===== P2-3 ===== 地域を守る消防団 お住まいの地域で消防団の皆さんが活躍されていることをご存じですか? 消防団員の方は仕事や学業、家庭を持ちながら地域の安全と安心を守るために活動されています。 今回は地域防災消防団の皆さんを取材しました。 [問い合わせ]防災危機管理課防災事業グループ電話4566−2572 学業とともに Interview 豊島消防団第4分団 帝京平成大学 学生 佐久間 美羽(さくま みう)さん 真野(まの)みなみさん  普段は大学の授業、アルバイトなど多忙な学生生活を送る中で、消防団にも所属し、地域の消防訓練などにも参加。今年度のポンプ操法審査会で、準優勝に輝きました。学業との両立の中で日頃どのような生活を送っているのか、お話を伺いました。 消防団に入団したきっかけを教えてください。 2人●私たちは救急救命士を目指しているので、大学では救急救命士コースを専攻しています。大学の先輩が、将来救命士を目指すうえで消防団の活動はいい経験になるよと誘ってくれたのがきっかけです。 入団後、生活面で変化はありましたか。 佐久間さん●人に説明できるくらい知識を深めていきたいと思うようになりました。消防団は地域のために活動しているので、学んだことは今後どこに住んだとしても活かせます。そして、消防団員だからこそ、自分が家で火事を起こすわけにはいかないという意識も強くなりましたね。 真野さん●家の火災報知器なども点検しようと思うようになりました。普段サイレンの音を聞くといつか自分も現場に行くかもしれないという緊張感が高まります。活動では、まちの中で防災のアナウンスをしたり、盆踊り大会での警戒・見回り、救命講習会でAEDの使い方を学んだり。長く活動している方に地域の歴史なども教えてもらったりもするんです。 2人●様々な知識が身について、消防団に入ってプラス面しかないですね。 学校生活との両立はいかがですか。 佐久間さん●普段の訓練のほかにポンプ操法審査会の前の2か月間は週3〜4回、夜に訓練をします。正直、心が折れそうになった時もありましたが、団員の皆さんが励ましてくれたおかげで頑張れました。皆さんが本当に優しいんです。 真野さん●平日は授業と訓練、土日はアルバイトという状況で大変な時もありました。でも、地域の皆さんは自分の娘や孫のように私たちに接してくれるので、その優しさに応えたくて頑張れます。練習時によく差し入れもしてくれました。差し入れがおいしいから、より頑張れたのもあります(笑)。審査会当日には応援に来てくれて「いつも通りやればいいんだよ」と声をかけてもらい、涙が出そうになりました。 今後の目標は? 佐久間さん●高校生のときからの目標である救急救命士になりたいです。命の最前線の現場ですが、救急は男性の方が多いのが現状です。女性の社会での活躍が注目されている現代ですが、女性だからこそ要救助者が女性の場合などに安心感を与えられる存在になりたいと思っています。もっと地域の若い方も消防団に入れるようになればいいなとも思っています。 真野さん●私も救急救命士になることが一番の目標です。人の役に立つ仕事がしたいんです。私が大学を卒業して豊島区を離れることがあったとしても豊島消防団の活動が途切れることがないように、すでに大学の後輩にも入団をすすめています。 [キャプション] 佐久間 美羽さん 真野みなみさん ▲日頃訓練をともにしている第4分団の皆さん ポンプ操法審査会 日頃各分団で訓練されている消防団の方々が分団代表チーム(1隊5名)で、ポンプの基本操法である(1)ポンプ搬送、(2)ホースの延長、(3)水槽から消火水を吸水、(4)放水をする手順を、確実性・操作の習熟度において競います。実際に災害時の消火活動を行うために使用する可搬ポンプを使用します。今年度、豊島消防団では第5分団、池袋消防団では第1分団が熱戦を制し、優勝しました。 消防団と連携している消防署の方にお話を伺いました 豊島消防署 防災安全係 中村さん 豊島消防団は220名の団員が7つの分団に所属し、仕事や大学のない日にあわせて、消防署と一緒に各種行事に参加しています。小・中学生への救命指導や地域イベントでの警戒活動など、身近なところで皆さんの安全を見守っています。これからも団員の方々を地域防災力の担い手として、豊島消防署は豊島区とともに応援します。 池袋消防署 防災安全係 熊谷さん 池袋消防団は、池袋駅の西側にあたる地域を管轄区域として活動しています。全団員の約3割が女性であり、力強さに加え、多様な視点を活かせる消防団になっています。 