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更新日:2026年9月16日

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目次

 

令和8年第3回区議会定例会 招集挨拶

招集挨拶区長写真

 

 令和8年第三回豊島区議会定例会の開会にあたり、区政運営に対する所信の一端を申し述べ、区議会並びに区民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

1 はじめに

 「令和8年熊本地震」に続き、「令和8年8月千葉豪雨」などの相次ぐ記録的な大雨により、甚大な被害が発生しました。これらの災害により、お亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。

 本区は、被災地の一日も早い復旧に寄与するため、発災直後より被災地からの支援要請に対し、迅速かつ的確に対応できるよう体制を整えております。

 熊本地震により被災された地域への支援では、熊本市、氷川町、美里町に、「罹災証明コーディネーター」の資格を持つ職員など、計6名の本区職員を延べ51日間派遣し、住家被害認定調査や罹災証明書の発行などの業務に携わりました。さらに、9月20日からは、保健師、管理栄養士、衛生監視の5名が、氷川町の避難所支援に入ります。加えて、被災者への住宅の提供として、世帯用1戸、単身用9戸の計10戸を、当面の間、無償で貸し出すこととし、8月10日より受付を開始しています。

 今後も引き続き、被災地のニーズに応じた支援に即応できるよう、区全体として取り組んでまいります。

2 令和7年度の行財政運営

 はじめに、令和7年度の行財政運営について申し上げます。

 令和7年度は、「新たな基本構想・基本計画の実現に向け、第一歩を踏み出す予算執行」を徹底するとともに、内部統制制度を本格導入し、行政事務の適正化に向けた取組みを強化しました。

2-1 令和7年度決算

 まず、令和7年度決算について申し上げます。

 一般会計決算額は、歳入が1,699億円、前年度比154億円の増、歳出は1,611億円、前年度比114億円の増と、過去最大規模となっております。

 歳出は、令和7年度予算編成と並行して策定した「豊島区基本構想・基本計画」の実現に向けて、重点テーマである「安全・安心」「子ども・子育て支援 」「教育」「住宅施策」に全庁を挙げて取り組むとともに、 直面する課題である物価高騰対策として、低所得者や事業所などへの区独自の支援を積極的に展開しました。

 歳入は、基幹歳入の一つである「特別区民税」が、定額減税の影響が減少したことに加え、納税義務者数や一人当たり課税額が増加したことにより、40億円の増となる368億円、「特別区財政調整交付金」は、32億円の増となる408億円となりました。

 財政状況を表す指標のひとつである「経常収支比率」は、経常的な歳入の増が経常的な歳出の増を上回ったことにより、78.6%と昨年度比で3.2ポイント減少し、2年ぶりに目標である70%台となり、財政の弾力性が高くなっております。また、「公債費負担比率」は、昨年度比0.4ポイント減の2.2%となり、将来的な負担も適正値を維持しております。

 このほか、健全化判断比率である、「実質赤字比率」「連結実質赤字比率」「実質公債費比率」「将来負担比率」は、いずれも国の基準を大幅に下回っております。

 「貯金」は、今後も引き続くと見込まれる物価の高騰や、「公共施設更新計画」に基づく学校改築等を見据え、「義務教育施設整備基金」の取り崩しを取りやめました。また、急激な歳入減に備えるため、「財政調整基金残高」は182億円となり、目標としている「標準財政規模」の2割以上を確保しております。

 必要な財源確保と財源の年度間調整のために活用する「借金」は、将来的な金利上昇リスクを踏まえ、昨年度比30億円の増、51億円となったことなどから、区債残高は37億円増となる243億円となりました。

 このように、現時点の財政状況は健全な状態を堅持しておりますが、引き続く、工事費や金利の上昇に加え、人件費も増加している中、「基本構想・基本計画」に掲げる「3つの理念」「7つのまちづくりの方向性」を実現していくためには、中長期の視点を持ちつつ、直面する課題へも的確に対応し、財政と政策実現を両立しなければならないという、大変難しい区政運営が求められています。

 目まぐるしく変化し続ける社会経済状況や区民ニーズに応えるため、今後も既存事業の再構築を行い、DXや生成AIを活用した業務改善を促進するなど、新たな行政ニーズに対応する効果的な施策を展開するとともに、各種財政指標に留意しつつ、「基金」の有効活用と金利動向を踏まえた「起債」の活用により、中長期的な視点に立った持続可能な行財政運営の実現に努めてまいります。

2-2 内部統制及び補助金における監査

 次に、内部統制及び補助金に関する監査の結果について申し上げます。

 本区では、適正な事務執行を確保するため、昨年度から内部統制制度を実施しており、この度、初めての「内部統制評価報告書」を、監査委員の意見を付して本定例会に提出いたします。「財務に関する事務」と「個人情報保護に関する事務」を対象に全庁的な評価を行った結果、区や区民の皆様に大きな影響を与える「重大な不備」はなく、監査委員からは、制度運用が区全体で着実に行われているとの評価とともに、「今後は、リスク発生時のより速やかで実効性のある対応や、内部統制の運用を区の組織力の向上につなげることを期待する」との意見をいただいております。

 今年度の定期監査では、「補助金」が重点項目として実施されており、9月中にも正式に報告がなされます。報告の内容を踏まえ、交付要綱など、必要な見直しを進めてまいります。

