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婚外子差別撤廃のための戸籍法改正を国に求める意見書

平成25年9月4日、最高裁判所大法廷は、14名の裁判官全員一致で、婚外子の相続分を婚内子の2分の1とする民法の規定(民法第900条第4号但書前段)を憲法違反と決定した。すでにこの規定は、同年の臨時国会で改正され、発効している。

同年9月26日に、最高裁判所第一小法廷は、出生届の嫡出子、嫡出でない子の別の記載を義務づける戸籍法第49条第2項第1号の規定を合憲と判断した。しかしその内容は、当該規定は憲法に違反しない旨を述べる一方で、戸籍法の規定を含む制度の在り方について見直しの検討が望まれる旨の補足意見も付されており、決して現状を全面的に是としたものではない。

近年、諸外国でも婚外子差別の撤廃が進み、嫡出子と嫡出でない子との区別自体が、子どもへの不当な差別であるとして法改正が進んでいる。わが国のこの規定も、すでに改正された相続分差別とともに、国連人権諸機関から、繰り返し法改正を勧告されている。婚外子の人権尊重のために、一刻も早い法改正が望まれる。

一方、戸籍の続柄欄において、もともと「長(男・女)、二(男・女)、三(男・女)、…」等と出生順に序列をつけていたものは、戦後廃止された家督相続の順序を明確にするためのものであり、現在では必要がない。平成16年11月に続柄欄の記載について制度が改正されたが、改正以前に出生届がなされた婚外子は、「男」「女」と記載されており、婚外子差別の要因ともなる。申し出により記載の変更が可能であっても、現に婚外子差別がある中で自ら名乗り出るには困難が伴う。国や行政による公報も積極的にはなされていないため、制度改正を知らない人も大勢いる。

したがって、婚外子差別の要因を除去し、戸籍実務上不要な事項を廃止して事務を簡素化するためにも、続柄欄を廃止することは極めて合理的である。

よって、豊島区議会は、国会及び政府に対し、次の事項について強く要望する。

1 戸籍法第49条第2項第1号を削除し、出生届における、嫡出子、嫡出でない子の別の記載欄を廃止すること。

2 戸籍法第13条第4号及び第5号を改正し、戸籍の実父母との続柄及び養親との続柄を廃止すること。なお、続柄廃止に伴い性別を明らかにする必要がある場合は、性別欄を設けるよう改正すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和元年7月8日 

                                                        豊島区議会議長 磯  一昭

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更新日:2019年7月16日