一年を通じて、お祭りやイベントの警戒、防災訓練などに参加し、自営業者、会社員、学生など様々な職業の団員たちが協力し合い、地域の防災リーダーとして活躍しています。 消防団の役割 区内では、計13の消防団の分団(豊島消防団7分団、池袋消防団6分団)が活動しています。消防団は火事に限らず、震災や大雨による河川の氾濫(はんらん)や住宅の浸水時などの災害時に、消防隊とともに被害を最小限にするために活動します。また大規模災害時には、消防、警察、自衛隊などが本格的に機能する前段階で、“自分たちのまちを自分たちで守る”ために、中心となって、消火活動、救出、救助活動を行います。 東日本大震災では、地震発生直後の住民同士による助け合いによって、多くの命が救われました。消防団は地域を母体とした集団だからこそ、より地域に密着した活動、即時対応ができる強みがあります。実際に区内でも火事の現場に消防団が駆けつけ、住民の安全確保などを行っています。 [キャプション] ▲防火貯水槽の点検 消防団の日頃の活動 防災活動には、専門的な知識と技術が必要です。 消防団は日頃から様々な災害の状況を想定した 訓練を行っています。 ●応急救護訓練 心臓マッサージ・人工呼吸訓練のほか、普及啓発のため救命指導も行っています。  ●水防訓練  台風や集中豪雨などの水害を想定した土嚢(どのう)づくりをします。 ●消火・放水訓練 ●救助救出訓練 地域がつながる 地域で守る Interview 池袋消防団第2分団 小野寺 由美(おのでら ゆみ)さん、怜那(れな)さん、皓穎(こうえい)さん お母さまの由美さん、娘の怜那さん、怜那さんの夫の皓穎さん、家族3人で消防団の活動をされている小野寺さんファミリー。 消防団入団のきっかけや入団後の生活面での変化など、お話を伺いました。 消防団に入団したきっかけを教えてください。 由美さん●介護の仕事をしていたので、元々救命には興味があったんです。ご近所の方でも入団している方がいたので、思い切って入ってみました。 怜那さん●私は先に入団した母に誘われて何となく始めてみたという感じです。 皓穎さん●僕は、結婚したときにはすでに妻が入団していたので自然と入る形になりましたね(笑)。 入団後、生活面で変化はありましたか。 由美さん●まちの見え方が大きく変わりました。今までは何となく歩いていたまちも、防災を意識して見てみると全く違うように見えるんです。つい歩きながら、消火栓はどこだろうと無意識に探してしまったり。 皓穎さん●外出先の建物の中でもどこに非常ベルや消火栓があるのかなと、つい気になってしまいますね。 由美さん●今、災害が起きたらどうなるだろうということを考えるようになりましたね。緊急時に役立つような知識も入団前より増えたと思います。 怜那さん●何より地域でのコミュニティが広がりました。みんなで食事や旅行に行ったりもするんですよ。入団前は仕事がない日は時間を持て余すことも多かったんですが、入団してからは、いろいろなイベントがあるので、とても充実しています。 皓穎さん●僕は地元が豊島区ではないんですが、地元では地域の方たちとこんなに交流することがなかったので、自分が所属するコミュニティができたということを実感していますね。 由美さん●それから運動を心がけるようになりました。消防用のホースって結構重いんですよ。普段から鍛えていないと、いざというときに動けません。日ごろから体力づくりを頑張っています。 仕事との両立はいかがですか。 怜那さん●団にはさまざまな生活スタイルの人たちがいます。訓練も出られない日があるのは当然ということをお互いに理解しているので、無理なく続けられる体制が整っていると思います。 今後の目標は? 由美さん●日々の消防団の活動をしながら、地域の役に立つということですね。 怜那さん●消防団の存在をもっと若い世代の人に知ってもらうことです。いざというとき、地域で助け合えるということが大切だと思います。 皓穎さん●今は私たち家族が分団の中で一番若い世代ですが、次の世代にもつなげていきたいですね。 [キャプション] ▲左から怜那さん、由美さん、皓穎さん ▲団の皆さんと旅行 ▲家族3人で協力しながら審査会に出場 消防団員募集 豊島消防団・池袋消防団では新たなメンバーを募集しています。 ◇区内在住、在勤、在学の18歳以上の方。 [申し込み]電話で豊島消防団は豊島消防署電話3985-0119、池袋消防団は池袋消防署電話3988-0119へ。 [キャプション] 特別区消防団 ホームページから 申込みも可。