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[区長あいさつ] 平成26年 第1回区議会定例会 招集あいさつ・所信表明

本日、ここに平成26年第1回区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位におかれましては、ご出席を賜わりまして深く感謝申し上げます。

それでは、今定例会の開会にあたりまして、区政にあたる、私の所信の一端を申し上げ、議員各位並びに区民のみなさんのご理解とご協力を賜わりたいと存じます。

1.平成26年度の施政方針について

まずはじめに、平成26年度の施政方針について申し上げます。

第一に、新庁舎整備について申し上げます。

本日の議員協議会でご報告申し上げましたとおり、この度、新庁舎の業務開始日を平成27年5月7日(木曜日)と定めました。

あと447日、1年と2か月余りでありまして、いよいよその日が迫ってきているかと思いますと、万感の思いが込み上げてまいります。

業務開始に先立ちまして、3月23日(月曜日)に“落成式”を挙行いたします。その後、29日(日曜日)まで“区民見学会”を予定しておりまして、可能な限り多くの皆様に、新庁舎をご案内させていただきたいと考えております。

建設工事は着々と進行中で、現在、高層部は37階を工事しており、低層部南側の鉄骨の組み立ても始まりました。エコヴェールも一部姿を現し、次第に全体像が見えてまいりました。今や、区内の各所から、大地に大きく根を張る大木のような、その雄大な姿を望むことができます。

さて、改めて言うまでもありませんが、新庁舎整備は、本区にとって非常に大きな意義を持つプロジェクトであります。

まず、新庁舎では、区民の皆さんに最高レベルの行政サービスを提供いたします。

3階の総合窓口と、4階の福祉総合フロアを、年末年始と祝日を除く345日間開庁し、一年間365日対応するコールセンターを設置するなど、全国にも例を見ない高いレベルの行政サービスを実現いたします。

さらに、新庁舎は、文化・環境・防災の施策を象徴するシンボルであり、従来の区役所のイメージを一新する施設であります。

まず、文化のシンボルとしては、私が陣頭指揮をとって「新庁舎まるごとミュージアム構想」を進めております。現在、壁面や空間を有効に利用した内装設計を詳細に詰めているところでありますが、新庁舎各階に、執務スペースと美術品等の展示が調和するフロア空間を作ってまいります。区が所蔵する美術品や、児童・生徒、障害者の皆さんの作品展示、区の歴史資料の展示などを通じて、新庁舎を作品鑑賞の場、豊島区について学ぶ場としていくことが、まるごとミュージアム構想であります。

また、環境のシンボルとしては、10階の屋上「豊島の森」とともに「豊島エコミューゼ」が既にシンボリックな存在となっておりますが、さらにこれを十二分に活かしてまいります。このため、教育委員会では、今年度中に「豊島の森」を活用した環境教育プログラムを発表することになっています。

昨年暮れ、区内の全小学生7,000人に「新庁舎の『豊島の森』にあったらいいなと思うもの」というアンケートを実施いたしました。その中に寄せられた子どもたちの夢やアイディアは、ビオトープやせせらぎを活かした「親子お月見観賞会」「メダカの里親制度」など、大変、夢のある環境教育プログラムとして「豊島の森づくり」に生かされていく予定でありまして、今までにない、環境問題に関する画期的な教育的取り組みであると考えております。

また、「豊島の森物語」というDVDを作成し、新庁舎を訪れた児童や区民の皆さんを対象に、豊島区の位置する武蔵野丘陵の変化や池袋周辺の緑の成り立ちを、映像を通して学べる場を整え、新庁舎を活用した環境教育に彩りと広がりを持たせてまいります。

新庁舎は、区民の皆さんにとって利便性の高い「サービスを受ける場」というだけでなく、「区の自然環境や文化・歴史に触れ、豊島区について学ぶ場」であり、まさに庁舎全体が“エコ・ミューゼタウン”なのであります。

さらに、防災のシンボルとしては、災害時の司令塔機能を一段と高めるため、5階の区長執務室のすぐ近くに、防災・危機管理関連の4つの課を集め、総合的な防災・危機管理体制を整えます。同フロアには災害対策本部室となる会議室も配置しておりまして、緊急を要する事案が発生した際には直ちに災害対策本部を設置し、迅速な対応をとってまいります。

