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更新日:2024年7月4日

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令和6年第2回区議会定例会 招集挨拶

  令和6年2定招集挨拶

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 令和6年第二回豊島区議会定例会の開会にあたり、区政運営に対する所信の一端を申し述べ、区議会並びに区民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

   去る4月24日、民間有識者らでつくる「人口戦略会議」により、自治体の持続可能性に関する発表がありました。10年前、豊島区は消滅可能性都市の指摘を大きな衝撃をもって受け止め、若年女性をはじめとする皆様の声を迅速に施策に反映するなど、積極的に対策を講じた結果、今回の消滅可能性都市からの脱却につながったと認識しています。今後も、行政だけでなく地域の皆様とともに、「住みたい、住み続けたいまち」、そして「希望する方が安心して出産・子育てできるまち」を目指してまいります。

1.新体制2年目にあたり

 昨年4月の区長就任から、早いもので1年が経過いたしました。職員とともに「チーム豊島区」として一丸となり、区民の皆様、民間事業者や関係団体、そして議員各位のお力添えをいただきながら、刻々と変化する時代の中、「ひとが主役の区政」の実現に向け、全力で取り組んでまいりました。

1 誰もが住みたくなる8つのまちづくり

 この間、優先的に取り組むべき課題として掲げた「誰もが住みたくなる8つのまちづくり」のうち、子育て支援では、出産費用の実質無償化やゆりかごオンライン面接、子育て世帯見守り訪問事業、産後ケア事業など、妊娠期から出産後まで、切れ目ない支援を充実させてまいりました。また、子どもたちの健やかな成長のため、子どもの権利相談室の設置やアバターを活用した相談窓口の強化に取り組むとともに、学校給食の無償化や不登校生徒等が通える居場所の開設、また、発達相談やヤングケアラー支援の体制拡充などに力を入れてまいりました。

行政における最優先課題である「誰もが安全・安心に暮らせるまち」の実現に向けましては、避難行動要支援者の個別避難計画の作成や、女性の視点からの災害対策の見直し、特殊詐欺防止などの治安対策とともに、無電柱化や木密地域の不燃化・耐震化を進め、特に耐震化については、今年度より耐震診断・耐震改修助成対象を新耐震木造住宅へ拡充するなど、ソフト・ハードの両面から取組みを進めております。

生活の基盤である住宅につきましては、3月に策定した「住宅マスタープラン」を踏まえ、今後、子育てに配慮した住宅の供給や子どもや子育て世帯の居場所づくり、高齢社会に対応した居住の安定確保など、子育て・福祉施策と連携した安全・安心な住宅・住環境の整備に努めてまいります。

2 池袋駅周辺のまちづくり

 池袋駅周辺のまちづくりでは、先日、西口再開発の説明会を開催するとともに、住民の方々から広くご意見を伺いました。今後まず、都市計画審議会でご審議いただき、西口の都市計画決定を得てまいります。一方東口では、環状5の1号線の開通を見据えて駅前広場の検討を進めております。関係者の意見を丁寧に伺いながら、豊島区の目指す「ひと」が主役のウォーカブルなまちづくりを実現してまいります。

 池袋エリアプラットフォームでは、行動指針となる「未来ビジョン」の策定シンポジウムが開催されました。今後は目指すべき将来像を、より多くの方々と共有し、その実現に向けた活動を展開することで、まちの魅力や価値の向上に繋がることを期待しています。

3 シティプロモーションへの取組み

 また、今年度は、シティプロモーションの取組みを強化いたします。シティプロモーションは、豊島区の知名度を上げるばかりでなく、まちのイメージ向上により価値を高め、豊島区を国内外に売り込む活動です。こうした取組みは、インバウンド需要の喚起を含めた人流の増加、ひと・もの・情報の交流による賑わいの創出、経済の活性化にとどまらず、魅力と活力を兼ね備えた自治体として注目されていく中で、ここに暮らす区民の“地域への愛着や誇り”を醸成し、さらなる地域活性化につながっていくものと考えています。

