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2月前半のイベント情報 

更新日:2024年2月2日

イベント

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豊島区伝統工芸 ~シリーズ1~

江戸提灯(江戸手描提灯)

東京都の指定文化財として登録されている名称は、「江戸手描提灯」。江戸提灯の最大の特徴は、火袋に描かれる意匠が全て「手描き」であるということです。

竹ひごを幾重にも重ね、表面がでこぼことした丸い形状の提灯に、様々な文字、家紋、デザインを自在に描く技こそ、江戸提灯の最大の魅力であり特徴です。

さらに、お客様の注文に応えるためには、様々な文字、家紋や紋章など、何でも書くことのできる膨大な知識の習得が欠かせません。

提灯の歴史

【古代、縄文時代】
土器の中に木片や油を入れて明かりを灯すようになりました。飛鳥時代に入ると、仏教の伝来とともに明かりをもたらす道具が中国から伝来。

【戦国時代】
「大坂冬の陣図屏風(1615年頃)」に描かれているように戦場でも提灯が灯火器として使われており、「洛中洛外図屏風(1615~24年)」には、張輪の無い提灯と箱提灯を手にする武士の姿が描かれています。

【江戸時代】
和ろうそくの生産が奨励されたことによって、以前よりは手軽にろうそくが手に入るようになったことから、日常の照明器具として広く普及。

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「箱提灯」

当初、箱提灯は胴が長く作られていて、棒で吊り下げると揺れやすいため、上下の輪を繋ぐ棒を差し込んで自立するものが現れます。
「懐提灯」 箱提灯をさらに携帯用として発展させたものが「懐提灯」、俗に小田原提灯と呼ばれるもので当時の旅人の必需品でした。耐久性を持たせるために四角く太めの竹ひごが使用されています。
「ぶら提灯」

箱提灯ほどの機能性は無いものの、簡易で軽量、安価に仕上げることのできる提灯として、ぶら提灯は夜道の足元を照らすには好都合なものとして広く使われました。

「高張提灯」 軒先に吊るすことも多い高張提灯ですが、お寺の門前などに、提灯に合わせた小屋根と台座をあつらえて設置されているものです。

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「弓張提灯」

ぶら提灯と大きく違うのは、独立して床に置くことができ、激しい動きにも耐えられるところから、捕り物の際の御用提灯にも取り入れられました。

挿絵:早川福男氏

文字が伝える想い江戸手描提灯

豊島区には、江戸提灯の親方がお二人、在籍されています。
瀧澤光雄さんと早川福男さん。お二人とも三代目を継がれる工芸士です。年代も違えば、修行の道も違うお二人ですが、共通するのは「手描きの文字に想いを込めて制作されている」ことです。
手描きで一つ一つ仕上げられる江戸提灯。想いを伝える力と独特の温もりを湛えた柔らかな明かりの世界をご紹介いたします。

瀧澤提灯店(瀧澤光雄さん)≪平成24年東京マイスター知事賞≫

takizawachotin02.jpg素描きといって、下書きとなるものを瀧澤さんは、洗った筆に残るくらいの薄墨で、直接、提灯に筆を走らせていきます。

takizawachotin03-2.jpg「硯は先々代(3代にわたって)から使用しているもの。」

takizawachotin04.jpg「すり鉢も100年以上前のもの。すり鉢で墨をこまかくして、お湯をいれてかき混ぜるこの方法は、今ではする人がいなくなった。 すり鉢も使い古したものがいい、中のめが削られてゆるい方がいい、新しいのは墨が荒くなってしまう 。」

takizawachotin05.jpg「ポスターカラーを使用せず墨で書くのは、ポスターカラーは科学的な塗料を使用しているので時間が経つと和紙が傷んで柔軟性がなくなり簾みたいに、ボロボロになる、そういうのはちょっと違うと思う、いつまでも持つ提灯がいい。」

takizawachotin06-2.jpg「注意される前に物差しで叩かれて、それから『違うよ』って教えられる。今ではこういう徒弟制度は流行らないし、難しいだろうけど、きちっと物事を修得できる。真剣だからこそ厳しくなる、物事を修得することは簡単なことじゃない」修行当時叩かれ、先がまるくなった、親方のものさしを手にお話しくださいました。

takizawachotin07.jpg「年中だすものはビニールがいいが、時々使用し長く持たせるなら和紙に墨!油ひけば丈夫だと思っている人が多いが絶対だめ。油ひいたのを渡せば、すぐ傷んで修理で商売ができるが、それはやりたくない、長く使ってもらえる提灯をつくる仕事がしたい。」

