令和4年度 障害者等実態・意向調査の実施状況 1 調査の目的 豊島区障害者・障害福祉・障害児福祉計画の策定及び改定を行うにあたり、障害に関する手帳所持者や難病患者等を対象に、生活の実態やサービスへの要望などについて調査し、計画改定の基礎資料を得ることを目的とする。 2 令和4年度実態意向調査の概要 調査対象者 調査対象人数 有効 回収数 有効 回収率 調査地域 調査方法 調査期間 身体障害者 豊島区に住所を有する身体障害者手帳所持者(令和4年10月1日現在)より対象者の偏りをなくすため、障害等級・障害種別を調整して抽出。介護保険対象者の割合をサービス利用の実態に合わせるため、下記の年齢層内にて無作為抽出。 18歳以上65歳未満:1,800人 65歳以上:600人 2,400人 1,161人 48.4% 豊島区 郵送配布 ・ 回収 令和4年11月1日~令和4年11月22日 知的障害者 豊島区に住所を有する愛の手帳所持者(令和4年10月1日現在)より18歳以上を対象に偏りをなくすため、障害程度を調整して抽出。 500人 272人 54.4% 精神障害者 自立支援給付受給者は全員対象とし、その他各関係機関を通じて承諾を得られたかたに調査票を配付。 354人 191人 54.0% 難病患者 難病患者福祉手当受給者から抽出。 400人 211人 52.8% 障害児 児童通所支援(児童発達支援・医療型児童発達支援・保育所等訪問支援・居宅訪問型児童発達支援・放課後等デイサービス)の利用者全員。 541人 305人 56.4% 事業者 悉皆 170件 114人 67.1% 3 令和4年度実態意向調査の結果 ○福祉に関する相談や情報     【福祉に関する情報の入手手段】 ・全体:第1 位は「広報紙(東京都・豊島区)」(29.2%) 第2 位は「区役所窓口(障害福祉課、東部・西部障害支援センター、保健所、 健康相談所を含む)」(27.8%) • 障害区分別の特徴 — 障害児の第1位「インターネット」(44.9%) →情報提供についても年代や障害特性に配慮した手段が求められている。 ○病気や医療について 【生活習慣病の有無】 • 全体 :第1位は「高血圧」(28.1%) 第2位は「肥満」(13.7%)(「特にない」を除く) • 障害区分別の特徴 — 内部障害のかたは第1位「高血圧」(42.9%)で全体と比較して高い 割合となっている。    — 精神障害のかた、知的障害のかたの第1位は「肥満」  →生活習慣病に関する情報提供、予防のための取組が必要。 【かかりつけ医の有無】 • 全体 :「持っている」(75.0%)が多い。 • 障害区分別の特徴 — 「持っている」の比率が高いのは、障害児(80.3%) —「持っていない」の比率が高いのは、精神障害のかた(27.7%)、 聴覚障害のかた(24.7%)、視覚障害のかた(23.3%)      →かかりつけ医に関する情報の提供が求められている。     【健康診断を受けているかた】      • 全体 :第1位は「毎年受けている」(56.4%) 第2位は「時々受けている」(14.6%) • 障害区分別の特徴 — 知的障害のかたは第1位「毎年受けている」(67.3%)で全体と比較 して高い割合となっている。                — 精神障害のかたは第1位「毎年受けている」(37.7%)で全体と比較 して低い割合となっており、「ほとんど受けていない」(16.8%)や 「受けていない」(20.9%)の割合が高い。      →健康診断を受診してもらうための取組みが必要。 ○日常生活 【介助者年齢】 • 全体 : 第1位は「40 歳~ 64 歳」(49.2%) 第2位は「65 歳~ 74 歳」(23.8%) 第3位は「75 歳以上」(20.9%) • 障害区分別の特徴 — 身体障害、知的障害、難病のかたすべてにおいて、75 歳以上の 介助者が20% を占めており、介助者の年齢が高い傾向である。 →・介助者の入院などの「もしも」のことが生じた時のために、地域生活支援拠点等の取組みが必要。 ・親亡き後などのために、地域で暮らしていくための支援を充実させることが求められている。 ○就労 【現在の就労状況】 • 全体 : 第1位は「今、仕事・作業をしており、今後も続けたい」(43. 6%) ※「今、仕事・作業をしていないが、今後仕事をしたい」は12.8%で第3 位 • 障害区分別の特徴  —「今、仕事・作業をしていないが、今後仕事をしたい」の割合が 高いのは、視覚障害のかた(22.2%)、精神障害のかた(20.9%) →・就労アセスメントを活用するなど、障害のあるかたの適性にあう就労支援策が求められている。 ・区市町村就労支援センターの機能の強化が必要。 ○サービス 【今後利用したいサービス】 • 障害区分別の特徴 — 知的障害、精神障害のかたともに「共同生活援助(グループホーム)」が 第1位であり、知的障害(9. 9%)、精神障害(5. 2%)という結果。  — 身体障害のかたは「日常生活用具の給付」が第1位(7.0%)という結果。 →・障害のあるかたの自立した生活のため、グループホームやシェアハウスなどの居住 サービス等の整備が求められている。 ・生活に欠かすことができない日常用具の充実が求められている。 ○外出の状況 【まちのバリアフリーに関する満足度】 ≪満足≫(「とても満足している」と「おおむね満足している」の合計)45.7% ≪不満≫(「やや不満である」と「とても不満である」の合計)41.5% → 一層のまちのバリアフリー化が求められている。 ○地域における理解 【地域における障害や疾病に対する理解状況】 ≪理解を得られている≫(「よく理解を得られている」と「おおむね理解を得られている」の合計) 34.9% ≪理解を得られていない≫(「あまり理解を得られていない」と「理解を得られていない」の合計) 54.7% →障害や疾病に関する理解促進、差別解消のための一層の取組みが求められている。 ○防災 【防災への意識、対策】 • 全体:第1位は「防災について多少は意識しているが具体的な対策は行っていない」(52.1%) 第2位は「防災を日常的に意識し、具体的な対策を行っている」(20.6%) 第3位は「防災についてほとんど意識しておらず、具体的な対策は行っていない」(17. 4%) →災害時の対策について、当事者およびそのご家族への意識啓発が必要。 ○障害児 【福祉サービスの利用状況・今後の意向】 • 現在利用しているサービス 第1位:「放課後等デイサービス」(48.9%) 第2位:「児童発達支援」(44.3%) 第3位:「計画相談支援」(17. 0 %) • 今後利用したいサービス 第1位:「放課後等デイサービス」(21.0%) 第2位:「移動支援」(20.7%) 第3位:「短期入所(ショートステイ)」(14. 8 %) 【通園先・通学先で困ったこと】 • 就学前 第1位:「発達・発育面でほかの子どもたちとのギャップを感じる」(27. 5%) 第2位:「周りの子どもと馴染めるか不安がある」(14. 1%) • 就学中 第1位:「発達・発育面でほかの子どもたちとのギャップを感じる」(21. 6%) 第2位:「周りの子どもと馴染めるか不安がある」(15. 4%)     →子どもの成長、支えるご家族にとって必要なサービスの充実が求められている。 ○事業所 【運営上の課題】 第1位:「職員の確保」(61.4%) 第2位:「職員の資質向上」(50.9%) 第3位:「職員の待遇改善」(42. 1%) 【区の障害者施策に期待すること】 第1位:「一般就労の促進」(62.3%) 第2位:「利用者負担の軽減」(58.8%) 第3位:「福祉的就労の工賃向上」(55.3%) →福祉人材の確保・育成のための支援、一般就労の促進や工賃向上の取組みが求められている。 【災害発生時の障害者の安全確保に対する協力】  第1位:利用者の安否確認とその情報共有(88.6%) 第2位:障害者の一時的な受入れ(35.1%) 第3位:障害者に対する物資やサービスの一時的な対応(30.7%) →事業所の協力により、災害時に区と事業所が連携した災害対策を推進することが可能である。