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池袋モンパルナス

1930年代、豊島区要町、長崎、千早を中心に、若い芸術家向けにアトリエ付貸家群が生まれました。これは、アトリエ村と呼ばれています。彼らは切磋琢磨しながら貧しさの中で創作に打ち込み、また、夜になれば池袋の街にくり出し、自由な雰囲気のもと、芸術論を戦わせたり、未来の夢を語り合うなど、様々な交流を繰り広げました。そうした空間・雰囲気を、詩人の小熊秀雄は、「池袋モンパルナス」と称しました。

池袋モンパルナス

池袋モンパルナスに夜が来た
学生、無頼漢、芸術家が街に
出る
彼女のために、神経をつかへ
あまり太くもなく、細くもない
ありあはせの神経を――。

小熊秀雄「池袋モンパルナス」『サンデー毎日』1938年7月