 今後、本区の強みである「マンガ・アニメ・コスプレ」を前面に打ち出し、例えば、人気アニメキャラクターとのコラボレーション企画によるプロモーションを展開します。また、本区ならではの「チームとしま」の力を活用した公民一体のプロモーションにより、豊島区を大いに盛り上げ、大いにまちの魅力や文化を発信してまいります。

4 区民による事業提案制度

 これまで幾度となく申し上げてまいりましたが、区民の声を聴き、区民とのつながりを強化し、区民目線による区政を推進することが、私の区政運営の基本姿勢です。この実現のため、区長就任後、「子どもレター」「区民による事業提案制度」「未来としまミーティング」を開始しました。今年度も、引き続き実施いたします。

 「区民による事業提案制度」は、今年度、「災害に強い地域づくり」「人にやさしいデジタル化社会の推進」の2つのテーマで募集いたしました。いずれも区全体に関わる重要な課題であり、区民の皆様とともに取り組んでまいりたいテーマです。6月14日まで募集を行い、合計78件のご提案をいただきました。8月に区民投票を行い、来年度の予算編成作業に結び付けてまいります。

 また、昨年度に選定され、今年度予算化された6件については、着々と取組みが進んでおります。

1 公園の日陰化

 区民投票で最多得票数だった「公園の日陰化」については、公園や児童遊園の23カ所に日除け対策を実施します。イケ・サンパークでは、芝生広場への大型テントの設置に加え、さらなる賑わいとくつろぎのため、ファーマーズマーケット付近にテント・イス・テーブルを28組設置します。また、雑司が谷公園の丘の上テラスには日除けのシートを、日陰の少ない池本だんだん公園には、ベンチの上に新たな日除け棚を設置するなど、区民の皆様にとって身近な公園の暑さ対策に取り組んでおります。

2 空き店舗活性プロジェクト

 次に、「空き店舗活性プロジェクト」です。

 空き店舗を活用し、区内で開業を目指す事業者に対して、店舗整備費や賃料を補助する内容で、現在、事業者を募集中です。商店会活動に協力する開業者には、賃料補助を上乗せすることで、商店街活動の新たな担い手として、地域に根差した事業者となるよう、より手厚く支援してまいります。さらに、ビジネスサポートセンターによる相談支援だけでなく、既に地域で活動する事業者をコーディネーターとして配置し、開業前から開業後まで伴走支援を行うとともに、商店街との橋渡し役を担ってもらうことで、共に地域の商店街の活性化を図ります。

3 未利用地の有効活用

 「未利用地の有効活用」の提案につきましては、区内の様々な地域での実施を目指し、活用可能性がある用地を選定し、検討を進めています。直近では、今月29日に旧西池袋二丁目第二児童遊園を活用し、子ども達が楽しむイベントを実施します。今後も区内の未利用地を活用し、出張プレーパークなどのイベントを企画してまいります。

4 としまベンチプロジェクト

 次に、「としまベンチプロジェクト」です。

 高齢者などの外出を支援するため、コミュニティソーシャルワーカー等、地域で活動する関係者の協力により、ベンチを設置・改修する場所の調査、選定を進めています。さらにホームページや広報を通じて、区とともに地域で情報収集やベンチの管理などベンチプロジェクトを進めていただく「ベンチ協力隊」を募集し、秋以降に具体的な設置を進める予定です。併せて、「チームとしま」と連携し、民間ならではの技術・アイデア・設置場所等を提供いただける協賛企業の募集を進めております。また、区民ひろばと合同で、11月に区民の皆様に幅広く参加いただき、ベンチを実際につくるイベントも実施予定です。魅力的なベンチの設置により、まちに出かけやすく、歩きやすく、人との出会いにも繋がるウォーカブルなまちづくりを進めてまいりたいと考えています。