また、区民の皆さんにリアルタイムで防災情報を提供するなど、防災の拠点にふさわしい他に例を見ない最新鋭の総合防災システムの整備を進めてまいります。

第二に、安全安心創造都市づくりについて申し上げます。

新庁舎整備とともに、長年の課題であった池袋駅東西連絡通路、いわゆる東西デッキ構想と、造幣局周辺のまちづくりが動き出しました。

池袋駅の東西デッキ構想は、31年前の昭和57年に当時の豊島区基本計画に位置付けられ、以来、検討を進めてまいりましたが、なかなか実現に至りませんでした。

しかし、平成23年3月11日の東日本大震災の発生、そしてその直後の池袋駅周辺で帰宅困難者があふれたあの日の経験を契機として、安全に避難・滞留ができる歩行者空間としての東西デッキの有効性について、区及び関係事業者が認識を共有することができたのであります。

そして、昨年10月にはJR東日本、11月には西武鉄道と覚書を締結し、ついにデッキ予定地での測量及び調査に着手することとなりました。今後、これらの結果をもとに、1日も早いデッキ実現に向けて関係者との協議を進めてまいります。

また、造幣局東京支局は、平成28年度当初からの、さいたま市での移転操業が確実となり、造幣局地区まちづくりの事業化へ向けたスケジュールが、いよいよ定まってまいりました。

先般、災害に強く文化とにぎわいを兼ね備えた街づくりを目的とする、「造幣局地区街づくり計画」の中間まとめを行ったところでありますが、中でも特に重要な防災機能の確保については、防災公園が1.6ヘクタール以上と区内最大の公園となることから、ヘリポート、救援物資の集積所、非常用エネルギーの確保などの機能を、この公園内に整備することを検討しております。

平成26年度には、地域の方々の参加も得ながら公園の基本設計を行うとともに、市街地整備区域を含めた造幣局敷地全体の街づくりを総合的にコーディネートするため、地区計画の都市計画を定めていく予定であります。

次に、木密地域の不燃化対策の推進について申し上げます。

東京都による特定整備路線の事業説明会が昨年11月に終了し、いよいよ区が担当する沿道まちづくりを推進する段階に入ってまいりました。昨年9月、3地区の「不燃化特区」追加申請を行いましたが、4月には正式に指定される見通しでありまして、今年度中には整備プログラムを取りまとめてまいります。

また、東京都の重点整備地域に指定されている「雑司が谷一・二丁目、南池袋四丁目地区」については、不燃化特区・密集事業の導入に向けた調査に入ります。これによりまして、区内のすべての重点整備地域で対策に着手することとなります。

つい先日、区内の東京商工会議所、商店街連合会、町会連合会、観光協会、産業協会、法人会の6団体と、池袋西地区開発委員会の皆様からなる、「豊島区木密地域不燃化整備推進協議会」から、区民の生命と財産を守るため、木密地域不燃化10年プロジェクトはスピード感を持って推進するよう、強い要望をいただきました。

皆様のご期待に応えられるよう、迅速にかつ丁寧に事業を遂行すべく全力で取り組んでまいります。

さて、今年は、東日本大震災から丸3年を迎えます。時の経過の速さを感じる一方で、被災地では、復興が思うように進まず、多くの方々がご苦労しておられます。

今、何よりも重要なことは、私たちは、被災地のこと、被災者の皆さんのことを決して忘れていないというメッセージを、発し続けることではないでしょうか。

そうした思いを込めて、来る3月11日、東京芸術劇場において「東日本大震災復興支援プロジェクトinとしま『こころの詩でつなぐ絆』」というイベントを開催いたします。第一部は、区職員、区内大学や西巣鴨中学校サポートクラブによる被災地支援活動の報告会、第二部は小椋佳さん、ソプラノ歌手の森 麻紀さんによるコンサートでありまして、豊島区に避難している被災地の皆さんをご招待させていただきます。また、チケット収入の一部を被災地への義援金に充てますので、コンサートに来ていただくことが支援活動になる、文化と被災地支援が融合したイベントであります。

また、去る2月6日には、区民センターで「非核平和イベント」を開催いたしました。これは、「日本非核宣言自治体協議会」が毎年開催している研修会の一環として行われたもので、本区が共催いたしました。全国で300近くに上る非核都市宣言自治体の連携による事業が、区内で開催されたことは、大変名誉なことであったと考えております。田上 富久 長崎市長の挨拶に続いて、被爆体験講話、基調講演が行われ、平和の大切さを考える貴重な機会となりました。

