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今回の企画展「池袋の生活資料展」は、昨年11月に実施した、池袋地区(池袋本町1から4丁目、上池袋2から4丁目、東池袋1丁目、池袋1から4丁目、西池袋1・3から5丁目)の「歴史生活資料所在調査」の際に寄贈を受けた資料を中心に展示しています。
池袋地区の歴史生活資料所在調査は、当初の予想をうわまわる成果を得ることができました。
その成果の一つは、生活資料そのものの残存状況です。
今回の調査区域は、その大半を1945年(昭和20年)の空襲で焼失し、また、戦後の急激な都市化によって、その生活環境が著しく変えられていった地域です。また、戦後になってから、大変多くの人々が移り住んだ地域でもあります。
したがって、当初の予想では、調査対象の中心をなす戦前・戦中の資料はもちろん、1950年代後半までの生活資料さえも、はたして残存しているかどうかも心配の種でした。
しかし、いざ調査に入ってみると、この心配は杞憂におわり、多くの歴史生活資料の存在を確認することができました。
なかでも、意外なことに、戦前から使用していたというものが予想以上にありました。所蔵者の方の話を聞いてみると、以前住んでいた場所で焼け残ったものを、池袋に来てからも使用していたとか、戦時中に疎開していた時にも持っていったとか、その残り方もさまざまなようです。
このようにしてのこされたものを目にした時、年代や暮らし向きを特定する形では無理にしても、高度経済成長を遂げる以前のくらしを知る手掛かりになる展示は可能なのではないか、ということになりました。
今回の展示の企画はこのような考え方から出発しています。
(かたりべ21号より)
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