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更新日:2025年4月21日
スポット
「子ども食堂」。言葉を聞いたことはあるけど、利用したことはないし、どこにあるのかも知らない。そういう方は多いのではないでしょうか。私もその一人でした。偶然よく行く場所で子ども食堂が開かれていると知り、一度お邪魔してみることに。今回はそのときの様子と、主催されている竹達さんから伺ったお話を合わせてレポートします。
お邪魔したのは「西池袋子ども食堂」さん。子ども食堂の開催日が決まると、ホームページにあるGoogleの予約フォームから予約ができます。一度予約をすると次回からは開催前に自動で案内が届くようになります(便利ですね)。
開催される場所が複数あるのですが、私が行ったのは「テラコヤベースキャンプ」という場所。こちらは中高生向けに無料で塾を開催されているNPO法人テラコヤさんの本拠地だそうです。一見すると普通のお家のような建物ですが、表札のところに「NPO法人テラコヤ」と書かれており、安堵。
(いつも知らずに通り過ぎていましたが、塀のところに表札がかかっていました)
そのまま門を開けて敷地内に入ると玄関前におむすびの看板が出されています。
(シンプルなおにぎりのイラストが描かれた可愛らしい看板)
「間違いない」と再確認しつつも、よそのお宅に勝手にお邪魔するような気がして、ドキドキしながら扉をオープン。賑やかな声とともに「あー!こんにちはー!」と明るい声と笑顔で出迎えられ、室内へといざなわれます。ちょうど食事を終えて帰るタイミングのママとお子さんが玄関口に出てきて、もたもたと靴を脱ぐ私をニコニコと待ってくれていました。さらになかに入ると先にいたご家族が、私たちが座りやすいように、と席を移動してくれるなど、知らない間柄なのに、とても優しい雰囲気。恐縮しつつ席に着くと、ボランティアできている高校生の男の子がお茶やお箸などを手際よく配膳してくれました。
お料理を待つ間に厨房をのぞかせていただきました。レストランの厨房というより、一般のお宅のキッチンのような家庭的な雰囲気。そこでボランティアの方数名が準備をされています。
(実家に帰ったような気持ちになるキッチン)
(テーブルをつなげて作業スペースを確保されていました)
写真を数枚撮って席に戻ると、ミニタオルが入った箱を渡され、そこから一枚プレゼントとのこと。「良いのでしょうか」と遠慮の言葉を返しつつ、ありがたく一枚いただきました。
(この日は男の子受けしそうなプリントのものが多くありました)
この日のメニューは次のようなもの。
・ガパオライス
・ピクルス
・切干大根とアイスプラントのツナサラダ
・椎茸と長ネギのポン酢炒め
・クレソンのお味噌汁
(お味噌汁に入ったクレソンに、皆「なんの野菜?」と首をかしげていました)
お野菜たっぷりです。ここまでいろいろな野菜をつかった料理は、なかなか我が家では登場しません。なかには珍しい野菜も入っていて、子どもとの会話も弾みます。
(これはアイスプラントという、はじめから塩味のする野菜で、プチプチとした食感が特徴。ご実家が農家さんというボランティアの方からの提供だそうです)
どれも大変美味しく、あっという間に間食。料金は中学生までのお子さんは無料、高校生200円、大学生300円、大人の方は500円という設定です。お支払いをすませると、紙袋に入ったお土産までいただいてしまいました。
(おせんべい各種と、だししょうゆのセットでした。ありがたい)
今回お邪魔してみて、子ども食堂は新しい地域交流の場という印象を受けました。一般のレストランではほかのお客さんに話しかけることはあまりしませんが、ここでは許されます。気になった方は直接体感してみていただきたいと思います。
この先は主催されている竹達さんへのインタビューです!
