令和6年第1回定例会の報告について
先週末には、池袋西口としま商人まつり、染井よしの桜里まつり、東池袋五丁目公園(HINODE GARDEN PARK)開園式など、地域のイベントに出席し、商店街や町会の方々からたくさん元気をいただきました。また、年度末を迎え、区立小中学校では卒業式が執り行われました。厳粛な雰囲気のなか、卒業証書を授与される卒業生の凛々しく清々しい顔つきを見ると、その成長に喜びを感じるとともに、さらなる飛躍への期待に胸が高鳴る思いです。頑張れとしまっ子!これからの活躍を応援しています!
さて、2月14日から3月26日までの会期で令和6年第1回定例会が開催されました。私が区長になって初めてとなる、令和6年度の区政方針や展開する事業にかかる経費を予算として審議する大変重要な定例会です。区の法律である条例改正が18件、区のお金のやりくりである当初予算4件・補正予算2件など、区議会で審議をいただき、全ての案件が採択されました。
まず、「条例」の主な改正内容です。
西部子ども家庭支援センターに「児童発達支援センター」を設置します。児童発達支援センターの機能を併せ持つことにより、栄養指導などの追加支援が可能となるほか、保育所などへの訪問支援や障害児を預かる施設からの相談にも対応していきます。
令和6年度当初予算については、賛成多数で採択されました。
今回の当初予算は、「誰もがいきいきと輝くまち」の実現に向け、子どもから高齢者まで区民の皆様の声を聴き、区がやるべきことを区民目線で考え抜いて編成した予算です。
一般会計の総額は1,529億3,500万円で、新規拡充事業の充実とともに、学校改築の推進などにより投資的経費が増加したことなどから、過去最大規模の予算となりました。
今回、区民提案制度を初めて実施し、区民による事業提案の中から「公園の日陰化」、「空き店舗活性プロジェクト」などの6事業を選定しました。これらを含めた新規・拡充事業は238事業、84億円を計上しています。
特に、重点的に予算化した分野は次のとおりです。
防災・減災対策
- 災害時要配慮者対策として、名簿の管理・更新を行うとともに、個別避難計画の作成や、大学との共同研究を行います。(674万5千円)
- 旧耐震基準の住宅への助成制度に加え、新耐震基準の木造住宅(2000年5月以前に建築されたもの)への助成を開始します。(180万円)
- 災害発生時、ペットを飼っている方が避難所へペットを連れて避難できるよう、各救援センターにペットシーツやペットケージ等のペット用資機材の備蓄を進めます。(140万5千円)
- 区の災害対応力を強化するとともに、昨今のスマートフォンの普及による情報収集・発信手段の多様化を踏まえ、災害時に求められる情報収集や情報発信に迅速に対応できるよう、総合防災システムを更新します。(1億710万4千円)
子ども・子育て家庭への支援
- 都内の出産に係る費用の中央値は約54万2,600円となっていますが、国の出産育児一時金は50万円にとどまっており、自己負担が生じています。この差額分を、月齢4か月から11か月の乳児がいる子育て世帯への見守り訪問事業による電子クーポンの配付時に、5万円を上乗せして配付することで、出産費用の実質無償化を図ります。(8,250万円)
- 産後の心身のケアや育児支援を行う産後ケアについて、宿泊型の利用施設を増やすとともに、日帰り利用できるデイサービス型を新たに開始します。(2,057万1千円)
- 妊娠中や産後のママの家事や育児をサポートするため、自宅を訪問し家事及び育児支援を行う「産後ドゥーラ」の利用助成について、これまで対象としていた産後うつや強い育児不安のある方などの要支援家庭に、ひとり親家庭と多胎児家庭を加えることで対象を拡大します。(797万1千円)
高齢者への総合的な支援
- 高齢者の暮らしを支援する地域の拠点である「高齢者総合相談センター」について、駒込地域に新たな相談窓口(ブランチ)を設置し、地域で相談できる環境を強化します。(528万8千円)
- 高齢者の皆様が公衆浴場を100円で利用できる「おたっしゃカード」について、年間の利用回数を30回から40回に拡充するとともに、高田地域に隣接する文京区の公衆浴場1か所の公衆浴場を利用可能とします。(1,139万1千円)
- 高齢者の熱中症対策として、特にリスクの高い75歳以上の高齢者かつ住民税本人非課税世帯を対象に、エアコン設置に係る費用の一部を助成します。(1,660万円)
教育の充実
- 令和5年9月から実施している、区立小中学校における児童・生徒の給食費無償化を引き続き実施します。(7億3,804万5千円)
