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レジオネラ属菌について

1.レジオネラ属菌とは

好気性グラム陰性桿菌で、これまでに50を超える菌種が報告されています。

河川、池、沼、温泉、土壌など自然界に広く分布し、特にアメーバなどの原虫や藻類内で増殖し、共生関係を形成しています。これらの生物を含むバイオフィルム(生物膜)は、レジオネラ属菌の増殖の場となっています。バイオフィルムは、浴槽の内壁や循環ろ過装置の内部、配管などに形成されやすく、触ると「ぬめり」感があります。バイオフィルム内のレジオネラ属菌は、消毒剤等が効きにくいと考えられています。

20~42度で生存しますが、特に人に対する病原性の強い菌種は、35度前後での増殖が盛んです。

2.レジオネラ症とは

重症化傾向の強いレジオネラ肺炎と、肺炎にならないインフルエンザ様の熱性疾患で自然治癒型のポンティアック熱の2つの病型があります。

レジオネラ症は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」において四類感染症に指定されています。医師は、レジオネラ症と診断したときは、直ちにその患者の氏名、年齢、性別、その他、症状、診断法等について、保健所に届け出ることになっています。

3.レジオネラ症の感染源・感染経路

これまでに冷却塔水、循環式浴槽、温泉、噴水、加湿器等からの感染が報告されています。

感染経路は、主にレジオネラ属菌を含んだエアロゾル(気体中に浮遊する液体又は固体の粒子(もや、霧、ミスト等))の吸入等が考えられます。

レジオネラ属菌の検査をご依頼のかたへ

保健所では、レジオネラ属菌の水質検査を受け付けています。

1.対象となる水

冷却塔水、循環式給湯水、浴槽水等

2.検査用の容器

滅菌ポリビン(1リットル)が1本です

3.受付日と検査手数料

受付日時

毎週月曜日午前9時から正午
(注釈)詳細に関しては環境衛生担当係までご連絡下さい。

手数料

7,000円(菌数のみ)

4.水の取り方

  1. 指定の容器がありますので、あらかじめ取りに来てください。
  2. 1リットルのポリビンの内部に直接手をふれぬよう十分注意し、ゆすがずに採水して下さい。
  3. 採水は、可能ならば予約した受付日に行って下さい。
  4. 受付日に採水できず、前日などに採水した場合は、受付日まで冷暗所に保管して下さい。

5.水質検査の結果

封筒を、容器と一緒にお渡しします。ご希望の郵送先をご記入下さい。

水質試験結果は、1か月程度のちに郵送します。

(注釈)保健所以外の機関でも水質検査を受け付けています。

(詳細に関しましては、環境衛生担当係までご連絡下さい)

〈参考資料〉設備ごとの維持管理方法

公衆浴場の維持管理

公衆浴場法の許可施設は、同法による維持管理が義務付けられています。

一般家庭等の循環式浴槽・加湿器

循環式浴槽

  • 浴槽の管理者は管理マニュアルを作成し、適切な点検保守を実施する
  • 循環式浴槽水をシャワーや打たせ湯などに使用しない
  • 循環式浴槽では気泡ジェット等のエアロゾル発生器具の使用を避ける
  • 塩素剤による浴槽水の消毒を行う場合、遊離残留塩素濃度は0.4ミリグラム毎リットル以上維持するよう心がける
  • 浴槽の換水は定期的に行うことが望ましい
  • 浴槽水の全換水を行う時は、塩素剤による洗浄・消毒を行った後に、浴槽の清掃を実施する,ろ過器を設置した浴槽の場合は、ろ過装置、配管を含めた洗浄・消毒を行う。
  • 浴槽内部、ろ過器等の毛髪、垢及び生物膜の有無を定期的に点検し、これらを除去する
  • レジオネラ属菌の検査を定期的に実施する

家庭用加湿器(特に超音波式)

  • 管理者は加湿器の取扱い説明書に沿って適切に維持管理する
  • 加湿補給水用の貯蔵タンク水は水道水を使用する
  • 貯蔵タンク水は最低でも1日1回は取り替え、定期的にノズルの清掃やタンク内部の洗浄を絶えず実施して清潔にしておく
  • 加湿器を使用しない時は、貯蔵タンク内の水を抜いて清潔にしておく

 

この資料は、厚生省生活衛生局長通知「建築物等におけるレジオネラ症防止対策について」(平成11年11月26日付生衛発第1679号)の別添資料「新版レジオネラ防止指針(概要)」を主に参考にして作成しました。詳細については「レジオネラ症防止指針(第3版)」(財団法人ビル管理教育センター発行)をご参照下さい。

ビルの空気調和設備、給湯給水設備

 

注意すべき設備

管理上注意すべき事項

建築物内空気調和設備

水冷式冷却塔(特に開放式)及び冷却水設備

  • 冷却塔の定期洗浄及び設備の定期点検記録(使用開始・終了時及び使用期間中毎月1回程度)を行う
  • スケール、腐食、スライム防止用のため水処理剤及びレジオネラ属菌殺菌剤を注入添加する
  • レジオネラ属菌の検査を定期的に実施する
  • 冷却塔から飛散したエアロゾルの外気取入口や居室の窓等への混入防止対策を踏まえた維持管理を行う(風向等を考慮し10メートル以上離す、エリミネーターの強化等)

ビル空調機組込の非加熱式加湿器(特に超音波、回転霧化・遠心噴霧式)

  • 加湿器使用水は水道水質基準に準ずるものを使用する
  • 使用開始及び終了時の水抜き・清掃の徹底を踏まえた維持管理を行う

給湯・給水設備

ビル内中央式給湯設備
(特に循環式)

  • 給湯温度を適切に管理する(60度前後/55度以下は注意)
  • 貯湯槽及び配管、シャワーヘッド等の適切な清掃・給湯設備内の給湯水の滞留防止対策を踏まえた維持管理を行う

装飾用噴水等の水景施設(修景用水)

  • 施設設備の定期的
  • 水景施設の選択及び仕様を心がける(風向等の考慮)

蓄熱槽

槽内清掃時には特に注意する

お問い合わせ

生活衛生課環境衛生グループ

電話番号:03-3987-4176

更新日:2018年3月19日