池袋モンパルナスそぞろ歩き『小熊秀雄と池袋モンパルナス』発売中
更新日 平成20年6月23日
小熊秀雄の生涯と、池袋モンパルナスが鮮やかに浮かび上がる報道発表日:平成20年6月13日
問い合わせ:池袋モンパルナスの会 玉井会長 電話:03-3900-8511
区内で精力的に活動している「池袋モンパルナスの会」が、冊子「池袋モンパルナスそぞろ歩き 小熊 秀雄と池袋モンパルナス」を発行し、区内書店などで販売されている。「池袋モンパルナスそぞろ歩き」は、平成16年11月に発行されたのを皮切りに、今回でシリーズ第4弾。豊島区では現在、小熊秀雄 作品を収集しており、平成20年度に約70点、21年度に約40点を購入予定。今後、企画展の開催を予定している区にとっても、注目の1冊となっている。(小熊秀雄 作品の収集については、文化観光課 文化芸術係 電話:03-3981-1270へ)
今回は、池袋モンパルナスの代表的芸術家で、「池袋モンパルナス」という言葉を初めて使った「小熊 秀雄」に焦点を当て、小熊の生涯や作品を豊富な写真を使いながら、当時の歴史的(文学的)出来事と併せて紹介。鶴見俊介 氏・大岡 信 氏・井上 ひさし 氏等の小熊 秀雄への考察、小熊 秀雄の研究家、同時代の作家たちの文章を数多く掲載しており、読み応え十分。また、「池袋モンパルナス案内 千九百三十八年の或る日」と題して、当時の池袋モンパルナスのイラスト地図も載っており、当時の風景を楽しく想像することができるようになっている。
「洋画」「童画家」「彫刻」などのように、ジャンルごとに特集していた前のシリーズとは違い、「小熊 秀雄」という個人にスポットを当てているものの、「単に〈小熊秀雄・文学=芸術アルバム〉にとどまらず、多角的・多面的な〈池袋モンパルナス〉の全体を視覚化し、合わせて小熊 秀雄と同時代の詩華集(アンソロジー)でもあるべくと編集した」という玉井会長の言葉どおり(同冊子の「編集後口上」より)、幅の広い内容となっている。
玉井会長に見所を聞いてみると、「洋画・童画・彫刻篇に続き、今回は小熊 秀雄の多彩な、ジャンルを超えた活動を通して、池袋モンパルナスを感じて欲しい」と語ってくれた。
A5判 69ページ。オールカラーで1冊1,200円。区内書店、池袋モンパルナスの会事務局(電話:03-3971-6965)で販売されているほか、区内図書館でも読むことができる。
補足事項
- 「小熊 秀雄(おぐま ひでお)」(詩人、批評家、画家)
1901年に北海道小樽で生まれ、1928年に上京し、後に豊島区長崎町に転居。プロレタリア文学運動退潮期には、プーシキン・ネクラーソフ・マヤコフスキーに学びながら口語・日常語を巧みに生かし、諷刺の効いた長編詩のほか、文学・絵画・人形劇などを多くの作品を残した。1940年に千早町1丁目のアトリエの自室で39歳の若さで亡くなっている。 - 「池袋モンパルナス」
1930年代頃から旧長崎町(現長崎・千早・要町一帯)には、100軒以上のアトリエ付借家が軒を並べ、新進の画家や彫刻家、詩人達が住み着いた。この借家群は、若き芸術家達によって「さくらが丘パルテノン」「すずめが丘アトリエ村」「つつじが丘アトリエ村」等と称され、芸術至上主義的な集落を形成していた。住み集った芸術家達は、毎夜のように池袋西口界隈の喫茶店や飲み屋に繰り出しては芸術論をたたかわせていたと言う。中心的人物であった小熊は、パリのモンパルナスに因み、この自由奔放な芸術家たちの集まりを「池袋モンパルナス」と名づけた。 - 「池袋モンパルナスの会」
池袋を仕事や生活の場としている人たちを中心に、アトリエ村の歴史や芸術的な意義を辿ることを通じて池袋の街のアイデンティティを再発見し、かつてこの街から発信された文化のエネルギーを蘇らせ、街の活性化につなげていこうと有志が集まって、平成11年に発足した。これまで、アトリエ村の跡を辿るフィールドワークやマップ作り、講座や講演会など、幅広い活動を続けている。会長の玉井 五一さんは、「小熊 秀雄」全集の出版を手がけ、小熊 秀雄協会の会長を務めている。
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