- 子どもスキップに配置されているスクール・スキップサポーターを各施設1名ずつ増員し、2名体制とすることで、見守り体制を強化します。(1億1,732万9千円)
商店街・中小企業への支援
- 物価高騰の高止まり等により、商店街や個店の経営が厳しい状況におかれていることから、プレミアム付き地域商品券事業を引き続き実施します。(5,100万円)
- 区民提案制度により予算化された「空き店舗活性プロジェクト」として、区内の空き店舗等で開業を目指す事業者に対し、賃料等にかかる経費を補助します。また、コーディネーターを設置し、開業前から開業後まで伴走型の支援を行います。(987万円)
文化・スポーツの推進
- スポーツに親しむ新たな拠点として、サッカーの国際規格に対応し、ラグビーや少年野球など多目的に使える運動場と、テニスコート2面を備えた屋外スポーツ施設「千早スポーツフィールド」を整備し、令和6年10月に開設します。(6億861万円)
- 子どもたちを対象としたスポーツイベント(パラスポーツ含む)を通年で実施するとともに、子どもの居場所・遊び場づくりのため、新たにスポーツ施設を無料で一般開放します。(1,000万円)
環境・ゼロカーボンへの取組み
- より多くの区民や中小規模事業者が、省エネルギー効果の高い機器等を導入することができるよう、導入費用の助成にかかる予算を約2倍に拡充します。(1,626万円)
人が主役のウォーカブルなまち
- 高齢者や障害のある方を含め、誰もが安心して街に出かけられるよう、区内のバリアフリー状況が分かる「福祉のまちづくりガイドマップ」のWeb版を作成し、区ホームページ上で公開します。(1,307万9千円)
多文化共生
- 【区民提案】区民の1割超を占める外国籍住民に対して、分かりやすい情報提供や支援の強化を行うため、11言語以上の多言語対応を行うワンストップ相談窓口を開設します。また、ごみの出し方や日本の各種制度を周知するため、生活オリエンテーション動画を作成し周知します。(882万7千円)
令和5年度及び令和6年度の補正予算は全会一致で採択されました。
令和5年度の補正予算は、子宮頸がん予防(HPV)9価ワクチンが定期予防接種に追加されたことなどに伴い、HPVワクチンの接種実績が当初の想定を上回ったことに伴う予算の増額など、事業数7件の総額21億5,200万円です。
令和6年度の補正予算は、高齢者肺炎球菌ワクチンの予防接種における接種費用の一部助成など、事業数2件の総額7,200万円です。
そのほか、区議会に対して、様々な報告を行いました。
主なものは次のとおりです。
区民ひろば池袋本町の仮移転について
- 区民ひろば池袋本町は、東京都が進める新たな道路整備の影響で現施設を解体する予定となっており、令和7年10月頃から旧文成小学校への仮移転を行います。
としまキッズパーク開園期間の延長について
- としまキッズパークの開園期間はUR都市機構から無償で土地を借用している関係で令和6年12月までとなっておりましたが、土地借用期間の延長により令和8年12月まで延長します。
DXの推進、来庁不要の区役所への取組
- DXへの取組みを加速化することで、来庁されなくても手続きや相談ができる、より便利な行政サービスへと転換していきます。
- 既に実施しているマイナンバーカードを利用した各種証明書のコンビニ交付やスマートフォンによる各種証明書の請求ができる「スマート申請」に加え、4月からは区の公共施設の利用料支払において、オンラインによるクレジットカード払いが可能となります。
- 来年度は、オンラインで可能な申請手続きを、現在の110事務から約300事務まで大幅に拡大します。
- 今後も来庁不要手続きの拡大を進めるとともに、区民アンケート結果などを考慮した結果、令和6年6月から総合窓口課を毎週土曜開庁とするなど、開庁日を変更します。
2月14日に行った所信表明に対して、12名の議員から、令和6年度予算、能登半島地震の発生を踏まえた防災・減災対策、子ども・子育て施策、学校教育などについて一般質問をいただきました。
質問の一つひとつに2月20日と21日の議会でお答えしておりますので、是非、議会の様子を関連リンクからご覧ください。
また、令和6年度当初予算については、「予算の概要」や「予算プレス資料」を関連リンクからご覧いただけます。
今定例会で可決をいただいた令和6年度予算の執行にあたっては、私ども職員一同が、常に区民目線で物事を捉え、区民の皆様の声を大切にしながら、「ひと」が主役の区政の実現に向けて、力を尽くしてまいります。
また、令和6年度は、さらなる本区のブランド力向上のため、戦略的なシティプロモーションによる情報発信力を強化し、区民の皆様や来街者にとって、より魅力的なまちとなるよう、一層の賑わいづくりに努めてまいります。