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板橋区・豊島区自転車利用環境整備基本計画(概要版)

「板橋区・豊島区自転車利用環境整備基本計画」の策定にあたって

本計画は、板橋・豊島両区が、平成11年12月9日、建設省の自転車利用環境整備モデル都市に指定されたことを受け、今後都市における日常的な交通手段として、自転車の利用促進を図るため、自転車が快適かつ安全に走行できる空間の整備に向けた基本計画としてまとめたものである。計画としては長期間に渡るが、同基本計画書は主に平成15年度までの整備を重点に置いている。
モデル都市指定に際しては、両区の住民からの提案による板橋区、豊島区の広域連携の内容が評価の大きなポイントとなった。本基本計画の策定にあたっては、東京国道工事事務所、警視庁、東京都、板橋区、豊島区などで、「自転車道網検討委員会(下部組織としてのワーキング会議の設置)」を設置し、板橋・豊島両区の一体的な自転車道網の検討を行うとともに、住民代表、学識経験者などを入れた、「いたばし・としま自転車の走るまちづくり官民共同研究会」を設置し、住民参加と自転車を通した官民の役割分担によるまちづくりの実現に向けての基本方向の検討を進めてきた。

板橋区・豊島区の概要

板橋区・豊島区は東京23区の北西部に位置しており、面積はそれぞれ板橋区32.17キロ平方メートル・豊島区13.01キロ平方メートルとなっている。人口は、平成12年4月1日現在(住民基本台帳)それぞれ板橋区496,761人・豊島区248,518人となっている。
板橋区・豊島区の両区における全体的な都市構造は、副都心である豊島区の池袋駅周辺を大きな核として板橋区の板橋区役所周辺を拠点とした構造となっており、高密度に複合化した都市となっている。板橋区は都心部近郊の住宅都市であるが、都内でも有数の工業都市であり、区部において農業生産を行っている区のひとつとなっている。また豊島区は池袋地域を中心として商業・業務機能が集積されており、その外縁部に多彩な居住空間を形成している。

基本方針

社会的・広域的要請

  • 環境問題
    自動車から排出されるCO、CO2、NOX、浮遊粒子状物質による大気汚染等
  • 交通問題
    交通量の増加に伴う渋滞、バス等公共交通機関の定時性の低下、違法駐車による道路の走行性・安全性の低下と景観阻害等

地域固有の問題(板橋区・豊島区の抱える問題)

  • 基盤が未整備のまま市街地が形成されている
  • 自転車利用増加に対する自転車走行環境の整備の遅れ
  • 駅前における放置自転車問題(駐輪場対策)

自転車の可能性

  • 都市内の主要交通手段としての位置づけ
  • 自転車利用転換促進による環境負荷の軽減
  • 公共交通機関の補完(交通利用選択肢の拡大)
  • 交通及び交流の促進手段(手軽さ)
  • トータル的なコストパフォーマンスの向上(都市施設整備等による定時性の確保(無駄な時間の減少等)
  • 高齢化社会での交通環境の改善(安全性・快適性の向上)
  • 道路渋滞の緩和(機動力の活用)

自転車を活かしたまちづくり

自転車交通システムの確立

  • 自転車の走りやすい走行空間の整備
  • 電車・バス等の公共交通と一体化した位置づけ
  • 自転車・歩行者等が安心して通行できる安全性・快適性の確保
  • 災害時に有効活用できる施設やシステムの構築

健康・福祉の増進

  • 自転車を活用したスポーツ・レクリエーションによる健康増進
  • 高齢化社会に対応した手軽な交通手段
  • 運動不足の解消とリフレッシュ促進
  • バリアフリーを視野に入れた空間整備

文化振興・環境形成

  • 官民の駐輪対策による放置自転車問題の解消
  • 自転車利用マナーの向上
  • 自転車利用転換による環境汚染の改善
  • 自転車による板橋区・豊島区間の地域連携
  • 自転車を視野に入れた地域間交流

官民協働〈コラボレーション)による自転車のまちづくり

ハード戦略

自転車走行空間の整備

  • 人と車と自転車の分離
  • 自転車道整備による自転車利用促進
  • 魅力ある空間形成
  • 板橋区・豊島区を含めた広域的な自転車道ネットワークの構築

駐輪場の整備

  • 官民協働による自転車駐車場の確保
  • 立体的・効率的な自転車駐車場の収納方式の導入
  • 公園空間の活用
  • 道路空間の活用

ソフト戦略

  • 自転車利用促進・利用マナー向上のためのイベント・シンポジウム等の開催
  • 自転車放置対策の推進
  • 駐輪場整備、放置自転車撤去作業等におけるNPO、PFIの可能性の検討
  • 自転車を利用した板橋区・豊島区及び周辺都市・地域間交流の促進
  • レンタサイクルシステム活用による新たな交通手段の確保及び交通渋滞・環境汚染等の改善
  • わかりやすい案内板システムの確立

自転車利用ネットワークの考え方

コリドー路線

副都心'池袋'を中心とし、そこから放射状に伸びている幹線道路を主として、ネットワ-ク核拠点、商業業務拠点等を結ぶ、板橋区・豊島区を一体的な空間とした路線とする。板橋区からは、通勤・通学・買い物等、豊島区からはレクリエ-ション施設の利用、災害時の避難路等として利用でき、両区が一体となり共に相乗効果が期待できるような路線として山手通り、高速下、川越街道、不動通り高島通り等を設定する。

