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更新日:2026年6月18日

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目次

 

令和8年第2回区議会定例会 招集挨拶

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 令和8年第二回豊島区議会定例会の開会にあたり、区政運営に対する所信の一端を申し述べ、区議会並びに区民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

1 はじめに

 本年4月、区内在住の小学生の命が奪われるという、大変痛ましい事件が発生しました。亡くなられたお子様のご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、ご遺族並びに関係者の皆様に、謹んでお悔やみを申し上げます。

 本件の詳細は明らかにされておりませんが、逮捕された保護者が「生活が苦しくなり、子育てに疲れてしまった」と述べているとの報道を目にし、これまで、子どもと家庭を支えるため、児童相談体制の強化や子育て支援の充実に力を注いできた本区として、強い衝撃を受けるとともに、今後の更なる取組強化の必要性など、極めて重く受け止めております。

 本件については、先月22日、豊島区児童福祉審議会のもと、学識経験者、医師、弁護士等で構成される「児童虐待死亡事例等検証部会」に再発防止策の提言について諮問いたしました。本区としては、再発防止に向け、改善・強化すべきことについては、検証部会の提言を待つことなく、必要な措置を講じてまいります。

2 区民の生活環境を守る

 次に、「誰もが安心してくらせるまち」「誰もが過ごしやすいまち」の実現に向けた住環境や、駅周辺の安全・安心を守る対策について申し上げます。

2-1 民泊・一部屋旅館への対策

 本年4月、連続して定期報告を怠った202施設、83の住宅宿泊事業者に対し、「住宅宿泊事業法」に基づく業務改善命令を発出しました。その後、業務改善命令を受けても報告を怠り、改善が見られなかった23施設、15事業者に対して、6月11日付で7月1日から1年間の業務停止命令を発出しました。

 本区は、昨年12月の「豊島区住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例」の改正とともに、体制を強化し、民泊の適正運営に係る指導を強化しておりますが、騒音やごみの不適切な排出等の苦情は減少に至っていません。日々の暮らしにおいて、区民の皆様がお困りなのは騒音やごみの問題であり、それが改善されない限り、住宅宿泊事業者と地域との共存は困難と考えます。

 適正な民泊運営を行っていただくため、今後、指導を繰り返しても何ら対策を講じない事業者、運営が改善されない不適正事業者に対しては、条例に基づく勧告を行い、事業者名を公表するなど、指導監督の徹底を図ってまいります。

 また、平成30年に施行された「旅館業法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令」により、ホテルや旅館の「最低客室数」が廃止され、「旅館業法施行規則の一部改正」により、「フロント設置に替わる設備基準」が規定されたことから、従業員が常駐していない一部屋での旅館営業が可能となりました。それ以降、本区においても「一部屋旅館」が増加しており、現在、施設数は、令和6年度に比べ7割増の510施設、寄せられる苦情も、令和7年度は前年度の約4倍にあたる80件に急増しました。区民の皆様からは、一部屋旅館の増加に伴う住環境悪化への不安の声が、数多く寄せられております。

 こうした中、本区では、区民の生活環境の確保を最優先とし、区独自に従業員の常駐を義務付けることなどを盛り込んだ「豊島区旅館業法施行条例」の早期改正に向け、検討を進めております。条例改正については、昨年10月の豊島区町会連合会からの要望に加え、今月8日に開催した「住宅宿泊事業にかかわる条例改正等検討会」においても、要望をいただきました。

 本年12月に住宅宿泊事業の実施に係る区域及び期間の制限規定が施行されることを踏まえ、次の第三回定例会に、一部屋旅館が民泊の抜け道や不正の受け皿とならないための条例改正案を上程できるよう、スピード感を持って取り組んでまいります。

2-2 不法投棄されるスーツケース対策

 次に、来街者の増加とともに、不法投棄が目立つスーツケースの対策についてです。

 スーツケースのような、大型で中身が確認できない物が放置されていると、更なる不法投棄を呼び込むことにもつながるなど、周辺住民の皆様への不安要素となり、地域における大きな課題となっております。

