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フランス文学者の鈴木信太郎が暮らしていた住まい「旧鈴木家住宅」を改修・整備し、平成30年3月にオープンした、豊島区立鈴木信太郎記念館(東池袋5-52-3)は、今年で開館5周年を迎えます!
それを記念して、鈴木信太郎をはじめ、彼と親交のあったフランス文学者5人を紹介する企画展示「5cinq(サンク)~5人のフランス文学者たち~」を、5月16日(火曜)から開催しています。
20世紀前半の日本のフランス文学研究黎明期に、活躍したフランス文学者です。
ステファヌ・マラルメなどの象徴派の詩人や、ヴィヨンを中心とする中世文学を研究していたそうです!
また、フランス文学関係の稀覯本(きこうぼん)蒐集家(しゅうしゅうか)としても知られている方です。
(菅原幸男氏撮影)
そんな鈴木信太郎が住んでいた家が、今の鈴木信太郎記念館です。平成22年にご遺族から豊島区へと寄贈いただきました。
鈴木信太郎記念館は東池袋の住宅街に佇んでおり、フランス文学に関する著作をはじめとした貴重な資料を展示しているだけではなく、その建物自体も非常に貴重なものになっています。
数度の増改築を経た結果、内部は「書斎棟」、「茶の間・ホール棟」、「座敷棟」という日本家屋の3つの様式の建物から構成されているため、小さな記念館の中で3つの時代・様式の建物の魅力を肌で感じることができます!
また、建築年代の異なる貴重な建造物が同一敷地内に所在することから、旧鈴木家住宅として、区の指定有形文化財となっています。
フランス文学関連の資料以外にも、旧鈴木家住宅の建築関連資料を常設で展示しており、事前申し込み不要で見学が可能です。「座敷棟」の日本家屋で落ち着いて庭を眺めたり、「書斎棟」では、ステンドグラスから漏れる光の中、約10,000冊の本が壁中の書棚を埋め尽くす光景は圧巻です!
都会の静かな住宅地の中で、鈴木信太郎の功績とひととなりを感じながら、普段感じることのできない非日常体験を味わってみてはいかがでしょうか。
書斎棟は、フランス留学中に蒐集した1000冊もの貴重書を日本に送る際に船火事で焼失するという、信太郎の苦い経験から生まれた建物です。本を火災から守るために建てられた書斎は、当時個人宅では珍しかった鉄筋コンクリート造りで、鉄製の防火扉と、窓にはシャッターが設けられています。
5つの窓の欄間を飾るステンドグラスは、信太郎自身がデザインし、日本のステンドグラス制作のパイオニアのひとり宇野澤辰雄(うのさわたつお)氏が制作しました。ワニ・ハト・鹿・獅子・犬が掲げた本の上下には、信太郎が敬愛するフランスの詩人マラルメの言葉「世界は一冊の美しい書物に近づくべくできている」が刻まれています。
とても美しいので、是非間近でご覧になってください!
信太郎の著作と貴重な蒐集資料を5つのコーナーに分けて紹介しています。
与謝野晶子・鉄幹夫妻から結婚祝いとして贈られた手書きの句集(うち5首は未発表)をはじめ、谷崎潤一郎や大佛(おさらぎ)次郎など、信太郎と交流のあった文学者からの献呈本などを展示しています。
昭和3年に建築された鉄筋コンクリート造の書斎棟、戦後の昭和21年に建築された茶の間・ホール棟、明治20年代に埼玉県北葛飾郡富多村下吉妻(現在の春日部市)に建築された鈴木本家の母屋を昭和23年に移築した座敷棟という建築年代の異なる貴重な建造物が同一敷地内で見ることができます。
書斎棟北側廊下では、こうした増改築の変遷を物語る図面資料を中心に展示し、「旧鈴木家住宅」の変遷と魅力を知ることができます。
令和5年5月16日(火曜)から、開館5周年記念展示を常設展示内「信太郎の愛読書」コーナーで開催しています!
駐日フランス大使だった詩人ポール・クローデルの日本滞在を支えた山内義雄氏に誘われて、信太郎も翻訳に携わった詩集『四風帖』(1926年)ゆかりの品や、学生時代の小林秀雄がマラルメの詩を論じた試験レポート(青焼き)を初公開しています。
コーナー全体
クローデルから信太郎宛て扇面(『四風帖』特別刷り)
辰野隆・鈴木信太郎共訳『シラノ・ド・ベルヂュラック』に森林太郎(鴎外)が寄せた序文の自筆原稿
施設概要
お問い合わせ
鈴木信太郎記念館
電話番号:03-5950-1737
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更新日:2023年6月2日