5 スポーツのチカラで子どもたちの健康な未来を築こう

 次に、「スポーツのチカラで子どもたちの健康な未来を築こう」です。

 子どもたちが元気に身体を動かせる機会を増やすため、4月より、総合体育場グラウンドと南長崎スポーツセンター多目的広場を子どもの居場所・遊び場として一般開放いたしました。限られた時間の中、子どもたちは思い切り走ったり、ボール遊びをしたりと、伸び伸びと運動を楽しんでいます。夏休み期間は、熱中症対策として屋外施設に代え、豊島体育館や巣鴨体育館等の屋内施設を開放いたします。

 6月15日には、旧朝日中学校体育館を活用して、豊島区内でJリーグを目指して活動しているサッカーチーム、エリース東京FCの選手の皆さんと地域の子どもたちの運動イベントを実施しました。参加した子どもたちは、サッカーだけではなく、様々な身体を動かすプログラムにより交流を楽しみました。

  今後も、技術向上やスポーツへの意識高揚等を目的に、トップアスリートとの交流事業を予定しており、7月と12月には、東京ヴェルディと連携し、障害の有無に関わらず誰もが楽しめるインクルーシブサッカーイベントを開催いたします。

 また、先の第3回区議会臨時会で可決いただき、7月1日より、区内在住の児童・生徒が区立スポーツ施設を個人利用する際の利用料が無料となります。高校生相当の無料化は23区初の取組みです。区内7か所のスポーツ施設で実施される卓球やバドミントン、バレーボールなどの外、プールやトレーニングルームの利用料金、小・中学生200円、高校生相当400円を無料とすることで、子どもたちのスポーツ体験の充実を図ってまいります。

6 外国人支援体制の強化

 最後に、「外国人支援体制の強化」です。

 6月1日現在、131の国と地域から3万4,470人の外国人が在住し、総人口に占める割合は11.7%と、23区で2番目に高い本区において、外国人住民へのよりきめ細やかな支援が必要と考えています。そのため、7月1日、本庁舎4階の区民相談コーナーに外国人専用窓口を開設いたします。

 相談窓口では、平日5日間、22言語で対応するとともに、外国人向けの様々な情報を集め、一元的に提供する体制を整えます。運営にあたっては、外国人支援団体等との連携を図り、外国人の方により安心してご利用いただけ、また、必要な支援にスムーズにお繋ぎできるよう努めてまいります。

2 基本構想・基本計画の策定

 次に、区政運営の最高指針である基本構想・基本計画の策定についてです。本年2月、5名の区議会議員の皆様や公募委員を含めた21名による「基本構想審議会」を設置しました。先月24日の第3回審議会においては、基本構想の素案、基本計画の施策体系案、将来人口推計などにおいて多方面からの活発な審議が行われました。私たちが今後向かっていく未来への展望が徐々に具現化されるにつれ、期待が高まるとともに、今年度末の策定に向けて、あらためて気が引き締まる思いでおります。

 今後、さらに具体的な施策の検討に入ってまいりますが、区民の皆様の声を計画に反映させていくことを第一に考え、区民意識調査、関係団体へのヒアリング、区民の皆様から直接ご意見を伺うワークショップなどを審議会と並行して実施いたします。

 全部局において、区民目線で「目指す将来の姿」を考え抜き、「ひと」が主役のまちの実現に向けた羅針盤となる計画策定に向け、引き続き議論を重ねてまいります。

3 新たな学校改築方針

 次に、「新たな学校改築方針」についてです。

 区民の皆様に身近な学校や図書館など、「区施設の改築改修計画」の策定に向け、私自身が本部長となる「公共施設等マネジメント本部」を3月に立ち上げ、全庁的な検討を進めております。

