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学校の教育(指導の重点)

更新日 平成21年10月16日

豊島区教育ビジョンに基づく学校教育の課題と指導の重点

 教育ビジョンは、「確かな学力の育成」「豊かな人間性の育成」「しなやかな心と体の育成」「教師力の向上」「信頼される学校教育、学校運営」の5つの施策で構成されている。それらの施策の方向を踏まえて、平成21年度においては、以下のような重点事業を展開し、教育目標及び教育ビジョンの達成に向けた推進を図る。

(1)幼児教育の充実

 幼児期は、生涯にわたる人格形成の基盤となる「知・徳・体」の基礎を培う大切な時期である。幼児教育においては、遊びを中心とした生活を通して、豊かな体験を得させることを基本とするとともに、幼児期にふさわしい道徳性を培うことを重視している。
 心身の調和のとれた成長を図るためには、幼児の主体的な活動が確保されるよう、幼児理解に基づき計画的に環境を構成することや、遊びへのかかわりにおける教師の基本的な役割について共通理解を図っていくことが重要である。

  1. 心身の健康を培う教育
     幼児を取り巻く環境や生活の変化に対応し、健康的な生活リズムをつくり、伸び伸びと体を動かして遊ぶ活動を積極的に取り入れる。そこでは、友達と十分遊び、かかわることによって自己の存在感や活動の充実感を十分に味わう体験を重視する。
     また、自我の形成にかかわる体験や社会生活上のルール、幼児期にふさわしい道徳性を生活の中で身に付けるよう、指導の徹底を図る。
  2. 自然体験、社会体験の重視
     
    園外での活動を積極的に取り入れ、幼児が自然にじっくり触れる機会を設ける。また、高齢者をはじめ地域の人々とふれあうなどの社会体験を積極的に取り入れる。その際、幼児が何かをやり遂げた充実感を味わうことができるように配慮する。
  3. 知的発達を促す教育
     
    幼児は、遊びの中で周囲の環境や友達と直接かかわることを通して、知的好奇心や探究心を抱き、物事の変化に気付き、感情をコントロールすることや思いやり、協力することの大切さを学んでいく。よって幼児期にふさわしい知的発達を促し、自ら学び考えたり、判断したりする力の形成を図る。
  4. 発達の特性に応じた教育
     
    幼児期は、大きく二つの時期に区別される。「自我の芽生える時期」と「他者の存在を意識して、思いやり、自己を抑制しようとする気持ちが生まれる時期」である。こうした発達の特性を考慮し、それぞれの時期にふさわしい活動ができるよう、発達課題や個に応じた指導計画を作成し、それに基づいた指導を行う。
  5. 自己の実現を図る教育
     
    主体的な活動を通して友達とのかかわりを一層豊かにさせるとともに、友達と一緒に何かをやり遂げようとする中で、責任感をもたせ、我慢する気持ちを学ばせる。集団とのかかわりの中で幼児の自己実現が図られるよう、一人一人を生かした集団活動の機会を十分確保する。
  6. 幼稚園と小学校の連携と子育て支援ネットワークづくり
     
    小学校以降の生活や学習の基盤は、幼児期の発達に必要な事柄を経験することによって育成される。様々な人との出会い、自然や事物との触れ合い体験など、幼児期における遊びを中心とした総合的な指導から、小学校の系統的で体系的な一貫した活動や指導への流れができるよう留意する。
     また、近年の少子化や核家族化、都市化等の社会状況の変化の中で、幼稚園における子育て相談の実施や親子の交流の機会の提供など、子育て支援ネットワークづくりが課題となっている。今後、地域の実情に合わせて、必要な連携を推進していく。
     

(2)確かな学力の育成

 「確かな学力」とは、知識の獲得や技能の習得だけではなく、学ぶ意欲、思考力、判断力、表現力、体力までを含めた総体としての学力である。この「確かな学力」が子どもたちにとって「夢に向かって、未来を切り拓く」礎となる。
 そのためには、基礎的・基本的な知識・技能を確実に定着させ、知識と技能を活用した課題(問題)解決的な学習を通じて、自ら学び、自ら考える力を高めていくことが必要である。また、学習や生活面で明確な目標をもたせることなど、着実な基盤づくりが重要である。