 特に、民泊を含めた宿泊施設の多い地域では、スーツケースの不法投棄が他の地域よりも比較的多く見受けられることから、主な要因として、近年、これら宿泊施設の利用が増加している外国人旅行者による「買い替えに伴う不法投棄」が考えられます。 

 本区では、その対策に全庁を挙げて取り組んでおり、宿泊事業者、スーツケースの販売店やリユース事業者など、民間企業との連携手法をはじめ、検討を進めております。まずは、不法投棄の禁止について呼びかける多言語版チラシや大型ビジョン用の映像を、外国人支援団体等のご意見もいただいて作成し、周知を強化いたします。

 あわせて、「旅行者自身による、不要となったスーツケースの処理」という課題に対応するため、現在、リユースに取り組む事業者との協定締結に向けた調整を進めております。外国人旅行者等に対して、不法投棄の禁止とともに、スーツケースの廃棄方法等を周知することにより、対策の実効性を高めてまいります。

 また、新たな不法投棄を生まないため、青色防犯灯付きパトロール車による、多言語アナウンスでの巡回を着実に行いながら、地域からの情報収集や、警察や民間団体等との連携など、豊島区全体で集中した対策が必要と考えており、今後、関係機関・団体に対し、広く、協力を求めてまいります。

 さらに、関係条例の改正も視野に入れた検討を進めるなど、重層的な対策によって、まちの環境美化を推し進めてまいります。

2-3 ごみのポイ捨て及び路上喫煙に関する対策の強化

 池袋駅西口では、日頃からのまちの清掃活動や環境美化に関する啓発活動を通じ、地域の環境意識が高まる中、昨年9月にコンテナ型の公衆喫煙所を新たに設置したことから、路上喫煙者に対する平日の指導件数は減少しております。しかし、休日の指導件数に大きな変化はなく、また、夜間や人目につかない路地などでは、依然として路上喫煙や、たばこの吸い殻のポイ捨てなどが解消されない状況です。

 本区としては、こうした背景を踏まえ、ごみのポイ捨て及び路上喫煙を防止するため、今年度中の関係条例の改正を目指し、検討を行っております。今後、先行自治体の事例を参考にしつつ、罰則のあり方や適用範囲、費用対効果等、区民の皆様の理解が得られるよう、検討を進めてまいります。

 また、環境美化の推進及び安全で快適な歩行空間の確保を主な目的として、商店街、地元企業、町会、関係団体などが連携した「池袋駅西口環境美化推進協議会」が先月、設立されました。これまでの治安対策を主とした環境浄化活動に、この協議会の美化活動が加わることによって、安全・安心で、居心地の良い都市空間の実現が期待されます。

 今後も、協議会と区が連携しながら、区民も来街者も快適に過ごせる、良好な環境を構築してまいります。

2-4 繁華街における対策(路上での客引き)

 現在、区内の繁華街では、路上に店名や料金を表示したプラカードを所持する女性従業員が多数立ち並び、まちの健全な環境や歩行者の往来などが妨げられております。

 昨年11月に伺った第三地区の区政連絡会において、「まちが不健全な状態である。警察に言っても、『立っているだけでは罰することはできない。』と対応してもらえない。」といった意見が寄せられたことから、本年2月、同地区で意見交換会を設け、現状と課題についてご説明し、ご意見をいただきました。その他、多くの方々から、「通行の妨げになっている。」「しつこい客引きがたむろして路上喫煙しており、まちの雰囲気が悪くなっている。」「環境や治安の悪化につながるのではないか心配。」といった声が寄せられており、区として大きな問題と捉えています。

 現行の「豊島区客引き行為等の防止に関する条例」では、声掛けの状況がないと客待ちの取締りが難しいことから、まず、地域の皆様や警察と連携した防犯パトロールの強化や各種取締り、警備委託の内容を見直すとともに、条例の改正について検討を深めてまいります。