 こうした中、施設の中でも長年の懸案であった東部地域の学校改築において、新たな視点・手法を取り入れながら検討を進めた結果、改築に向けての見通しが立ったことから、計画の検討中ではありますが、先に方針としてお示しすることにいたしました。なお、学校改築を含めた最終的な「区施設の改築改修計画」については、今後、更なる検討を重ね、基本構想・基本計画との整合を図りつつ、中期的な歳入・歳出バランスを意識しながら、年度内にお示しします。

 学校改築の方針の一つ目は、駒込地域の小中学校の改築です。駒込小学校に近接した日本郵船株式会社が所有する敷地を定期借地する本区初の手法により、仮校舎を建設することで、駒込小学校、仰高小学校、駒込中学校の改築を約20年間かけて進めてまいります。

 二つ目は、総合体育場と朋有小学校の敷地を一体的に活用した学校改築についてです。朋有小学校の別棟を建設する方針については、令和6年第1回定例会で一旦立ち止まることをご報告し、再検討を行ってまいりました。その結果、今後の再開発による児童数増と、この地域の小中学校の計画的な改築を見据えた新たな方針に見直すことといたしました。

 朋有小学校の改築にあたっては、巣鴨小学校も含めた西巣鴨中学校ブロックでの小中連携教育による更なる教育環境の向上を目指します。これまで池袋中学校ブロックでは、総合的な学習の時間等を活用した緊密な連携により、池袋中学校と校舎一体型である池袋本町小学校と同様に、池袋第一小学校においても小学校から中学校への円滑な接続を実現してきました。こうした成果を踏まえ、小中連携教育をさらに底上げすることを目的に、新たな小中連携教育の拠点となる区内2か所目の「校舎一体型小中連携校」として整備したいと考えております。具体的な改築検討にあたっては、将来、西巣鴨中学校に通う巣鴨小学校も含めた3校で、考える会を進めてまいります。なお、将来的な西巣鴨中学校校舎は、仮校舎として活用することにより、東部地域の学校改築を計画的に進めてまいります。

 改築の際は、現在の総合体育場と朋有小学校の位置を入れ替える考えであります。総合体育場は、平成28年に都市計画公園としての区域をイケ・サンパークに再配置したことにより、活用の枠が大きく広がったことなどから、総合体育場管理棟の建て替えや新管理棟を含めた施設整備について、学校改築と併せて再検討を進めた結果、校舎との位置の変更を新たな方針としております。これにより、仮校舎の建設が不要になり、必要経費の削減となるとともに、学校の移転が1回のみ、近接地で完結することから、学校及び子どもたちの負担軽減ともなります。学校改築後は、総合体育場と朋有小学校の位置が入れ替わることから、管理棟のほか、野球場を含めた総合体育場全体を再整備いたします。

 方針につきましては、今後、地域の皆様、関係団体への説明を丁寧に進めてまいります。とりわけスポーツ施設の工事期間が長期化することから、豊島区スポーツ協会や各種競技団体、利用者のご意見を十分伺いながら、各競技の代替施設の確保はもとより、これまで以上に充実した総合体育場となるよう最大限努力してまいります。

4 おわりに

最後に、今回提案する補正予算について申し上げます。

 今回の補正予算では、一般会計22億4,262万8千円、国民健康保険事業会計3,167万4千円を計上しております。

 主な事業の一つは、今年の秋冬に実施する「子どものインフルエンザワクチン接種」で、中学生までの子どもを対象に、1回の接種につき2,000円の補助により、接種費用負担を軽減するものです。また、「新型コロナウイルスワクチン接種」も、国の補助に区独自の上乗せを行い、自己負担7,000円から3,500円に、また生活保護受給者は自己負担0円で接種を受けられるよう、接種費用負担を軽減します。

 その他、本日、ご提案申し上げる案件は、条例8件、その他16件、合わせて26件であります。

 その他の案件につきましては、後ほど、日程に従いまして、天貝副区長よりご説明申し上げますので、よろしくご審議のうえ、ご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 以上で私の招集挨拶を終わらせていただきます。

 

 

 

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企画課未来戦略推進第1グループ

電話番号:03-4566-2512