障害者差別解消法 職員対応マニュアル 平成28年11月 豊島区 豊島区障害者差別解消法職員対応マニュアル はじめに  平成28年4月1日に障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(以下「障害者差別解消法」といいます。)が施行されました。 この法律は、障害のあるなしに関わらず、全ての人が互いに認め合い、共に生きる社会を目指しています。  この職員対応マニュアルは、法律の概要や、対応の具体例、様々な障害の特性について、分かりやすく説明したもので、職員対応要領を補完する役割も有しています。  全ての人が心豊かに暮らせるまちづくりを目指すための取組みとして、日々の業務の参考にしていただきたいと思います。 目次   マニュアルの活用にあたり〜対応の基本と考え方〜 1 障害者差別解消法とは  1 法の概要 1ページ  2 行政機関等及び民間事業者に求められること 2ページ 2 障害者差別解消法が求めること  1 不当な差別的取扱いの禁止  3ページ   (1) 基本的考え方   (2) 正当な理由の判断の視点  2 合理的配慮の提供 4ページ   (1) 基本的考え方   (2) 意思の表明の方法   (3) 過重な負担について   (4) 建設的対話について   (5) 環境の整備  3 様々な場面における対応 6ページ         @ 案内・誘導    A 相談・説明    B 手続    C 緊急時の対応    D 情報アクセシビリティ     4 障害特性について   1 視覚障害 8ページ  2 聴覚障害 9ページ  3 盲ろう                          4 肢体不自由 10ページ  5 構音障害 11ページ  6 失語症                          7 高次脳機能障害 12ページ  8 内部障害 13ページ  9 重症心身障害・その他医療的ケアが必要な者         10 知的障害 14ページ  11 発達障害 15ページ  12 精神障害 16ページ  13 難病 18ページ 5 豊島区の相談体制の整備等  ・ 区の相談体制の整備について 19ページ                ・ 区職員による障害者差別への対応フロー 20ページ  ・ 障害者差別に関する相談処理フロー 21ページ  ・ 相談処理報告書/相談処理依頼・報告書 22ページ   ・ 職員対応要領                     25ページ                    6 参考情報                           身体障害者補助犬 31ページ   手話通訳者派遣センター 32ページ              ヘルプマーク 33ページ   ヘルプカード 34ページ   災害バンダナ 35ページ   音声による情報保障 〜DAISY・音声コード〜   簡単な手話(あいさつ) 36ページ       参考ホームページ 37ページ マニュアルの活用にあたり〜対応の基本と考え方〜 「障害者だから」と特別扱いをするのではなく、まずは接遇の基本に立ち返り、丁寧な対応を心がけることが大切です。日常生活や社会生活の中で生じる、障害を理由とする困難さを少しでも軽減するため、以下を参考に柔軟な対応をお願いします。  @ 相手の「人格」を尊重し、相手の立場に立ち対応します。   ・ 相手の立場に立ち、「明確に」「丁寧に」分かりやすい対応を心がけます。   ・ 介助者や手話通訳者等ではなく、障害者に直接対応するように心がけます。   ・ 思い込みや押し付けにならないよう、どのような配慮が必要か、本人が必要と考えていることを確認します。    A 困っている方には進んで声をかけます。   ・ 窓口を訪れる方の障害の有無や種類は明確ではありません。自分から合理的配慮を申し出ることが難しい場合もあるため、常に来庁者に配慮し、困っているような様子が見受けられたら、「お手伝いしましょうか?」等と、こちらから声をかけるようにします。     その際は、障害の種類や内容を問うのではなく、「どのような手助けが必要か」を本人に尋ねます。 状況に応じて「はい」「いいえ」で答えられる質問を使い、相手の意思を確認します。  ※ 本人が「ヘルプマーク」や「ヘルプカード」を持っているときは、書かれた内容を確認し、必要な支援や緊急連絡先への連絡を行います。(ヘルプカード・ヘルプマークの詳細は、33・34ページを参照してください。)    B コミュニケーションを大切に、柔軟な対応を心がけます。   ・会話が難しいと思われる場合でも、「ゆっくり」「丁寧に」「繰り返し」相手の意思を確認します。   ・聞き取れなかったり、分からなかったりした場合は、分かったふりをせず、相手を傷つけないよう尋ね方に留意した上で確認します。   ・個々の場面や障害特性に応じ、柔軟な対応を心がけます。   ・対応方法がよく分からないときや想定外のことが起きたときは、一人で抱えず周囲に協力を求めます。  C 言葉遣いやプライバシーにも配慮します。   ・差別的な言葉はもとより、子ども扱いするような言葉や、特別扱いした言葉はつかいません。   ・障害の原因や内容について、必要がないのに聞いたりしません。   ・仕事上知り得た個人情報については、守秘義務を徹底します。 1 障害者差別解消法とは  1 法の概要   目的:この法律は、障害のある方への差別をなくすことで、障害のある人もない人も共に生きる社会をつくることを目指しています。    法律の対象範囲等     @障害者      障害があり、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活や社会生活に相当な制限を受ける状態にある人のことです(障害者手帳のない方も含みます。)。           A行政機関等      国の府省庁や都道府県、区市町村などのことです。     B民間事業者      商業その他の事業を行う企業や団体、店舗などのことで、個人事業者や非営利のものも含みます(地方公営企業を含みます。)。           C対象となる分野      障害者が日常生活や社会生活で関わる全ての分野が対象です。ただし、行政機関等及び民間事業者が事業主としての立場で労働者に対して行う障害を理由とする差別を解消するための措置については、障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)の定めるところによります。    差別解消のための措置等     @不当な差別的取扱いの禁止…行政機関等、民間事業者ともに法的義務     A合理的配慮の不提供の禁止…行政機関等は法的義務、民間事業者は努力義務    差別解消のための支援措置等     国や地方公共団体は、相談・紛争解決の体制整備、地域における連携、普及・啓発活動の実施等の取組を行うものとされています。        2 行政機関等及び民間事業者に求められること           行政機関等 (職員対応要領を遵守) 民間事業者 (分野ごとの対応指針を遵守) 不当な差別的取扱い 禁止 禁止 合理的配慮の提供 法的義務 努力義務  (1)行政機関等の職員に求められること    地方公共団体は、国と同様、障害者差別の解消に率先して取り組む主体として、不当な差別的取扱いの禁止及び合理的配慮の提供が法的義務とされています。    豊島区では、職員の服務規律の一環として、職員対応要領を定めております。職員対応要領や本マニュアルを参考にし、職員は適切な対応を取らなくてはなりません。    豊島区が設置する施設や事業所等で、主務大臣が定める対応指針の分野に係る民間事業者として事業を行う場合やこれに類似する事業を行う場合等は、該当する分野の対応指針にも従う必要があります。    また、行政機関等が施設の運営や事務・事業を民間事業者に委託する場合等には、民間事業者が適切に合理的配慮を提供できるよう留意が必要です。       (2)民間事業者の従業者に求められること    民間事業者には、不当な差別的取扱いの禁止が義務付けられる一方、その事業内容や規模により、障害のある方との関わり方や求められる配慮も多種多様であることから、合理的配慮の提供については一律に義務とはせず、努力義務とされています。民間事業者は、対応指針に従い、主体的な取組が望まれます。 