心揺さぶる、
文化の世界

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更新日:2026年9月30日
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文化・芸術を極めた、豊島区にゆかりのある方々へインタビュー。その道を深く愛するからこそ知る魅力や、楽しむコツを教えていただきました。皆さんも、文化・芸術を通して心揺さぶられる体験をしてみませんか。

祖父 野村萬 (人間国宝)および父 万蔵 に師事。三兄弟の長男。若い世代への狂言の普及にも尽力。
狂言は人間の失敗や本音を笑いに変える喜劇です。現代社会では、ちょっとしたことがすぐに問題視され、SNSでの誹謗中傷や世間からのバッシングなどにより、息苦しい思いをしている人も多いと思います。そんな時代だからこそ、狂言の「失敗を笑い飛ばす寛容な姿勢」は心に響くはず。公演中はどこで笑ってもどこで拍手をしても構いません。忙しい日々に疲れた方には、ぜひストレスを吹き飛ばしに来てほしいですね。当家は豊島区に居を構えて約80年。最近は区内の小・中学校でアウトリーチ公演を行うなど、若い世代への文化の継承にも注力しています。幼少期に触れた「楽しかった」体験があれば、いつかまた狂言を観に来てもらえると信じています。私たち三兄弟が企画する「ふらっと狂言会」では公演前に簡単なあらすじなどを解説し、高度な知識がなくても“フラット”に楽しめる工夫をしています。ぜひ皆さんも気軽に、“ふらっと”観にいらしてください。
100点満点の理解を目指さなくてもいい
鑑賞中にわからない言葉があっても大丈夫!50~60点の理解度でも十分ついていけるので、肩の力を抜いて楽しんでください。


区立小・中学校を対象とした狂言の派遣型公演を実施しています。
昨年度は小学校6校で、万之丞さんをはじめとした和泉流野村万蔵家による狂言「柿山伏」を、6年生が鑑賞しました。今年度は小学校8校で実施予定です。

南池袋にある仙行寺で住職を務めながら、劇場運営、演劇作品のプロデュースなどを手掛ける。
シアターグリーンは先代住職の時代に、池袋を文化人が集まる豊かなまちにしたいという思いから始まった劇場です。2005年には3つのシアターを持つ劇場へとリニューアル。ふらっと立ち寄った方が興味のある演目を選んで観劇できるようになりました。
演劇を観に行くという「非日常」はそれだけで楽しいものです。また、古来より演劇は人の心を癒してきました。例えば、私が主宰する劇団「ざ☆くりもん」では江戸を舞台に、自然への畏怖と感謝、人情の温かみといった日本の本来の良さを描いています。笑いあり涙ありのハートフルな物語は、観る人の心を整えて明日の活力となってくれるはずです。
小劇場での観劇には敷居の高さを感じる方もいるかもしれませんが、毎年9月に開催する池袋演劇祭のような、手軽に様々な演目に触れられる機会もあります。ぜひ一度劇場に来てみてください。
劇場が集まるまち としま
豊島区には大小様々な劇場がたくさんあります。一度近くの劇場へ足を運んでみれば、好みの作品や応援したくなる役者さんに出会えるかもしれません。


演劇・劇場文化の裾野を広げるため平成元年から行われている地域に根差したユニークな演劇祭です。毎年9月の約1か月間に区内で公演を行う団体が参加、また一般公募で選出された審査員の採点により大賞をはじめとする各賞を決定します。

18歳より茶道を始め約50年。豊島区立目白庭園 赤鳥庵にて「かるがも茶席」を設ける。
親の勧めで習い始めましたが、お稽古を続けていくうちに茶道にはたくさんの魅力があることに気が付きました。
私の一番の楽しみはお菓子。季節やお祝い事に合わせて色々なものを用意します。お茶とお菓子をいただくためだけに、ありったけの趣向を凝らして支度をする。この贅沢な体験が茶道の魅力です。
お茶の席やその前後では、静かな空間で心を落ち着ける以外に、会話を楽しむ温かな時間もあります。例えばお茶碗が作られた場所についての会話が旅行のきっかけになったり、掛物に込められた意味を考えたりと豊かな楽しみ方があります。和装をするのもその1つで、だんだんと着付けにも慣れていき、美しい所作が身につきます。
まずは、区の地域文化創造館でのお茶席や月釜などから、気軽に立ち寄っていただけたらうれしいです。
月釜で お茶席体験を
月釜は、寺社や茶室などで月に一度開かれる茶会です。洋服でも参加可能で、特別な道具も必要ありません。初めてのお茶席体験にうってつけです。


