豊島区東池袋四丁目交流施設基本計画
更新日 平成20年8月6日
計画の策定にあたって
東池袋四丁目市街地再開発事業は、平成6年11月に組合が設立され、平成7年権利変換計画認可、平成9年建設工事着工、平成11年事業完了の予定で都市計画事業としてスタートした。
しかし、当時の社会経済情勢はバブル経済がはじけた後遺症下にあり、組合が予定していた保留床交渉が進展せず、事業化の目途も立たない状況であった。
このような中で、豊島区は組合から平成8年11月20日付にて、庁舎移転などの検討も視野に入れた「保留床購入のお願い」の要請を受け、平成9年1月30日付で、「区の公共施設(中央図書館など)として再開発ビル保留床のうち、6,000平方メートル程度の取得を前提に、新たな事業計画の中に位置づけていただくこと。」と回答した。
区は、保留床購入を前提として、平成12年2月8日付けで東池袋四丁目地区公共施設検討チーム(委員長、都市整備部長)を発足させ、再開発ビルに設置される公共施設の用途等の検討に入った。
検討チームは、平成12年6月23日「東池袋四丁目地区公共施設について」と題する報告書をまとめたが、その要旨は次のとおりである。
新中央図書館の施設内容について
- 規模は、現中央図書館(専用面積2,018平方メートル)からみて、約3,000平方メートル程度とする。また、視聴覚室や会議室など交流施設と共用できる施設は、図書館から除くものとする。
- 基本的イメージとして
- 多彩で活気あふれる、情報と文化の集積・交流・創造・発信ステーションをめざす。
- 情報ネットワークの安全・確実・身近な拠点として、幅広い利用者の信頼を獲得する。
- 家族連れで来館してもくつろげる知的・文化的空間を創造する。
交流施設の施設内容について
- 規模は、新中央図書館を設置した残りの3,000平方メートルとする。
- 基本的イメージとして、・ 情報・文化・芸術などにより、人と人とが直接ふれあう場づくりをめざす。
- 駅前である立地を活かし、わかりやすく利便性が高い、仕事帰りにでも気楽に利用できる公共施設とする。
- 音楽、演劇、講演会、展示会など多用途に対応できる空間可変設備・音響・照明などを備えた「フリースペース」と「会議室」、「視聴覚室」 などが一体として機能する施設とする。

本計画(案)は、東池袋四丁目地区公共施設検討チームの報告を受け、交流施設について検討を行う場として、平成12年12月26日に「東池袋四丁目再開発ビル交流施設のあり方検討委員会(委員長助役)」を発足させた。本計画は、その下部組織としてワーキンググループを設置し、専門家のアドバイスを受けながら池袋副都心のにぎわいの創出をキーワードとして、様々な角度から検討を加え策定に至ったものである。
交流施設の位置と規模
- 建設地
豊島区東池袋4丁目4番他(再開発ビル内) - 施工区域面積
約1.6ヘクタール - 建築物の規模
- 建築面積 約4,500平方メートル
- 延べ面積 約99,500平方メートル
- 業務棟階数 地上15階地下2階
- 住宅棟 地上42階、地下2階
- 構造RC造
- 公共施設の規模
交流施設- 位置 業務棟2階から3階
- 規模 約3,000平方メートル
- 位置 業務棟4階から5階
- 規模 約3,000平方メートル
- 建設地の特色
建設地は、豊島区のほぼ中央、JR池袋駅の東南約700メートルに位置し、営団地下鉄有楽町線の東池袋駅に近接する再開発施工区域面積約1.6ヘクタールの地区である。
建設地は、池袋副都心エリアに含まれ、池袋駅から連担する業務・商業ゾーンの端部に位置し、周辺には業務施設主体の複合施設サンシャインシティをはじめ、商業施設、業務施設が存在している。一方で地区の南東側には低層木造住宅密集住宅地が広がっている。
また、有数のターミナル機能をもつJR池袋駅の徒歩圏にあり、有楽町線東池袋駅、都電荒川線東池袋四丁目などとも近く、交通の利便性に優れている。さらに、地下鉄13号線(平成19年開通予定)が、池袋・新宿・渋谷の3副都心を結ぶルートで計画されており、当地区近傍では池袋駅、雑司谷駅(当地区から800メートル)の整備が予定されている。 - 位 置

