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ソメイヨシノあれこれ

みなさん、ソメイヨシノは豊島区が発祥ってご存知でしたか? このページでは「ソメイヨシノ」桜について解説します。

ソメイヨシノを知っていますか?

このページでは、「ソメイヨシノ」について、解説をいたします。

桜の代名詞として知られる「ソメイヨシノ」が、豊島区で生まれたことをご存じですか?

この桜は、江戸時代のおわりから明治時代にかけて駒込の植木屋が売り出したもので、奈良吉野山の山桜と区別するため、地名である染井(駒込の大字)を冠して「ソメイヨシノ」と呼ばれるようになりました。

この地で多くの植木屋が活躍していたことは、江戸時代の文献や浮世絵から知ることができます。その代表格は、江戸時代前期から植物栽培に携わった伊藤伊兵衛家です。代々伊兵衛を名乗る伊藤家は、17世紀初頭に、豊島郡上駒込村染井、現在の染井霊園の北東側あたりに居住し始めたとされています。

駒込6丁目の西福寺は、江戸時代から染井の植木屋たちの菩提寺であり、氏神である染井稲荷神社と共に、地元の人たちの信仰を集めてきました。墓域にある伊藤伊兵衛の墓は、東京都指定史跡となっています。

文政7年(1824年)刊、本草(博物)学者岩崎常正の『武江産物志』には、江戸と江戸近隣の花名所が紹介されています。さらに、染井の植木屋が「桜草」「つつじ」「菊」の産地としてあげられており、染井は江戸時代から明治時代にかけて、日本の園芸界を代表する「園芸都市」であったことがうかがえます。

ソメイヨシノ(染井吉野、染井よしの)とはどのようなさくらですか?

ソメイヨシノは、オオシマザクラとエドヒガンの園芸種との交配種といわれ、江戸末期から明治期に、染井(現在の豊島区駒込)の植木屋が吉野桜の名で全国各地に売り出し、のちに染井吉野と名付けたものと言われています。

(注釈)

  • オオシマザクラ
    伊豆半島、伊豆七島、房総半島などに分布する。花は純白で大きく香りがある。鮮やかな緑色の若葉が出てから開花する。葉も大型で毛がなく、和菓子の桜餅に使われる。サトザクラはこの流れを引くものが多い。
  • エドヒガン
    本州、四国、九州と韓国の済州島の山地に分布する。淡紅白色の花をつけ、性質が強く、樹齢が長いことから全国各地に数百年の古木、巨木が知られています。
    「盛岡石割桜」、山梨の「山高神代桜」、岐阜の「根小谷薄墨桜」など天然記念物に指定されているものも多い

 今お話された「いわれ」は、100%ではないと聞いたことがあるのですが…?

2007年(平成19年)千葉大学中村郁郎らによる研究発表によりますと、遺伝子の解析でソメイヨシノはオオシマザクラとコマツオトメのようなエドヒガン系園芸種との交配種であることが示されました。
これにより、ソメイヨシノは自然交配説もありましたが、植木の里である染井で園芸種との交配で作出された可能性が一層高まってきました。

ソメイヨシノは誰が名づけたのですか

染井の植木屋が「吉野桜」の名称で売り出していたものが、奈良吉野山のヤマザクラが古来「吉野桜」と呼ばれていたので、混同を避けるため「染井」を冠した説が有力です。
和名の初見は明治33年日本園芸会雑誌92号で藤野寄命(当時、博物局、現国立博物館)により、混同を避けるため染井吉野とすることを提唱し、同意を得たといわれています。
また、明治34年松村任三(帝国大学教授)が、「Prunus.yedoensis Matumura」という学名(世界標準命名)をつけました。

ソメイヨシノにはどのような性質があるのですか

ソメイヨシノは、花弁が5枚一重咲きで、成長が大変早く20年程度で木の横の広がりが20メートルを超えるため、名所を早期につくることができます。 また、新芽が出る前に花が密集して木を埋め尽くすように咲き、大木になることから花見に適しています。
戦勝記念や戦災復興事業などで全国に大量に植栽されました。
花つきを良くするには、特に日当たり良い場所に植える必要があります。

ソメイヨシノは病気に弱いと聞いていますが、どうですか

カワラダケ感染状況(幹上部)

テングス病

 

ソメイヨシノは、折れた枝や枝の切り口から幹を腐らせる菌が侵入しやすく、樹齢50年を超えた幹の内部が腐ることから、ソメイヨシノ寿命60年説が言われています。
しかし、青森県弘前市ではりんごの剪定技術を生かして130年近い日本最古とされるソメイヨシノを守っており、手入れの良し悪しが寿命を決めることにもなります。

ソメイヨシノは、最初は1本だったという話は本当ですか

ソメイヨシノは野性のさくらと異なり、種で増えることができません。
このため、オオシマザクラの台木(根となる部分)に接ぎ木(つぎき)によって殖やしています。
ですから、全国のソメイヨシノは皆同じ性質を持つため、今では花前線の測定基準にもなり、私たちに春の季節感を与えてくれます。

豊島区とのかかわりはどうですか

さきほど述べましたが、ソメイヨシノは豊島区駒込が発祥の地として有力です。
なお、「染井よしの」桜は、昭和48年8月7日「豊島区の木」に、昭和59年6月28日「東京都の花」に指定されています。
豊島区では、2009年3月28日に「染井よしの桜の里公園」と「門と蔵のある広場」がオープンしました。
この場所は、江戸時代の植木の里の中心でもあり、駒込小学校と西福寺や染井稲荷と隣接しています。
たくさんの桜を植え、さくらの回廊を形成していきます。皆さんのご来園をお持ちしております。

地元でもソメイヨシノを守り育てていく動きがあると聞いていますが、どうですか

駒込地区は、第二次世界大戦の空襲で焼け野原となり、多くのソメイヨシノは失われました。しかし、戦後間もないころ、地元の有志の方々が苗木を植え、大事に育ててきたものが現在の並木となっています。
ソメイヨシノは人が見守っていかないと短命に終わってしまう樹木ですので、皆さんも花が咲いている時以外も気にかけてあげてください。

発祥の地「染井」をPRするため、「染井」生まれのソメイヨシノを育て全国に送り出す苗床を「染井よしの桜の里公園」の一角に設えました。染井吉野研究会の皆さんが主となって、西福寺、染井稲荷神社、駒込小学校から枝をいただき、平成21年3月7日、平成22年3月6日、平成25年3月2日の3回にわたって接木を行い、平成29年5月時点では96本の苗木があります。

「発祥地生まれのソメイヨシノ」の苗木は、しばらく植木鉢で育てた後、苗床に移植します。これからも、豊島区の木ソメイヨシノを広め・育てる活動をみんなで取り組んでいきましょう。