第2章 調査結果のまとめ 1.福祉に関する相談や情報 (1)健康・福祉に関する情報の入手手段  健康・福祉に関する情報の入手手段は、全体では「広報紙(東京都・豊島区)」が36.6%で最も多く、以下、「区役所の窓口(障害福祉課、東部・西部障害支援センター、保健所、健康相談所を含む)」(25.3%)、「病院・診療所」(22.2%)が2割台となっています。  障害区分別にみると、内部障害では「病院・診療所」、知的障害、精神障害では「区役所の窓口(障害福祉課、東部・西部障害支援センター、保健所、健康相談所を含む」が第1位にあげられています。また、視覚障害では「テレビ・ラジオ」、聴覚障害では「障害者福祉のしおり」、精神障害では「通っている学校、事業所など」が第2位にあげられています。  前回調査との比較では、「区役所窓口」の割合が増加するとともに、第5位に「インターネット」があげられています。    (2)よく利用する相談窓口  よく利用する相談窓口は、全体では「区の障害福祉課」が19.7%、「病院・診療所」が14.4%となっています。また、「特にない」は32.5%となっています。  障害区分別にみると、身体障害、肢体不自由、内部障害、視覚障害、聴覚障害では「区の障害福祉課」に次いで「東部・西部障害支援センター」の利用が多くなっています。精神障害と難病患者では「病院・診療所」、「保健所・健康相談所」、知的障害と精神障害では「通っている学校、事業所など」も他の区分より多くなっています。また、「特にない」は難病患者、視覚障害、聴覚障害で4割台となっています。  前回調査との比較では、「区の障害福祉課」「東部・西部障害支援センター」が6ポイント増加、一方、「病院・診療所」が5ポイント減少しています。 (3)相談窓口の対応の満足度  相談窓口の対応の満足度は、全体では「とても満足している」が13.0%、「おおむね満足している」が52.4%で両者をあわせた《満足》は65.4%となっています。一方、《不満》(「とても不満である」と「やや不満である」の計)は17.1%となっています。  障害区分別にみると、いずれの区分も《満足》が《不満》を上回っており、精神障害と難病患者では7割台と多くなっています。   2.外出の状況 (1)外出の頻度  外出の頻度をみると、全体では「ほぼ毎日」が57.7%、「週に3〜4回」(16.0%)、「週に1〜2回」(11.1%)が1割台となっています。  障害区分別にみると、ほとんどの区分で「ほぼ毎日」が5割以上となっており、視覚障害、聴覚障害、知的障害、精神障害で6割台となっています。 (2)外出時にけがをした経験  外出時にけがした経験は、全体では「ある」が16.4%、「ない」が76.4%となっています。  障害区分別にみると、「ある」は多くの区分で1割台となっていますが、視覚障害では35.2%と他の区分より多くみられます。 (3)自宅内でけがをした経験  自宅内でけがをした経験は、全体では「ある」が14.2%、「ない」が77.9%となっています。  障害区分別にみると、「ある」は多くの区分で1割台となっていますが、難病患者(20.8%)と身体(その他)(18.3%)で2割前後と他の区分より多くなっています。 (4)まちのバリアフリーについての満足度  まちのバリアフリーについての満足度は、全体では「とても満足している」が4.4%、「おおむね満足している」が35.9%で両者をあわせた《満足》は40.3%となっています。一方、《不満》(「とても不満である」と「やや不満である」の計)は45.6%となっており、《満足》よりやや多くなっています。  障害区分別にみると、内部障害、身体(その他)、知的障害では《満足》が《不満》より多くなっていますが、それ以外の区分では《不満》が《満足》より多く、視覚障害が63.4%、肢体不自由、難病患者では5割台となっています。  まちのバリアフリーについての満足度を居住地区別にみると、東部地区2では《満足》が50.6%と《不満》を上回っています。西部地区1は《満足》と《不満》がともに42%台で《満足》がやや上回っていますが、それ以外の地区では、《不満》の方が4割以上と多くなっており、中央地区2、中央地区4では5割台となっています。(各地区の丁目は5ページを参照) 3.就労状況 (1)現在の就労状況と今後の就労意向  現在の就労状況と今後の就労意向は、全体では「今、仕事・作業等をしており、今後も続けたい」が49.3%と多く、他を含めた「仕事をしている」は57.1%となっています。また、「今、仕事・作業等をしていないが、今後も仕事をしない」は20.7%、「今、仕事・作業等をしていないが、今後仕事をしたい」は15.1%となっています。  障害区分別にみると、「今、仕事・作業等をしており、今後も続けたい」はほとんどの区分で4割以上となっており、知的障害で68.8%、視覚障害で56.3%となっています。「今、仕事・作業等をしていないが、今後仕事をしたい」は精神障害で25.5%、「今、仕事・作業等をしているが、仕事は変えたい」は聴覚障害で13.0%と他の区分より多くなっています。 (2)現在の月収  現在の月収は、全体では「20万円以上」が28.3%、「10万円以上20万円未満」が24.0%、「5万円以上10万円未満」が15.3%、「1万円未満」が13.1%となっています。  障害区分別にみると、身体障害と肢体不自由、内部障害、視覚障害、聴覚障害、難病患者では「20万円以上」が多くなっていますが、知的障害では「1万円未満」が35.8%、精神障害では「1万円未満」が30.4%となっており、月収の少ない人の割合が比較的多くみられます。 4.社会参加等 (1)近所つき合い  近所つき合いは、全体では「積極的に行っている」は4.7%とわずかですが、「あいさつ程度はしている」が56.7%、「必要に応じて行っている」が17.7%となっています。一方、「ほとんど行っていない」も18.1%となっています。  