本区は、東日本大震災を決して忘れず、非核都市宣言都市にふさわしい、平和で安全・安心なまちづくりを進めてまいります。

第三に、文化とにぎわいの発信拠点の整備、池袋副都心再生について申し上げます。

現庁舎地の跡地活用をどう計るかは、池袋副都心の再生、文化とにぎわいの創造に欠かせない重要なプロジェクトであります。

現庁舎、公会堂、区民センターの3敷地と、それらとの連携を図る中池袋公園は、「まちのにぎわいを呼び、魅力と回遊性を高める」拠点として整備いたします。

その指針として策定いたしましたのが、新庁舎と現庁舎をあたかもダンベルの両端のように位置づけ、池袋東口エリアの将来の姿を示す「現庁舎周辺まちづくりビジョン」、そして文化創造都市の新たなシンボルとして整備する「(仮称)豊島区新ホール基本計画」であります。

新庁舎が完成した後、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて現庁舎地の活用をスタートさせることとなる今こそ、街を変える最大のチャンスであり、この機を逃せば、池袋副都心の再生はあり得ないと考えております。

計画では、質の高い舞台芸術や音楽を発信する場となり、また、成人式や小中学校の連合行事など、区民活動の檜舞台ともなる新ホールの整備、そして新ホール・新区民センターと連携した交流広場に生まれ変わる中池袋公園、南北のにぎわい動線を生み出す区道整備、池袋の顔となる新庁舎へのアクセスを担うグリーン大通り、さらには潤いと安らぎの拠点となる南池袋公園や新庁舎周辺の整備など、複数の事業を同時進行させ、新宿・渋谷とは一味違う、池袋ならではの個性あるにぎわいの創出を進めてまいります。

一方、池袋駅西側は、比較的小規模な建物が密集し、老朽化している建物も多く、災害時には課題を抱えております。そのため、平成19年より地元の方々が中心となって西口開発について検討を進めてまいりました。

昨年2月に開発協議会が中心となり、まちづくり構想(素案)を作成しておりますが、11月には、まちづくりの協力者として大手デベロッパーを迎えることになりましたので、今後は、多くの来街者が安心して回遊できる西口の実現に向けて、より具体的な検討段階へと進んでまいります。

そして、いよいよ3月末には、これら池袋東西の各種事業の要となる、現庁舎地活用に関する「事業者募集要項」を公表いたします。

昨年の7月以降、現庁舎地が持つポテンシャルやまちづくりの方針をアピールしつつ、民間事業者への聞き取り調査を重ねてまいりましたが、このヒアリングを通して、リーマンショック以後の不動産市況の回復の遅れや建築コストの高騰など、厳しい社会経済状況の中にあっても、数多くの民間事業者の現庁舎地活用への進出意欲を高めることができたものと確信しております。

事業者募集要項の公表後、8月末までを提案の受付け期間とし、11月頃には優先交渉権者を選定したいと考えております。そして、新ホールや借地権に関する優先交渉権者との協議を踏まえ、平成27年の秋頃には“定期借地権設定契約”を締結し、平成30年度末には事業者の活用計画が完成するよう取り組んでまいります。

なお、募集要項の詳細につきましては、最終的な確認を行ったうえで、今定例会の最終日にお示しいたします。

第四に、福祉について申し上げます。

まず、待機児童対策について申し上げます。

本区は、待機児童対策が大きな行政課題として取り上げられる以前から、計画的に保育施設の整備を進めてまいりました。その結果、保育希望者を認可保育園で受け入れている割合は、現在23区中で上から5番目という高い水準にあります。

さらに、昨年、待機児童対策緊急プランを策定し、小規模保育などにより約300名の受入枠を整備することといたしましたが、この緊急プランは、概ね順調に推移しており、平成26年度当初には250名の受入枠の増加を達成できる見込みであります。

しかしながら、新たな施設を整備するたびに待機児童が増えるという「潜在的待機児童問題」にも直面しておりまして、本年4月における認可保育所の入園希望者は、昨年と比べて222名増加しております。予想を上回るペースで希望者が増えているのは、こうした問題の表れであると分析しております。

また、子ども・子育て関連3法の施行により、今後、短時間勤務でも保育園に預けることが可能となりますので、更なる入園希望者の増加が予想されております。

加えて、小規模保育や保育ママは、0歳児から2歳児までが対象であるため、施設を卒園した児童が再び待機児童にならないための対策も必要になってまいります。

こうした様々な状況に対応するためには、この間進めてきた緊急的な対策に加えて、5歳児まで保育ができる認可保育所の整備をバランスよく行っていく必要があると判断いたしました。