2 障害者差別解消法が求めること  1 不当な差別的取扱いの禁止    不当な差別的取扱い 正当な理由なく、障害を理由として、サービスの提供を拒否したり、制限したりすること。障害のない人には付けない条件を付けたりすること。  (1)基本的考え方 ・ 行政機関等又は民間事業者は、正当な理由なく、障害者の権利利益を侵害してはなりません。 ・ 障害者の事実上の平等を促進し、又は達成するために必要な特別な措置は、不当な差別的取扱いには当たりません。 ・ 障害者を障害者でない者と比べて優遇する取扱い(いわゆる積極的改善措置)、障害者差別解消法に規定された合理的配慮の提供による障害者でない者との異なる取扱いや、合理的配慮を提供するために必要な範囲で、プライバシーに配慮しつつ障害者に障害の状況等を確認することは、不当な差別的取扱いには当たりません。 ・ 正当な理由に相当するか否かは、個別の事案ごとに判断することが必要です。  (2)正当な理由の判断の視点   障害者に対して、サービスや各種機会の提供を拒否するなどの取扱いが、不当な差別的取扱いであるかどうかは、その取扱いを行う正当な理由の有無により判断されます。 正当な理由に相当するのは、それが客観的に見て正当な目的の下に行われたものであり、その目的に照らしてやむを得ないと言える場合です。正当な理由に相当するかどうかは、事案ごとに、障害者、民間事業者、第三者の権利利益の保護等の観点から、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断することが必要です。  正当な理由があると判断した場合には、障害者にその理由を説明し、理解を得るよう努めることが必要です。また、「正当な理由」を根拠に、単に抽象的に事故の危惧がある、危険が想定されるといった理由によりサービスを提供しないことは適切ではありません。  2 合理的配慮の提供      合理的配慮 障害のある方は、ある一つの目的について、障害の特性に応じて、障害のない方と は違う方法をとることで、障害があっても、障害のない方と平等の結果を得られるようになります。この際、「違う方法」を取れるようにすることが、合理的配慮です。 社会的障壁 障害のある人にとって日常生活や社会生活を送る上で、障壁となる様々なもの。 (事物・制度・慣行・観念) 例)急な階段、早口で分かりにくい説明、障害者を冠婚葬祭に呼ばない、偏見など (1)基本的考え方 ・ 行政機関等は、障害者から社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合に、その実施に伴う負担が過重でないときは、社会的障壁を除去するための必要かつ合理的な取組を行わなければなりません(民間事業者については努力義務)。 ・ 申出のあった方法では対応が難しい場合でも、建設的対話を通じて、代替措置の選択も含め、柔軟に対応することが重要です。 ・ 過重な負担については、個別の事案ごとに、行政機関等及び民間事業者が、事務・事業への影響の程度等を考慮し、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断し、障害者に説明することが必要です。 〇留意点  ・合理的配慮は、事務又は事業の目的・内容・機能の本質的な変更には及びません。  ・合理的配慮の内容は、技術の進展、社会情勢の変化等に応じて変遷します。  ・合理的配慮が必要な障害者の利用が多く見込まれたり、障害者との関係が長期にわたる場合等には、後述の「環境の整備」を考慮し、いわゆるバリアフリー化や、情報保障のための機器の導入を行うことが望ましいです。 (2)意思の表明の方法   意思の表明は、具体的場面において、社会的障壁の除去に関する配慮を必要としていることを、言語(手話を含みます。)のほか、点字、拡大文字、筆談、実物の提示や身振りサイン等による合図、触覚による意思伝達など、障害者が他人とコミュニケーションを図る際に必要な手段(通訳を介するものを含みます。)により伝えることをいいます。   また、知的障害や精神障害(発達障害を含みます。)等により本人からの意思の表明が困難な場合には、障害者の家族、支援者・介助者、法定代理人等、コミュニケーションを支援する者が本人を補佐して行うものも含まれます。   なお、意思の表明がない場合であっても、障害者が社会的障壁の除去を必要としていることが明白であるときには、当該障害者に対して適切と思われる配慮を提供するために、職員自らが建設的対話を積極的に働きかけるなど、自主的に取り組むことが望まれます。 (3)過重な負担について  過重な負担については、具体的な検討をせずに過重な負担を拡大解釈するなどして法の趣旨を損なうことなく、個別の事案ごとに、以下の要素等を考慮し、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断することが必要です。過重な負担に当たると判断した場合、障害者にその理由を説明し、理解を得るよう努めることが望まれます。   合理的配慮は、以下のような視点を踏まえ、個別の状況等に基づき、対応することが重要です。  @ 事務・事業への影響の程度    事務・事業の目的、内容、機能を損なうか否か    当該措置を講ずることによるサービス提供への影響、その他の事業への影響の程度  A 実現可能性の程度(物理的・技術的制約、人的・体制上の制約)    施設の立地状況や所有形態等、当該措置を講ずるための機器や技術、人材の確保、設備の整備等の制約に応じた実現可能性の程度  B 費用の程度  C 事務・事業規模  D 財政・財務状況 (4)建設的対話について   合理的配慮の方法は、一つではありません。申出のあった方法では対応が難しい場合でも、お互いが持っている情報や意見を伝え合い、建設的な対話に努めることで、目的に応じて代替となる手段を見つけていくことが大切です。    (5) 環境の整備   合理的配慮を必要とする障害者の利用が多数見込まれる場合、障害者との関係性が長期にわたる場合等には、その都度の合理的配慮の提供ではなく、「環境の整備」を考慮に入れることにより、中・長期的なコストの削減・効率化につながる点は重要です。   この環境の整備とは、合理的配慮が必要な障害者の利用が多く見込まれたり、障害者との関係が長期にわたる場合等には、いわゆるバリアフリー化や、情報保障のための機器の導入などの対応を行うことです。  合理的配慮は、上述の、障害者等の利用を想定して事前に行われる建築物のバリアフリー化、介助者等の人的支援、情報アクセシビリティの向上等の環境の整備を基礎として、その上で、個々の障害者に対して、その状況に応じて個別に実施される措置です。したがって、各場面における環境の整備の状況により、合理的配慮の内容は異なることとなります。同時に、技術革新により、環境の整備に係る投資負担の軽減をもたらすこともあることから、技術進歩の動向を踏まえた上で、対応策を検討することが大切です。 3 様々な場面における対応の例    障害のある方への合理的配慮の提供について、各場面における対応を例示します。   @ 案内・誘導   ・ 入口付近で困っていそうな方を見かけたら、「お手伝いしましょうか」等、積極的に声をかけます。   ・ ドアの開閉が困難な方には開閉をお手伝いします。   ・ 受付の手順等については、障害の特性と必要性に応じ、慣行を柔軟に変更します。   A 相談・説明   ・ 訪問した方の話をよく聞き、訪問目的を的確に把握します。相談内容の把握が難しい場合は、必要に応じて複数の職員で対応します。   ・ 説明が的確に伝わるように、「明確に」「ゆっくり」「丁寧に」「繰り返し」話します。   ・ 伝えることや理解することに配慮が必要な方に対しては、必要に応じ、絵、図、写真等も使って説明します。   ・ 事前に訪問が分かっている場合は、障害特性に応じた方法で説明できるよう、あらかじめ説明資料等の準備をしておきます。   ・ 専門的な用語を避け、ポイントを明確に、文章は短く、一般的な分かりやすい言葉で説明します。   B 手続  ・ 書類の記入方法については、記入例も含めて文書で大きく分かりやすく表示しておきます。  ・ 自筆が困難な場合には、本人の意思を確認した上で、可能な限り代筆を行い、代筆した内容を本人に確認するとともに、その旨を記録しておくことが必要になります。自署する場合は、署名欄の部分だけを切り取った枠(サインガイド)を別途用意することで、位置が明確になり署名しやすい方もいます。   