を追い求めたからこそ、彼の壮大な作品の数々が今なお文化的遺産として残されたのだと考えております。

社会経済の先行きに閉塞感が漂い、不透明感が深まっているからと、徒に萎縮して立ち止まることなく、自らが信じる目標に向けて、その達成を信じて立ち向かうことが大切であります。

豊島区は、さらなる成長の可能性を持つ都市であります。容易に達成できる目標を掲げて妥協した瞬間に、豊島区が持つ大きな可能性の芽を摘むことになり、輝かしい未来は遠ざかってしまいます。

困難から目をそらさず、今後も挑戦を続けてまいりたいと改めて決意をいたしたところであります。

本日、ご提案申し上げる案件は、条例18件、予算7件、その他8件、合わせて33件であります。

各案件につきましては、後ほど、日程に従いまして、副区長よりご説明申し上げますので、よろしくご審議の上、ご協賛賜わりますようお願い申し上げます。

以上をもちまして、私の招集あいさつ及び所信表明といたします。

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