嫡出推定に関する民法改正とさらなる運用見直しを求める意見書
更新日 平成20年9月16日
民法第772条の「婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は婚姻中に懐胎したものと推定する」という「嫡出推定」規定は、民法施行当時、父親の子への責任放棄をさせないため、「早期の身分保障」「子の福祉」の観点から重要な意義を持つものでした。しかし、施行から110年余りが経過し、離婚・再婚をめぐる社会情勢の変化や医学的進歩により妊娠時期や父親の確定が容易となる中で、この規定が時代に合わなくなっています。
近年、適法な再婚を経て出産したにもかかわらず、戸籍上事実と異なる前夫が父親とされることを嫌い、出生届がなされないことによる、いわゆる「無戸籍児」の存在が明らかになっています。また、「親子関係不存在」等の家事調停・裁判を行った場合でも、父親が確定するまでの間、無戸籍となるのが一般的で、その数は年間3,000人前後と推定されます。
これを受け、法務省が通達を出し、「離婚後妊娠」であることの医師の証明書を添付することで事実上の父親を父とした戸籍作成が可能となりました。しかし、この通達により救済されるケースは、なお対象者の約1割程度といわれ、無戸籍児問題の根本的解決には至っていないのが現状です。
よって、豊島区議会は、国会及び政府に対し、慎重に検討しつつも、子どもの人権を守るため、離婚前妊娠であっても、社会通念上やむを得ないと考えられるものについては、現在の夫として認めるなど、民法第772条の「嫡出推定」規定を見直し、現実に即した法改正と、改正までの間、通達による救済の範囲を広げるなど、運用面でのさらなる弾力的対応を強く求めます。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
平成20年3月21日
豊島区議会議長 吉村 辰明
衆議院議長・参議院議長・内閣総理大臣・法務大臣 あて
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