takizawachotin08-2.jpg瀧澤さんが修得された匠の技で、筆を入れた写楽の提灯は15年経った今でも色鮮やかでした。

瀧澤さんは、御祖父様の代から三代目となる提灯師であり、大提灯の提灯本体の制作から文字入れ仕上げまで制作することができる今では数少ない職人のお一人です。

身延山の頂上にある七面山敬慎院(山梨県)の本堂に納められている大提灯は、瀧澤さんの作品です。先代であるお父様と2代に渡って納められました。

墨は提灯に欠かせない素材でありながら、その扱いの難しさから現代では、扱いの楽なカーボンブラックなどが用いられることが主流となってしまい、墨だけを使って制作するという職人は、現在東京では2人だけ、その一人が瀧澤さんです。全国的にも極めて貴重な技を持つ名匠でいらっしゃいます。

墨擦り三年、描き八年、提灯屋になるには10年は掛かるといわれ、修行に入られたばかりの時は墨擦りが第一の仕事だったそうです。

「10年目位から納得される文字を体得するのに無我夢中でここまできた。物事を修得することは簡単なことじゃない。」と瀧澤さんはおっしゃいました。自らの目で見て、手を動かし、技を盗み、体得していくことでしか得ることのできない、まさに匠の技の継承です。

◆お問い合わせ:豊島区東池袋4-5-1-106 TEL03-3982-1402

 

はや川提灯店(早川福男さん)

hayakawachotin01.jpgぶん回しと呼ばれるコンパス状の筆(手作り)を使用して紋章を描く。

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hayakawachotin04.jpg「新しいことを取り入れようとすると全体的なバランスが崩れてしまって書けなくなってしまう、そういうことを何回も重ねてきて、 漸くスムーズにかけるようになるまで20年位。この仕事を始めてから今、30年位になるけれど、その大半を費やしてきたね。」

hayakawachotin05.jpg「朱をいれる」

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hayakawachotin07.jpg「手はとても正直。正月だからって休暇を取ればダメになっちゃう。感を取り戻す事は簡単じゃないんだ。そうやって山程の数をこなしていく中で、だんだん自分の好みやアレンジを利かせたものを作っていくことが出来るようになるのは楽しい。」

もう一人の親方、早川さんも三代目。御祖父様、御母様と受け継がれる提灯師です。この仕事で苦労を感じたのは、実際に家業を継ぐことになってからだそうです。

はや川提灯店は、狩野派(画号:狩野光洋)の画家でもあった先々代が明治の中頃から始めた家業で、それ以前は、日本橋でろうそく問屋を営んでいました。初代の頃は弟子も5~6人居て、提灯だけでなく、和傘・百貨店の垂れ幕や賞状の筆耕、松竹歌劇団の本拠地であり東京を代表する劇場だった浅草国際劇場の仕事などされていたそうです。

「手描きには、言葉を訴える力、印刷では味わえない良さがあり納得いくものはなかなかできないけれど、古い提灯の修復の仕事などは、使えるところは残して修復し、元々の図柄を壊さずに自分なりのデザインを加えて制作したりするのは特に楽しく、古い提灯には、今では作ることのできない持ち手の部分など、職人たちの技の極みが発見されることもあります。」

「伝統工芸は衰退してきているけれど、その中では提灯屋はいい方かもしれない。冠婚葬祭の行事があるから。それでも昔よりもずっと仕事は少なくなってきている。伝統っていうのは無くなったら復活できないものだから、そういうことをもっと訴えていきたい!!」と早川さんはおっしゃいました。

◆お問い合わせ:豊島区雑司が谷2-25-2  TEL03-3980-1351

 

≪伝統の技≫

伝統工芸や伝統の技と呼ばれるものは数多くありますが、正式に国の伝統工芸と指定し振興支援、保護の対象とされているものは、236品目(2021.1.15.現在)

東京都で指定されているものは、41品目。この41品目が全て国の指定を受けているわけではなく、国の指定と重複して認められているものはその内17品目のみ。

豊島区工芸保存会に所属される職種のほとんどが東京都の伝統工芸として指定されていますが、国の指定を受けているのは「東京手描友禅」「江戸べっ甲」のわずか2品目のみです。