【選挙】 ・ 自分で投票用紙を押さえることが難しい方のために、重しなどを準備します。 ・ 視覚障害者が投票する際は、本人自身が投票用紙を投函するかどうか、必ず本人の意思を確認します。その際は投函口だけでなく、投票箱全体を触って確認してもらいます。自力で投函口を探して投函するまで見守り、難しいようであれば、必ず本人の意思を確認の上、職員が代わりに投函します。  C 緊急時の対応 ・ 火災等の緊急時には、障害の特性に合わせたコミュニケーション方法により、情報を的確に伝達し、迅速に避難誘導します。 ・ 日常的な避難訓練において、障害のある方を交えた上で、車いすやアイマスクを用いた疑似体験を実施し、安全な避難方法を確認するなど、自力での移動が困難な方の補助体制を確保できるように努めます。 ・ 避難路の段差をなくすとともに、荷物等で通路をふさがないようにします。 ・ 急病時に本人がかかりつけの医療機関への連絡を希望する場合は、協力します。 ・ 聴覚障害がある場合、緊急放送が流れても聞こえないので、今起きていることなど、必要な情報は、音声だけでなく紙に書いて渡したり、掲示したりする等、複数の手段で伝えることが必要です。   D 情報アクセシビリティ ・ 障害特性によっては、一つの情報伝達方法だけでは伝わらない場合があるので、障害者の状況を想定し、複数の情報伝達方法を用いる等、必要な配慮を行います。   ・ 問合せ先等を記載する場合は、電話、FAX、メールアドレス等の複数の情報を盛り込みます。    【説明・通知文書、冊子等の印刷物】 ・ 視覚障害がある場合、通常の紙の印刷物では内容が分からないため、説明文書や通知、封筒について、点字版、拡大文字版、テキストデータ、音声データ(カセットテープやDAISY、音声コード化したものを含む。)など、対象となる方の状況を踏まえ、様々な手段による情報提供を行う。 ・ 知的障害や発達障害などにより、理解することに配慮が必要な方の場合、必要に応じて、漢字に、ひらがなのルビを振った資料や、図やイラストを使用した資料、分かりやすい版の資料を作成する。  【ホームページ】 ・ 画像等を張り付ける場合は、説明用のテキストを作成する。 ・ 誰にとっても利用しやすいホームページとなるよう、「豊島区ホームページウェブアクセシビリティガイドライン」(職員ポータル>部門別>政策経営部>広報課)を参照し、レイアウト等を行う。    【講演会、イベント、説明会】 ・ 聴覚障害がある場合、説明者の話が聞こえないので、講演会等の申込みの際に、必要な配慮の有無を確認し、手話通訳等派遣センター等に連絡して、手話通訳や要約筆記者の手配をする。なお、手話通訳等を行う際、手話通訳者の立ち位置や照明の加減等の配慮も必要となる。 ・ 知的障害や発達障害などにより、理解することに配慮が必要な方には、説明内容を要約したり、分かりやすい言葉に置き換えて、補足説明を行う。また、必要に応じて、事前に口頭で説明し、意見を聞く場を設ける。 ・ 視覚障害者は、会議資料等の確認に時間を要するため、できるだけ確認しやすい形式で、事前に資料を送付するよう配慮する。 4 障害特性について  障害のある方と接する際には、それぞれの障害に応じた対応が求められます。以下に、代表的な障害特性と対応時の配慮点を簡単にまとめています。なお、いくつかの障害が重複している方も多くいらっしゃいます。  また、ここに掲載している内容はあくまでも例示であり、個人によって特性や必要な配慮は異なります。一人一人に合わせた柔軟な対応を心がけてください。 1 視覚障害 〔主な特性〕   ・ 視覚的な情報を全く得られない又はほとんど得られない人と、文字の拡大や視覚 補助具等を使用し保有する視力を活用できる人に大きく分けられる   ・ 暗い所で極端に視力が落ちる方や、普通では眩しくない程度の光でも、過敏にな り眩しさや痛みを感じる方もいる   ・ 視野障害は、目を動かさないで見ることのできる範囲が狭くなる ・ 視覚障害者全てが、点字の読み書きができるとは限らない ・ 視力をある程度活用できる人の場合は、補助具を使用したり文字を拡大したり近づいて見ることで情報が得られる 〔主な対応〕 ・ 声をかける時には前から近づき「○○さん、こんにちは。△△です。」など自ら名乗る ・ 腕や白杖をつかんだり、肩や背中を後ろから押さない。歩行は、介助者の腕や肩をつかんでもらい、歩く速度を相手に合わせることを基本とする   ・ 主に弱視の場合、室内における照明の状況に応じて、窓を背にして座ってもらうなどの配慮が必要となる ・ 「こちら」「あちら」「これ」「それ」などの指示語は使わない。具体的に、「30センチ左」、「3歩先」などと説明する ・ 方向は時計の文字盤に見立てた説明をすると分かりやすい <例>「9時の方向にポストがあります。」    (手前が6時、右方向が3時) ・ 視覚障害の方から依頼があった場合には、 資料を読み上げる、書類に代筆するなどの対応をする ・ 弱視者がパソコン画面を見る際に、白黒反転することにより、文字が見えやすくなることがある(ユーザー補助の画面で切り替え可能)   2 聴覚障害 〔主な特性〕   ・ 生まれつき耳の聞こえない方は、手話でコミュニケーションをとる人が多い   ・ 補聴器や人工内耳を装用している場合、スピーカーを通じた音等、残響や反響のある音は、聞き取りにくい   ・ 聴覚障害は外見上分かりにくい障害である   ・ 聴覚の活用による言葉の習得が難しいいことから、聴覚障害者の国語力は様々で あるため、筆談の場合は、相手の状況に合わせ、簡潔で分かりやすい表現にする   ・ 自らの声が聞こえないことから、発音が不明瞭な方もいる 〔主な対応〕   ・ 手話や文字表示、手話通訳や要約筆記者の配置など、目で見て分かる情報を提示して、コミュニケーションをとるよう配慮する ※ 32ページ「手話通訳者派遣センター」参照   ・ 音声だけで話すことは極力避け、視覚的なより具体的情報も併用する   ・ スマートフォンなどのアプリに音声を文字に変換できるものがあり、これらを使用すると筆談を補うことができる   ・ 補聴器や人工内耳を装用している人に、マイクやスピーカーの音声を伝えるために、代替する対応(磁気ループの利用等)も必要に応じて検討する   ・ 話をする際は、目や顔をしっかりと見て、十分に理解できたかどうか、目や顔の表情等を見て確認する ・ 口話の場合は「少しゆっくりめに」「はっきり」口を動かす   3 盲ろう 〔主な特性〕   ・ 視覚と聴覚の重複障害の人を「盲ろう」と呼んでいるが、障害の状態や程度によって様々なタイプに分けられる(視覚障害、聴覚障害の項も参照のこと) 〔主な対応〕   ・ 盲ろう者関係機関に相談し、対応に関する助言を受ける   ・ 障害の状態や程度に応じ視覚障害や聴覚障害の人と同じ対応が可能な場合があるが、 同様な対応が困難な場合が多く、手書き文字や触手話(相手の手話に直接触れて読み取る)、指点字(相手の指を点字タイプライターに見立て、指に点字を打つ)などの代替する対応や移動の際にも配慮する   ・ 言葉の通訳に加えて、視覚的・聴覚的情報についても意識的に伝える    <例> 状況説明として、人に関する情報(人数、性別等)や環境に関する情報(部屋の大きさや机の配置、その場の雰囲気等)など 4 肢体不自由(車いすを使用している場合) 〔主な特性〕   ・ 原因となる疾病や障害の程度により、全く立ち上がれない方や、ある程度の歩行ができる方まで状況は様々である   ・ 上肢にも障害がある場合は、筆記等が困難な方もいる   ・ 車いす使用者にとっては、段差や坂道が移動の大きな妨げになる   ・ 脊髄損傷等により、体温調整が困難な人もいる   ・ 手動車いすの使用が困難な場合は、電動車いすを使用する場合もある   ・ 障害が重複する場合には、呼吸器を使用する場合もある   ・ 目線が低いため、立ったまま話されると、見下ろされたように感じ、威圧感を受ける場合がある 〔主な対応〕   ・ 段差をなくす、車いす移動時の幅・走行面の斜度、車いす用トイレ、施設のドアを引き戸や自動ドアにするなどの配慮を行う   ・ 机アプローチ時に車いすが入れる高さや、作業を容易にする手の届く範囲を考慮する   ・ ドア、エレベーターの中のスイッチなどの機器操作のための配慮を行う   ・ 目線をあわせて会話するよう気を配る   ・ 体温調整障害がある場合は、部屋の温度管理に配慮する   ・ 