===== P2-3 ===== 豊島区 祝90周年 昭和7(1932)年10月1日、北豊島郡内の巣鴨町・西巣鴨町・高田町・長崎町の合併により、 豊島区は誕生しました。それから90年。 令和4(2022)年10月1日、豊島区は90回目の誕生日を迎えました。 今回は、郷土資料館をメイン会場として開催する特別展「豊島大博覧会」の一部を紹介しながら、 誕生以来90年のあゆみと、100周年に向けての将来像について展望していきます。 [問い合わせ]郷土資料館電話3980−2351 豊島大博覧会 〜過去から学び、今日を生き、未来に希望〜 令和5年3月26日(日)まで 午前9時〜午後4時30分  郷土資料館をメイン会場に開催中 区が歩んできた歴史、文化によるまちづくり、そしてこの間に大きく変貌した現在の姿を、300点以上の郷土資料、美術・文学作品、ジオラマ・模型などにより紹介します。また100周年に向けた新時代を紹介する池袋駅周辺都市模型の展示や、まちづくり紹介動画の上映を行います。 [展示構成] 第1章 豊島区誕生前史〈むかしのとしま〉 第2章 豊島区の誕生と人々のくらし〈としまくのはじまり〉 第3章 豊島区の繁栄と副都心池袋〈さかえるとしま〉 第4章 国際アートカルチャー都市〈としまくのいま〉     水戸岡鋭治氏プロデュース〈イケちゃんランド〉 第5章 輝く未来〈としましんじだい〉 第3章で展示中の山本高樹氏によるジオラマを一部紹介 ▼池袋駅東口周辺ジオラマ 路面電車(都電)とトロリーバスが併存する昭和40年代前半の池袋駅東口の一部をイメージしたジオラマです。この時期、池袋東口駅前には3つの百貨店がありましたが、右側の建物がそのうちの1つです。週休2日制がとられる前の高度経済成長期、日曜日の午前中に家族で百貨店に出向き、夕方まで百貨店内で過ごした思い出のある方もいることでしょう。ジオラマ手前に見える都電車両や「池袋駅前」停留場は現存しませんが、現在の池袋駅東口の原形はすでに整っていることが読み取れます。 [キャプション] 縮尺1/70 お店の中までのぞいてみてください トロリーバスの中にもにぎわいが… ▼旧豊島区役所・豊島公会堂・旧区民センター周辺ジオラマ 昭和36(1961)年7月、東池袋一丁目に地上4階地下1階の鉄筋コンクリート造の豊島区総合庁舎(旧豊島区役所)ができました。建設に1年間を要し、当時都内最大の規模を誇るものでした。現在の庁舎ができるまで、50年以上皆さんに利用いただいた建物です。このジオラマは、竣工(しゅんこう)当時の図面をもとに制作したものです。 ▼池袋駅西口周辺ジオラマ 池袋駅西口のマーケットの撤去は、東口側に遅れること10年以上、昭和36(1961)年2月から始まり、昭和39年頃に終了します。このジオラマは、百貨店とマーケットが併存する昭和37年頃の池袋駅西口の一部をイメージしたものです。にわか作りの木造建築物と、近代的な鉄筋コンクリート造建築物との対比が目を惹(ひ)きます。その後、マーケットの取り壊しが進み、昭和38年の西口駅前広場整備、昭和44年の東京学芸大学附属豊島小学校校舎の取り壊しなどを経て、今日の西口の景観に近づいていきます。 ▼豊島公会堂 昭和27(1952)年10月に完成した地上3階の鉄筋コンクリート造の施設で、約1,600名が収容可能でした。当時、公会堂内の設備費および備品調達のため、募金活動が行われ、約1,200万円が集められました。竣工当時の図面をもとに制作され、公会堂で行われるイベントに集まってくる人々をイメージしたものです。 制作者へinterview 昭和ジオラマ作家 山本高樹氏 私は当時を知る方々に色んな記憶を思い起こして楽しんでもらえるよう心がけて制作しています。当時の写真は不鮮明なモノクロ写真しかないので、イメージに合うように色を決めたり、複数の写真を組み合わせて空間や立体を把握しています。どうしても当時の様子がわからないときは、見た人が楽しめる方に寄せちゃいますね。池袋駅周辺のジオラマを制作しているときは、ツイッターに地元の方からの当時のエピソードコメントがたくさん集まり、イメージしながら作ることができました。