コミュニティ路線

コリドー路線をカバーする形で、買い物、通勤・通学等、生活に直接関わってくる路線を中心に、地域の歴史・文化資源の活用を視野に入れつつ、各地域や地元商店街等に密着した、全体的に拡がりをもたせるような路線として、明治通り、折戸通り、赤羽西台線、石神井川沿い道路等を設定する。
また、同路線はコリドー路線を結ぶ路線であると共に、商店街等を繋ぐ路線としての位置づけとする。

レクリエーション路線

自転車・歩行者専用道路として、スポーツやレクリエーションに寄与できる路線として設定する。加えて、高齢化社会を視野に入れ、誰でも自然に親しみ、心身ともにリフレッシュするなど、健康増進に寄与できる路線として、荒川堤防上を設定する。

自転車駐車場

区内に既存の駅近辺に自転車駐車場が設置されているが、池袋駅、巣鴨駅等をはじめとした各駅周辺に放置自転車が増加しているため、使用状況を考慮した立地条件及びシステムを備えた駐輪場とする。
また、コリドー路線やコミュニティ路線との位置関係も視野に入れた配置とし、池袋駅、巣鴨駅、目白駅、東武練馬駅、高島平駅、西台駅、板橋区役所前駅等に設定する。

自転車走行空間の整備方針

全体整備方針

自転車走行空間の整備においては、単なる自転車道といった捉え方だけでなく、交通、環境、景観等といった総合的なまちづくりの視点にたった取り組みとして考える必要があり、全体整備における方針を以下のとおり設定する。

歩行者・自転車・自動車の分離による安全性・快適性

車道及び歩道から独立した自転車走行空間を整備することによって、歩行者と自転車・自動車利用者の分離による安全性・快適性の向上を図る。

魅力ある空間形成によって良好な自転車走行空間を整備

自転車走行空間をまちの景観を構成する重要な要素の一つとして捉え、沿道空間と一体となった魅力あふれる自転車走行空間の形成を図る。

環境に配慮した自転車走行空間の整備

自転車走行空間の整備においてはリサイクル材料の使用など、地球規模での環境負荷の軽減を意識した循環型社会に対応した整備を図る。

連続性のある自転車走行空間の確保

ネットワーク性の確保に重点をおき、道路の横断構成の変化に柔軟に対応して、連続した自転車走行空間の確保を図る。

自転車走行空間のタイプ

自転車の走行空間のタイプとしては、大きく分けて車道上に確保する方式と歩道上に確保する方式が考えられる(自転車専用道路を除く)。
自転車走行空間の確保は、自転車利用における安全性、走行性、快適性等の向上を目的とするが、歩行者、自転車、自動車の交通量、道路の幅員等の条件を考慮し、以下のタイプに整理する。

車道上の自転車走行空間

車道と同じレベルに自転車走行空間を確保する方式である。
分離施設を設置し独立した走行空間を確保する「車道上の分離型」とコミュニティ道路等との組み合わせによる「車道上の共存型」がある。

車道上の分離型

緑石分離タイプ
歩行者、自転車、自動車の各々の走行空間が分離されていることから、安全性が高い。

緑石分離タイプ

ガードレール分離タイプ
左と同じく、走行空間を完全分離し、かつガードレールによって安全性を高くしているが、視覚的には圧迫感がある。

ガードレール分離タイプ

緑石、ガードレール分離タイプ
左に対し、ガードレールの替わりに縁石とガードパイプで安全性を高くしつつ圧迫感をなくし、景観的な配慮が可能である。

緑石、ガードレール

車道上の共存型

車道及び歩道上に独立して走行空間を確保できず、コミュニティ道路化等によって車両速度を抑制可能な路線については、車道上で共存を図る。

車道上の共存型

歩道上の自転車走行空間

歩道と同じレベルに自転車走行空間を確保する方式である。自転車走行空間の明確化や分離により、歩行者の安全性を確保するとともに自転車走行の快適性を向上させる。

歩道上の分離型

路面表示分離タイプ
一定の歩道幅員はあるが、分離施設の設置が困難な路線については、カラー舗装や路面表示等を用いて、歩行空間と自転車走行空間を視覚的に分離する。

路面表示分離タイプ

施設分離タイプ
一定の歩道幅員があり、分離施設の設置が可能な路線についてはガードパイプや縁石等によって、歩行空間と自転車走行空間の分離を図り、安全性の向上を図る。

施設分離タイプ

植栽分離タイプ
広幅員の歩道のある路線については、植栽帯や植栽桝を用い、歩行空間と自転車走行空間の分離を図る。分離機能に植栽を用いることで景観的にも優れる。

植栽分離タイプ

歩道上の共存型

歩道幅員が狭いことから、独立した歩行空間及び自転車走行空間の確保が難しく、分離が困難な路線については、歩道上で共存を図る。

歩道上の共存型

路線の整備タイプの想定

「交通特性」「道路状況」「沿道条件」「構造物の状況」といった現況分析から各路線で整備可能な自転車走行空間のタイプを想定する。

自転車走行空間4つのタイプ

  1. 車道上の分離型
    縁石やガードパイプ、ガードレール等によって車道上に走行空間を完全分離するタイプ。
  2. 車道上の共存型
    車道と走行空間の境界には、何も設置せず、車道上に走行空間を整備するタイプ。
  3. 歩道上の分離型
    カラー舗装化や路面表示、縁石やガードパイプ、ガードレール等によって歩道上に走行空間を独立して整備するタイプ。
  4. 歩道上の共存型
    歩行空間と走行空間を視覚的・物理的に分離せず、歩道上に走行空間を確保するタイプ。

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更新日:2018年2月20日