自分で移動できる人には、過度な干渉は不要なこともあるので、本人の意向を確認する   4 肢体不自由(杖などを使用している場合) 〔主な特性〕   ・ 歩行の障害など、目に見える障害だけでなく、失語症や高次脳機能障害がある場合もある   ・ 長距離の歩行が困難であったり、階段、段差、エスカレーターや人ごみでの移動が困難な場合もあり、配慮する必要がある 〔主な対応〕   ・ 上下階に移動するときのエレベーターの設置や、階段の手すりの設置を行う   ・ 休憩できる椅子やベンチ等を設置する   ・ 滑りやすい床などは転びやすいので、雨天時などの対応に留意する   ・ トイレでの杖置きの設置や、靴の履き替えが必要な場合に椅子を用意するなどの配慮を行う   ・ 上肢に障害がある場合は、片手や筋力低下等、障害の状況に応じて作業をサポートする 5 構音障害 〔主な特性〕   ・ 本人が話す言葉自体を聞き取ることが困難な状態である   ・ 話す運動機能の障害、聴覚障害、咽頭摘出などの原因がある 〔主な対応〕   ・ しっかりと話を聞く   ・ 会話補助装置などを使ってコミュニケーションをとることも考慮する 6 失語症 〔主な特性〕  <聞くことの障害>   ・ 音は聞こえるが「言葉」の理解に障害があり「話」の内容が分からない   ・ 単語や簡単な文なら分かる人でも、早口や長い話になると分からなくなる  <話すことの障害>   ・ 伝えたいことをうまく言葉や文章にできない   ・ 発話がぎこちない、言いよどみが多くなったり、本人が考えていることと違う言葉が出てしまうこともある  <読むことの障害>   ・ 文字を読んでも理解が難しい  <書くことの障害>   ・ 書き間違いが多い、また、「てにをは」などをうまく使えない、文を書くことが難しい 〔主な対応〕 ・ 表情が分かるよう、顔を見ながら、ゆっくりと短い言葉や文章で、分かりやすく話しかける ・ 一度でうまく伝わらない時は、繰り返して言ったり、別の言葉に言い換えたり、漢字や絵で書いたり、写真・実物・ジェスチャーで示したりすると理解しやすい ・ 「はい」「いいえ」で答えられるように問いかけると理解しやすい ・ 話し言葉以外の手段(カレンダー、地図、時計など身近にあるもの)を用いると、コミュニケーションの助けとなる ※ 「失語症のある人の雇用支援のために」(独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構障害者職業総合センター)より一部引用 7 高次脳機能障害 〔主な特性〕 ・ 交通事故や脳血管障害などの病気により、脳にダメージを受けることで生じる認知や行動に生じる障害。以下の症状が現れる場合がある。  <記憶障害>   ・ すぐに忘れてしまったり、新しい出来事を覚えることが苦手なため、何度も同じことを繰り返したり質問したりする  <注意障害> ・ 集中力が続かなかったり、ぼんやりしていてしまい、ミスが多く見られる ・ 二つのことを同時にしようとすると混乱する ・ 主に左側で、障害物に気が付かないことがある  <遂行機能障害> ・ 自分で計画を立てて物事を実行したり、効率よく順序立てられない  <社会的行動障害> ・ ささいなことでイライラしてしまい、興奮しやすい ・ こだわりが強く表れたり、欲しいものを我慢できない ・ 思いどおりにならないと大声を出したり、時に暴力をふるったりする  <病識欠如> ・ 症状があることに気付かず、できるつもりで行動してトラブルになる    〔主な対応〕  <記憶障害> ・ 手がかりがあると思い出せるので、手帳やメモ、アラームを利用する ・ ルートマップを持ち歩いている人も多いので、必要に応じて確認する   ・ 自分でメモを取ってもらい、双方で確認する   ・ 残存する受傷前の知識や経験を活用する   <注意障害>   ・ こまめに休憩が取れるよう配慮する   ・ 一つずつ順番にやる   ・ 左側に危険なものを置かない   <遂行機能障害>   ・ 手順書を利用する   ・ 段取りを決めて目につくところに掲示する   ・ スケジュール表を見ながら行動したり、チェックリストで確認する   <社会的行動障害> ・ 感情をコントロールできない状態にあるときは、上手に話題や場所を変えてクールダウンを図る ・ あらかじめ行動のルールを決めておく 8 内部障害 〔主な特性〕 ・ 心臓機能、呼吸器機能、腎臓機能、膀胱・直腸機能、小腸機能、肝機能、HIVによる免疫機能のいずれかの障害により日常生活に支障がある ・ 常に医療的対応を必要とすることが多い ・ 外見からは、障害があることが分かりにくい人もいる ・ 疲れやすく、長時間の立位、早く歩くこと、負荷を伴う歩行や作業が困難な場合がある 〔主な対応〕   ・ ペースメーカーは外部からの電気や磁力に影響を受ける可能性があるため注意す る   ・ 排泄に関し、人工肛門(ストマ)の場合、パウチ洗浄等特殊な設備が必要となる ことに配慮する   ・ 呼吸器機能障害のある方は、慢性的な呼吸困難、息切れ、咳等の症状があること を理解し、息苦しくならないよう、楽な姿勢でゆっくり話をしてもらうよう配慮 する     9 重症心身障害・その他医療的ケアが必要な方 〔主な特性〕 ・ 重度の肢体不自由と、重度の知的障害が重複している   ・ てんかんを有していることが多い ・ 特殊型車いすやストレッチャー型車いすを使用していることが多い ・ 誤嚥を起こしやすいため、通常の食事が摂れない場合には、食事の形態を変えるなど特別な配慮が必要である ・ 常に医学的な管理を必要とし、人工呼吸器を使用する場合や、胃ろうや吸引など医療的ケアが必要な人もいる 〔主な対応〕 ・ 人工呼吸器などを装着して専用の車いすで移動する人もいるため、電車等の乗降時等人手が必要なときは、周囲の人が介助者に声をかけ、何を手伝えばよいか聞くなど配慮する ・ 体温調整がうまくできないことも多いため、急な温度変化や一定の湿度の保持等 環境に配慮する 10 知的障害 〔主な特性〕   ・ 「考えたり、理解したり、読んだり、書いたり、計算したり、話したり」する等の知的な機能に発達の遅れが生じる障害である ・ 外見からは分かりにくいことがある ・ 複雑な事柄の理解や判断が難しい場合がある   ・ 理解できても、話したり、書くといった表現が苦手な方もいる   ・ 人にたずねたり、自分の意見を的確に表すなどコミュニケーションを上手にとることが苦手な方もいる ・ 突発的な出来事に対して、臨機応変に行動することが難しい場合がある ・ 自信のなさから、消極的になったり、逆にできないことでも「できる」と言ってしまい、誤解を受けてしまうことがある ・ 相手の気持ちや都合を考えて行動することが苦手で、誤解されてしまう方もいる   ・ てんかんを合併する場合もある    〔主な対応〕   ・ 抽象的な表現を避け、短い言葉で、ゆっくり、丁寧に、分かりやすく話す   ・ 本人の返事をじっくり待つ   ・ 文書は、漢字を少なくしてルビを振るなどの配慮で理解しやすくなる場合がある   ・ 写真、絵など分かりやすい情報提供を工夫する ・ 大切なことはメモにして渡す   ・ 説明が分からないときに提示するカードを用意したり、本人をよく知る支援者が同席するなど、理解しやすくなる環境を工夫する ・ 支援者がいても、まずは本人に話しかけ、本人の意思を確認するようにする 11 発達障害 〔主な特性〕   ・ 相手の表情や態度やその場の雰囲気などを読み取ることが苦手な方もいる   ・ 見通しの立たない状況では不安が強くなることがある   ・ 大勢の人がいる所や気温の変化などの感覚刺激への敏感さがある方もいる   ・ 遠回しの言い方や曖昧な表現は伝わりにくいことがある ・ 「話す」「理解」はできるが、「読む」「書く」「計算する」などが、苦手な方もいる(LD) ・ 周りのことが気になってしまい、なかなか集中できなかったり、予定を忘れてしまったり、考えるより先に行動してしまうことがある(ADHD) ・ 初対面では周りに障害があることが分かりにくい面がある ・ 診断名や手帳の有無に関わらず、潜在的に多くの対象者がいる 〔主な対応〕   ・ 本人をよく知る専門家や家族にサポートのコツを聞く   ・ 肯定的、具体的、視覚的な伝え方を工夫する(シンプルな伝え方、その人の興味関心に沿った内容や図・イラストなどを使って説明するなど) ・ 手順を示す、モデルを見せる、体験練習をする、新しく挑戦することは少しずつにするなど支援の仕方を工夫する ・ 読み書きが苦手な場合は、「書類の見本を作成して示す」「職員が鉛筆で下書きする」などの対応をする   ・ 感覚過敏がある場合は、音や肌触り、室温など感覚面の調整を行う(イヤーマフを活用する、大声で説明せずホワイトボードで内容を伝える、人とぶつからないように居場所を衝立などで区切る、クーラー等の設備のある部屋を利用できるように配慮するなど)   ・ 本人の返事をじっくり待つ ・ 気が散りにくい座席や場所を準備する  12 精神障害(統合失調症の場合) 〔主な特性〕   ・ 「幻覚」、「幻聴」や「妄想」があらわれることもある ・ 疲れやすく集中力が保てず、人づきあいを避け引きこもりがちになることもある ・ 相手の話の内容をつかみづらいことがある ・ 薬の副作用でボーっとしてしまったり、過去に否定される経験の多くから、緊張感が高い方もいる    〔主な対応〕 ・ 脳の病気であることを理解し、病気について正しい知識を学ぶ必要がある ・ 一度に多くの情報が入ると混乱するので、伝える情報は紙に書くなどして整理し てゆっくり具体的に伝えることを心掛ける ・ 不安を感じさせないような穏やかな対応をする ・ 本人の返事をじっくり待つ ・ 説明の途中で一呼吸置くなど、理解してもらえているか確認しながら対応する ・ 書類やパソコンばかり見て話すことは避け、相手の目を見て対応するが、場合によっては相手が目をそらすこともあるので、臨機応変に対応する   12 精神障害(気分障害の場合) 〔主な特性〕 ・ 気分の波が主な症状としてあらわれる病気。うつ状態のみを認める時はうつ病と呼び、うつ状態と躁状態を繰り返す場合には、双極性障害(躁うつ病)と呼ぶ ・ うつ状態では気持ちが強く落ち込み、何事にもやる気が出ない、疲れやすい、死にたいと考えてしまい実行に移そうとするなどの症状が出る場合もある ・ 躁状態では気持ちが過剰に高揚し、普段ならあり得ないような浪費をしたり、ほとんど眠らずに働き続けたりする。その一方で、ちょっとした事にも敏感に反応し、他人に対して怒りっぽくなったり、自分は何でもできると思い込んで人の話を聞かなくなったりすることもある ・ 診断名や手帳の有無に関わらず、潜在的に多くの対象者がいる 〔主な対応〕 ・ うつ状態の時は無理をさせず、しっかりと休養をとれるよう配慮する ・ 躁状態の時は、金銭の管理、安全の管理などに気を付ける ・ 自殺などをうかがわせるような言動があった場合には、本人の安全を確保した上で、速やかに専門家に相談するよう本人や家族等に促す ・ 障害について、家族や周囲には内緒で生活されている方もいるため、専門家や家族に相談する際には、本人に確認する等配慮して行う 12 精神障害(アルコール依存症) 〔主な特性〕 ・ 飲酒したいという強い欲求がコントロールができず、過剰に飲酒したり、昼夜問わず飲酒したりすることで身体的、社会生活上の様々な問題が生じる ・ 体がアルコールに慣れることで、アルコールが体から抜けると、発汗、頻脈、手の震え、不安、イライラなどの離脱症状が出ることがある ・ 一念発起して断酒しようとしても、離脱症状の不快感や、日常生活での不安感から逃れるために、また飲んでしまう場合も多い 〔主な対応〕   ・ 本人に病識がなく(場合によっては家族も)、アルコール依存症は治療を必要とする病気であるということを、本人・家族・周囲が理解する   ・ 周囲の対応が結果的に本人の飲酒につながってしまう可能性があるため、家族も同伴の上で、アルコール依存症の専門家に相談する   ・ 一度断酒しても、再度飲酒してしまうことが多いため、根気強く本人を見守る 12 精神障害(てんかん) 〔主な特性〕   ・ 何らかの原因で、一時的に脳の一部が過剰に興奮することにより、発作が起きる   ・ 発作には、けいれんを伴うもの、突然意識を失うもの、意識はあるが認知の変化を伴うものなど、様々なタイプのものがある 〔主な対応〕   ・ 誰もがかかる可能性がある病気であり、専門家の指導の下に内服治療を行うことで、多くの方が一般的な生活が送れることを理解する   ・ 発作が起こっていないほとんどの時間は普通の生活が可能なので、発作がコントロールされている場合は、過剰に活動を制限しない   ・ 発作が起こってしまった場合には、本人の安全を確保した上で専門機関に相談す         る   13 難病 〔主な特性〕 ・ 「難病」とは、神経筋疾病、骨関節疾病、感覚器疾病など様々な疾病により多彩な障害を生じるものである ・ 病気の状態や症状は個人差があり、重篤で全面介助の生活を送っている人もいれば、ほとんど問題なく日常生活を送っている人まで様々である ・ 「障害」が固定せず、進行したり、体調や服薬の状況によって変動したりすることもある ・ 外見からでは障害があることが分かりにくい人もいるなど、必要な配慮についても個々のケースによって大きく異なる   ・ 常に医療的対応を必要とすることが多い   ・ 病態や障害が進行する場合が多い 〔主な対応〕 ・ 専門の医師や東京都難病相談・支援センターなど、難病に詳しい専門機関等に相談する等により、病気について理解する ・ それぞれ病気による症状や状態により特性が異なるため、その特性に合わせた対応をする   ・ 体調がすぐれない時に休憩できる場所を確保する ・ 疾患により「トイレに頻繁に行く」「暑さ寒さに気をつける」ことに留意する ・ 外見に目立つ症状がある疾患などは、難病に対する知識の不足から、うつる病気と誤解されることがあるが、難病は伝染病ではないため、誤解や偏見を招かないよう配慮する ・ 多くの疾患では定期的な通院が不可欠であるが、定期的な通院をすることで、入院や長期の休みなどを予防することができるため、通院に配慮する 5 相談体制の整備等    区の相談体制の整備について  障害者差別解消法は、幅広い分野の行政機関等や民間事業者が対象となるため、それぞれの事業を所管する部署が、区民からの相談に的確に応じられるようにすることが大切です。豊島区では、豊島区職員対応要領に基づき、以下のとおり相談体制を整備します。 ・ 職員による障害を理由とする差別に関する障害者及びその家族その他の関係者からの相談等は、各所管課にて適切に対応する。 ・ 相談等を受ける場合は、性別、年齢、状態等に配慮するとともに、対面のほか、電話、ファックス、電子メールに加え、障害者が他人とコミュニケーションを図る際に必要となる多様な手段を可能な範囲で用意して対応するものとする。 ・ 障害福祉課は、各所管課で対応が困難なケースに対する相談を行うほか、各所管課へ助言を行うとともに、寄せられた相談等の集約を行う。 ・ 寄せられた相談等は、相談者のプライバシーに配慮しつつ関係者間で情報共有を図り、以後の相談等において活用することとする。 ・ 相談体制は、必要に応じ、充実を図るよう努めるものとする。  各窓口で障害者差別に関する相談等を受けた場合は、「区職員による障害者差別への対応フロー図」(20ページ)を参照の上、対応をお願いいたします。また、相談事例を収集し、今後の相談に活用していくために、「相談等処理報告書」(22ページ、職員ポータル>部門別>保健福祉部>障害福祉課>障害者差別解消法)を提出してください。    また、障害者差別の解消を図るための検討機関として、関係課による検討会議及び、学識経験者、関係機関等による障害者権利擁護協議会を設置しています。  なお、民間事業者による差別については、一義的には当該事業者において対応することとなります。そのため、区市町村における事業所の指導監督権限を有する部署では、民間事業者に対して、対応指針に係る十分な情報提供を行うとともに、区民や民間事業者からの照会・相談に丁寧に対応するなどの取組を積極的に行いましょう。   (図)区職員による障害者差別への対応フロー図 (図)相談等処理報告書      豊島区における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領 平成28年5月31日 副区長決定 (目的) 第1条  この要領(以下「対応要領」という。)は、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号。以下「法」という。)第10条第1項の規定に基づき、また、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(平成27年2月24日閣議決定)に即して、法第7条に規定する事項に関し、豊島区職員(非常勤職員・臨時職員を含む。