路面電車とトロリーバスが混在した、池袋駅東口ならではの風景が特に魅力的です。当時の生活感を大事に、お店やトロリーバスの中までこだわって作りました。ほとんどを手作業で1年。気持ちを込めて作りましたので、ぜひ見に来てくださいね。 水戸岡鋭治氏プロデュース イケちゃんランド 第4章の現在から第5章の未来へのかけ橋としてイケバスが 未来へつなぐ、イケバスとイケちゃんでいっぱいのスペース。 Message インダストリアルデザイナー 水戸岡 鋭治 氏 会場内の連絡通路を少しでも明るく楽しく彩るために、床・壁・天井・扉、見渡す限りイケバスとイケちゃんのイラストでいっぱいにしました。豊島区を旅するイケバスとイケちゃんを描いた入口から出口まで13秒で見わたせる小さなコリドール・ミュージアムです。イケバスに乗って一緒に豊島区を旅してみませんか。 水戸岡氏講演会 「デザインは公共のために〜IKEBUSととしまキッズパーク〜」 11月12日(土) 午後2時〜3時30分◇100名 [申し込み]往復はがきで10月25日(必着)までに「〒171−0021 西池袋2−37−4 郷土資料館」へ※1通につき1名。応募者多数の場合は抽選。 植田志保氏作品コーナー 第4章部分では、「色のすること」と題した色と色の出合いから動きが生まれる創作を行う、ウイロードをはじめ、まちに彩りと安らぎを与える作品を表現してきた植田志保氏の作品を展示します。 [キャプション] 空に芽ぐむ ここへ続いた声 豊島区の将来像も見てみよう 将来の池袋駅周辺の姿を幅約1.4m×長さ約2.2mの大規模模型で展示します。区制100周年に向けて発展を続ける池袋。その将来像を模型や映像で大公開します。 [問い合わせ]都市計画課事業調整グループ電話4566−2634 映像で学ぼう 動画上映 池袋駅周辺の過去を振り返るところから始まり、直近のまちづくり事業を経て、未来に向けて計画されている様々な都市再生プロジェクトを紹介します。 現在進行中の再開発事業のほか、今後新たに整備する池袋駅東西の駅前広場や連絡通路なども表現します。 隈研吾建築都市設計事務所の協力で「国立競技場」と 「サン・ドニ・プレイエル駅」の模型を展示します! ●国立競技場…同様に木と緑の外装を持ち、同事務所でデザイン監修した「としまエコミューゼタウン(区役所本庁舎)」の模型と並べて展示。2つの建築の共通点が見つかるかもしれません。 ●サン・ドニ・プレイエル駅…2024年パリオリンピック・パラリンピックに向けて、パリ北部の拠点として整備中。池袋駅周辺でも進行中の“駅とまちが一体となったまちづくり”。その先行事例をご覧ください。 Message 都市政策顧問、建築家 隈 研吾氏 豊島区のまちづくりは、町の公共建築にとどまらず、人が主役の「ウォーカブルシティ」の実現へ向かっています。この度、豊島大博覧会において、我々が設計に携わった2つの模型を貸し出しすることとしました。どちらも区のまちづくりに関係の深いプロジェクトです。「国立競技場」からは区民にひらかれた都市の杜の姿を、パリの北の拠点となる「サン・ドニ・プレイエル駅」からは、分断された市街地をつなぐ、池袋のまちの将来像を感じとっていただけたらうれしいです。 「豊島大博覧会」会場情報 郷土資料館特別展「豊島大博覧会」電話3980−2351            休館日…月曜日(祝日と重なる場合は翌日も)、第3日曜日、祝日、年末年始、11月3・7・23日は開館 鈴木信太郎記念館企画展「鈴木家の暮らし×としま90年」電話5950−1737   雑司が谷旧宣教師館企画展「としまと『赤い鳥』〜区制90周年を彩る児童文化〜」電話3985−4081 休館日…月曜日(祝日の場合は開館)、第3日曜日、祝日の翌日、年末年始、11月4・7日は開館  〈11月開館〉昭和歴史文化記念館特別企画展「タイムトリップ 豊島区の90年」 休館日…月曜日(祝日の場合は開館)、祝日の翌日、年末年始  11月号としまplusで紹介します