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米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を進めるとともに、正確な情報発信を丁寧に行うことを求める意見書

 

米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設については政府と沖縄県知事の意見が対立しています。普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければならないという考えは一致しておりますが、移設場所が名護市辺野古なのか、県外移設が可能なのかという点が一致しません。

我が国の安全保障上の問題がない範囲で、在日米軍施設・区域(専用施設)が集中している沖縄の負担軽減は極力図られるべきです。しかしながら、南西諸島のほぼ中央にあり、我が国のシーレーンにも近いなどの沖縄の地理的特徴を踏まえ、緊迫している東アジア情勢に鑑み、普天間飛行場の名護市辺野古移設が不可避であるという結論に日米政府でいたっております。これらの検討過程では県外移設を含めて可能性を探っていますが、東アジアの安全保障環境に不安定性・不確実性が残る中、我が国の安全保障上きわめて重要である在日米軍の抑止力を低下させることはできないという判断がありました。

また、普天間飛行場の移設は、沖縄の負担軽減にもつながるものとなっています。これまで同飛行場が担っていた米海兵隊の航空能力の一部の移転にとどまるほか、代替施設建設のために必要な埋立て面積は、普天間飛行場の3分の1以下となり、滑走路も大幅に短縮されます。さらに飛行経路についてですが、代替施設では海上へ変更され、騒音および危険性が軽減されます。例えば、普天間飛行場では住宅防音が必要となる地域に1万数千世帯の方々が居住しているのに対し、代替施設ではこのような世帯はゼロとなります。

これまでの日米政府間の交渉では、沖縄の負担軽減について何度も議題となり、平成23年6月の日米安全保障協議委員会(通称「2+2」。日本の外務大臣、防衛大臣+米国の国務長官、国防長官)会合などで、沖縄に所在する第3海兵機動展開部隊の要員8,000人とその家族約9,000人が沖縄からグアムに移転すること。この移転および、その結果として生じる嘉手納以南の土地の返還については、普天間飛行場の代替施設に関する進展から切り離すことも、平成24年4月の日米安全保障協議委員会共同発表で決定しています。現在検討に入っている全ての返還が実現すれば、沖縄本島中南部の人口密集地に所在する米軍基地の約7割が返還されることとなります。

このように、政府としても沖縄の負担軽減に全力で取り組むという基本方針のもとで、日米間の協議は行っております。

地方自治体は協議会などを通じて、また地方議会は意見書などを通じて、それぞれ政府に対して意見を伝えることはできますが、沖縄の在日米軍の問題は外交や国家の安全保障に関わる問題であり、最終的に責任をもつのは政府の役割です。政府には沖縄における負担の軽減には引き続き最大限取り組むとともに、米軍と連携した安全保障の体制構築に万全を期して頂きたいです。

以上を踏まえ、国または政府は、米軍普天間飛行場の辺野古移設を着実に進めるとともに、在日米軍と連携をしつつ沖縄の負担軽減策について最大限取り組んで行くこと、これまでの経緯を含めた辺野古移設や沖縄の在日米軍施設・基地の返還などの他地域を含めた情報の周知活動に取り組んで頂きたいです。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成27年12月4日

豊島区議会議長 村上 宇一

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更新日:2018年12月25日