以下「職員」という。)が適切に対応するために必要な事項を定めるものとする。 (不当な差別的取扱いの禁止) 第2条  職員は、法第7条第1項の規定のとおり、その事務又は事業を行うに当たり、障害(身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害をいう。以下同じ。)を理由として、障害者(障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの。以下同じ。)でない者と不当な差別的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない。これに当たり、職員は、別紙に定める留意事項に留意するものとする。  なお、別紙中、「望ましい」と記載している内容は、それを実施しない場合であっても、法に反すると判断されることはないが、障害者基本法(昭和45年法律第84号)の基本的な理念及び法の目的を踏まえ、できるだけ取り組むことが望まれることを意味する(次条において同じ。)。 (合理的配慮の提供) 第3条  職員は、法第7条第2項の規定のとおり、その事務又は事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮(以下「合理的配慮」という。)の提供をしなければならない。これに当たり、職員は、別紙に定める留意事項に留意するものとする。 (監督者の責務) 第4条  職員のうち、課長相当職以上の地位にある者(以下「監督者」という。)は、前2条に掲げる事項に関し、障害を理由とする差別の解消を推進するため、次の各号に掲げる事項を実施しなければならない。 一 日常の執務を通じた指導等により、障害を理由とする差別の解消に関し、その監督する職員の注意を喚起し、障害を理由とする差別の解消に関する認識を深めさせること。 二 障害者等から不当な差別的取扱い、合理的配慮の不提供に対する相談、苦情の申し出等があった場合は、迅速に状況を確認すること。 三 合理的配慮の必要性が確認された場合、監督する職員に対して、合理的配慮の提供を適切に行うよう指導すること。 2 監督者は、障害を理由とする差別に関する問題が生じた場合には、迅速かつ適切に対処しなければならない。 (相談体制の整備) 第5条  職員による障害を理由とする差別に関する障害者及びその家族その他の関係者からの相談等は、各所管課にて適切に対応する。 2 相談等を受ける場合は、性別、年齢、状態等に配慮するとともに、対面のほか、電話、ファックス、電子メールに加え、障害者が他人とコミュニケーションを図る際に必要となる多様な手段を可能な範囲で用意して対応するものとする。 3 障害福祉課は、各所管課で対応が困難なケースに対する相談を行うほか、各所管課へ助言を行うとともに、寄せられた相談等の集約を行う。 4 寄せられた相談等は、相談者のプライバシーに配慮しつつ関係者間で情報共有を図り、以後の相談等において活用することとする。 5 相談体制は、必要に応じ、充実を図るよう努めるものとする。 (検討体制の整備) 第6条 1 法第17条第1項の規定に基づき、障害者差別の解消を図るため、学識経験者、関係機関等による障害者差別解消支援地域協議会を設置する。 2 障害者差別解消支援地域協議会の所掌事項については、別途定める。 3 豊島区役所内に関係課による検討会議を設置する。 (研修・啓発) 第7条  豊島区において、障害を理由とする差別の解消の推進を図るため、職員に対し、必要な研修・啓発を行うものとする。 2 新たに職員となった者に対しては、障害を理由とする差別の解消に関する基本的な事項について理解させるために、また、新たに監督者となった職員に対しては、障害を理由とする差別の解消等に関し求められる役割について理解させるために、それぞれ、研修を実施する。 3 職員に対し、障害の特性を理解させるとともに、障害者に適切に対応するために必要なマニュアルの活用等により、意識の啓発を図る。 附 則 この要領は、平成28年5月31日から施行する。 別紙 豊島区における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領に係る留意事項 第1 不当な差別的取扱いの基本的な考え方  法は、障害者に対して、正当な理由なく、障害を理由として、財・サービスや各種機会の提供を拒否する又は提供に当たって場所・時間帯などを制限する、障害者でない者に対しては付さない条件を付けることなどにより、障害者の権利利益を侵害することを禁止している。  ただし、障害者の事実上の平等を促進し、又は達成するために必要な特別の措置は、不当な差別的取扱いではない。したがって、障害者を障害者でない者と比べて優遇する取扱い(いわゆる積極的改善措置)、法に規定された障害者に対する合理的配慮の提供による障害者でない者との異なる取扱いや、合理的配慮を提供等するために必要な範囲で、プライバシーに配慮しつつ障害者に障害の状況等を確認することは、不当な差別的取扱いには当たらない。  このように、不当な差別的取扱いとは、正当な理由なく、障害者を、問題となる事務又 は事業について、本質的に関係する諸事情が同じ障害者でない者より不利に扱うことであ る点に留意する必要がある。 第2 正当な理由の判断の視点  正当な理由に相当するのは、障害者に対して、障害を理由として、財・サービスや各種 機会の提供を拒否するなどの取扱いが客観的に見て正当な目的の下に行われたものであり、 その目的に照らしてやむを得ないと言える場合である。豊島区においては、正当な理由に相当するか否かについて、具体的な検討をせずに正当な理由を拡大解釈するなどして法の趣旨を損なうことなく、個別の事案ごとに、障害者、第三者の権利利益(例:安全の確保、財産の保全、損害発生の防止等)及び豊島区における事務又は事業の目的・内容・機能の維持等の観点に鑑み、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断することが必要である。  職員は、正当な理由があると判断した場合には、障害者にその理由を説明するものとし、 理解を得るよう努めることが望ましい。 第3 不当な差別的取扱いの具体例  不当な差別的取扱いに当たり得る具体例は以下のとおりである。なお、第2で示したとおり、不当な差別的取扱いに相当するか否かについては、個別の事案ごとに判断されることとなる。また、以下に記載されている具体例については、正当な理由が存在しないことを前提としていること、さらに、それらはあくまでも例示であり、記載されている具体例だけに限られるものではないことに留意する必要がある。 (不当な差別的取扱いに当たり得る具体例) ○障害を理由に窓口対応を拒否する。 ○障害を理由に対応の順序を後回しにする。 ○差別用語を使用する。 ○障害を理由に書面の交付、資料の送付、パンフレットの提供等を拒む。 ○障害を理由に説明会、シンポジウム等への出席を拒む。 ○事務・事業の遂行上、特に必要ではないにもかかわらず、障害を理由に、来庁の際に付き添い者の同行を求めるなどの条件を付けたり、特に支障がないにもかかわらず、付き添い者の同行を拒んだりする。 第4 合理的配慮の基本的な考え方 1 障害者の権利に関する条約(以下「権利条約」という。)第2条において、「合理的配慮」は、「障害者が他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないもの」と定義されている。  法は、権利条約における合理的配慮の定義を踏まえ、行政機関等に対し、その事務又は事業を行うに当たり、個々の場面において、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、社会的障壁の除去の実施について、合理的配慮を行うことを求めている。合理的配慮は、障害者が受ける制限は、障害のみに起因するものではなく、社会における様々な障壁と相対することによって生ずるものとのいわゆる「社会モデル」の考え方を踏まえたものであり、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、障害者が個々の場面において必要としている社会的障壁を除去するための必要かつ合理的な取組であり、その実施に伴う負担が過重でないものである。  