  1. 各教科における基礎・基本の定着
     学力の定着状況を把握する調査等を踏まえ、授業改善推進プランの作成・実施・検証・改善により、児童・生徒の学力の向上を図る。また、新学習指導要領の趣旨を理解するとともに、基礎的な知識・技能の育成、習得した知識・技能を活用する力の育成、自ら学び自ら考える力の育成を総合的に発揮できるよう、指導の改善を図る。
  2. 国語力の育成
     国語力向上を図るための「国語力向上キット」を活用した教育活動や豊島区推薦図書120冊を生かした読書活動を推進するとともに、「豊島区読書フェスタ」を実施し、全教育活動を通して国語力の向上を図る。また、言語活動がすべての教科の基盤となることから、各教科等において、言語活動の充実を目指した活動を意図的・計画的に行う。
  3. 理数教育の充実
     算数・数学の学力向上を図るため、小学校全校において少人数指導を一層推進する。中学校では、入学当初の「算数プレテスト」を実施し、生徒の実態を的確に把握した上で、計画的な習熟度別指導を実施する。また、大学と教育連携により、学生による学習サポートや区立教育研究会との合同研究を展開するなど、理数教育の推進を図る。
  4. 外国語教育の充実
     英語活動が小学校5、6年生に位置付けられたことから、外国人講師の派遣時間を強化し、引き続き、豊島区独自のカリキュラムに基づく英語教育を実施する。派遣については、小学校1年生8時間、2年生12時間、34年生20時間、56年生35時間、中学校1年・230時間、3年生12時間とする。

(3)豊かな人間性の育成

 豊かな人間性の育成を図るためには、確かな学力の定着をもとに、基本的な生活習慣の定着や規範意識の確立、芸術やスポーツに親しむ習慣や態度を身に付ける必要がある。また、自らの目標に挑戦し、成就感を体得する経験を通して、基本的な価値観、自主的・実践的態度、豊かな情操、自他の生命尊重、自尊感情、あいさつや社会的マナーなど、人間関係を形成する力を身に付けていく必要がある。

  1. 心の教育の充実
     人権教育をすべての教育活動の基本として、学校の人権教育全体計画に基づき、計画的な指導を行う。また、人権教育担当教諭を校務分掌に位置付け、学校や地域の実態に即した推進を図る。また、道徳教育の充実を図るため、道徳教育担当教諭を位置付け、道徳授業地区公開講座の実施内容・方法を工夫するとともに、学校・家庭・地域が一体となった道徳教育を一層推進する。また、道徳教育推進協議会及び道徳教育推進委員会を設置し、授業実践や指導資料の作成を通して、道徳の時間の充実を図る。
  2. いじめ・不登校対策
     いじめや不登校など、健全育成上の課題への対応について、校内体制の確立と関係諸機関との連携を一層図る。区立教育センターにおいては、サポート会議やケース会議を開催し、必要に応じて、東部家庭支援センターや医師、弁護士などを加えた対策チームのもと、学校支援を一層推進する。
  3. キャリア教育の推進
     キャリア教育の一層の充実に資するため、中学生の職場体験連続5日間を中学校全校で実施する。そのため、教育委員会、学校、事業所等から構成される推進委員会を設置し、円滑な職場体験学習の運営・実施を推進する。
  4. 文化の担い手
     音楽鑑賞教室や連合展覧会、特別支援学級まとめ展等の連合行事を実施し、鑑賞や作品づくりを通して、豊かな情操を培うとともに、創造力の向上を図る。
  5. 環境教育の推進
     「環境都市づくり」2年目を迎える豊島区の方針のもと、環境教育を全校的な取組みとして推進する。21年度は、全校で環境教育全体計画を作成し、「学校の森」植樹祭や小学校5年生を対象とした環境学習プログラムを実施するとともに、地域や学校の特色を生かした環境教育を推進する。

(4)しなやかな心と体の育成

 児童・生徒の体力の低下や様々な健康課題が懸念される中、生涯にわたって運動やスポーツに親しむ意欲や能力の育成と健康・安全に関する正しい知識や生活を改善する力を身に付けさせる必要がある。
 そのためには、運動やスポーツに親しみ、自ら取り組もうとする態度や基礎的な身体能力の育成とともに、運動やスポーツについての動き方や学び方、安全に関する知識などについて身に付けることが重要である。また、自他の命や健康を大切にし、生涯にわたって豊かなライフスタイルを築くためには、健康に関する正しい知識とともに、健康課題に対して適切に対処し、健康を保持・増進できる実践力をはぐくむことが必要である。

  1. 体育・健康教育の充実
     総則3に示されているように、体育・健康に関する指導は、すべての教育活動において行われるが、中でも、体育・保健体育の時間の充実が不可欠である。移行期からの小学校低学年の授業時数増への対応や各領域が示す目標と内容に基づき、確実な技能・態度・学び方を身に付けさせる。また、健康教育全体計画を作成し、関係諸機関と連携しながら、全校での推進を図る。さらに、区教育研究会体育部・保健体育部と連携し、体育科の授業改善や体力づくりを推進する。
  2. 食育の推進
     各学校では、食育全体計画を作成し、食育リーダーを中心とした食育の充実を図る。本区栄養教諭を活用した出前授業や授業公開を実施し、家庭や地域への啓発と連携を促進する。
  3. 体力の向上
     児童・生徒の体力低下傾向に対応するため、児童・生徒の体力調査を小学校5,6年及び中学校全学年で実施する。また、家庭や地域ぐるみの健康づくりを推進するため「親子体力テスト」を10校程度実施する。