1951年の設立より、豊島区での茶道・華道文化の普及・発展に努めています。華道分野では、区立小・中学校で日本文化を体験する機会を提供しています。また、毎年東京芸術劇場にて「いけばな彩花展」を開催しています。

豊島区にて井上蓉花書道教室を主宰。NHK文化センター講師も務める。展覧会への出展や個展も多数。
作品の制作は、書きたいと思う文字を見つけるところから始まります。時代劇のセリフや、歌の歌詞などから気に入った言葉を書いてみることもあります。先日の展覧会では、作品を見て涙を流している方もいて、きっとその方の心に響いたのだと思い、うれしくなりました。
作品の中には、読めない文字や意味のわからない言葉もたくさんあると思いますが、書道は視覚芸術ですから「筆遣いや線の形がなんとなくかっこいいな」と思うだけでもいいんです。会派によって字形や書き方が全く異なるので、自分が好きな書体を探してみるのも楽しいと思います。手ぬぐいやTシャツなどのデザインに使う筆文字を書かせていただくこともありますので、そこから興味を持ってもらうのもいいですね。
そして、見ているとだんだんと自分も書きたくなってくるはずです。日常から離れて没頭する、濃密な時間を過ごすことができますよ。
言葉の意味がわかればもっと面白い
書道作品では、偉人の言葉や詩などが引用されることが多いです。書かれた言葉の意味を調べると、作品の味わいがぐっと深まることでしょう。


豊島区書道会、豊島区美術家協会、豊島区茶道華道文化連盟の展示です。書・美術・いけ花など、様々なジャンルの珠玉の作品をお楽しみください。

洋画家として活躍し、第61回大調和展にて内閣総理大臣賞を受賞。個展やグループ展の主催も多数。
私は、日常での様々なものとの出会いを楽しみにしています。写真を見るのも好きですし、広告の紙、包装紙、千代紙などもよく見ています。そこから直感的に何か感じるものがあったときはすぐにメモを取ったりデッサンを書いたりするんです。それらを組み合わせて自分の心の中を表現して、観た人がどう感じ取ってくれるかを追い続けています。
鑑賞者は作者の意図と違う解釈をすることもありますが、それも美術の面白さ。作者からどう感じてほしいか指定はしません。子どものように素直な感性で、純粋に作品の好き嫌いを味わう。そこから観た人それぞれの情感が生まれていくのです。
豊島区美術家協会は、区役所本庁舎、東京芸術劇場、池袋モンパルナス回遊美術館(池袋画廊)、Echika池袋などで展覧会を開催しています。観に来ていただくのはもちろん、区内在住の美術家の皆さんからの出展も大歓迎です。
色彩・形・構図に目を向けてみて
絵画は色彩・形・構図などの要素で成り立っています。鑑賞の仕方に迷ったら、要素ごとに視点を切り替えてみると自分の好きなポイントが見つかるかもしれません。


当協会は昭和29年の創立から今年で72年目を迎えます。毎年開催している作品展では、当協会会員の日本画・洋画作品を展示します。

小さい頃から障害により耳が聞こえない。区の街並みや建造物をモデルにミニチュア作品を制作。
長年、板金工として家電やカメラの部品などの金属加工の仕事に携わってきました。退職後、「作りたい!」という直感のまま始めたのが、愛着のある豊島区の街並みを再現する作品づくり。豊島区役所、Hareza池袋、池袋西口公園、そしてトキワ荘など、私を含め多くの人に親しまれる場所を作品のモデルに選んできました。制作は、自ら現地の写真を撮影して図面を起こすところからスタート。アクリル板や木を切って折り曲げたり、電飾を仕込んだり、約8か月かけて丁寧に作り上げます。スイッチを入れて光が点灯した瞬間は胸が躍りますね。
現在は、サンシャインシティをモデルに作品を制作しています。
私のものづくりへの情熱は、これからも消えることはありません。


