「赤い鳥」のふるさと目白で、優れた児童文学を讃える
更新日 平成22年7月1日
平成22年度「赤い鳥文学賞」他2賞 贈呈式開催報道発表日:平成22年7月1日
問い合わせ:文化デザイン課 プロジェクト推進グループ 電話03-3981-1534
日本の優れた児童文学作品に贈られる「赤い鳥文学賞」「新美南吉児童文学賞」「赤い鳥さし絵賞」の今年度の受賞者が決定し、本日、区内にある「自由学園明日館(みょうにちかん)」(国指定重要文化財)にて贈呈式が行われた。
なお、作品は平成21年1月1日~同12月31日までに出版された創作文学、詩集の中から選定。一次、二次、最終選考会を経て決定された。
<受賞作品>第40回 赤い鳥文学賞 岩崎京子・作『建具職人の千太郎』くもん出版・刊
第28回 新美南吉児童文学賞 三輪裕子・作『優しい音』小峰書店・刊
第24回 赤い鳥さし絵賞 田代三善・絵『建具職人の千太郎』くもん出版・刊
なお、「赤い鳥文学賞」他2賞は、惜しまれながらも今回をもって幕を閉じる。
日時・場所
22年7月1日(木曜日)午後3時~5時
自由学園明日館(西池袋2-31-3)
主催
「赤い鳥の会」 後援:豊島区、愛知県半田市(半田市は新美南吉の出生地)
当日の様子
赤い鳥文学賞に選定された「建具職人の千太郎」は、江戸時代末期に奉公に出された千太郎が、周りの人々とのふれあいの中でいつしか腕の良い建具職人を目指す物語。受賞の岩崎京子氏は、執筆の苦労話と自身の骨折経験をからめて「やっぱり骨を折らないと駄目ね。」と明るく受賞の喜びを語った。三輪裕子氏は「体が痛く動けない時、本を書けるだけで幸せだったのに、このようなすばらしい賞をいただけてさらに大きな幸せを感じています。岩崎先生、田代先生を目指していつまでも書き続けて行きたい。」と語った。田代三善氏は完成した本を見て、「もう少し色気が出なくては駄目だったと思った。今年で88歳、まだ時間があるので、水墨調の絵を描いてみたい。」と、これからの抱負を語った。
背景・補足事項
童話童謡雑誌『赤い鳥』は、大正デモクラシーを背景として大正7(1918)年7月に、当時夏目漱石門下の逸材と呼ばれていた鈴木三重吉が、現在の豊島区目白で創刊した月刊の児童文芸誌で、北原白秋らの献身的な協力を得て、わが国の近代児童文学の基礎を築いた。昭和11(1936)年の三重吉の他界とともに廃刊したが、「子どもたちのために芸術として真価ある純麗な童話と童謡を創作する」という三重吉の理想と、児童文学界に残したその功績は今も色あせてはいない。
* 赤い鳥文学賞は、三重吉の遺志を継承した児童文学者・坪田譲治(故人)らが発起人となり昭和46(1971)年に制定。年間の創作児童文学作品(童話・小説など)の中から優れた作品に贈られるもので、『赤い鳥』の歴史を記念して、創刊日である7月1日前後に毎年贈呈式を開催している。
* 新美南吉児童文学賞は、『赤い鳥』出身の作家・新美南吉の業績を記念して新美南吉著作権管理委員会(現在は「新美南吉の会」に改称)が昭和57(1982)年に創設、新進気鋭の作家の作品を対象としている。
* 赤い鳥さし絵賞は、児童図書出版社として『赤い鳥』の理想を継承する小峰書店の小峰広恵前社長(故人)を記念し、昭和62(1987)年に創設された「挿絵(童画)」のための賞である。
豊島区は童話童謡雑誌『赤い鳥』創刊の地として、同誌を区の重要な文化遺産と位置づけ、その功績を顕彰するとともにその理想を継承するため、区制60周年を機に平成4年から支援を行っている。
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