介護保険制度の概要
1.介護保険制度
急速な高齢化の進展に伴い、介護を必要とする高齢者の増加と介護内容の重度化、長期化が進んでいます。
介護の担い手である家族の高齢化や核家族化による同居者の減少などにより、家族で介護を行うことが難しくなってきており、介護問題が老後の最大の不安要因となっています。
介護保険制度は、介護が必要になったかたができる限り住み慣れた地域や自宅で自立した日常生活が送れるよう、介護を社会全体で支える仕組みとして、平成12年4月から運用が始まりました。
2.介護保険事業の運営
保険者は豊島区です。
介護保険法により介護保険制度の運営は、区市町村が行います。
豊島区が保険者となり介護保険事業を運営します。
【保険者(豊島区)の主な役割】
- 被保険者の資格管理(資格の取得・喪失)
- 介護認定審査会の運営(要介護認定等の審査・判定)
- 保険料の賦課・徴収
- 事業計画の策定(基盤整備等)
- 保険事業の管理運営(保険財政・会計処理等)
- 相談・苦情等の受付
- 普及・啓発(行政情報の提供・事業者連絡会の開催)
- 給付管理業務(介護サービスの決定・支給等)
3.介護保険事業の財源構成
介護保険は皆さんの保険料と公費で運営されます。
介護保険事業の財政は、保険料と公費で賄います。
負担割合は、給付費用の場合、第1号被保険者保険料が約23%、第2号被保険者保険料(介護給付費交付金)が27%、国が20%、国の調整交付金が約5%、東京都が12.5%、豊島区が12.5%です。

4.被保険者資格の取得・喪失等
被保険者資格の取得(加入する人)
40歳以上の皆さんが被保険者になります。
介護保険の被保険者は、年齢により第1号被保険者と第2号被保険者に分けられ、強制加入となります。
豊島区に住所を有するかたで以下のかたが対象になります。
- 65歳以上のかた(第1号被保険者)
- 40歳~64歳の医療保険に加入しているかた(第2号被保険者)
住所地特例者
次の介護保険施設等に入所することによりその施設へ住所を変更したと認められる被保険者は、原則として施設に住所を移す前に住所があった区市町村の被保険者となります。
- 介護保険施設
- 特定施設(有料老人ホームなど)
- 老人福祉法第20条の4に規定する養護老人ホーム
外国籍のかたへの適用
住民登録をしており、3か月を超えて在留するかた(3か月以下でも入国目的や生活実態から3か月を超えて滞在すると認められるかたを含む)が被保険者となります。
被保険者資格の喪失
- 他の区市町村へ転出したとき
- 被保険者が死亡したとき
- 第2号被保険者が医療保険の加入者でなくなったとき
適用除外者
当分の間、次の施設に入所又は入院している方は当該施設から必要な介護サービスの提供が行われているなどの理由により、介護保険法が適用されず被保険者となりません。(施行規則第170条)
- 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第四十三条の四に規定する重症心身障害児施設
- 児童福祉法第七条の第六項の厚生労働大臣が指定する医療機関(当該指定に係る治療等を行う病床に限る。)
- 独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法(平成十四年法律第百六十七号)第十一条第一項の規定により独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園が設置する施設
- ハンセン病問題の解決の促進に関する法律(平成二十年法律第八十二号)第二条第二項に規定する国立ハンセン病療養所等(同法第七条又は第九条に規定する療養を行う部分に限る。)
- 生活保護法第三十八条第一項第一号に規定する救護施設
- 労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)第二十九条第一項第二号に規定する被災労働者の受ける介護の援護を図るために必要な事業に係る施設(同法に基づく年金たる保険給付を受給しており、かつ、居宅において介護を受ける事が困難な者を入所させ、当該者に対し必要な介護を提供するものに限る。)
- 障害者支援施設(知的障害者福祉法第十六条第一項第二号の規定により入所している知的障害者に係るものに限る。)
- 指定障害者支援施設(障害者自立支援法第十九条第一項の規定による支給決定(生活介護及び施設入所支援に係るものに限る。)を受けて入所している知的障害者及び精神障害者に係るものに限る。)
- 障害者自立支援法第二十九条第一項の指定障害者福祉サービス事業者であって、障害者自立支援法施行規則第二条の三に規定する施設(同法第五条第六項に規定する療養介護を行うものに限る。)
5.介護サービスが利用できるかた
- 第1号被保険者(65歳以上のかた)で介護や支援が必要とされるかた
- 第2号被保険者(40歳~64歳のかた)で、老化に伴う16の疾病(特定疾病)により介護や支援が必要とされるかた
特定疾病
- がん(医学的な見地に基づき回復の見込が無い状態に至ったと判断したものに限る)
- 関節リウマチ
- 筋萎縮性側索硬化症
- 後縦靭帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗鬆症
- 初老期における認知症
- 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
- 脊髄小脳変性症
- 脊柱管狭窄症
- 早老症
- 多系統萎縮症
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患(脳出血、脳梗塞など)
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患
- 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症