7.配置

8.平面

2階平面図

3階平面図
9.イメージ

あざやかなコンベンション空間

多彩な劇場空間

華やかなショー空間
施設の目的

文化の創造・発信の拠点をつくる
交流施設は、芸術・文化の両面で、区民の創作活動を積極的に支援するとともに、単なる上演施設・イベント施設としてではなく、すぐれた芸術が継続的に上演され区民の理解と親近感をさらに深める区民自身の創造のための施設空間をめざす。
また、豊島区内に埋もれている文化財産の発見と文化に関する多くの創造と活動を通して情報発信する拠点を構築する。
さらに、運営についても舞台芸術関係者と区民が合流する組織(NPO、財団等)による柔軟な運営を図ることにより、豊島区の文化的創造基盤の充実を図るものとする。を創造するものである。
芸術・文化の担い手を育成する
交流施設は、区民とともに舞台芸術をこころざす演じ手の支援、育成を積極的に行い、芸術家をめざす若者、交流施設の運営に携わるスタッフやボランティアをはじめとするホールの核となる人材の育成を図る。
交流施設の参加者が企画段階から公演の実現までの過程に直接関与することにより表現芸術の「楽しく学びながら遊ぶ」をキーワードに演じる側の楽しさを体得する。
さらには、演じる側だけでなく、観客として一流の文化・表現芸術に接することにより観る側がマナーを身に付け、演じ手、観客が一体となり豊島区文化の創造の大きな力となる人材の育成を図るものとする。
池袋副都心のにぎわいを演出する
池袋副都心は、区民、区内在勤者、来街者など、多くの人々に親しまれ、幅広い参加と交流を広げ、誰もが気軽に芸術文化に接することが可能な「生活舞台のあるまち」である。交流施設は、劇場都市池袋の核として「365日」「24時間」を時間軸として、舞台芸術等を基本に毎日がお祭りであるスペースを創出する。
また、交流施設は、来街者による新たなにぎわい空間として、区民だけでなく、来街者も含めた「観客」を主役とし、設置者としての区、上演者としての舞台芸術関係者が一体となって、豊島区の文化の創造、発展のステージとし、池袋副都心のにぎわいを演出する。
地域コミュニティを創造する
交流施設では、舞台芸術から展示会、講演会、各種集会など、活発なコミュニティ活動を可能とする施設づくりを目指す。また、この施設では、区民に質の高い総合芸術を提供し、区民に親しまれ、愛される施設づくりを心がけていくものとする。
具体的には、ホールや稽古場等を一定期間地域に積極的に開放したり、事業の企画・実施時に区民の積極的参加を促すシステムを構築する等、新たな文化事業を通して地域コミュニティ
本計画と他の計画との関係

東池袋4丁目地区交流施設基本計画と他の構想、計画との関係は図のとおりとする。
交流施設建設概算費用と財源
保留床購入経費と交流施設部分の工事費は次のとおりである。
- 保留床購入経費と工事費
保留床購入費29億円+工事費8億円 - 財源構成
- 起債 充当率未確定
- 一般財源
- 特別財源
中心市街地活性化法による商業・サービス業集積関連施設整備費補助金、まちづくり総合支援事業等の検討
交流施設の管理運営主体の考え方
交流施設の管理運営主体
本施設は、公の施設として位置付けるものであるが、施設目的からしてできる限り柔軟かつ大胆な運営や事業展開が可能となるよう配慮しなければならない。区民の自主的な創意工夫あふれる創作活動が、区内外で活躍する各界の芸術・文化活動と結びつき、池袋副都心の活性化と賑わいの創出、新たな地域コミュニティの形成へと発展する仕組みづくりにふさわしい管理運営主体を検討する。全国的には、財団法人の設立による方式をはじめ、最近では、特定非営利活動法人法による特定非営利活動法人(以下「NPO法人」という。)による管理運営方式などが取り入れられるなど、さまざまな試みが展開されている。また、これらの法人は施設のハード面の管理運営のみならず、プロデューサー・ディレクター・ホールサポーターなどを配置した民間事業のノウハウを活かし、ソフト面でもより柔軟な事業展開を行っている。こうした事例に広く学ぶとともに、副都心池袋や本区の従来からの文化的財産の特性を存分に生かした法人の設立が出来ないか検討する。なお、本区には、財団法人豊島区コミュニティ振興公社(以下「コミュニティ公社」という。)が存在する。財団法人を新たに設立する場合には、このコミュニティ公社とのすみわけが課題となる。また、NPO法人による場合は、いまだ事例が少ないことにより、安定した経営ノウハウや財政的条件には十分留意して検討する必要がある。
参考
新たな発想による芸術文化施設づくりの事例
富良野演劇工場(北海道富良野市)-NPO法人への管理委託-
平成12年4月1日施行の「富良野演劇工場設置及び管理に関する条例」におい て、「市教育委員会は、演劇工場の管理を、地方自治法第244条の2第3項の規定に基づき特定非営利活動法人ふらの演劇工房に委託する」としており、NPO法人が「管理受託者」として位置付けられている。契約上は、NPO法人と管理運営に関する委託契約を締結している。
しいの実シアター(島根県八雲村)-劇団による運営・管理-
しいの実シアターでは「建設は行政で、運営は民間で」という村長の方針のもと、運営方針の決定から実際の管理運営まで、全て劇団「あしぶえ」に任されている。 法人格のない劇団と行政が、直接、管理運営に関する委託契約を結ぶことが難しいため、契約上は公的団体である「八雲村文化協会」を経由した形となっているが、実質的な管理運営は劇団「あしぶえ」が行っている。
金沢市民芸術村(石川県金沢市)-財団への委託と市民の自主的運営-
施設の管理については、市が財団法人金沢市文化創造財団に委託している形をとり、備品の現状復帰などは、利用者の自主管理に任せている。また、施設条例の第3条には、「金沢市市民芸術村は、利用する市民の代表者によって構成する組織で芸術村の運営についての基本方針を定めるなど、市民参加による自主的な運営を図ることを基本とする」と定めており、行政による規制や管理とは異なる、利用者による自主的なルールを定めているものと認識されている。

