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大塚、巣鴨、駒込と並んだ3つのまちはそれぞれ大きな特徴があります。ここでは「花」をキーワードとして、それぞれのまちの紹介をしていきます。
(大塚都電とバラ)
毎年(まいとし)、8月下旬になると行われるイベント「東京大塚阿波踊り」が行われる大塚のまち。800人以上の踊り手が集まって、阿波踊(あわおど)りを披露(ひろう)しています。また平成21年からはじまった「おおつか音楽祭(おんがくさい)」では、大塚のまちにミュージシャンが集まり、生の音楽を響(ひび)かせています。
熱気があふれる大塚のまちを彩(いろど)っているのが「バラ」です。
大塚ではまちのボランティアの人たちが、都電荒川線(とでんあらかわせん)の線路脇(せんろわき)のバラを育(そだ)てています。ボランティアの方々が大切に育てているバラの種類はなんと330種類!5月と10月にきれいに咲いたバラを見ることができます。
(菊で作った象)
「おばあちゃんの原宿(はらじゅく)」として、テレビ番組(ばんぐみ)などで取り上げられることが多(おおい)い巣鴨のまち。巣鴨地蔵(じぞう)通(どお)り商店街のなかに「とげぬき地蔵(じぞう)」で有名(ゆうめい)な高岩寺(こうがんじ)があります。この「とげぬき地蔵(じぞう)」という名前は、「御影(おみかげ)」という小さな紙に地蔵(じぞう)の絵を描いたものが、病気(びょうき)のとげを抜(ぬ)くとして評判(ひょうばん)になったことから、いつしかそのように呼ばれるようになったものです。
魅力(みりょく)があふれる巣鴨のまちを彩(いろど)っているのが菊の花です。
江戸時代、巣鴨にはたくさんの植木職人(うえきしょくにん)がいました。そして、菊を使った菊細工(きくざいく)をつくり、その腕(うで)を競(きそ)いあったそうです。彩(いろど)りが豊かな菊の花をつかって作られたお人形や動物、富士山は見にきた人を楽しませていました。毎年、11月に行われている「すがも中山道菊まつり」が巣鴨で行われます。このお祭りのなかで、菊を使って作られたアートを見ることができます。
(駒込駅のツツジ)
園芸(えんげい)の地としてにぎわいを見せていた駒込のまち。「ソメイヨシノ」は駒込から生まれました。染井霊園(そめいれいえん)には100本を超(こ)えるソメイヨシノが植(う)えられており、春になるときれいなピンク色の花を咲かせます。ところで、駒込のまちをあざやかに色づかせているのはソメイヨシノだけではありません。
駒込のまちを電車に乗って訪(おとず)れたとき一番(いちばん)に目に飛(と)び込(こ)んでくる花、それがツツジです。ツツジは伊藤伊兵衛(いとういへえ)という、江戸時代にいまの駒込あたりに住んでいた植木職人(うえきしょくにん)がツツジの栽培(さいばい)を始めたことがきっかけとなり、駒込から江戸(いまの東京)中に広がったと言われています。
これら3つのまちを代表する花は、豊島区の歴史のなかで近代化のはじまりのときまでさかのぼることができます。
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