障害区分別にみても傾向は類似していますが、聴覚障害、知覚障害では「ほとんど行っていない」が3割前後と他の区分より多くなっています。 (2)現在楽しんでいる余暇活動  現在楽しんでいる余暇活動は、全体では「テレビや音楽の鑑賞」が63.5%で最も多く、以下、「家族や友人などとの外出(食事、買い物など)」が44.6%、「インターネット」が32.4%、「各種の趣味活動」(15.7%)、「スポーツ活動(自分で行う)」(10.5%)が1割台で続いています。  障害区分別にみても上位の傾向は全体と同様で、「テレビや音楽の鑑賞」、「家族や友人などとの外出(食事、買い物など)」、「インターネット」がいずれの区分でも上位にあげられています。  前回調査との比較では、「インターネット」が5ポイント増加しています。 (3)地域の方々の障害・疾病に対する理解  地域の方々の障害・疾病に対する理解は、全体では「よく理解を得られている」が6.0%、「おおむね理解を得られている」が38.2%となっており、両者をあわせた《得られている》は44.2%となっています。一方、《得られていない》(「理解を得られていない」と「あまり理解を得られていない」の計)は48.0%となっており、《得られていない》とする人の方が多くなっています。  障害区分別にみると、「よく理解を得られている」は知的障害で17.4%と他の区分より多くなっています。《得られている》は知的障害が55.5%、肢体不自由が49.2%、身体(その他)が47.9%で《得られていない》より多くなっていますが、それ以外の区分では《得られていない》が多く、特に精神障害、難病患者、視覚障害では5割以上となっています。   (4)運動やスポーツの活動状況と今後の活動意向  運動やスポーツの活動状況と今後の活動意向は、全体では「運動やスポーツに興味があり、すでに行っている」は27.7%、「運動やスポーツに興味があるが、行っていない」が44.5%と多くなっています。  障害区分別にみると、「運動やスポーツに興味があり、すでに行っている」は視覚障害で38.0%と他の区分より多くなっています。 (5)運動やスポーツの際に困ること、行いにくいこと  運動やスポーツの際に困ること、行いにくいことは、「体調や体力に不安がある」が33.7%で特に多くなっています。  障害区分別にみると、「体調や体力に不安がある」はほとんどの区分で最も多くなっており、難病患者、内部障害、精神障害では4割台となっています。「一緒に運動やスポーツができる友人がいない」は精神障害と知的障害で、「費用が高い」は難病患者で2割台と他の区分より多くなっています。また、「行いにくいと感じていない」は聴覚障害と知的障害で2割台と比較的多くなっています。 5.障害者の権利 (1)障害者の権利を守るために充実すべき内容  障害者の権利を守るために充実すべき内容は、全体では「あらゆる障害に対する差別がなくなること」が42.8%で最も多く、以下、「誰にでも平等に機会があること」(30.8%)、「自分のことは自分で決められること」(29.2%)が続いています。  障害区分別にみると、「あらゆる障害に対する差別がなくなること」はほとんどの区分で4割以上で最も多くなっていますが、視覚障害では「自分のことは自分で決められること」、「障害者自身の能力が認められること」が38.0%で最も多くなっています。また、「希望する施設やサービスの利用が可能であること」は知的障害で31.2%と他の区分より多くなっています。  前回調査との比較では、「誰にでも平等に機会があること」は前回調査から18ポイント、「多様な活動に参加し、社会に受け入れられること」は6ポイント増加しています。一方、「障害の違いを互いに認め合えること」は10ポイント減少しています。 (2)虐待を受けた経験の有無  虐待を受けた経験は、全体では「ある」が16.6%、「ない」が76.1%となっています。  障害区分別にみると、「ある」は多くの区分で1割台となっていますが、精神障害では40.1%、視覚障害では33.8%と他の区分より多くなっています。  前回調査との比較では、「ある」は8ポイント増加、「ない」は10ポイント減少しています。 (3)障害者に対する差別  障害者に対する差別は、全体では「よく感じる」は7.5%、「時々感じる」は24.3%となっており、両者をあわせた《感じる》は31.8%となっています。一方、《感じない》(「全く感じない」と「あまり感じない」の計)は59.6%となっています。  障害区分別にみると、「時々感じる」は視覚障害と聴覚障害で3割台と他の区分より多くなっています。視覚障害と聴覚障害では、《感じる》と《感じない》が二分していますが、他の区分はいずれも《感じない》が5割以上となり、特に内部障害と難病患者では7割近くとなっています。  前回調査との比較では、「感じる(計)」はやや減少し、「感じない(計)」がやや増加となっています。 (4)差別を感じたときの相談経験の有無  差別を感じたときの相談経験の有無は、全体では「ある」は5.3%、「ない」は75.6%となっています。  障害区分別にみると、「ある」はいずれの区分でも1割未満となっています。 6.豊島区等への要望 (1)行政に対する要望  行政に対する要望については、全体では「給付金や手当の充実」が42.8%で最も多く、以下、「医療費の軽減等医療制度の充実」が35.4%、「道路や交通機関、公共施設の整備(バリアフリー化)」(28.3%)、「障害者への理解を深めるための啓発・広報活動」(25.0%)、「制度やサービスについての情報提供」(23.6%)が2割台となっています。  障害区分別にみると、知的障害では「病気の人や障害者、高齢者に配慮した防犯・防災対策の推進」(33.9%)、「グループホーム等の整備」(33.5%)、精神障害では「就労の支援や職業訓練の充実」(32.3%)が3割台で上位にあげられています。