 本年4月、長谷川清美危機管理監が着任しました。豊島消防署長時代からの地域の方々との信頼関係をもとに、「地域と共に支えあう安全・安心なまち」の実現に向けた精力的な取組みを期待しています。

2-5 空き家調査

 次に、老朽空き家の実態調査について申し上げます。

 本年に入ってから、管理が不十分な空き家の一部が老朽化により崩れかけているなどの事案が、複数発生いたしました。

 こうした地域の住環境の悪化が懸念される状況を重く受け止め、先の臨時会にて、補正予算の議決をいただき、老朽化による危険度の高い空き家などの実態調査に着手しております。

 調査結果が明らかになり次第、速やかに空き家所有者への指導・勧告等の実施に取り組むとともに、令和5年に改正された「空き家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、「所有者不在の空き家」に対しては、解体などの適切な管理が必要な場合、区が家庭裁判所に相続財産清算人等の選任を申し立て、選任されることで空き家を処分することができる「財産管理制度」を活用し、危険な老朽空き家の解消に向けて取り組んでまいります。

3 夏休み中の子育て世帯、子どもへの支援

 次に、学校生活では経験できない、夏休みならではの自学・自習による勉強や運動、クラスや学年を超えた地域での体験など、子どもの成長につながる場の提供と、子育て世帯の経済的負担の軽減などの支援について申し上げます。

3-1 子育て世帯への食料支援

 本定例会では、食料品などの物価高騰が続く中、成長期の子どもたちを育てる家庭に対し、夏休み中の食費負担を軽減する補正予算案を上程いたします。18歳までのお子さんがいる非課税世帯及び児童育成手当を受給しているひとり親世帯等を対象に、「としま子ども若者応援基金」を活用した区独自の支援策として、「豊島区内共通商品券」6,000円分を配付するものです。

 区内共通商品券は、区内57の商店街、約570店舗で利用できますので、お近くの商店街や、まだ行ったことのない商店街にも足を運んでいただくことで、商店街の支援や活性化にもつなげてまいります。

3-2 池袋保健所仮庁舎跡地の活用

 子どもや若者の交流・体験・学びの拠点となる新たな「居場所」が、旧池袋保健所の建物を活用し、7月18日に誕生します。

 建物2階は、広い空間を活かして、若い世代の関心が高いスケートボードやパルクール、ダンスなどのアーバンスポーツやeスポーツの体験に加え、専門インストラクターによる本格的な指導を受けられる機会を提供します。

 1階は、相談や交流を通じて子どもたちの孤立を防ぎ、つながりを育む場所となります。YA(ヤングアダルト)向け図書を揃え、自習や交流ができる「図書館サテライト施設」や、児童養護施設や里親のもとから自立した「ケアリーバー等のための居場所」を開設、子ども・若者総合相談「アシスとしま」の出張相談も行います。また、区民提案事業である「国籍や文化に関わらない、妊産婦や子育て世帯の居場所」も、ここに整備しますので、子どもたちが多文化に触れる機会にもなることを期待しています。

 新たな居場所を、夏休み中に限らず、日常的に使ってもらえるよう、本年4月、小学生から高校生までを対象としたワークショップを実施し、子どもたちから様々なアイデアをもらいました。本定例会には、居心地の良い空間づくりや、個別指導も行うチューターの配置など、「こんな施設にしたい」という子どもたちの想いを盛り込んだ補正予算案を上程しております。開設まで1か月、関係部署が連携し、子どもや若者が安心して過ごせる「居場所」となるよう、準備を進めてまいります。