施設運営の考え方
基本方針
目的に合致した、幅広い芸術文化の創造が可能な運営形態を検討する。本施設が公の施設であることから、区民参加を中心とした法人(NPO、財団等)による運営を基本とする。
運営主体
管理運営主体としての法人(NPO、財団等)は、理事会、評議員会(または総会)等の意思決定機関を有するのは当然のことであるが、事業の展開にあたっては、交流施設館長を中心に、各専門分野、区民の代表並びに各種団体の代表による複数のディレクターを配置する。また、ホール管理運営を支えるサポーティングメイト(学生、区民、区内在勤者等)組織などを設け、ボランティアによる支援の仕組みも検討する。さらに「友の会(仮称)」組織など重層的に区民、在勤者、来街者などが気軽に参加できるシステムの導入も検討する。法人(NPO、財団等)については、情報の公開、事業、運営に関する評価軸を明確にする等、これからの外郭団体のモデル的位置付けを明確にし、先行事例を参考にしながら検討することとする。

事業展開のあり方
基本方針
- 地域住民の理解を得つつ24時間、365日芸術・文化に接することを可能とする場とし、芸術・文化関連の情報の受発信基地としてノウハウの提供、人材の提供を行うものとする。
- 舞台芸術(パフォーミングアーツ)を創造していく場とする。
- アマチュアが日頃の成果を発表する場とする。
- プロフェッショナルを目指すアーチストを輩出する場とする。
- 舞台芸術を身近に接することにより、文化に対する感性やマナーを養う場とする。
事業内容
- 舞台芸術に関する各種ワークショップの開催(音響、照明、舞台、衣裳)
- 地元劇団を支援する事業
- 区民や演劇人のための稽古場及び発表する場としての貸し館事業
- 良質な演劇及びその他の芸能等の鑑賞事業
- フロアや周辺環境を利用した各種イベント事業
- 運営主体となる法人(NPO)、財団等の運営を支えるための収益事業
- 教育・まちづくり・福祉関連の団体との連携事業
- 豊島区の演劇界と芸術文化団体との共催事業

事業収支の考え方
- 基本的考え方
本施設の管理運営については、法人(NPO、財団等)に委託する。
法人は、施設の管理運営や事業展開にあたっては、民間並みの経営努力により健全な収支運営を図るものとする。 しかしながら、すべての経費を法人の事業展開により賄うことは困難であること、設置者としての区の責任分担を明確にすることなどから、あらかじめ区と法人との間で、費用負担の区分を明確にしておくこととする。 - 区の費用負担
区は、施設の維持管理経費を負担する。
また、人件費の負担については、法人組織の運営費、とりわけ施設の経常的な維持管理に伴う人件費については設置者としての区が支出をするが、法人の自主事業にかかわる人件費については法人が負担するものとする。 - 法人の費用負担と自主財源
法人組織の運営費、法人の自主事業、収益事業に伴う経費は原則として法人の負担とする。法人は、自主事業に伴うチケット売上金、その他収益事業による歳入を自主事業の財源に充当する。 また、施設使用料については法人が利用料として徴収し、法人の自主財源とすることができる方式についても検討する。