(5)教師力の向上

 「平成18年度豊島区立学校保護者等意識・意向調査」においては、教員の授業力向上への要望と、児童・生徒の学力向上についての関心が極めて高い。特に「教科の基礎的な学力」、「人間関係を築く力」、「自分の考えを表現する力」、「自ら学ぼうとする意欲」についての向上が求められている。
 そのため、保護者や地域からの要望に応え、厚い信頼を得るよう、学校教育の直接の担い手である教員の資質・能力の向上に向け、教員研修や教員相互の研究活動の活性化を図る一方、教員は教える専門家としての高い志と豊かな感性をもち、子どもの話に耳と心を傾け、自己研鑽に励むことが重要である。

  1. 授業力の向上
     教職経験に応じた指定研修や職層に応じた研修の充実を図り、学校経営能力や経営参加の意欲、指導力の向上を図る。職層に応じた研修や個人の課題に応じた研修など、キャリア・プランと連動させた実践研修を実施する。また、教員の意欲を高め、授業力向上リーダーを養成するため、優れた指導力をもち、若手教員の手本となる授業を行う教師を、豊島区教育委員会が名人先生として認定する。 
  2. 幼稚園・小・中学校連携の推進
     全校において小・中連携推進協議会を年3回開催し、学力向上を重点とした小・中学校の円滑な連携教育を推進する。また、区立小・中学校教育研究会との連携を図り、年間を通じて開催される各教科等部会での研究を奨励するとともに、指導力と専門性の向上を図る。

(6)信頼される学校教育、学校運営

 本区では、信頼される学校を目指し、学校参観週間や学校運営連絡協議会を実施するとともに、昨年度からは、学校経営方針に基づく、学校評価システムの構築とその充実に取り組んでいる。学校運営連絡協議会の強化と学校の自己評価、学校関係者評価の充実は極めて重要である。また、各学校が特色ある教育に努め、学校教育が活性化することを目的として、隣接校選択制や地域人材等の活用、特別支援教育の推進、大学との連携推進などが課題である。

  1. 特色ある教育活動の推進
     文部科学省研究協力校や東京都教育委員会研究指定校、豊島区教育委員会教育研究校を指定し、教育課題の解決に向けた研究を推進するとともに、「みらいチャレンジスクール事業」「小規模校支援事業」による特色ある学校づくりを推進する。また、学力の向上や生活指導の充実、特別支援教育の推進のための教育支援員や外国人児童・生徒のための指導協力者、特色ある教育活動のためのスクールスタッフなど、必要な人材を派遣し、学校経営を支援する。
  2. 開かれた学校づくりの推進
     学校評価の改善と充実を図るため、積極的な学校公開を推進するとともに、学校経営方針に基づく、学校評価システムを確立する。また、学校運営連絡協議会による学校関係者評価の充実を図り、学校評価の結果を生かした経営マネジメントサイクルを継続的に実施していく。
  3. 地域人材・施設活用の推進
     区内大学(学習院大・女子栄養大・大正大・帝京平成大・東京音楽大・立教大)の特色を生かした教育連携を推進し、大学のもつ知的・人的財産の活用を図る。また、大学にニーズにも応えながら、「教育豊島」の一層の充実を図る。
  4. 特別支援教育の推進
     特別なニーズを必要とする児童・生徒への指導の充実を図るため、特別支援教室を全校設置し、特別支援教育巡回指導員「チームステップ」を派遣する。また、特別支援学級では、個別指導計画に基づいた指導の充実を図る。さらに、副籍制度を活用し、都立特別支援学校に在籍している児童・生徒の居住する区立学校における交流及び共同学習を推進する。
  5. 教育相談の充実
     教育センターでの教育相談の充実とともに、学校スクールカウンセラーを生かした教育相談体制の充実を図る。また、スクールサポート「チームアウル」による問題行動への対応や適応指導教室、日本語指導教室での学校適応指導の充実を図るとともに、学校だけでは解決できない問題に対しては、事例に応じたケース会議を開催し、関係諸機関や医師、弁護士などと連携した対応を組織的に行う。
  6. 安全対策の推進
     セーフティ教室の実施や安全マップの作成を通して、児童・生徒が安心して通える学校づくりを推進する。また、警察等の関係諸機関と連携し、地域ぐるみで安全対策を推進する。

このページに関するお問い合わせ

教育総務部 教育指導課
電話:03-3981-1145 ファクス:03-3986-9474
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