3-3 夏休み中の居場所

 池袋保健所跡地以外でも、各地域で夏休みの子どもの居場所事業を展開いたします。

 昨年度に引き続き、子どもレターで数多く寄せられた「学校でも家でもない、勉強できる場所がほしい」との要望に応え、「静かな自習室」を、5つの区民ひろばで開設します。

 さらに、今年は、区内に4か所ある地域文化創造館でも、「静かな自習室」を開設し、子どもたちが落ち着いて学習できる環境を用意します。さらに、先日リニューアルオープンした上池袋図書館では、2階の「静かなフロア」に区立図書館としては初となる「自習室」を設けました。一つ一つ仕切られて集中できるスペースが41席、パソコンを使用できる席を14席用意しています。生まれ変わった「多様な役割を持つ新たな図書館」を楽しみながら、多くの子どもたちに使ってほしいと思います。

 また、子どもたちへの区立スポーツ施設の無料・一般開放は、昨年度の利用者数が2万人を超えるなど、大好評をいただいており、今年度も実施いたします。

3-4 夏休み中の体験活動

 次に、夏休みの多様な体験事業について申し上げます。

 区民ひろばでは、小学生対象のデジタル創作体験や、アート・ダンス・音楽のワークショップ等、夏休みにしか体験できない事業を数多く展開いたします。

 事業の実施にあたっては、経済的な事情など、様々な事情を抱えるご家庭のお子さんが参加できるよう、民生委員・児童委員やスクールソーシャルワーカー、地域の学習支援ボランティア等の皆様に、事業の周知を協力いただくとともに、ひとり親世帯を対象とした児童育成手当の通知にチラシを同封するなど、区民ひろばで定期的に開催する“参加費無料のワークショップ”について、直接、呼びかけてまいります。

 また、アーティストが、子どもスキップに出向き、子どもたちとダンスや音楽、パントマイム等を通じたコミュニケーションをとることで、日常空間をステージに生まれ変わらせる取組みを進めます。夏から冬にかけ、11の子どもスキップを巡回し、来年度末までには、全ての子どもスキップで事業を展開してまいります。

 子どもスキップでは、この他にも夏祭りやミニ運動会等のスキップ独自の行事に加え、地域・企業と連携したダンス、科学実験、漫才教室など、子どもたちが楽しめる「放課後子ども教室」を今年も開催いたします。

 さらに今年度、子どもたちの文化体験を応援する皆様からの賛同金を原資とした「としま文化応援団事業」がスタートしました。としま未来文化財団が行う本事業では、23件の応募の中から12団体が選ばれ、障害のある子や外国にルーツがある子など、多様な背景がある子ども・若者に対し、年間を通して様々な文化芸術体験をお届けします。

 夏休み期間には、子どもたちがプロの演出家・振付家と作品を作る過程から関わり、自らの表現を舞台上で行う事業や、クラシックを身近に感じられるコンサートなど、多様な文化事業が展開される予定です。

 この他にも、「ぞうしがやこどもステーション」では、夏休みの約1か月間、人形を作ったり、絵を描いたり、自由な時間の中でアートに触れ、創造することの楽しみに出会える事業を実施するなど、言語の違いや障害、経済的な事情等が壁となって、文化芸術に触れる機会の少ない子どもたちが、身近な場所で、様々な体験をできるよう、区を挙げて応援してまいります。

3-5 障害のある子どもの保護者への支援

 次に、障害のあるお子さんを育てる保護者への支援について申し上げます。

 共働き世帯の増加により、障害児を育てる家庭において、日常生活における見守りや介助のニーズが高まっています。特に、夏休み中などは、放課後等デイサービス事業所の預かり時間だけでは、保護者が就労調整を余儀なくされる、あるいは家庭内での負担が重くなるなどの課題が生じています。

 そこで、今年度創設された東京都の補助金を活用し、夏休みなど長期の休みにおいて、開所時間の延長を行う障害児通所支援事業所に対し、補助ができるよう、本定例会に補正予算案を上程しております。

 障害児が身近な地域でサービスを受けることができ、その保護者が見守りや介助により離職せず、働き続けられるよう、支援を強化してまいります。

4 予防接種(麻しん)

