===== P4 ===== ご家族の声 ひとりじゃない。知ってほしい、私たちの想い。 お父さん 充栄さん お母さん 奈保さん [ プロフィール ]窪田さんファミリー 開創400年の勝林寺住職の充栄(じゅうえい)さん・妻の奈保(なお)さん・3人のお子さんの5人家族。 長男は発達障害、次男は脳性麻痺となり肢体不自由の障害がある。 夫婦が育児で感じた想いと向き合い、子どもたちへの願いをかたちにするために、平成28年から「くつろぎば」を開催。 障害児や医療的ケアが必要なお子さんの保護者のつどいの場をつくっている。 ■充栄さん 話すことで安心する 次男が生まれてすぐの頃は、24時間休む暇もなくケアが続きました。長男の発達障害も重なり、どうして自分たちばかりが…と思い悩む日々でした。 そんなときに、次男が利用している訪問看護ステーションのすすめで、親子交流会に参加しました。 そこで初めて、同じように障害のあるお子さんや医療的ケアが必要なお子さんの保護者の方々と話すことができました。 同じ境遇の方々に触れ、悩みや想いを伝えあうことで「共感」が「安心」につながり、こんな想いをしているのは自分だけではないんだと感じられるようになりました。 「くつろぎば」への想い お寺という拠点がある自分たちにはこの安心感を再現できるのでないかと思い、始めたのがくつろぎばです。 ここでは家族写真や音楽鑑賞など、医療的ケアがあるとなかなかできないことを一緒にやっていきたいんです。 親御さんたちは食事をしながら会話をすることで、気持ちがすっきりしたとおっしゃる方も多いです。 ここで初めて家族写真が撮れたと喜んでいたご家族も。 医療的ケアが必要なお子さんや障害があるお子さんのいるご家族は、日々の生活の中で、辛いことや悲しいことが、ごく当然に出てくると思うんです。 そういう時に誰かとつながりを持てて、「助けて!」と言える環境があることが理想だと思います。 つらさや悲しみ、喪失感を乗り越えようとすると余計につらくなったり、自分を責めてしまうこともありますね。 ここをきっかけに希望を見出せる人が増えていったらうれしいです。 そして地域の方々には、私たちのような家族がいるということをまずは知ってもらえたらと思います。 ■奈保さん 人とのかかわりが人を強くする 次男が1歳になるまでは、週に3回ほど訪問看護師さんに自宅に来てもらい、育児相談などをしていました。 家族以外の方に話を聞いてもらうだけで気持ちが楽になりましたね。 当時看護師さんから訪問看護ステーションの集まりをすすめられて参加するまでは私自身が気持ちに余裕がなく、次男の体調も不安定だったので、外に出られなかったんです。 目的地に到着しただけでも達成感がありました。 似た境遇で苦労している方に伝えたいことは、色々なサービスを利用するべきということです。 次男も元々は極度の人見知りで、私がつきっきりでないとひたすら泣いていました。 それが、サポートスタッフの方がたくさん外に連れ出し、多くの人との交流を大切にしてくれたことによって、今では人と関わることが大好きに。 幼い頃から他人と過ごすことが子どもの性格を前向きに変え、成長にもつながるんです。 「ちがい」を受け入れるきっかけに まちで子どもたちに「これ(経管栄養チューブ)なに?」と聞かれると、「この管で栄養や空気をとっているんだよ」と丁寧に答えています。 最初はあまりいい気がしませんでしたが、興味を持ってくれているということだと気づいたんです。 医療的ケアが必要な子どもがいることを知り、違いを受け入れるきっかけになりますよね。 そして私は日頃から、様々な子どもたちが過ごせる場がもっとあってほしいと思っていて、希望を伝えていくために支援協議会に参加することにしました。 想いを訴え続けたら叶うことがあるんじゃないか。子育てをしながらいつもそう思っています。 CLOSE UP お寺でくつろぎば 障害のあるお子さんとその家族のための場。古くから地域の場になっていた駒込の勝林寺で行っています。 障害や病気を抱えて生まれてきたお子さんとその家族がゆっくりくつろいだり、ご飯を食べたり、お話をしながら想いを共有することができます。 「演奏会に行きたい」、「水族館に行きたい」、「スイカ割りがしたい」、「家族写真が撮りたい」など、お子さんやその家族の想いをかたちにするイベントを行っています。 いつも頑張っているお子さん、そしてその子を支えている家族の皆さんが楽しみ、そしてつながれる場です。 ※小児専門の訪問看護ステーション「ベビーノ」とともに運営。 次回開催日 6月9日(日) 葛西臨海水族園の移動水族園がやってきます。対象や申込方法などの詳細は勝林寺公式ホームページ参照。[QRコード] SUPPORT 支援協議会の声が施策へ 子どもと家族をサポートしています 1 豊島区医療的ケア児等保護者交流会 不安を少しでも和らげるために区内の医療的ケア児等の保護者が集まり、体験談や悩みなどをお話できる場です。 2 レスパイト事業強化 看護師がお子さんの通う学校に訪問できるようレスパイト事業の訪問先に学校を追加しました。 保護者の皆さんの負担軽減、家族の休養や就労の時間をつくっていきます。 3 区立保育園での受け入れ開始 医療的ケアを必要とする子ども(集団保育が可能な子ども)を対象に、区立保育園(池袋第一・高松第二)での受け入れが可能となりました。 4 放課後等デイサービスに看護師の加配 重症心身障害児に対応した放課後等デイサービスに看護師を追加配置し、医療的ケア児への対応を強化していきます。 支援協議会(豊島区医療的ケア児等支援協議会)とは 医療的ケア児やその家族を身近な地域で支えられるように、区で協議会を設置。 区・医療・福祉・保育・教育などの関連機関と委員となる当事者が取組みや支援について意見交換・情報共有を行っています。 CONTACT US 相談してください 医療的ケア児等コーディネーターを配置! 医療的ケア児やその家族などからの相談に応じられるよう障害福祉課に医療的ケア児等コーディネーターを配置しました。 子どもの特性に配慮しながら、関係機関との緊密な連携、地域で総合的に支援できる体制を整えていきます。 [問い合わせ先]障害福祉課児童・障害児支援グループ 電話03-4566-2451 東・西障害支援センター 障害児通所支援などを利用する際に必要な「障害児支援利用計画」の作成などの障害児相談支援を開始しました。 [問い合わせ先]東部障害支援センター 南大塚2-36-2 電話03-3946-2511 [問い合わせ先]西部障害支援センター 千早2-39-16 電話03-3974-5531 東京都医療的ケア児支援センター(区部) 医療的ケアが必要な子どもやその家族が、子どもの心身の状況に応じた適切な支援を受けられるよう相談に応じます。 自治体・関係機関などへの情報提供や連絡調整も行います。 [問い合わせ先]南大塚2-8-1(東京都立大塚病院内) 電話03-3941-3221 ひとりで悩まないで [問い合わせ先] 子育て全般… 子育て支援課子育てインフォメーション 電話03-4566-2487 東部子ども家庭支援センター 電話03-5980-5275 西部子ども家庭支援センター 電話03-5966-3131 発達に関すること…児童発達支援センター 電話03-6777-0370 学校生活のこと…教育センター教育相談グループ教育相談担当 電話03-3971-7440 発達障害に関すること…障害福祉課発達障害者相談グループ 電話03-4566-2445