そこで、今後の方針として、保育計画・緊急プランの実施と並行して、私立認可保育所の整備により300人から500人程度の定員枠拡大を図ることといたしました。

スピード感を持ってさらに待機児童対策を推進し、平成29年度までに待機児童ゼロを達成すべく、組織の再編も含め、積極的に対応してまいります。

次に、特別養護老人ホームの整備状況について申し上げます。

千川小学校・旧中央図書館の跡地を活用した2か所の特別養護老人ホームの整備につきましては、公共工事の入札不調が相次ぐ中で心配された施工事業者も、昨年末に決定し、それぞれに無事、着工の運びとなりました。

旧千川小学校跡地の福祉施設は、来年の春にはオープン予定であります。また旧中央図書館跡地の施設も来年春頃には完成し、夏前にはオープンする見込みとなっております。これにより、約200床の受け入れ枠が確保されることになりますが、平成26年度は、課長ポストを設置して体制強化を図り、2つの運営法人とともに円滑な入所調整に向けて取り組んでまいります。

第五に、豊島区ブランドについて申し上げます。

まず、ブランドの一つ、ソメイヨシノでありますが、3月3日から新たな52円切手の絵柄がソメイヨシノに切り替わるそうであります。また、さくら小学校、巣鴨北中学校で今月、ソメイヨシノの植樹を行うほか、4月には、日本さくらの会の桜まつり中央大会で、発祥の地をアピールしてまいります。

今年は、5月の“新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館”の開催に合わせて、JR東日本が「駅からハイキング 豊島区芸術散歩~池袋モンパルナスの面影を訪ねて」というイベントを開催いたします。池袋駅から立教大学などを経て、熊谷守一美術館など、区内の文化資源を巡り歩くコースが予定されていますが、「駅からハイキング」は、毎年、大変な人気を博しておりまして、官民協働で区のブランドを発信してまいります。

また、今年で7回目となる「としまものづくりメッセ」では、「梟」と「桜」のオリジナルフレーム切手が発売されます。豊島区のシンボルである梟、ソメイヨシノなどを生かして、今年も、あらゆる機会をとらえて区の魅力を発信してまいります。

なお、平成24年11月に都内初のインターナショナルセーフスクールの認証を取得した朋有小学校では、3年に1回の再認証に向けて動き始めています。

さらに、26年度には、区内2校目となるセーフスクール認証取得に向けて富士見台小学校で活動を開始する予定であります。

平成26年度は、豊島区ならではのオンリーワンの魅力を高め、10年後20年後を見据えた、“住みたいまち、訪れたいまちづくり”を推進する、大きな一歩を踏みだす年と位置づけ、以上申し上げました5つの施政方針を着実に推進してまいります。

2.平成26年度予算案について

次に、平成26年度予算案について申し上げます。

一般会計と3つの特別会計を加えた平成26年度の総予算規模は、1,623億9,000万円、対前年度比4.8%の伸びとなり、すべての会計がこれまでで最大の予算規模となりました。

このうち、一般会計予算は、1,080億8,600万円、対前年度比5.7%の伸びとなり、過去最大であった平成5年度予算を21年ぶりに上回っております。

一般会計予算の主な歳入では、特別区民税が258億2,700万円となり、特別区財政調整交付金は、普通交付金を285億円と見込み、特別交付金の15億円と合わせて300億円を計上いたしました。

また、地方消費税交付金は、本年4月からの消費税率のアップに伴い、12億500万円の増、30.6%のプラスとなる51億4,600万円を計上しております。

特別区債は、目白小学校、池袋第三小学校、池袋本町小中連携校の改築が重なったことなどにより、53億3,700万円、94.1%増の発行となりました。起債依存度は2.2ポイント上昇し、4.9%となりました。

次に、歳出でありますが、人件費と事業費がそれぞれ微増となり、また、投資的経費については大幅な増加となりました。

人件費については、退職手当の増により、208億2,000万円、1.2%の増となっております。

事業費については、公債費、扶助費、基金積立金などの減要素がある一方で、新庁舎の関連経費をはじめ、待機児童対策、健康対策等の事業について、積極的な新規・拡充経費を盛り込んだ結果、総額は、698億200万円、2.6%の増となっております。