 次に、新たに助成対象として追加する予防接種助成について申し上げます。

 麻しんの報告が続いており、都内では、過去10年間で最も報告数が多く、他区では臨時休校の報道もありました。麻しんは、「はしか」とも呼ばれ、非常に感染力が強く、重症になりやすいウイルス感染症で、予防にはマスクや手洗いでは防ぐことが難しいことから、予防接種が重要と言われています。

 本区では、ホームページやLINE、Xなどを通じて、広く区民の皆様への注意喚起を行うとともに、区内の小中学校や幼稚園・保育園の保護者、子どもと接する機会が多い施設の職員に対し、注意喚起とワクチン接種の検討を呼びかけています。

 本定例会に上程する補正予算案には、特に注意が必要な乳幼児や妊娠中の方への感染予防を徹底するため、新たに麻しんの抗体検査とワクチン接種を全額助成する事業費を計上しております。

5 教育

 次に、教育環境に関する取組みについてです。

5-1 学校改築

 はじめに、朋有小学校・西巣鴨中学校校舎一体型小中連携校及び総合体育場の整備について申し上げます。

 本年3月、児童・生徒を含めた学校現場やスポーツ協会、学区域の町会などで構成される「考える会」の皆様から、新しい学校に対する沢山の想いが込められた提言書をいただきました。これをもとに、この度、新しい施設の規模や構成、仕様等を定めた整備計画を策定いたしました。

 本整備計画は、提言書に掲げられた「未来をひらく、みんなの拠点」を新しい施設のメインコンセプトに据え、区内2か所目の校舎一体型小中連携校として、同一中学校ブロックの巣鴨小学校を含めた3校の連携をより一層推進していくことのほか、区内初となる「学校とスポーツ施設の複合施設」として、相互の連携・利用を通じ、学校とスポーツ施設、そして地域の皆様との交流やつながりを促進すること、安全・安心に十分配慮した、誰もが自分らしく過ごせる拠点となるよう整備することなど、子どもたち、そして地域の皆様の想いを具現化した内容としております。

 具体的には、プールは、小中学校で共用可能となるよう、深さを調節できる可動床を備え、地域開放を見据えた屋内温水プールとして整備します。また、防災面では、救援センターとなる学校と総合体育場との一体的整備により、広大な敷地を最大限有効活用するとともに、隣接する防災公園「イケ・サンパーク」との連携により、地域防災の一大拠点としてまいります。

 今後は、本整備計画をもとに、来月、基本設計の業務委託に係るプロポーザルの募集を開始し、12月を目途に基本設計に着手いたします。

 駒込地区の学校改築につきましては、現在、仮校舎整備に向けた既存建物の解体が進み、年内には仮校舎の整備工事に着手いたします。「考える会」では、駒込中学校の建替えプランの検討を進めており、年内には提言書をいただける予定です。区においては、それを受け、今年度末に整備計画を策定いたします。

 今後、現在改築工事中の千川中学校を含め、「豊島区公共施設等更新計画」に基づく学校改築を着実に進め、子どもたちの学習環境の向上を図るとともに、防災やコミュニティの拠点として、地域に開かれた魅力ある学校づくりに努めてまいります。

5-2 教育環境の充実

 次に、教育環境の充実について申し上げます。

 区立小中学校に通う子どもたちの教育環境をより良いものとするため、ハードとソフトの両面から、着実に取組みを進めています。

 まず、ハード面の取組みとして、昨年度、全ての中学校に設置した校内教育支援センターを、今年度、全小学校に設置し、不登校対策により一層、力を入れてまいります。2学期からの開設を予定しておりましたが、一部の学校では既に利用が始まっており、子どもたちは、読書や個別学習、タブレットを活用したオンライン授業を受けるなど、自分のペースで学校生活を過ごしています。2学期が始まるまでには、全小学校で、児童にとって心地の良い居場所となるよう、整備を進めてまいります。