合理的配慮は、豊島区における事務又は事業の目的・内容・機能に照らし、必要とされる範囲で本来の業務に付随するものに限られること、障害者でない者との比較において同等の機会の提供を受けるためのものであること、事務又は事業の目的・内容・機能の本質的な変更には及ばないことに留意する必要がある。 2 合理的配慮は、障害の特性や社会的障壁の除去が求められる具体的場面や状況に応じて異なり、多様かつ個別性の高いものであり、当該障害者が現に置かれている状況を踏まえ、社会的障壁の除去のための手段及び方法について、「第5 過重な負担の基本的な考え方」に掲げる要素を考慮し、代替措置の選択も含め、双方の建設的対話による相互理解を通じて、必要かつ合理的な範囲で、柔軟に対応がなされるものである。さらに、合理的配慮の内容は、技術の進展、社会情勢の変化等に応じて変わり得るものである。  合理的配慮の提供に当たっては、障害者の性別、年齢、状態等に配慮するものとする。  なお、合理的配慮を必要とする障害者が多数見込まれる場合、障害者との関係性が長期にわたる場合等には、その都度の合理的配慮とは別に、後述する環境の整備を考慮に入れることにより、中・長期的なコストの削減・効率化につながる点は重要である。 3 意思の表明に当たっては、具体的場面において、社会的障壁の除去に関する配慮を必要としている状況にあることを言語(手話を含む。)のほか、点字、拡大文字、筆談、実物の提示や身振りサイン等による合図、触覚による意思伝達など、障害者が他人とコミュニケーションを図る際に必要な手段(通訳を介するものを含む。)により伝えられる。  また、障害者からの意思表明のみでなく、知的障害や精神障害(発達障害を含む。)等により本人の意思表明が困難な場合には、障害者の家族、支援者・介助者、法定代理人等、コミュニケーションを支援する者が本人を補佐して行う意思の表明も含む。  なお、意思の表明が困難な障害者が、家族、支援者・介助者、法定代理人等を伴っていない場合など、意思の表明がない場合であっても、当該障害者が社会的障壁の除去を必要としていることが明白である場合には、法の趣旨に鑑みれば、当該障害者に対して適切と思われる配慮を提案するために建設的対話を働きかけるなど、自主的な取組に努めることが望ましい。 4 合理的配慮は、障害者等の利用を想定して事前に行われる建築物のバリアフリー化、介助者等の人的支援、情報アクセシビリティの向上等の環境の整備を基礎として、個々の障害者に対して、その状況に応じて個別に実施される措置である。したがって、各場面における環境の整備の状況により、合理的配慮の内容は異なることとなる。また、障害の状態等が変化することもあるため、特に、障害者との関係性が長期にわたる場合等には、提供する合理的配慮について、適宜、見直しを行うことが重要である。 5 豊島区がその事務又は事業の一環として実施する業務を事業者に委託等する場合は、提供される合理的配慮の内容に大きな差異が生ずることにより障害者が不利益を受けることのないよう、委託等の条件に、対応要領を踏まえた合理的配慮の提供について盛り込むよう努めることが望ましい。 第5 過重な負担の基本的な考え方 過重な負担については、具体的な検討をせずに過重な負担を拡大解釈するなどして法の趣旨を損なうことなく、個別の事案ごとに、以下の要素等を考慮し、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断することが必要である。職員は、過重な負担に当たると判断した場合は、障害者にその理由を説明するものとし、理解を得るよう努めることが望ましい。 ○事務又は事業への影響の程度(事務又は事業の目的、内容、機能を損なうか否か) ○実現可能性の程度(物理的・技術的制約、人的・体制上の制約) ○費用・負担の程度 第6 合理的配慮の具体例  第4で示したとおり、合理的配慮は、具体的場面や状況に応じて異なり、多様かつ個別性の高いものであるが、具体例としては、次のようなものがある。  なお、記載した具体例については、第5で示した過重な負担が存在しないことを前提としていること、また、これらはあくまでも例示であり、記載されている具体例だけに限られるものではないことに留意する必要がある。 (合理的配慮に当たり得る物理的環境への配慮の具体例) ○段差がある場合に、車椅子利用者にキャスター上げ等の補助をする、携帯スロープを渡すなどする。 ○配架棚の高い所に置かれたパンフレット等を取って渡す。パンフレット等の位置を分かりやすく伝える。 ○目的の場所までの案内の際に、障害者の歩行速度に合わせた速度で歩いたり、前後・左右・距離の位置取りについて、障害者の希望を聞いたりする。 ○障害の特性により、頻繁に離席の必要がある場合に、会場の座席位置を扉付近にする。 ○疲労を感じやすい障害者から別室での休憩の申し出があった際、別室の確保が困難であったことから、当該障害者に事情を説明し、対応窓口の近くに長椅子を移動させて臨時の休憩スペースを設ける。 ○不随意運動等により書類等を押さえることが難しい障害者に対し、職員が書類を押さえたり、バインダー等の固定器具を提供したりする。 ○災害や事故が発生した際、館内放送で避難情報等の緊急情報を聞くことが難しい聴覚障害者に対し、電光掲示板、手書きのボード等を用いて、分かりやすく案内し誘導を図る。 (合理的配慮に当たり得る意思疎通の配慮の具体例) ○筆談、読み上げ、手話、点字、拡大文字等のコミュニケーション手段を用いるなど、障害者に合わせた方法で説明を行う。 ○会議資料等について、点字、拡大文字等で作成する際に、各々の媒体間でページ番号等が異なり得ることに留意して使用する。 ○視覚障害のある委員に会議資料等を事前送付する際、読み上げソフトに対応できるよう電子データ(テキスト形式)で提供する。 ○意思疎通が不得意な障害者に対し、絵カード等を活用して意思を確認する。 ○駐車場などで通常、口頭で行う案内を、紙にメモをして渡す。 ○書類記入の依頼時に、記入方法等を本人の目の前で示したり、分かりやすい記述で伝達したりする。本人の依頼がある場合には、代読や代筆といった配慮を行う。 ○比喩表現等が苦手な障害者に対し、比喩や暗喩、二重否定表現などを用いずに具体的に説明する。 ○障害者から申し出があった際に、ゆっくり、丁寧に、繰り返し説明し、内容が理解されたことを確認しながら応対する。また、なじみのない外来語は避ける、漢数字は用いない、時刻は24時間表記ではなく午前・午後で表記するなどの配慮を念頭に置いたメモを、必要に応じて適時に渡す。 ○会議の進行に当たり、資料を見ながら説明を聞くことが困難な視覚又は聴覚に障害のある委員や知的障害がある委員に対し、ゆっくり、丁寧な進行を心がけるなどの配慮を行う。 ○会議の進行に当たっては、職員等が委員の障害の特性に合ったサポートを行う等、可能な範囲での配慮を行う。 (ルール・慣行の柔軟な変更の具体例) ○順番を待つことが苦手な障害者に対し、周囲の者の理解を得た上で、手続き順を入れ替える。 ○立って列に並んで順番を待っている場合に、周囲の者の理解を得た上で、当該障害者の順番が来るまで別室や席を用意する。 ○スクリーン、手話通訳者、板書等がよく見えるように、スクリーン等に近い席を確保する。 ○車両乗降場所を施設出入口に近い場所へ変更する。 ○豊島区役所の敷地内の駐車場等において、障害者の来庁が多数見込まれる場合、通常、障害者専用とされていない区画を障害者専用の区画に変更する。 ○他人との接触、多人数の中にいることによる緊張等により、発作等がある場合、当該障害者に説明の上、障害の特性や施設の状況に応じて別室を準備する。 ○非公表又は未公表情報を扱う会議等において、情報管理に係る担保が得られることを前提に、障害のある委員の理解を援助する者の同席を認める。   6 参考情報 身体障害者補助犬  目や耳や手足に障害のある方の生活をお手伝いします。身体障害者補助犬法に基づき認定された犬で、特別な訓練を受けています。  【盲導犬】 目の見えない人、見えにくい人が街なかを安全に歩けるようにサポートします。障害物を避けたり、立ち止まって曲がり角を教えたりします。ハーネス(胴輪)  をつけています。   【介助犬】 手や足に障害のある方の日常の生活動作をサポートします。物を拾って渡したり、指示したものを持ってきたり、着脱衣の介助などを行ないます。“介助犬”と書かれた表示をつけています。   