投資的経費については、学校の改築が重なったことなどにより、174億6,400万円、27.9%の増となりました。

歳出の性質別予算計上の状況は以上のとおりですが、平成26年度予算は、154事業、46億円を超える新規・拡充事業を盛り込み、区民の皆さんからの新たなご要望に可能な限り応えた「積極型の予算」となっております。

また、財源不足を補う「土地の売却」や「財政調整基金の取り崩し」などの財源対策を一切講じない「堅実な予算」ともなっております。特別な財源対策を講じることなく予算を編成することができたのは、平成20年度予算以来6年ぶりであります。

さらには、財政調整基金の26年度末の残高は111億1,200万円と見込んでおりまして、本区にとって、初めて100億円を超える見通しとなりました。26年度予算は、盤石な財政運営に向けて「将来を見据えた予算」にもなっていると考えております。

平成24年度決算は、「経常収支比率」や「公債費比率」などの財政指標が大きく改善された非常によい決算でありました。加えて、今回の平成26年度予算は、「積極型」でありながら、「堅実で将来を見据えた予算」を組むことができたわけでありまして、これまでの財政健全化に向けた努力がこうした決算・予算に反映され、本区の財政構造は着実に改善しており、明るい未来に向けた様々な施策を展開していくために必要な「盤石な財政基盤」を確立しつつあると認識しております。

しかしながら、今後につきましても、景気の回復傾向に対しましても、決して気を緩めることなく、将来への備えとして可能な限り財政調整基金をはじめとした各種基金の積み増しを着実に進め、健全性・計画性・安定性を一層向上させ、引き続き、持続可能な財政運営に取り組んでまいる所存であります。

3.平成26年度の事業展開について

次に、平成26年度の事業展開について、申し上げます。

(1)安全・安心

まず、安全・安心について申し上げます。

はじめに、駅周辺エリア防災対策、すなわち帰宅困難者対策の充実・強化につきましては、「防災対策基本条例」に基づく取り組みを着実に推進してまいります。

昨年12月、区は、池袋駅に乗り入れる鉄道事業者をはじめ、駅周辺の百貨店、ホテル、大学、寺院など、17の事業所と協定を締結し、約1万人分の一時滞在施設・一時待機場所を確保いたしました。今後もこうした事業所との連携の輪をさらに広げる取組みを推進してまいります。

また、現在の「池袋駅周辺混乱防止対策協議会」を発展的に改編した「駅周辺エリア防災対策協議会」による池袋駅周辺の安全確保計画の策定に取り組んでまいります。

この計画では、実践的な訓練の実施など、これまでのソフト対策に加え、新たに情報提供体制の整備や退避経路、備蓄スペースの確保などのハード対策も盛り込み、より効果的な駅周辺エリア防災対策を推進してまいります。

次に、名簿を活用した災害時要援護者対策の取り組みについて申し上げます。

昨年末、約8,700人の対象者に対して「災害時要援護者名簿への登録のご案内」を送り、登録の意思確認をいたしました。これまでに1,000人強の方から「不同意」との連絡を受けておりますが、今後、年度末までに合計3回の意思確認の機会を設け、本人の意思に反して名簿に登載されることのないように留意して名簿の整理を行ってまいります。

また、“障害を持つ対象者”につきましては、民生委員の皆さんに情報提供を行うとともに戸別訪問をお願いし、最終的な名簿登載への確認を取っていただくことを想定しております。

そして、夏頃を目途に町会や消防機関等に対する個人情報の取り扱いについてのセミナーを開催し、地域との名簿共有を実現していきたいと考えております。

今後、福祉救援センターでの対応など、福祉事業者をはじめとする関係機関との連携協力体制のあり方等につきましても精力的に検討してまいります。

(2)福祉

次に、福祉について申し上げます。

消費税の引き上げに伴う低所得者等への対策として臨時福祉給付金・子育て世帯臨時特例給付金が支給されることになりましたが、本区においても円滑な給付ができるよう鋭意取り組んでまいります。

区内では5万人を超える対象者がいるものと推計しておりますが、広く区民の皆さんに制度の周知を図り、申請漏れが生じることのないよう進めて参ります。

そのため、26年度は時限的に担当課長を配置し、保健福祉部、区民部、子ども家庭部はもとより全庁的な連携のもとに十分な対応を図ってまいります。

次に、生活困窮者に対する支援について申し上げます。

先の臨時国会において「生活困窮者自立支援法」が可決成立しましたが、この法律の趣旨は、増加しつつある生活困窮者に対し、生活保護に至る前の段階で適切な支援を行うことにより、自立の促進を図ろうとするものであります。

