=== p2-3 === 特集 としまで光る匠の技 豊島区には、江戸時代や明治時代から受け継がれてきた伝統工芸の文化と技術が、今なお息づいています。職人たちの匠の技が、精巧で魅力ある工芸品を生み出します。 問 商工政策グループ電話03-4566-2747   作品について…各工芸士へ※次頁2次元コード参照。 豊島区伝統工芸保存会 豊島区の伝統工芸は、古くは江戸時代から庶民の生活とともに育まれ、その匠の技は今や芸術の域に達しています。当会は、伝統文化と工芸技術の保存・伝承と後継者の育成を目的に、13業種19名の会員が、「伝統工芸展」や「伝統工芸教室」などを毎年開催しています。 伝統工芸展やとしまMONOづくりメッセ、夏休み親子体験教室などを通じ、何十年何百年変わらぬ手法で作り続けている伝統工芸への理解を子どもたちに深めていただきたいと考えています。 豊島区伝統工芸保存会 会長 橋 定裕 撮影:松本 敦 豊島区 13の伝統工芸 江戸提灯 持ち運びしやすい灯りとして江戸時代に普及。竹ひごを幾重にも重ね、表面がでこぼこした丸い形状の提灯に、手描きで様々な文字、家紋、デザインを自在に描く繊細な技こそが最大の魅力。 区内の工芸士 瀧澤 光雄、早川 福男 東京籐工芸 東南アジアに生息するラタン(籐)を原材料とし、曲げ・巻き・編みの技法で制作。江戸時代には籠や家具など身近な日用品として親しまれながら、職人により繊細な芸術へと昇華され、現在も受け継がれている。 区内の工芸士 尾 英幸 東京彫金 金属の表面を鏨という道具で彫刻し、複雑で美しい装飾を施す、古来からある技法。彫金は従来武家のものだったが、江戸後期に町人向けの「町彫り」が現れたことで発展した。 区内の工芸士 清水 貴政 東京手描友禅 江戸時代に創始。時代によって構図、模様、彩色などが変化しながらも、技法は変わらずに約300年間継承されている。構図から下絵、仕上げに至るまで、1人の作家によって仕上げられることが特徴。 区内の工芸士 上田 隼人、上原 實、大久保 紀保、坂原 栄 江戸べっ甲 タイマイ(ウミガメ)の甲羅を加工する工芸品。江戸時代に材料を張り合わせる技術が伝わったことで、複雑な形状・模様の品物へと加工できるようになり、眼鏡や櫛などの日用品として発展した。 区内の工芸士 宮本 拓哉 江戸根付 町人文化が花開いた元禄期頃に発展し、細工職人によって日本固有の小芸術品として広まった。手のひらサイズの装飾品で、着物の帯に小袋や印籠などの提げ物を付けるときの留め具として使用される。 区内の工芸士 野ア 将道(準会員) 東京三味線 中国から琉球を経て渡ったとされている。江戸時代に、長唄などの邦楽とともに庶民に広く普及し、楽器制作の技術も発展した。1挺の三味線に、6〜7種類の動植物の材料を使い、熟練した技によって仕上げられる。 区内の工芸士 橋 定裕 和服仕立 反物を裁断し縫製して着物に仕上げる。直線に裁つことで生地の無駄がなく、手縫いであるため作り替えも容易。近年では、思い出の着物を手元に残すことができる「ミニチュア和服」も登場している。 区内の工芸士 糸澤 昭雄 江戸象牙 ゾウの門歯が伸びたものを熟練の技によって加工する。日本では江戸時代中期以降、根付、髪飾り、三味線などの和楽器の部品に使用され、武士から町人まで広く愛用されるようになった。 区内の工芸士 鶴見 剛 金工 鍛金・彫金・鋳金・彩金などの金属工芸の総称。弥生時代に大陸から伝わり、武具、建築金物、貨幣、生活雑器など、時代を経るごとに多岐にわたって活かされ、進化し、現代に受け継がれている。 区内の工芸士 渡部 隆(号:流線) つまみ細工 裁断した正方形の布地を様々な形に折りたたみ、澱粉糊を用いて組み合わせる、花などをかたどった作品。職人のつまみ方や布地によって多彩な表現が可能で、江戸土産として人気を博した。 区内の工芸士 齋藤 小風 東京組紐 細い糸を組み上げた装飾のある紐。江戸時代には、飾り紐としてだけでなく、伸縮性や柔軟性を活かして、兜や甲冑などの武具のパーツとして発展した。組台という道具を使い、手作業で組み上げる。 区内の工芸士 平田 晃、平田 武士 貴金属装身具 金やプラチナ、銀などの貴金属を素材とする金工の一種で、江戸時代から明治期に発展。金属加工技術の基本とされる彫金・鍛金・鋳金という加工技術を巧みに組み合わせ、宝石を留めて制作する。 区内の工芸士 島 功、松本 正博 2 広報としま 令和8年(2026年)2月1日号 No.2117 3