 また、暑さ対策も着実に進めています。

 既に多くの小中学校で水泳の授業がスタートしていますが、屋外プールの日除けシートは全校で設置が完了しており、直射日光を遮りながら、安全かつ快適に水泳の授業を行っています。

 教室についても、空調機器の定期メンテナンスに加え、必要に応じて分解洗浄を行うことで、空調性能を最大限発揮できるようにするとともに、一部の教室には遮熱性の高い窓フィルムやカーテンを設置するなど、学校ごとの状況に応じたきめ細かな対策を進めてまいりました。さらに、子どもたちや保護者の声を受け、これまで中学校と子どもスキップに設置されていた冷水器を、小学校全校に設置し、冷たい水を補給できる環境を整えます。

 ソフト面の取組みといたしましては、今年度、西巣鴨中学校と巣鴨北中学校の2校でタブレットを活用したオンライン英会話を試行実施いたします。子どもたちはオンライン上で、ネイティブスピーカーと英語でのやり取りをマンツーマンで行い、「使える英語力」の育成に取り組みます。試行の状況を踏まえ、英語教育のさらなる充実を図ってまいります。

 こうした、ハード・ソフトの両面に渡る取組みを通じ、子どもたちの教育環境をより充実させ、豊かな学びの実現と健やかな成長の支援に努めてまいります。

6 建築制限条例の改正と池袋駅東口A・C・D地区計画

 次に、まちづくりに関する取組みとして、建築制限条例の改正と池袋駅東口A・C・D地区計画について申し上げます。

 先般、南池袋二丁目C地区市街地再開発事業の北街区が竣工し、豊島区保健所がオープンいたしました。区内では、さらに複数の市街地再開発事業など、民間による大型開発事業が着実に進んでおります。

 一方、ハレザ池袋や南池袋公園、それらを繋ぐアニメイト通りを中心とした、「池袋駅東口A・C・D地区」の地区計画の変更案は、これまで地元の皆様との意見交換を重ねながら検討を進めており、大型開発によらない、個別の建替えや機能更新を促進させるとともに、道路空間の拡幅やにぎわい空間の確保が可能となるなど、街並みの統一を図りながら、まちの利便性や防災性を高めるものとなります。

 本定例会には、先月25日に開催した「豊島区都市計画審議会」で都市計画決定を受け、建物の壁面を後退することによる容積率や斜線制限の緩和が可能となるなどの地区計画の内容を盛り込んだ「豊島区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例」案を上程しております。条例改正後は、当該地域内で本制度が活用されることで、これまで培ったまちの魅力を維持・向上させながら、機能更新を進め、ウォーカブルなまちづくりの実現への一助となることを期待しております。

7 DX推進に向けた取組み

 次に、区のDXに関する取組みについて申し上げます。

 これまで区公式LINEでは、区政情報の発信に加え、オンライン申請やセグメント別の情報発信などの取組みを進めてまいりました。さらに、今月、区ホームページに掲載されている情報をもとに、LINE上で生成AIが24時間365日、自動で回答するチャットボット機能を実装しました。これにより、「広報としま」や区ホームページによる検索や、電話でのお問い合わせをいただかずとも、いつでも速やかに、確認したい区政情報を入手することが可能となります。

 今後も必要な機能を付け加えながら、区公式LINEの利便性を高めるとともに、より多くの皆様にご利用いただけるよう、活用方法等の周知に努めてまいります。

 また、庁舎1階の総合案内では、人による案内と並行して、AIアバターを使って来庁者を案内する実証実験を6月15日から開始しました。日本語、英語、中国語、韓国語でご案内するほか、より詳細な案内を知りたい場合には、専用のコールセンターにおつなぎします。実証実験を通じ、多様な来庁目的に対する迅速なご案内、また、日本語を話せない方、障害のある方に対する円滑な対応などについて、有用性を検証してまいります。