本区は、平成27年4月の法施行に先立って、26年度にモデル事業を開始し、支援プランの作成や支援機関の相互連携による“自立相談支援事業”、貧困の連鎖防止を目的とした生活困窮家庭の“子どもへの支援”に取り組み、相談支援員としてコミュニティ・ソーシャルワーカーを活用する本区ならではの仕組みを構築したいと考えております。

平成27年4月からは、(仮称)自立促進課の設置を予定しておりますが、26年度には準備担当組織を設置し、円滑な事業実施体制の構築に努めてまいります。

次に、コミュニティ・ソーシャルワーカーの拡充について申し上げます。

区民の抱える悩みや相談ごとが、高齢化の進展と合わせて一層複雑化しております。また、ネグレクトにつながりかねない子どもをめぐる課題なども懸念される中、セーフティネットの結び目となるコミュニティ・ソーシャルワーカーの存在意義はますます高まり、民生委員をはじめ区民の中にその活動が広く浸透しております。

現在4圏域内の区民ひろばを拠点に配置しておりますが、26年度にさらに2圏域の拡充を図り、27年度以降早い時期に最終目標である8圏域全てで配置を行うとともに、関係機関、団体との連携を強めながら新たな事業開発や仕組みづくりを進めてまいります。

(3)健康

次に、健康について申し上げます。

昨年4月に施行した「歯と口腔の健康づくり推進条例」に基づき、昨年5月以来、「歯と口腔の健康づくり推進計画」の策定について検討を重ねてまいりました。平成26年度は、この計画に基づいて、あぜりあ歯科診療所に「在宅歯科医療相談窓口」を開設し、デジタルレントゲンシステムを更新します。

また、教育委員会においては、「歯と口腔の健康に関する教育プログラム」を策定し、区立小・中学校、幼稚園において、歯科衛生士の講話、位相差顕微鏡を活用した細菌の観察、全小学校における給食後の歯みがきなどを通じて、むし歯や歯周疾患の予防を図るなど、総合的な取組みを推進してまいります。

(4)子育て・教育

次に、子育て・教育について申し上げます。

まず、認証保育所保育料の負担軽減補助事業の拡充について申し上げます。

本事業は、認証保育所を利用している方の経済的負担を軽減するため、一定額を補助するものでありますが、この度、補助内容を大幅に拡充することといたしました。

これまで2区分、上限2万円の補助となっておりましたが、区分につきましては4区分に細分化して、補助対象者の範囲を拡大いたします。また、上限額を2万円から4万円に倍増することといたしました。

思い切った拡充を図り、保護者の皆様の要望に応え、子育てしやすい環境を整えてまいります。

次に、教育について申し上げます。

まず、「豊島区いじめ防止対策推進条例」の制定について申し上げます。

昨年6月、「いじめ防止対策推進法」が成立し、10月には、「いじめの防止等のための基本的な方針」が策定され、社会全体でいじめの問題に対峙する基本理念や体制が整えられました。東京都におきましても、今年度中に「東京都いじめ防止基本方針」、「東京都いじめ防止条例」が策定される予定であります。

本区は、一昨年9月、私と教育長の連名でいじめに関する緊急アピール「人に優しく、思いやりにあふれるまちにしよう」を発表し、いじめは絶対に許さないという断固たるメッセージを児童・生徒や区民にお伝えしてまいりました。

本年は、さらに、国や都の動向と軌を一にして、いじめ防止の条例化を図る意思決定がされたと報告を受けております。現在、教育委員会では、「いじめ防止対策方針策定委員会」を設置し、条例化に向けた作業を鋭意進めております。条例化に当たっては、学校・家庭・地域の方々、そして、何より児童生徒が論議を尽くし、反映していくことが重要ですので、丁寧な意思形成過程を経るよう支援してまいります。

次に、学校改築について申し上げます。

本年8月に竣工予定の目白小学校は、基礎工事が終わり、躯体工事が精力的に進められております。また、池袋第三小学校と池袋本町小中連携校は、基本設計が終わり、実施設計もほぼ固まりました。今後、本年4月からの池袋第二小学校に続き、順次、既存校舎の解体工事に取り掛かります。
そして、平成26年度は、巣鴨北中学校の「建替えを考える会」を立ち上げ、町会やPTAなど地域の方々との協働によって、共に学校改築を考え、地域のまちづくりと連動するよう検討を進めてまいります。