【聴導犬】 音が聞こえない、聞こえにくい人に、生活の中の必要な音を知らせます。玄関のチャイム音・FAX 着信音・赤ちゃんの泣き声などを聞き分けて教えます。 “聴導犬”と書かれた表示をつけています。   補助犬の同伴については、「身体障害者補助犬法」で、  人が立ち入ることのできる様々な場所で受け入れるよう  義務付けられています。    【補助犬の同伴を受け入れる義務がある場所】   ・ 国や地方公共団体などが管理する公共施設・ 公共交通機関   ・ 不特定かつ多数の人が利用する民間施設−商業施設、飲食店、病院、ホテルなど   ・ 事務所(職場)−国や地方公共団体などの事務所−従業員50 人以上の民間企業    ※事務所(職場)で、従業員50 人未満の民間企業や民間住宅も努力義務です。  〇 補助犬は、ユーザーの指示に従い待機することができるので、特別な設備は必要ありません。  〇 補助犬の同伴を受け入れる際に他のお客様から苦情がある場合は、「身体障害者補助犬法」で受入義務があること、補助犬の行動や健康の管理はユーザーが責任をもって行なっていることを説明し、理解を求めてください。  〇 補助犬が通路をふさいだり、周りのにおいを嗅ぎ回ったり、その他、何か困った行動をしている場合は、そのことを補助犬ユーザーにはっきり伝えてください。  〇 補助犬を同伴していても、補助犬ユーザーへの援助が必要な場合があります。補助犬ユーザーが困っている様子を見かけたら、まずは声をかけたり、筆談をしたりコミュニケーションをとってください。 手話通訳者派遣センター    豊島区では、昭和58年から、聴覚障害者の社会参加を援助するために、登録手話通訳者の派遣事業をすすめてきました。    派遣センターでは、区内の聴覚障害者のコミュニケーションの確保のために、手話通訳者を派遣しています。    区民説明会や会議、講演会等、手話通訳者の配置が必要な場合は、下記を参照の上、お申込みください。      ◎依頼方法     手話通訳派遣依頼書を記入し、派遣2日前までに派遣センターに申し込む   (職員ポータル>部門別>保健福祉部>障害福祉課>手話通訳派遣依頼申込書)   ◎派遣時間      午前9時〜午後9時   ◎派遣場所      豊島区及び東京都内   ◎その他     ・依頼の際は、待ち合わせ場所と時間を明記してください。     ・当日の資料がある場合は、事前に送付してください。     ・手話通訳者の立ち位置は、聞こえない方から見て、話す人と通訳者が同じ視界に入る位置に準備していただくとスムーズです。     ◎申込先      豊島区手話通訳者派遣センター(豊島区役所本庁舎4階 障害福祉課内)      電話 5396−9361      FAX  5396−9104   ヘルプカード   ◎ヘルプカードとは    ヘルプカードは、障害のある人が普段から   身につけておくことで、緊急時、災害時、   困った時に、周囲の配慮や手助けをお願いし   やすくするためのカードです。    また、このヘルプカードの表面は、東京都   の指定する共通様式でデザインされており、   都内のどこでも活用することができます。   ◎配布の対象者    ・身体障害者の方    ・知的障害者の方    ・精神障害者の方    ・難病患者の方 など   ◎ヘルプカードの配布場所   【豊島区の各窓口】    障害福祉課    東部障害支援センター    西部障害支援センター    池袋保健所    長崎健康相談所   【区内障害者通所施設】  ◎ヘルプカードには、緊急連絡先や必要な支援内容等が記載されています。   記載内容に沿った支援をお願いします。 ヘルプマーク   ◎ヘルプマークとは   ヘルプマークは、援助や配慮を必要としていることが、外見からは分かりにくい方が身につけることで、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることができるマークです。   ◎配布の対象者    ・義足や人工関節を使用している方    ・内部障害や難病の方    ・妊娠初期の方  など   ◎ヘルプマークの配布場所   【豊島区の各窓口】    障害福祉課    東部障害支援センター    西部障害支援センター    池袋保健所    長崎健康相談所    西部区民事務所    東部区民事務所    中央図書館                      【都営地下鉄各駅の駅執務室等】 ◎災害時は、安全に避難するための支援をお願いします。  視覚障害者や聴覚障害者等の状況把握が難しい方、自力での迅速な避難が困難な方がいます。 災害バンダナ  豊島区では、災害時に身につけることで、聴覚障害者であることや、手話でサポートが可能であることを周囲に伝えられるバンダナを作成しました。   音声による情報保障 〜DAISY・音声コード〜   【DAISY(デイジー)】   Digital Accessible Information Systemの頭文字をとったものです。  音声データを独自の形式で圧縮し、章や節ごとに「見出し」をつけることができる検索性の高い音声媒体です。最長でディスク一枚に60時間程度収録可能です。ただし、通常のCD再生機では聞くことができない方式のもので、専用の再生機や、専用のソフトをインストールしたパソコンが必要になります。     【音声コード】   音声コードとは、QRコードと同じ印刷物上の切手大の二次元コードです。漢字を含めた活字文書を約800文字格納できる音声コードは、マイクロソフト社製のワープロソフト「Word」に音声コード作成ソフトをインストールすることで簡単に作成することができ、活字文書読み上げ装置で読むことが可能です。ただ音声コードを印刷しても、視覚障害者がその印刷部に音声コードが添付されていることに気づきません。音声コードを添付した印刷物には、必ず切り欠きを入れることを忘れないようにしましょう。 (図)簡単な手話(あいさつ) 出展:「話そう!手のことば おもてなしの手話BOOK」東京都 参考ホームページ  ○ 障害特性の理解・障害特性に応じた配慮事項等 ・ ハートシティ東京(東京都福祉保健局障害者施策推進部) http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/tokyoheart/ ・ 改訂版「障害のある方への接遇マニュアル(東京都心身障害者福祉センター) http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shinsho/tosho/hakkou/index.html ・ 公共サービス窓口における配慮マニュアル       ‐障害のある方に対する心の身だしなみ‐(内閣府) http://www8.cao.go.jp/shougai/manual.html ・ 障害の種類と必要な就労支援機器の紹介(高齢・障害・求職者雇用支援機構) http://www.kiki.jeed.or.jp/inf/u0400.html ※上記のほか、内閣府が「合理的配慮サーチ」(合理的配慮等具体例データ集)を構築しています。 http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/jirei/ ○ 国等職員対応要領・民間事業者向け対応指針   国では、府省庁ごとに職員向けの対応要領と民間事業者向けの対応指針を作成してい ます。各府省庁の対応要領・対応指針は、内閣府ホームページから確認できます。   ・対応要領   http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai/taioyoryo.html  ・対応指針   http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai/taioshishin.html ○ 障害者差別解消法全般について   法律全般に関する内容等について、内閣府のホームページを参照してください。  http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai.html 豊島区障害者差別解消法職員対応マニュアル 平成28年11月発行 発行:保健福祉部障害福祉課 政策推進グループ 編集:豊島区障害者権利擁護協議会 問い合わせ:03−3981−1766(内線:2446)