 なお、オンラインで対応可能な行政手続きは、昨年度150件以上増やし、全体で約450件にまで拡大しています。さらに、昨年度は、書面提出など、アナログ的な手法を前提とする規制の見直しを進め、行政手続きのオンライン化を加速するための環境を整備しました。引き続き、来庁不要な行政サービスの拡大に向け、DXの推進を図ってまいります。

 行政サービスのDX化を進めていくためには、個人の能力に頼るだけではなく、組織的に人材を育成していく仕組みが不可欠です。

 このため、全庁を挙げてDX推進体制を整備すべく、各所管でDX推進の旗振り役を担うデジタルリテラシー人材の育成に向けて、「DXアンバサダー制度」を創設しました。今年度は各所管から約30名の職員を選出し、最新のICT技術を学ぶなどの研修を通じ、スキルアップを図るとともに、各部署で課題となっている具体的な業務改善に取り組みます。政策経営部による伴走支援や、アンバサダー同士の情報共有の機会を月1回程度設けることにより、成功事例を共有するなど、実務に根差したDX人材を育成してまいります。

8 熱中症対策

 次に、熱中症対策に関する取組みについて申し上げます。

 先般の第一回臨時会で議決いただきました「低所得者向けエアコン設置助成」の申請受付を今月1日より開始しております。

 今年度は、熱中症対策をさらに強化するため、「東京都低所得世帯向けエアコン設置区市町村緊急支援事業」を活用し、助成要件のうち、年齢要件を撤廃するとともに、所得要件を住民税非課税世帯に加え、新たに住民税均等割のみ課税世帯や児童扶養手当受給世帯にまで拡充しました。また、これまで対象外としていた買い替えや増設も対象とし、東京都のゼロエミポイントとの併用も、引き続き可能としています。今夏も厳しい暑さが予想されておりますので、本制度の積極的な周知とともに、熱中症予防のための適切なエアコンの使用方法等について、啓発を進めてまいります。

 先月11日から、高齢者を熱中症から守り、支援や見守りが必要な方を各種サービスなどにつなげていくことを目的として、75歳以上の一人暮らし高齢者を対象に、戸別訪問を開始しました。今年も民生委員・児童委員の皆様や高齢者総合相談センターの職員が訪問し、エアコンの適正利用を促すとともに、熱中症対策グッズを配布し、啓発に取り組んでおります。

 また、高齢者と同様、熱中症リスクの高い障害者への対策として、本区では、今年度創設された東京都の補助金を他自治体に先駆けて活用し、区内の通所・居住サービス施設に対して、日除けシェード、扇風機、遮熱シートなど、熱中症予防に資する機器や設備の導入に係る経費を補助いたします。加えて、施設通所者等を対象に、対策グッズを配布するなど、熱中症予防に取り組んでまいります。

 介護事業所・障害事業所に対しては、国と東京都において、熱中症対策機器等の購入費補助事業を行っておりますので、区では、これらの活用も含めて事業所に呼びかけてまいります。

9 おわりに

 今年度もゴールデンウィーク前に熱中症対策本部を設置し、各部署において対策を進めているところですが、大変残念なことに、今月、区内で70歳代の男性が熱中症の疑いで亡くなる事案が発生しました。報道によれば、エアコンを使用していなかったとのことです。

 命を守るには、常日頃から、ご自身の安全・安心を守る心構えと準備をしていただくことが欠かせません。本年4月から配信している「防災アプリ」の「お知らせ機能」により、熱中症や台風などの最新情報を確認いただくなど、本格的な夏を前に、区民の皆様お一人おひとりによる能動的な行動を呼びかけてまいります。

 なお、本定例会には、条例3件、補正予算1件、その他3件、あわせて7件の議案を提案しております。

 よろしくご審議のほど、お願い申し上げます。

 以上を持ちまして、令和8年第二回区議会定例会招集挨拶を終わります。

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電話番号:03-4566-2512