障害への理解と障害のある方の社会参加の促進を目指し、毎年3月に開催。障害のある方が制作した絵画や書、写真、造形など、個性あふれる作品が出展され、最優秀賞、特別賞、区長賞などを選出します。会場展示終了後はときめき想造展特設サイトで、すべての出展作品を公開しています。
過去の出展作品は こちら!

Message:豊島区長 高際 みゆき
豊島区は文化の多様性に富んだ懐の深いまちです。豊島区立芸術文化劇場(東京建物 Brillia HALL)や東京芸術劇場では、日々上質な舞台芸術が上演されています。地域に目を向ければ、それぞれが大切に守り受け継がれてきた伝統文化があり、池袋では若年層を中心に、マンガやアニメなどの最先端の文化が花開いています。
一方で、様々な事情から、このような文化体験に触れにくい方もいらっしゃいます。区では、令和7年3月に策定した基本構想・基本計画に「文化の裾野を広げる」という目標を掲げました。ここには、限られた人々だけでなく、すべての人に音楽や舞台などの文化・芸術に触れる機会を広げたいという想いが込められています。地域の皆さん、学校、企業、NPO団体、芸術家など幅広い「文化の担い手」の輪と連携することでこの目標を実現し、人々の力で豊島区の文化を支えていきます。

今号の特集では「心揺さぶる、文化の世界」と題して、豊島区にゆかりのある様々な「文化の担い手」の方々に、その情熱や、楽しむコツを語っていただきました。文化・芸術などを通した新しい体験に触れると、心が動く瞬間や身体の奥底から込み上げる感動を覚えることがあります。特に子どもたちにとって、こうした体験は、自分らしい未来を思い描き、形にしていく力を育むかけがえのない機会だと感じています。生まれ育った環境にかかわらず、幼いうちからできるだけ多くの豊かな体験に触れられる社会にしていくことが大切だと考えています。
特別な体験だけが文化ではありません。日々の生活に彩りを添えることも文化の大切な役割です。教育、子育て支援、福祉、まちづくりなど、区民の皆さんの生活を支える区役所だからこそ、文化の視点を忘れてはいけません。私は、文化の視点を大事にすることで、居心地のよい待合空間や子どもたちが安心してくつろげる居場所、歩きやすい道やワクワクする公園など、「人に優しい行政・人が中心のまち」を実現していくことができると考えています。豊島区では、令和7年度からあらゆる施策に文化の視点を取り入れるため、「文化企画課」を新設しました。これからも区民の皆さんとともに、日常の中に文化があふれ、誰もが心豊かに暮らせるまちづくりに力を入れてまいります。
8月20日~28日にかけて、フィジカルコメディデュオ「ゼロコ」のふたりをはじめとするアーティストが、子どもたちの身近な居場所「子どもスキップ」を訪れ、子どもたちと交流しました。子どもたちはパントマイムに挑戦し、夢中になって楽しんでいました。最後にはミニパフォーマンスも披露され、笑顔あふれるひとときとなりました。

としま未来文化財団と区が両輪となり、豊島区で暮らす皆さん、特にひとり親家庭や経済的に厳しい家庭環境の子、障害のある子、外国にルーツを持つ子など多様な背景を持つ子どもたちに、創造性や感受性を育むことができる文化・芸術体験を届けます。活動財源を「賛同金」として広く募集し「地域全体の思い」を形にして子どもたちにワクワクする体験をプレゼントします。ぜひご協力ください。※
詳細は こちら


10月~11月は文化イベントがたくさん!
11月1日は「としま文化の日」、1日~7日は「としま文化推進期間」です。イベントに参加して、としまの文化を盛り上げましょう!
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