美術の世界 作品を起点に巡らせる自由な思考を楽しむ 「大人になっても素直な感性を忘れないでいてほしいです。」 豊島区美術家協会 山田 千代一さん 洋画家として活躍し、第61回大調和展にて内閣総理大臣賞を受賞。個展やグループ展の主催も多数。 私は、日常での様々なものとの出会いを楽しみにしています。写真を見るのも好きですし、広告の紙、包装紙、千代紙などもよく見ています。そこから直感的に何か感じるものがあったときはすぐにメモを取ったりデッサンを書いたりするんです。それらを組み合わせて自分の心の中を表現して、観た人がどう感じ取ってくれるかを追い続けています。 鑑賞者は作者の意図と違う解釈をすることもありますが、それも美術の面白さ。作者からどう感じてほしいか指定はしません。子どものように素直な感性で、純粋に作品の好き嫌いを味わう。そこから観た人それぞれの情感が生まれていくのです。 豊島区美術家協会は、区役所本庁舎、東京芸術劇場、池袋モンパルナス回遊美術館(池袋画廊)、Echika池袋などで展覧会を開催しています。観に来ていただくのはもちろん、区内在住の美術家の皆さんからの出展も大歓迎です。 色彩・形・構図に目を向けてみて 絵画は色彩・形・構図などの要素で成り立っています。鑑賞の仕方に迷ったら、要素ごとに視点を切り替えてみると自分の好きなポイントが見つかるかもしれません。 豊島区美術家協会作品展 10月1日(木)〜29日(木) Echika池袋ギャラリー 当協会は昭和29年の創立から今年で72年目を迎えます。毎年開催している作品展では、当協会会員の日本画・洋画作品を展示します。 障害者アートの世界 作り手の個性と情熱が観る人の心を打つ 「このまちで多くの人に愛され、賑わう場所を作品に。」 令和7年度ときめき想造展 最優秀賞受賞 高橋由男さん 小さい頃から障害により耳が聞こえない。区の街並みや建造物をモデルにミニチュア作品を制作。 長年、板金工として家電やカメラの部品などの金属加工の仕事に携わってきました。退職後、「作りたい!」という直感のまま始めたのが、愛着のある豊島区の街並みを再現する作品づくり。豊島区役所、Hareza池袋、池袋西口公園、そしてトキワ荘など、私を含め多くの人に親しまれる場所を作品のモデルに選んできました。制作は、自ら現地の写真を撮影して図面を起こすところからスタート。アクリル板や木を切って折り曲げたり、電飾を仕込んだり、約8か月かけて丁寧に作り上げます。スイッチを入れて光が点灯した瞬間は胸が躍りますね。 現在は、サンシャインシティをモデルに作品を制作しています。私のものづくりへの情熱は、これからも消えることはありません。 ときめき想造展 障害への理解と障害のある方の社会参加の促進を目指し、毎年3月に開催。障害のある方が制作した絵画や書、写真、造形など、個性あふれる作品が出展され、最優秀賞、特別賞、区長賞などを選出します。会場展示終了後はときめき想造展特設サイトで、すべての出展作品を公開しています。 ●作品募集期間…12月1日〜令和9年1月29日 過去の出展作品はこちら! TOSHIMA’S ACTION すべての人に文化体験の機会を届ける Message 豊島区長 高際みゆき 1 人々の力で支えるとしまの文化 豊島区は文化の多様性に富んだ懐の深いまちです。豊島区立芸術文化劇場(東京建物 Brillia HALL)や東京芸術劇場では、日々上質な舞台芸術が上演されています。地域に目を向ければ、それぞれが大切に守り受け継がれてきた伝統文化があり、池袋では若年層を中心に、マンガやアニメなどの最先端の文化が花開いています。 一方で、様々な事情から、このような文化体験に触れにくい方もいらっしゃいます。区では、令和7年3月に策定した基本構想・基本計画に「文化の裾野を広げる」という目標を掲げました。ここには、限られた人々だけでなく、すべての人に音楽や舞台などの文化・芸術に触れる機会を広げたいという想いが込められています。地域の皆さん、学校、企業、NPO団体、芸術家など幅広い「文化の担い手」の輪と連携することでこの目標を実現し、人々の力で豊島区の文化を支えていきます。 2 幼いうちから豊かな体験に触れられる社会へ 今号の特集では「心揺さぶる、文化の世界」と題して、豊島区にゆかりのある様々な「文化の担い手」の方々に、その情熱や、楽しむコツを語っていただきました。文化・芸術などを通した新しい体験に触れると、心が動く瞬間や身体の奥底から込み上げる感動を覚えることがあります。特に子どもたちにとって、こうした体験は、自分らしい未来を思い描き、形にしていく力を育むかけがえのない機会だと感じています。生まれ育った環境にかかわらず、幼いうちからできるだけ多くの豊かな体験に触れられる社会にしていくことが大切だと考えています。 3 あらゆる施策に文化の彩りを 特別な体験だけが文化ではありません。日々の生活に彩りを添えることも文化の大切な役割です。教育、子育て支援、福祉、まちづくりなど、区民の皆さんの生活を支える区役所だからこそ、文化の視点を忘れてはいけません。私は、文化の視点を大事にすることで、居心地のよい待合空間や子どもたちが安心してくつろげる居場所、歩きやすい道やワクワクする公園など、「人に優しい行政・人が中心のまち」を実現していくことができると考えています。豊島区では、令和7年度からあらゆる施策に文化の視点を取り入れるため、「文化企画課」を新設しました。これからも区民の皆さんとともに、日常の中に文化があふれ、誰もが心豊かに暮らせるまちづくりに力を入れてまいります。 Pick up アーティスト・イン・スキップ 8月20日〜28日にかけて、フィジカルコメディデュオ「ゼロコ」のふたりをはじめとするアーティストが、子どもたちの身近な居場所「子どもスキップ」を訪れ、子どもたちと交流しました。子どもたちはパントマイムに挑戦し、夢中になって楽しんでいました。最後にはミニパフォーマンスも披露され、笑顔あふれるひとときとなりました。 としま文化応援団事業 としま未来文化財団と区が両輪となり、豊島区で暮らす皆さん、特にひとり親家庭や経済的に厳しい家庭環境の子、障害のある子、外国にルーツを持つ子など多様な背景を持つ子どもたちに、創造性や感受性を育むことができる文化・芸術体験を届けます。活動財源を「賛同金」として広く募集し「地域全体の思い」を形にして子どもたちにワクワクする体験をプレゼントします。ぜひご協力ください。 ※写真は事業イメージです。 としま文化の日もまもなく! 10月〜11月は文化イベントがたくさん! 11月1日は「としま文化の日」、1日〜7日は「としま文化推進期間」です。イベントに参加して、としまの文化を盛り上げましょう! 詳細はこちら 文化事業運営グループ電話03-4566-2750 広報としま 令和8年(2026年)10月1日号 No.2133