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離婚時における養育費の確実な取決めと履行確保を求める意見書

厚生労働省「2019年国民生活基礎調査」によると、ひとり親世帯の貧困率は48.1%となっている。また、離婚した元配偶者から現在も養育費を受けている割合が低くとどまっていることから、ひとり親世帯が貧困に陥る大きな要因のーつに、養育費不払いがあると言われている。

厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査報告書」によれば、ひとり親世帯になった理由の多くは離婚となっており、養育費の取決めを行っている世帯は、母子世帯で42.9%、父子世帯では20.8%しか養育費の取決めが行われていない。また、養育費を現在も受けている世帯は、母子世帯が24.3%、父子世帯で3.2%にすぎない状況となっている。子供の貧困の放置は、子供たちの将来が閉ざされてしまうだけでなく、社会的損失につながる。

諸外国では行政が主体となり、養育費を確保する支援を実施している。例えば、アメリカやイギリスでは養育費を支払わない非同居親に対して、行政による給料からの天引きなどの徴収が行われるほか、運転免許の停止(米)や最長6週間の収監(英)等が定められている。ほかにもスウェーデン、ドイツ及びフランスでは、養育費が支払われていない場合は、国による立替払いが行われ、非同居親に対して請求及び徴収をしている。

養育費が支払われなかった場合、ひとり親が裁判などを起こしながら自分で取り立てることは容易ではない。また、自治体などの相談窓口を利用するのも時間の制約があり、迅速な対応をするにも厳しい現実がある。

養育費は、子供の最善の利益を図る観点から考慮されるべきものであり、子供が健やかに成長し、成人して自立していくために必要な費用として積極的な確保策が必要である。

よって豊島区議会は、国及び政府に対し、養育費確保のための下記の施策が実施されるよう要望する。

1 未成年の子供がいる夫婦が離婚する場合は、強制執行が可能な形で養育費の取決めが確保されるよう、離婚前後の十分な公的支援を行うこと。

2 養育費の履行を確保するため、一部自治体で取り組みが始まっている法律専門家の活用や「養育費立替パイロット事業」の状況等を踏まえて、新たな公的支援策の拡大を速やかに検討すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和2年10月23日

                                                          豊島区議会議長 村上 宇一

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更新日:2020年10月29日