===== P2-3 ===== パパも頼っていいんだよ 男性の育児 ”推進”から”支援”へ みんなが育児に仕事に一生懸命な今。男性も産後うつなどのリスクがあることを知っていますか? 育児休業制度の充実などによる男性の育児が推進される一方で、 女性はもちろん男性も育児期にまつわる不調リスクが高まっています。 男性の育児を“推進”から“支援”へ。 区では妊娠期から男性の育児を支援するための事業を検討・実施していきます。 [問い合わせ]子育て支援課庶務・事業グループ電話03-4566−2478 産後うつとは 産後1年以内の育児期間中に、育児を1つの要因としてメンタルヘルス不調を起こした状態をいいます。 男性の育児休業取得率 (令和4年度厚生労働省雇用均等基本調査) 17.1% 10年前の1.89%(平成24年度同調査)と比べて大幅に上昇し、育児に積極的に携わる男性が増加しています。一方で、共働きの子育て世帯の増加をはじめ、就労形態や生活スタイルの多様化により、子育てに孤立感や不安感を抱えている方も増えています。 父親の9人に1人は「産後に不調」 国立成育医療研究センターによると、産後にメンタルヘルス不調のリスクが高い状態にある父親は全体の11%で、母親と同程度存在するとされています。夫婦が同時期に産後うつ状態と診断される世帯も全体の3.4%程度あり、女性はもちろん男性への積極的な育児支援が求められています。 教えて、産後うつのこと (一社)Daddy Support協会 代表理事(産婦人科医・産業医) 平野 翔大さん ――なぜ男性の支援が必要と感じたのですか 産業医として、育児をきっかけにメンタルの不調を起こす父親を多く診るようになりました。まず、なにも知識を得ず妊娠期を過ごしている男性が多く、突然父親になり「仕事も育児も頑張らないと」と自分を追い込んでいってしまう。そもそも、妊娠期の知識を男性が学ぶ機会が少ない、その環境が問題だと気づきました。 ――産後にメンタルヘルス不調にならないために、対処法はありますか 自分たちだけですべて解決しようと気負わないことです。子どもが生まれたら日々色々なことが起きます。夫婦で冷静に話もできません。妊娠中から「困ったときに頼る先」を話し合っておきましょう。友達や親、職場や関係機関でも「しんどい、なんとかしてほしい」と言える先を持っておくことがとにかく大切です。 ――どんな症状があったら受診を考えた方がいいですか? 眠れないとか仕事でミスが多くなったなど一般的な症状が実はメンタル不調の始まり。「赤ちゃんに手を上げそうになる、口をふさぎそうになる」「かわいいと思えない」「泣いていても無感情になってしまう」。こんな症状が表れたら受診を考えてください。 ――パートナーが産後うつに…気をつけることはありますか? 夫婦の片方がうつ状態になると、負担が偏(かたよ)り、夫婦とも崩れてしまうリスクが高くなります。私が支えなければと自分だけで抱え込まず、すぐに誰かに支援を求めてください。 ――育児中の皆さんへ一言 自分を大事にして、周りを巻き込みながら育児をしてくださいね。子どものため、パートナーのためという気持ちももちろん大事ですが、1人でリフレッシュできる時間を少しでもいいので取ってください。リフレッシュして冷静になると自分を見つめ直し、危ない状況にも気づけますよ。誰もがうまくいかなくて当たり前ですから。 Profile 医学部卒業後、初期研修・産婦人科専門研修を経て、現在は産業医として大企業統括産業医からベンチャー企業の産業保健体制立ち上げまで担う。複数のヘルスケアベンチャーにも参画し、プロダクトマネージャーやアドバイザーとして関与。「男性育児」「メンタルヘルス」などについて、執筆・編集活動も行う。Daddy Support協会の代表を担い、構成員に産後うつ経験者の当事者を配するなど、医学と育児当事者双方の知見から事業を実施している。 平野さんによるセミナーを実施します 3月19日(火) 午後1時〜1時50分 区役所本庁舎1階としまセンタースクエア 妊娠期からの男性育児を支援する事業のスタートとして、区内の男性の育児環境に関するアンケート調査を2月に実施しました。平野さんがアンケート調査の結果を踏まえた、妊娠期からの男性の育児支援の必要性についてお話しします。お子様も同席可能です。セミナー内容は後日オンラインで配信予定です。参加方法などの詳細は区ホームページ参照か問い合わせてください。 父子手帳を作成しました 妊娠期から出産・育児知識および支援情報をパパに届けるために、DaddySupport協会 では父子手帳 を作成しました。 見守り訪問を始めました 月齢4〜11か月児がいる世帯に、子育て支援に関する研修を受けた支援員が毎月自宅を訪問する「子育て世帯見守り訪問事業」を2月から開始しました。訪問時にお子さんと養育している方にお会いして体調などを伺います。対象の世帯には案内書 類を郵送します。訪問には、事前に登録が必要です。 [問い合わせ]当事業コールセンター  電話0570−033100(平日午前9時〜午後5時) [利用方法] <1>書類にある2次元コードを読み取り、専用サイトで登録をします。 <2>専用サイトで見守り訪問申請(訪問日の予約)をします。 <3>訪問日に、見守り支援員がお子さんと養育している方にお会いして状況を伺います。 <4>見守り訪問終了後、専用サイトで育児支援品に引き換えられる3,000円相当の電子クーポンが付与されます。 相談してください こんな悩みはありませんか? 赤ちゃんが生まれたら、どんな生活? 最近夜泣きをして大変… 妊娠・出産・子育てに関する心配ごとや様々な悩みに、子育てナビゲーターがお応えし、必要であれば適切な窓口へおつなぎします。電話での問い合わせや相談も受け付けています。ご家族の方、お子さんも一緒に部屋に入れるので気軽にご利用ください。 ●受付時間…平日午前8時30分〜午後5時(土・日曜日は午前9時から) ●利用方法…予約は不要です。直接お越しください。 ●場所…区役所本庁舎4階子育て支援課窓口前 [問い合わせ]子育て支援課子育てインフォメーション電話03−4566−2487 Daddy Support協会監修 知っておこう ママの体の変化 妊娠初期(1〜4か月) パートナーの体が変化し始める 気持ちや関わり方を見直そう ●つわりが始まるなど体の変化が始まる ●流産などへの不安もまだ大きい 妊娠中期(5〜7か月) 赤ちゃんのいる生活に向けた準備を始める 育児の分担など話し合って決めよう ●おなかのふくらみや胎動を感じる ●同じ姿勢を続けるとおなかが張りやすくなる 妊娠後期(8〜10か月) 出産と産後の最終準備 2人の時間&1人の時間も楽しんで ●おなかが大きくなり、1人でできないことも増えてくる ●37週以降はいつ生まれてもおかしくない 産後(1か月) うまくできなくて当たり前 誰かを頼ってOK ●お産のダメージが残る ●1か月健診後でも完全回復はまだ 考えてみよう セルフコンディショニング ●子どもを授かることへの今の気持ちをノートに書き出してみる ●「親はこうあるべき」という考えは一度そっと置いておく ●「自分が頑張らないと」ではなく「パートナーと支え合う」 ●出産・育児への期待や不安を共有する ●環境変化をなるべく避ける(転職・引っ越しなど) ●夫婦ともに、休む&1人になる時間を決めて実行してみる ●自分の食生活、睡眠を見直す ●産後は忙しいから「無理してやらないこと」を決めておく ●夫婦の食事と睡眠も大切にして、交互にまとまって寝る時間を確保しよう ●夫婦交代で「子どもから離れてもいい自分のための時間」を意識的に作る