江戸提灯は東京都の指定を受けていますが、その指定を受けるために大変な苦労を伴いました。

江戸提灯ではなく「江戸手描提灯」と称して指定されているのは、手描きの技にこそ伝統的特徴があり指定に足る理由があるとして「手描」を加えた名称で指定されました。

2月前半のイベント情報

2月前半に実施するイベントの一覧です。イベントの内容や参加方法など詳細につきましてはリンク先のページでご確認ください。

 日付              時間                          場所 イベント
2月3日 午後2時~ としま産業振興プラザ(IKE・Biz) 「花」&「おしゃべり」で自分をいやす~ジェンダーカフェ~
2月6日 午前10時~ としま区民センター Ane ママグループTOMATO「ママのためのおしゃれ講座」
2月7日 ①午後2時 ②午後7時 としま区民センター 朗読劇「家族草子」池袋公園2024
2月8日 ①午後2時 としま区民センター 朗読劇「家族草子」池袋公園2024
2月8日 午前10時~ TKP池袋カンファレンスセンター 女性しごと応援キャラバンin池袋 セミナー
2月8日 午後0時20分~ TKP池袋カンファレンスセンター 女性しごと応援キャラバンin池袋 個別相談会
2月8日 ①午前10時 ②午後2時 男女平等推進センター エポック10シネマ 「サムジングカンパニー1995」
2月10日 午後6時~ 目白庭園 赤鳥庵 津軽三味線~春立つ清澄の旋律~
2月10日 午前10時~ オンライン にじいろ★カフェ(交流会)in としま
2月11日 午後2時~ 千早文化創造館 としま案内人長崎町講演会 旧長崎町の歴史と文化Vol.2
2月12日 午後2時~ 池袋西口公園野外劇場「GLOBAL RING THEATRE」 ズーラシアンズ「音楽の絵本~たてがみの騎士」

 

 

ふたりの絆 石森章太郎と赤塚不二夫

◇展示期間:2023年12月9日(土曜日)~2024年3月24日(日曜日)

◇場所:豊島区立トキワ荘マンガミュージアム

◇開館時間:午前10時00分~午後6時(入館は午後5時30分まで)

◇休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、12月29日~1月3日

◇特別観覧料(グッズ付き):おとな500円、小・中学生100円

※未就学児・障害者手帳を提示の方および介助者1名まで無料

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第17回としまMONOづくりメッセ(新しいウィンドウで開きます)

としまMONOづくりメッセは、区内を中心とした企業・団体が、優れた製品や高い技術、食品・雑貨といった商品を展示・販売する総合見本市です。

今回は約90社・団体が出展。今回は「つなぐ」をテーマに、豊島区という地域で受け継がれてきた産業の伝統を学べるクイズラリーや企画展示をご用意しています。
そのほかにも、豊島区にゆかりのある講師による特別講演や、ものづくりを体験できるワークショップ、素敵な景品がもらえるプレゼント抽選会など、豊島区ならではの企画が目白押しです。

◆開催期間:2024年2月29日(木曜日)~2024年3月2日(土曜日)

◆開催時間:午前10時00分~午後5時(最終日は午後4時まで)

◆会場:サンシャインシティ展示ホールB)

◆入場無料

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東京アニメアワードフェスティバル  2024(新しいウィンドウで開きます)

開催期間:2024年3月8日(金曜日)~11日(月曜日)

会場:池袋の映画館、としま区民センター他、複数会場

池袋で開催する国際アニメーション映画祭。「東京がアニメーションのハブになる」を合言葉に、高いクオリティとオリジナリティに富む世界中の作品を上映。世界中のアニメーションのファンやクリエイター、観客に刺激と感動を与え、アニメーションの新たな波を東京から世界へ発信します。

「コンペティション部門」「アニメ功労部門」「アニメ オブ ザ イヤー部門」を中心に、子ども向けワークショップやシンポジウム、招待作品の上映などを池袋の複数会場にて実施。

・コンペティション部門

広く国内外から寄せられた900点を超える応募作品の中から各賞ノミネート作品を上映します。

・アニメ功労部門

アニメーション産業・文化の発展に大きく寄与した方を顕彰します。関連する上映プログラムや顕彰者の思い出の品を展示します。

・アニメ オブ イヤー部門

国内で1年間に上映・放送・配信された全作品を対象に、アニメファン、プロフェッショナルの方々の投票で各賞を決定します。

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関連リンク

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お問い合わせ

文化観光課観光交流グループ

電話番号:03-3981-1316

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