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このたび本区では、区制施行60周年を迎えて、豊島区地域の移り変わりを写真で振り返ってみることといたし、区立郷土資料館の手により特別展『写真にみる豊島60年のあゆみ展』を開催することとなりました。
今回の特別展の開催に際しましては、「広報としま」において広く区民の皆さまのご協力をお願い申し上げましたところ、実に多くの区民の皆さまより720点にのぼる貴重な写真や、関連資料のご提供をいただきました。ここにあらためて、心より厚くお礼申し上げます。
集められた写真に焼き付けられた映像は、見る人をそれぞれの時にタイムスリップさせます。あたかも60年前の池袋や巣鴨の街角にいま、立っているかのように感じられます。そしてまた、千川堤の桜は、私達が、水の流れや風、花や木など自然の息吹を感じながら生活していたころが、ついぞこの間のことであるかのように思わせます。
あらためて申し上げるまでもなく、豊島区は、あのふたたび繰り返してはならない世界大戦、めざましい戦後復興、高度経済成長などを経て、どの街も、人々も大きく変貌しました。
この特別展では、これまでの豊島区の姿をただ懐かしく、親しく眺めるばかりでなく、一人ひとりがこれからの豊島区について考える契機にしてこそ、開催の意義ありと申せるかと存じます。
21世紀は、あと僅か8年余りでやってまいります。そのときに向って、どんな豊島区を、どんなわが街を築いていかねばならないかを考えてまいりたいと存じます。
一人でも多くの区民の皆さまに、特別展および本誌をご高覧賜りますよう願っております。
平成4年10月1日
東京都豊島区長加藤一敏
(図録序文より)
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