広報としま 情報版 令和5年 3/1 No.2010 SDGs未来都市としま 豊島区は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。 高野之夫豊島区長(85歳)が令和5年2月9日に亡くなられました。 過去から学び、今日を生き、未来へ希望をつないだ 高野之夫 豊島区長 逝去  高野区長は池袋に生まれ育ち、区議2期、都議3期を経て平成11年区長に初当選、現職の都内区長では最多の6期24年にわたり、豊島区の発展のためにご尽力されました。  区長就任時に破綻寸前だった財政の再建、「オウム真理教本部」や「池袋東口駅前場外車券場」の阻止、「消滅可能性都市」の指摘からの克服など、自ら陣頭指揮を執り、区民の皆さまとともに幾多のピンチを乗り越えてこられました。  その中でも、今日の豊島区を創り上げる転機となったのが、平成26年の「消滅可能性都市」の指摘でした。  高野区長は「ピンチをチャンスに変える」という強い信念をもって、区民の皆さまの声を聴きながら「子どもと女性にやさしいまちづくり」を進め、「国際アート・カルチャー都市」を将来都市像として明確に打ち出されました。  平成27年には長年の懸案だった区庁舎の移転・整備を公有地の活用による収入で実現する一方、庁舎跡地を8つの劇場を持つ「ハレザ池袋」として開発するとともに、宝塚歌劇の定期公演を実現しました。「南池袋公園」「ハレザ池袋」「グローバルリング」「イケ・サンパーク」、池袋東西を回遊する「イケバス」など、他に類を見ない都市再生がこの時からはじまりました。  東京2020大会を控えた令和元年には、人口約1200万人の中国・西安市、約300万人の韓国・仁川広域市と肩を並べ、日本を代表して「東アジア文化都市2019」を開催し、「文化を基軸とした価値あるまちづくり」の姿を世界に向けて発信しました。  こうした中、令和2年には世界的なコロナ禍が襲い掛かりました。そのような危機に直面する中でも、高野区長は「池袋・繁華街感染拡大防止キャンペーン」や、医師会・歯科医師会・薬剤師会と連携した区独自のワクチン接種の体制づくりなどを迅速に実施する一方、常に将来を見据えた挑戦を続け、東京初となる「SDGs未来都市」「自治体SDGsモデル事業」のダブル選定を達成されました。  このほかにも、セーフコミュニティ国際認証による安全・安心なまちづくり、日本を代表する桜「ソメイヨシノ」を活用したまちづくり、南長崎地域におけるマンガの聖地「トキワ荘」の再現や昭和レトロのまちづくり、池袋の東西を結ぶ「ウイロード」、大塚の個性あふれる南北駅前広場の整備など、地域の特色を活かしたまちづくりにも取り組まれるなど、その実績は語りつくせません。  そして、高野区長は、「区制90周年を単なる周年行事ではなく、100周年を見据えた新たな出発点」と位置づけ、区民や団体、企業の皆さまの主体的な参加を幅広く呼びかけられました。その呼びかけに共感された皆さまが区政や地域のまちづくりに関心をもち、区内で様々な地域活動を自律的に展開されるなど、まちづくりの原動力となる地域の力が、より一層高まったことが90周年のレガシーとなりました。  これまでの道のりは、決して平坦なものではありませんでしたが、高野区長は常に前を向きながら、子どもたちがこのまちを愛し、未来に希望をもてるように、そして、誰一人取り残さない社会の実現を目指して、その生涯をかけて、豊島区の発展にご尽力されました。  令和5年2月8日の区議会招集あいさつの中で「過去から学び、今日を生き、未来への希望をつなぐことが、今を生きる中継ランナーとしての私の役割でした」という言葉を遺されました。豊島区は、高野区長のバトンを引き継いで、さらなる発展を目指してまいります。 謹んで追悼の誠を捧げます 豊島区議会議長 木下 広  豊島区議会を代表し、高野之夫豊島区長のご逝去を悼み、謹んで追悼の誠を捧げます。  高野区長のご逝去の報に接し、痛惜の念を禁じ得ません。  高野区長は、平成11年、区民の衆望を担って豊島区長に就任され、6期24年にわたり区政を担い大きな礎を築かれました。  財政破綻寸前だった当時の豊島区政を再建させ、平成27年には新庁舎の移転を実現されました。さらに、文化芸術の発信拠点であるハレザ池袋や個性あふれる池袋駅周辺の4つの公園、トキワ荘マンガミュージアム、大塚駅前広場の整備などにより、豊島区全体を賑わいあふれる街へと大きく変貌させてきました。  また、こうしたハード整備面ばかりでなく、子どもと女性にやさしいまちづくりで待機児童ゼロを実現させ、舞台芸術からマンガ・アニメなどのサブカルチャーまで受け入れるアートによるまちづくりで、これまでの豊島区のイメージを大きく一新させました。  そして、次なる区制100周年に向けて、「国際アート・カルチャー都市」、「SDGs未来都市」として発展させ、さらに、人が主役の「ウォーカブル都市」を掲げ、誰もが暮らしやすい、誰もが輝けるまちづくりへの新たな挑戦が始まったところでした。  私たち議員一同は、高野区長の力強いリーダーシップによって、豊島区の発展に尽くしてこられた数々のご功績をたたえるとともに、区政のさらなる進展のために全力を傾注してまいることをお誓いし、心からのご冥福をお祈り申し上げます。 ●豊島区長の職務代理者について  令和5年2月9日(木曜日)から豊島区副区長の齊藤雅人が職務を執行しています。 ●豊島区長選挙について  令和5年4月23日(日曜日)の統一地方選挙で行われます。 ●区・区民合同による「偲ぶ会(仮称)」について  令和5年6月8日(木曜日) 豊島区立芸術文化劇場での実施を予定しています。 発行:豊島区 編集:広報課 〒171―8422 豊島区南池袋2―45―1 電話 3981―1111(代表) 毎月1・11・21日発行 ホームページ https://www.city.toshima.lg.jp/ ●「広報としま」は、新聞折り込みのほか区民事務所などの区施設、区内の駅、公衆浴場、ファミリーマート(区内店舗)などで配布しています。ご希望のかたには個別に配達いたします。