マイページ

マイメニューの機能は、JavaScriptが無効なため使用できません。ご利用になるには、JavaScriptを有効にしてください。

マイページ一覧と使い方

ホーム > 区政情報 > 重点プロジェクト > 「わたしらしく、暮らせるまち。」から「SDGs未来都市」へ > としまなひとびと - としまscope > 新しい暮らしのかたちを訪ねて、コレクティブハウス「スガモフラット」へ。

ここから本文です。

 

新しい暮らしのかたちを訪ねて、コレクティブハウス「スガモフラット」へ。

シェアハウスやシェアオフィスは、価格面での魅力のほか、同じような仕事を抱える同世代の交流の場としても人気で、いまではすっかり認知度も上がりました。巣鴨にある「スガモフラット」は暮らしの一部をシェアしながら、様々な世代が暮らすコレクティブハウスで、かつての団地や長屋のようなスタイル。この、古くて新しい多世代での暮らしを訪ねてきました。

プライバシーと交流を両立する「コレクティブハウス」という住まいの形

12年目をむかえた「スガモフラット」には、11戸の居室があり、現在は単身・ファミリー合わせて9世帯(大人13名、子ども8名)が住んでいます。その住まいのかたちは「コレクティブハウス」というスタイルで、NPOコレクティブハウジング社によってコーディネートされています。ところでこの「コレクティブハウス」とはどのような住まいかたなのでしょうか?

―「コレクティブハウスは北欧発祥の住まいのスタイルです。最大の特徴は、シェアハウスのように何もかもを共有するのではなく、あくまでも住居は独立していること。キッチン、トイレ、浴室などは各自の部屋にありますから、基本的には自分たちのペースで暮らすことが可能です。その他に、大きなキッチンとリビング、ランドリーを共有しています。マンション暮らしで隣の人の顔が見えないということはないので、不安を抱えたり孤立することはありません。私たちコレクティブハウジング社は、居住者のみなさんと大家さんの支援者として管理・運営を手助けする立場なのですが、暮らし方のルールづくりや管理・運営は居住者のみなさんで自主的に行われています。プライバシーを守りつつ、血縁にこだわらない多様な人々と生活を共働化することで、より豊かな暮らしを実現するスタイルなんです」(NPO法人コレクティブハウジング社・狩野さん)

共食・共働・共学・共遊。コレクティブハウスの暮らしかた

 

「スガモフラット」の共有スペースは、コモンスペース(リビング、ダイニング、キッチン)、ランドリー、テラスです。そして、最大の共有はなんといっても「食事」なのではないでしょうか。「コモンミール」という共働で行う食事作りは、自分の希望する日に1ヶ月に1回当番をするというルールで行っています。決められた予算のなかで、大人数の食事を作るは大変そうですが、徐々に慣れて楽しんで皆さんメニューを考えているようです。また、もうひとつの特徴は、この「コモンミール」は同じ時間、同じ場所で食べる必要はなく、参加も自由だということ。各自のタイミングでいただくので、時間に縛られるストレスはありません。また同じ時間に重なれば、大きなダイニングテーブルを囲んで賑やかな食事ができますし、大人たちはお酒をのみながらのんびりと食後の時間を楽しんだり、子供たちはそのすぐ横で思い思いの遊びを始めることもしばしば。

また、快適な共働生活を行うために、活動グループという役割分担があるそうです。ミール、お掃除・メンテナンス、ガーデニング、遊び開発、図書・IT・エコロジー、写真・アルバム・文具・ブログなど、やりたいものの中から2つほど所属し、定期的に交代していきます。

 

共働生活は、心地良い! 「スガモフラット」に住まう人々。

実際にどんな暮らしをしているのか、共働生活の魅力とは?を、「スガモフラット」に暮らしている、3名の方にお話を伺いました。5人家族のNさんは、お子さんが2歳と5歳のときに引っ越し、現在5歳になる3番目のお子さんはここで生まれ育ちました。Oさんは離婚後、ひとり暮らしをするよりは色々なひとと暮らすのが楽しそうと引っ越してきたそうです。Mさんは3人家族で、40代に入ってから子育てをスタート。子どもは1歳〜高校生までと、本当に様々な世代が暮らしていて、賑やかな日常が想像できます。

―「コレクティブハウスを知ったとき、子どもにとって家族じゃない大人が近くにいる環境がいいなと思って、引っ越ししてきました。子育てがラクになりましたし、なによりも子どもたちが毎日楽しそうにしているのが嬉しいですね。また、3人目はここで産み育てたのですが、ちょっとしんどいなというときも周りのだれかが子どもたちの面倒をさりげなく見てくれたり、協力してくれたりするのもコレクティブハウスならではの暮らしの魅力だと思います」(Nさん)

―「この年になっても親がひとり暮らしを心配して。でもこの「コレクティブハウス」の暮らし方なら安心です。安全面でもそうですが、例えば共有物が壊れたとき、自分一人で心配する必要がなかったり、苦手なことはお任せしたりもできますし。頼れる顔の見える関係というのが、ここでの暮らしで一番いいなと思うところです」(Oさん)

―「最初、私は共働生活は面倒な印象があったのですが、旦那さんからの提案で検討するうちに、試してみたい!と思うようになり、入居を決めました。子育てもイメージできなかったのですが、ここで暮らすうちに、ここならできるかも?と思うようになり40代に入ってから出産したんです。つわりで辛いときも、みんなが気遣ってくれて、お母さんの先輩もたくさんいますし、とても心強かったですね」(Mさん)

このようなコレクティブハウスですが、みんなが快適に暮らすには、話し合いが必要です。月に一回開催される「定例会」で、共有スペースの使い方からふきんの選び方・使い方まで、徹底的に話し合うそうです。「多数決」は行わず、みんなが納得するまで可決はされないため、ちょっとした議題が長引くこともあるのだとか。そしてトライアンドエラーを繰り返し、自分たちにとってよいルールを作りあげるそうです。

スガモフラット内通貨「mon」。洗濯機などの共用具を使う時などに使用料として支払われます。

掃除当番を次の担当者に知らせる伝言ボード。定例会での「当番をうっかり忘れてしまう」という声からうまれた工夫。

顔が見える関係も、ルールを守り役割をきちんとすることが良い関係を保つ秘訣。他人でも家族でも。

それぞれの考え方を受けとめ、お互いに個性や多様性を認めることが、楽しく快適に暮らすために必要なことだと皆さんは口を揃えて教えてくれました。さらに、そうすることは自分の幅を広げてくれることにもつながるそうです。

住人だけでなく、近所の人々を招いたイベントを開催することも。
人付き合いは面倒ではなく、楽しいもの。

新しい命の誕生に子どもたちもワクワク大喜び。早く僕たちと遊ぼうね!

共同生活は小さな社会。楽しく、そして豊かな社会生活を送るためのヒントを「スガモフラット」での暮らしを通して知ることができました。

インタビュー・文:田口みきこ
写真:スガモフラットの皆さん

 

NPOコレクティブハウジング社
http://www.chc.or.jp/(新しいウィンドウで開きます)

スガモンズのブログ
http://blog.goo.ne.jp/sugamos2014(新しいウィンドウで開きます)

スガモフラット(コレクティブハウス巣鴨)
https://www.collectivehousing.jp/availability(新しいウィンドウで開きます)

 

としまscope掲載時の情報です(更新日とは異なります)。現時点の情報と異なる可能性がございますため、ご了承ください。

更新日:2021年3月30日