施設内容
基本方針
交流施設は、区立図書館や民間テナントと同居する施設である。したがって再開発事業による複合ビルのメリットを最大限に生かすことが求められる。そのため、図書館とは一体的・有機的に結合し、民間テナントに対して、ビル全体が地域の商業活性化に結びつくような施設の誘致を働き掛ける。さらに、交流施設、図書館、民間テナントが三位一体となり、様々なニーズに応えた多目的・機能性に優れた施設計画とする。
施設構成・配置
交流施設は、事業棟2階から3階部分を占めるが、4階から5階部分の新中央図書館との一体性に配慮した動線計画とする。
諸室・ 規模・ 備考
- ホール(フリースペース)
550平方メートル
収容人員(300人から350人) - 展示室兼ホワイエ
330平方メートル
カフェを併設 - 楽屋
120平方メートル
3室 - 主催者室
30平方メートル
1室 - カフェ
70平方メートル
ホワイエ部分に設置 - 9倉庫
120平方メートル
2室 - 調整室
120平方メートル
音響・調光・映像 - 音楽練習場
80平方メートル
2室 - 稽古場
200平方メートル
1室 - 視聴覚室兼会議室
120平方メートル
1室 - 事務室
120平方メートル
運営法人の事務局 - ホール用機械室
170平方メートル
3階 - ラウンジ
60平方メートル
3階 - その他(ロビー、廊下等)
910平方メートル
2階・3階
合計 3,000平方メートル
設置予定施設及びスペース
2・3階フロアー
ホール(フリースペース)
- 主用途
舞台芸術(現代劇、能・狂言、室内楽等の音楽等) - 他の利用
- 講演会
- 集会等
- 施設構成(客席数)
客席数 300席~350席程度(可動席)
客席 スタッキングチェア-方式 - 施設規模
客席 約266平方メートル
舞台 約210平方メートル - 特記事項
舞台芸術を主目的とした講演会、展示会など多用途に対応でき、時代のニーズに合わせタイムシェアできる構造を検討するとともに、空間可変設備・音響・照明などを備えた多目的ホールとする。
展示室を兼ねたホワイエ
- 主用途
- 絵画
- 彫刻
- 書
- 写真
- ポスター
- 施設規模
約330平方メートル - 特記事項
展示室とホワイエは、使用ニーズに合わせ転用できる構造とし、ホール使用時には来館者がゆったりとくつろげる空間となるよう配慮する。
楽屋
- 主用途
出演者の更衣 - 施設構成
楽屋3室 - 施設規模
楽屋(1)約62平方メートル
楽屋(2)約27平方メートル
楽屋(3)約27平方メートル - 特記事項
大小の楽屋を配置し、男女別・化粧前・洗面台に配慮する。
主催者控室
- 主用途
主催者の準備 - 施設構成
主催者室1室 - 施設規模
約25平方メートル - 特記事項
主催者がスタッフとスケジュール調整や打ち合せを行うことができる空間とする。
サービス施設
- 主用途
カフェ - 施設構成
ホワイエ・展示室内に設置 - 施設規模
約70平方メートル - 特記事項
ホワイエ・展示室内にコーヒー、紅茶等のドリンク類の提供を可能とする空間、設備を設置する。なお、軽食類については、今後の検討課題とする。
倉庫
- 主用途
各種器具の倉庫等 - 施設構成
倉庫(1)
倉庫(2) - 施設規模
倉庫(1)約66平方メートル
倉庫(2)約45平方メートル - 特記事項
大道具、メンテナンス用の脚立、音響・照明機材、ピアノを収納できるものとする。倉庫(2)は、運営主体の事務用倉庫として利用する。
3階フロアー
調整室
- 主用途
音響・調光・映像の操作 - 施設構成
1室 - 施設規模
約110平方メートル - 特記事項
音響・照明・映像設備の操作器材を1ヵ所に集約し、少人数で操作できるものとする。
音楽練習場
- 主用途
音楽(ロック等)の練習 - 施設構成
音楽練習室(1)
音楽練習室(2) - 施設規模
音楽練習室(1)約40平方メートル
音楽練習室(2)約40平方メートル - 特記事項
ロック演奏が可能となるよう遮音性に配慮する。
稽古場
- 主用途
音楽・演劇の練習 - 他の用途
音楽・演劇のリハーサル
会議、発表会 - 施設構成
稽古場1室 - 施設規模
約200平方メートル - 特記事項
リハーサル、出番前の練習、音合わせ等ホールとの動線に配慮するとともに、楽屋としての機能と会議、発表会の会場の機能を併せもつものとする。
視聴覚室兼会議室
- 主用途
会議、講習会等 - 施設構成
視聴覚室兼会議室1室 - 施設規模
約100平方メートル - 特記事項
集会室機能とともに視聴覚室機能を併せもつものとし、図書館との連携に配慮する。
事務室
- 主用途
運営主体の事務室 - 施設構成
事務室1室 - 施設規模
約120平方メートル - 特記事項
チケットの購入をしやすくするためのOA機器の設置やスタッフの打ち合せスペース、ディレクター会議の開催を可能とする空間を確保するなど、管理者、利用者が協働する空間を確保する。
実施計画の策定
本計画の策定に基づき、以下の事項について実施計画を策定するものとする。
- 交流施設の設備仕様
- 管理運営組織の形態
- 事業計画の概要
- 施設管理運営・事業の収支見通し
- 区専管組織の設置
- 開設に至る準備スケジュール
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