――子ども食堂をはじめたきっかけを教えてください。
池袋第三小学校区に子ども食堂がないと気づき「はじめよう」と思ったのがきっかけですが、前段として抱いていた思いがあります。
自身の子どもが小学生のころ、行き場のないお子さんで、よく我が家に遊びに来ていた子がいたのですが、いつの間にか縁が切れてしまい、どうしているのかなと度々思い出すようになりました。当時は自分の子育てに必死で、ほかのお子さんのことを気にかけつつも、おせっかいを焼くまでは至りませんでした。そんな後悔が後押しとなり、子育てが一段落した今、子ども食堂を立ち上げようと決めたのです。
――子ども食堂にはどのような方が来ますか。
最初は WAKUWAKU ネットワークさん(地域ぐるみで子どもを支援するボランティア団体)から近所に住んでいるひとり親家庭の方をお誘いしていました。そのうちにご近所のお一人暮らしの方をお招きしたり、お母さんの自由時間をつくるために、お父さんとお子さんが足を運ばれたりと、少しずつ参加者の幅が広がっていきました。子ども食堂というよりは、子どもを介した「みんなの食堂」になりつつあります。
――ボランティアで来ているかたたちは、もともとどのようなつながりの方たちでしょうか。なにがきっかけで一緒にやることになったのでしょう?
子どもが未就園児のころに児童館でリトミックの代表をやっていた時代や、幼稚園、小学校時代のママ友に「子ども食堂をやりたいんだけど、協力してくれますか」と声かけをして、賛同してくださった方たちや、そのお子さんやお父さん。そして西池袋書道教室の大人の生徒さん、NPOテラコヤさんから紹介された高校生ボランティア君たち、地域のボランティア活動中の方などです。本当に皆さん地元の方々です。
――いただいたミニタオルや、お土産はどなたかからの寄付があるのでしょうか。
ミニタオルは今日食堂に来られた方にお持ちいただいた消防グッズの詰め合わせの一部です。食事づくりでボランティアをしてくださっている方が、おうちを整理した際に出てきた未使用のものなどもご厚意でお持ちいただきました。
お土産については、今まではWAKUWAKUネットワークにあったお菓子の寄付をいただいてきて配ったり、社協さんからお菓子のプレゼントをいただいたりしたこともあり、それらをお渡ししていました。子どもが喜ぶお菓子ももちろんですが、学校や生活で役に立つものをお土産にしたいと思っています(前々回は歯ブラシをプレゼントしました)。なにかご寄付があれば、こちらでお引き受けいたしますので、ご連絡ください!
(※筆者注・お土産は毎回必ずあるものではなく、そのときの状況次第となります)
――運営にあたっての苦労や、運営していて感じることをお聞かせください。
開催する場所探しにとても苦労しています。ご近所さんの椎名町子ども食堂さんも大変苦戦していると聞いています。現在NPOテラコヤさんの施設をお借りして運営しておりますが、ゆくゆくはキッチンと食事スペースがたくさん確保できる場所でできたらと思っています。
子どもの貧困を手助けするという目的で活動をはじめましたが、貧困というのは物理的なことだけではなくて、心の貧困・環境の貧困など、目に見えない貧困がたくさんあることに気づきました。また、なにもできない自分にも気づかされました。すべて解決するには難しすぎることばかりですが、生活の質改善に少しでも役立っていけたらと思います
――まだ「子ども食堂」を利用したことのない方々へのメッセージをお願いします。
子ども食堂は子ども、しかも食べることや生きることに困窮している子どもしか参加できないというイメージがあるかもしれません。でも西池袋子ども食堂はそんなことありません。知らないひとでも、ちょっと知っているひとでも、同じ場所で同じごはんを食べたら、心がみたされますよ。私はごはんをつくることしかできませんが、皆さんに少しでも心の余裕をつくっていただけるように、これからも細々とがんばりますので、ぜひお越しください。
ボランティアで参加してくださる方も大歓迎です。お食事をつくるだけでも、「お子さんや参加者さんとおしゃべりしたい!」というだけでも充分ボランティアになりますので、お気軽にお越しください。ボランティアさんやご寄付の受付は以下のリンクをご覧ください。よろしくお願いいたします。
https://coubic.com/nishiikebukuro-kodomosyokudou/blogs/334992#pageContent
ペンネーム:NAKAME
自己紹介:豊島区で生まれ育ち、結婚・出産・子育ても豊島区。生粋の地元民として区内でちょっと気になる、人に話したくなる情報をご紹介できたらと思っています!
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電話番号:03-3981-1316
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