障害者を取り巻く状況 1.区の障害者の現況 (1)身体障害者手帳所持者数  身体障害者手帳所持者は年々増加しており、平成28年度では7,742人となっています。障害部位別では肢体不自由が半数近くを占め、内部障害がこれに続いています。平成28年度の部位別等級内訳を見ると、部位ごとの分布に若干偏りが見られるものの、全体では1級(最重度)が28.5%と最も多く、次いで4級が23.9%となっています。                                    (2)愛の手帳所持者数  平成28年度末現在、愛の手帳所持者数は1,127人となり、年々増加傾向にあります。 (3)精神障害者保健福祉手帳交付等状況  精神障害者保健福祉手帳交付件数は、手帳が2年有効のため隔年で増減が見られるものの、徐々に増加しており、平成28年度末現在で1,095件となっています。 ※豊島区の自立支援医療負担申請件数は、新規申請および診断書提出のある更新申請の件数である ※豊島区の申請件数の変動については、平成17年度までは2年ごとの申請、平成18年度から自立支援医療費制度により1年ごとの申請となり、さらに平成22年度から提出が2年に一度となったことによる (4)難病医療費等助成申請状況  難病医療費等助成申請者数は増加傾向であり、平成28年度末現在、国庫補助事業対象疾病は19件、指定難病は2,306件、東京都単独事業対象疾病は693件となっています。 ※平成27年1月1日「難病の患者に対する医療費等に関する法律」が施行され、国の指定難病として110疾患が指定され、平成27年7月1日より306疾病に拡大。 (5)障害程度区分の分布状況  障害程度区分の分布状況は、平成28年度において区分2、区分4、区分6が50人以上で2割台となっています。全体としては、緩やかに重度化している傾向があります。   (6)障害児の状況 18歳未満の障害児数は増加傾向にあり、平成28年度では身体障害者手帳所持は150人、愛の手帳所持は216人となっています。また、特別支援学級に小学校50人、中学校43人が在籍しています。 2.これまでの取り組み (1)施策の取組み状況 計画期間中(平成27年度〜平成29年度)においては、以下の施策に重点的に取り組んできました。 前計画の取組み@ 相談支援の充実 一人ひとりが望む暮らしの実現を目指し、基幹相談支援センターを中心に関係機関とのネットワークを構築し、各種相談支援の充実に取り組んできました。 ・基幹相談支援センターにおいて、地域の障害者等の相談支援、情報提供、虐待相談等に総合的に対応しています。また、区内相談支援事業所のネットワークを構築することで、広域調整や研修等を通して相談支援能力の向上を図っています。 ・計画相談支援、地域移行支援、地域定着支援などにより、障害者の自立した生活を支え、障害者の抱える課題の解決や適切なサービス利用に向けて、ケアマネジメントによりきめ細かく支援を行ってきました。 ・平成26年度からは精神科病院に入院している精神障害者の地域生活への移行を支援し、安定した地域生活の実現を図ることを目的とした区の独自事業として、豊島区精神障害者地域生活移行支援事業を開始しています。 ・発達障害者支援や高次脳機能障害者支援にも取り組み、各機関が連携し、一体的な支援を実施、検討する体制づくり、講演会等による周知啓発等を行ってきました。 前計画の取組みA 就労支援の強化 本人が希望する仕事に就けるよう就労相談や個々に必要とする支援を行うほか、就労後も安定して続けられるよう、フォローアップ体制の強化に努めてきました。 ・障害者就労支援事業により、障害者の就労全般に関わる相談、就労支援及び生活支援の他、就労支援ネットワークの運営等を行っています。また、平成23年度の就労促進支援事業開始により、就労移行事業所等からも実習者の受け入れを行っています。実習の経験が就労に向けた準備のひとつとなり、課題確認等をすることで、その後の就労活動に自信を持って臨めるよう支援しています。 ・区役所を活用した就労支援として、平成25年度からはチャレンジ雇用支援事業や「豊島区障害者就労施設等からの物品等の調達方針」に基づく調達を行っています。 前計画の取組みB アクセシビリティの推進 日常生活に支障をきたす3つのバリア(まち・情報・こころ)を解消し、円滑にサービスを利用できるよう、アクセシビリティの推進に取組んできました。 ・視覚障害者の情報格差解消に向け、障害者福祉のしおりに「点字版」・「音声コード」(平成23年度〜)を導入するとともに、区ホームページへの掲載(平成25年度〜)を行っています。平成27年度からは音声版の発行をカセットテープからデイジー版へ変更しました。 ・区施設への音声による道案内を作成することで、視覚障害者が外出する環境を整備してきました(28年度末現在146ルート作成)。 ・「ときめき想造展」や障害者アート教室の開催により、障害に対する理解を広めるとともに障害者の社会参加の促進につなげています。 ・また、スポーツのつどいでは区内の小・中学校の児童・生徒がボランティアとして参加し、障害者と生徒・児童との交流が図られています。 ・障害者スポーツの周知啓発と障害者が身近な地域でスポーツを楽しむ機会を提供する目的で、障害者スポーツ地域振興事業を開催し、パラリンピアンによる講演会及びヨガ教室を開催しました。 前計画の取組みC 障害者差別の解消 障害を理由とする差別の解消を目指す取組みや、成年後見制度の普及・啓発に取組み、権利擁護体制の充実を図ってきました。 ・平成28年度の障害者差別解消法の施行に伴い、庁内検討会の開催、障害者権利擁護協議会の設置(平成28年10月)により体制整備を図ってきました。区職員に対しては、職員対応要領の策定、職員対応マニュアルの発行、職員研修の実施等の取り組みを行っています。 ・区民向けには、周知用リーフレットの作成、講演会等の開催により、法の周知を図ってきました。 ・平成24年度からスタートした障害者虐待防止対策支援事業において、地域における関係機関連携、家庭訪問等、医師や弁護士等による専門的助言を得る体制を確保するとともに、地域住民をはじめとする関係機関等に対して、障害者虐待の通報義務等の広報その他の啓発活動を行っています。 前計画の取組みD 地域サポート体制の整備 障害者が地域で安心して暮らせるよう、関係機関との連携強化や地域生活支援拠点の整備を図り、地域のサポート体制の強化に努めてきました。 ・平成23年度から開始した障害者サポート講座は28年度までに全ての区民ひろばで開催しました。 ・地域支援協議会においては、障害福祉に関するネットワークの構築、地域の社会資源の開発、改善等に関する協議のほか、「障害者防災の手引き」、「お出かけガイド」(24年度)、「計画相談周知パンフレット」(26年度)、「成年後見制度周知パンフレット・チラシ」(27年度)などを作成しています。 ・平成28年度末現在、区内の地域活動支援センターは、相談支援や、医療・福祉及び地域との連携強化のための調整、地域住民ボランティア育成や障害に対する理解促進を図るための普及啓発等の事業を実施するT型が1か所、在宅障害者に対し、社会適応訓練、入浴等のサービスを実施するU型が2か所、在宅障害者の社会的自立を目的に作業及び日常生活の訓練・指導を実施しているV型が9か所となっています。 ・平成31年4月開設に向け、重度の心身障害者が安心して地域で暮らしていけるよう、グループホーム、短期入所、指定特定相談支援事業等を含む「地域生活支援拠点」の整備を進めています。 3.地域保健福祉の横断的な課題 地域保健福祉計画から引用する。