学校改築にあたりましては、地域の皆様のご意見に誠心誠意、耳を傾け、英知を結集して、時代のニーズに対応した、21世紀を担う子供たちにふさわしい、学ばせたい学校、地域の誇れる学校を建設してまいります。

(5)コミュニティ

次に、参加・協働の推進について申し上げます。

“地域区民ひろば”は、今や地域コミュニティの中心的な事業を行う拠点施設として重要視され、着々と地域に定着しております。

新庁舎が完成する平成27年度は、区民ひろばが本格実施から10年を迎える節目の年にあたります。

そこで、本年は区民ひろば未整備地区3地区のうち、設置場所のめどが立った目白・豊成の2地区について、27年度の開設をめざし、運営開始に向けた準備を進めてまいります。

また、運営協議会による自主運営はすでに5地区で実施しておりますが、東部地区では初となる「区民ひろば清和運営協議会」で自主運営の検討を進めてまいります。

さらに、立教大学・大正大学と連携し、シニア世代や学生の参画による新たな地域人材の活用を図る各種プログラムを新規に実施してまいります。

今後、ソフト、ハード両面で一層の充実を図り、豊島区民の参加と協働のシンボルとしての区民ひろばを進化・発展させ、年間利用者数100万人をめざしてコミュニティの活性化を図ってまいります。

(6)文化・産業振興

次に、産業振興について申し上げます。

わが国の景気は全体として上向きではありますが、区内事業者の経営環境は、未だ厳しいものがあります。そこで、中小企業支援のための各種補助、公衆浴場組合への助成、商店街のLED街路灯への助成などの増額を図り、事業者の皆さんへの支援を強化してまいります。

また、産業競争力強化法に基づく国の支援制度を活用し、創業支援の充実を図ってまいります。

わが国の開業率は4.6%と欧米の半分程度の水準にとどまっており、企業数や従業員数も年々減少する傾向にあることから、国は創業支援に力を入れることとしております。

本区のビジネスサポートセンターは、ワンストップ型の創業支援モデル事例として経済産業省から全国に紹介されておりますが、今後、さらに国の新たな支援制度を活用して、創業に関するノウハウの提供、専門家の紹介、資金サポートなどにおける

創業を志す方々への個別的・継続的な支援の充実を図り、区内での創業・雇用の創出に一層力を入れてまいります。

(7)環境都市

次に、環境について申し上げます。

平成21年3月に環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図る計画として策定した「豊島区環境基本計画」の改定をいたします。日本一の高密都市だからこそ、これまで掲げてきた高いレベルのCO2削減目標“平成17年度比11%減”を堅持し、引き続き地球温暖化対策に取り組んでまいります。同時に、区内では貴重な自然の恵みがあふれる豊かな環境を将来世代に受け継いでいくため、“生物多様性地域戦略”策定の一環として「豊島区の生き物情報共有事業」立ち上げます。

これまで進めてきた緑を増やすための「グリーンとしま」再生プロジェクトなどの取組みを基盤として、生き物の豊かな個性と多様な生物の営みである生物多様性の保全に取り組んでまいります。

本区には、染井村が発祥の地といわれるソメイヨシノなどの恵みがあります。

春には美しい花を愛で、夏には緑の木陰で涼を取り、秋には落ち葉で季節の移ろいを感じ、木枯らしで冬を感じる。こうした豊島区ならではの歴史や文化に彩られた景観を活かし、そこに暮らし、集う人々が身近な自然から四季を感じることができる、人と自然が共生する都市を目指してまいります。

(8)都市再生

次に都市再生について申し上げます。

まず、空き家問題について申し上げます。

本区における空き家は、昭和63年から平成20年までの20年間で約1.5倍に増えており、建物の老朽化に関する苦情も年々増加しております。この3年間の苦情件数は266件にのぼり、37件に改善を指導した結果、17件が解決しましたが、除却等、根本的な解決に至ったものは極めて少ないのが現実であります。

こうした老朽化した空き家は、今後さらに増えることが見込まれ、防犯・防災上も地域社会に大きな不安を与えていく恐れがあることから、この度、「建物等の適正な維持管理を推進する条例」を制定し、抜本的な対策の推進を図ることといたしました。

