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ミルク色の残像─東京の牧場展─

  • 展示期間1990年8月16日から10月14日
  • 図録価格900円(品切れ)

郷土資料館では、日本の酪農発展に重要な役割を果たしてきた東京の牧場に着目し、都内最初の試みとして東京の牧場展を開催いたします。

今回の特別展は、昨年度当館が行った旧西巣鴨町地区の歴史生活資料所在調査の成果をもとにしていますが、1987年度特別展「失われた耕地─豊島の農業─」での牧場コーナーが子どもたちに大きな反響を呼んだことが、東京の牧場を取り上げる直接の動機となっています。

ところで、明治中期から第二次大戦直後まで豊島区にはいくつも牧場があったかご存じでしょうか。高層ビルが立ち並び、人口密度が日本一高い今日の豊島区からは想像もつきませんが、区内のあちこちで乳牛の姿を見ることができました。

豊島区における牧場の創始者といえば、千葉から来た前田喜代松の名を忘れることはできません。1888(明治21)年、前田が鬼子母神前に「北辰社」(ほくしんしゃ)牧場を開いたのが豊島の牧場の始まりとされています。そしてこれ以降、区内には、角倉賀道(すみのくらまさみち)の「愛光舎」や田村貞馬(さだま)の「強国舎」など日本の牛乳搾取業を代表する牧場が、巣鴨・池袋地域を中心に次々と開設されました。そして1947年(昭和22年)に「桜木舎」が経営に終止符を打つまで、のべ60ヶ所の牧場が東京市民に牛乳を供給し続けたのです。

今回の特別展では、豊島区をはじめ都内に数多く存在した牧場の歴史を掘り起こし、その存在の意味を考えていきたいと思います。

(かたりべ19号より)

図録表紙

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更新日:2018年3月14日