百日咳が流行しています!
全国的に患者発生報告が増加しており、東京都では2024年下半期より報告数が増加しています。
百日咳の流行状況(東京都)(新しいウィンドウで開きます)
百日咳とは
百日咳菌の感染によって、特有のけいれん性の激しい咳発作を特徴とする急性の気道感染症です。いずれの年齢でもかかりますが、小児が中心となっています。乳児(特に新生児や乳児期早期)では重症になり、肺炎、脳症を合併し、まれに死に至ることもあります。
主に患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれる細菌によって感染します(飛まつ感染、接触感染)。カタル期から感染力があります。
主な症状
- 7~10日の潜伏期間を経たのち、カタル期、痙咳(けいがい)期、回復期の3つの経過をたどります。回復までに約2~3カ月かかります。
- カタル期(約2週間)7~10日程度の潜伏期間を経て、風邪症状がみられ、徐々に咳が強くなっていきます。
- 痙咳期(約2~3週間)短い咳が連続的に起こり、咳の最後に大きく息を吸い込み、「ヒュー」という音がすることがあります。このような症状を繰り返します。
- 回復期(2~3週間)激しい咳は徐々におさまりますが、時折、発作性の咳がみられます。
- 乳児の場合、無呼吸発作など重篤になることがありますので特に注意が必要です。成人では、咳は長期間続きますが、比較的軽い症状で経過することが多く、受診・診断が遅れることがあります。
予防のポイント
- 有効な予防法は予防接種です。乳幼児には予防接種法による定期予防接種が行われています。生後2か月を過ぎたら早めに5種混合ワクチン(5種混合:ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ、Hib)を接種しましょう。予防接種による免疫効果の持続は5~10年程度です。
- 小学校就学前にワクチン効果が薄まるため、日本小児科学会では任意での3種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風)の追加接種を推奨しています。
- 咳エチケットと手洗いを心がけましょう。
- 学校保健安全法では学校感染症(第2種)として「特有の咳が消失するまで、または5日間の適正な抗菌薬による治療が終了するまでは出席停止」となります。
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