制定する条例の最大の特徴は、「住宅等検査済証」が無い老朽建築物について、区が調査し“検査済証に準じる通知書”を発行することにより、売却などの利活用を促す点にあります。加えて、老朽建物の除却費用の補助、専門家の派遣、住宅修繕・リフォーム工事にかかる助成を行い、建物が使われずに朽ちていくことを予防してまいります。

次に、放置自転車対策について申し上げます。

区内の放置自転車は、私が区長になった平成11年には14,668台に上り、全国ワースト10に池袋駅、巣鴨駅の2駅が入っておりました。その後、鉄道事業者の協力による駐輪場の整備や放置自転車撤去の強化等の対策により、平成25年には1,039台となりピーク時の14分の1にまで減少いたしました。

加えて、昨年の第4回定例会では放置自転車防止条例を改正し、附置義務駐輪場の対象区域の拡大、対象施設の用途・規模の見直しを行ったところであります。

こうした様々な施策や啓発活動を行った結果、本区の放置自転車対策は大きな成果を上げ、利用者マナーも各段に向上いたしました。今後も官民一体となって放置自転車ゼロを目指してまいります。

次に、住宅対策について申し上げます。

平成26年度は、昨年、いわゆる「脱法ハウス」が社会問題化したことなどを受け、経済的な事情などによって住宅を失った方々の住まいを確保し、再び自立した生活が送れるように、「住み替え家賃助成」や「安心住まい住宅事業」の要件拡大を図ることといたします。

また、住まいに困窮する方々がいる一方で、空き家・空き室が多数存在するという矛盾した状況を改善するため、「居住支援バンク」を立ち上げ、豊島区居住支援協議会のマッチング機能の強化を進めます。

住まいの確保は、安定した生活を送るための要のひとつでありますので、現在、策定中の住宅マスタープランでは、こうした視点のもとに、住生活の安定を図り、「安全・安心創造都市」を確立することに、さらに積極的に取り組んでまいります。

(9)その他

最後に区政全般に関連する取り組みについて申し上げます。

まず、基本計画の改定について申し上げます。

平成17年度に策定した現在の“基本計画”は、平成18年度から27年度までの10年間を計画期間としております。そのため、平成28年度以降の新たな基本計画の策定に向けて、来年度から改定作業に着手いたします。

また、マイナンバー制度については、平成27年10月に予定されている個人番号の一斉付番・通知が最大の山場となりますが、平成26年度から、特定個人情報保護評価に関する制度構築及び評価の実施、住民基本システムの改修などが必要となります。

将来的には、添付書類が不要になり手続きの迅速化・簡便化が進む、自分の個人情報の利用状況を確認できるなど、様々なメリットが生まれる制度ですが、準備段階では個人情報保護の徹底、各種システム改修・構築などの膨大な作業が想定されます。

万が一にもトラブルが生じることがないよう、怠りなく準備し、区民の皆さんに、安心で便利なサービス提供ができるよう、区を挙げて全庁的に取り組んでまいります。 

 

変革というものは、一つ起こると、必ずや次の変革を呼ぶようにできているものである。

イタリアの思想家、マキャベリの言葉でありますが、まさに、今の豊島区の状況を一言で言い表していると思います。

豊島区大改造のリーディングプロジェクトである「新庁舎の整備」に端を発し、今、これまでの停滞感を一気に吹き払うかのように、区内各地でまちの魅力を高める事業、区民生活を支える施設整備など、新たな動きが、続々と始まってきております。

私には大きな夢があります。それは、魅力的で活気にあふれ、暮らしやすいまちを区民の皆さんとともに創り上げ、次世代に引き継いでいきたい、ということであります。この大きな夢に向けて、これまで財政再建に取り組み、飛躍に向けた力を蓄えてまいりましたが、ついに今、豊島区大改造の実行期を迎えました。

議員の皆さんと、そして区民の皆さんと共に夢をかなえ、成功をつかむ時を迎えようとしております。

平成26年度は、豊島区が新たな時代を切り拓く、大きな一歩を踏み出す勝負の年であります。私は、この一身をなげうって、先頭に立って区政運営をリードしてまいる覚悟であります。

議員各位のより一層のご協力を賜りますようお願い申し上げます。

本日、ご提案申し上げる案件は、条例12件、予算6件、その他7件、合わせて25件であります。

各案件につきましては、後ほど、日程に従いまして、副区長よりご説明申し上げますので、よろしくご審議の上、ご協賛賜わりますようお願い申し上げます。

以上をもちまして、私の招集あいさつ及び所信表明といたします。

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