 今後は、監査で指摘された事項や内部統制を通じて顕在化したリスクを全庁で共有し、その原因を検証するとともに、業務の仕組みを見直すことで、同様のリスクを繰り返さない組織づくりを進め、区民の皆様から信頼される透明性の高い区政運営に努めてまいります。

3 災害対策

 次に、「区民の生命と暮らしを守り、誰もが安全で安心して暮らせるまち」の実現に向け、頻発・甚大化する自然災害への備えを充実させ、地域防災力の向上や危機管理体制を強化する取組みについて申し上げます。

3-1 地震対策

 7月の熊本地震では、酷暑の中で、停電により空調が利用できず、避難所や在宅で避難生活を送る方々の熱中症リスクが高まるとともに、断水や下水道管等の被害により、トイレが使用できなくなるなど、避難生活における様々な課題への対応が求められました。

 こうした中、今月1日、都心南部を震源としたマグニチュード7.3、区内最大震度6強の首都直下地震が午前8時45分に発生した想定で、発災初日の初動対応から全庁的な動きを検証する、総合防災訓練を実施しました。

 当日は、気象条件を最高気温が34度の晴れの日に設定し、停電で空調が使用できない救援センターが生じる中での避難所運営への指示や、炎天下での緊急医療救護所の設置・運営など、真夏に発生した地震への対応を想定し、訓練を実施しました。

 今後は、司令情報体制の強化をはじめ、職員用の備蓄や交代体制の整備など、訓練を通じて明らかになった課題への対応を進めるとともに、継続的な訓練の実施により、職員の意識を高め、全庁を挙げて発災への即応体制を強化してまいります。

 また、今回の総合防災訓練や職員用の非常参集訓練、さらには令和6年度に大幅改定した地域防災計画の内容や、熊本への職員派遣で得られた知見等を踏まえ、より実態に即した平成30年以来となる「業務継続計画(BCP)」の見直しも進めてまいります。

3-2 水害対策

 8月の千葉豪雨では、線状降水帯が発生し、千葉市では平年8月1ヶ月間の3倍以上となる360ミリを超える降水量を24時間で観測しました。同月22日には、本区でも大雨危険警報レベル4が発令されたのち、記録的短時間大雨によって、1時間雨量が50ミリを超える降水量を観測しました。この影響により、35件の家屋に床上、床下浸水が発生したほか、東池袋分庁舎や区立小学校でも雨漏りなどの被害が生じました。昨今の異常気象下では、想定を超える猛烈な雨への対応強化が喫緊の課題となっています。

 まず、ハード面の対策として、本区は、過去に浸水被害が多かった高松2丁目地区や巣鴨駅北口広場周辺で、浸透桝の新設や雨水桝の増設などの応急対策を進めてきましたが、今後、下水道増強幹線の整備が着実に進むよう、東京都下水道局との連携を一層強化してまいります。

 さらに、大量の雨水が集中して下水道に流入することを防止するため、本年 4月に「雨水流出抑制施設の設置要綱」を施行し、区民や民間事業者の皆様にも、貯留施設や浸透施設の設置をお願いしております。特に個人が所有する住宅等に雨水浸透施設を設置していただける場合には、整備費用を一部助成する制度がありますので、制度の活用促進に向けて幅広く周知を展開してまいります。また、本定例会では、道路を越流した雨水の浸入を防ぐ対策として、止水板設置の補助制度新設に係る補正予算案を上程いたします。

 加えて、ソフト面の対策として、想定雨量を遥かに超える集中豪雨で、やむなく道路が冠水した場合には、警察署と連携した通行止めなどの迅速な交通規制や、浸水家屋が発生した際には、消防署と連携した救助や排水活動を行うなど、区民の皆様の救援活動が速やかに実施できる体制を構築してまいります。

 水防体制については、従来の水防本部に加え、風水害等対策に関する区の基本的な方針や各課の対応方針、「災害対策本部会議」の開設等について協議する、全部長がメンバーの「風水害等対策会議」を新設するとともに、新たに両副区長をリーダーとし、集中豪雨による地下街の浸水など市街地特有の課題への対応策を検討するため、「水防体制強化に向けたプロジェクトチーム」を発足し、よりきめ細かな対応ができる体制を構築しました。

 引き続き、区民の皆様の安全・安心を最優先に、関係機関と密接に連携しながら、ハード・ソフト両面から、浸水リスクを低減させる総合的な取組みを推進してまいります。

3-3 防災意識向上に関する啓発

 地震や水害などによる被害を最小限に留めるためには、区民の皆様一人ひとりや地域の企業や団体の皆様に、自助・共助による災害への備えをしていただくことが重要です。

 来月12 日には、イケ・サンパークにおいて、避難所の安全点検やドローンでの被害状況確認などの協定を締結した事業者、医療関係者、消防、警察等が参加し、防災について楽しみながら様々なことが学べる「としまDOKIDOKI 防災フェス2026」を開催いたします。隣接する総合体育場で「としまスポーツまつり2026」も同時開催いたします。

 今年の防災フェスでは、新たに防災協定を結んだ、「豊島区専修学校各種学校協会」からの参加もあり、避難所生活での健康促進や疲労を軽減するためのハンドマッサージ体験を行います。また、災害復旧を支援する団体「日本笑顔プロジェクト」によるショベルカー体験のほか、区のブースでは、救援センターの運営を補佐する防災リーダー、女性視点で救援センターの環境改善を進める女性防災リーダーによる公園内防災施設を活用したまち歩き模擬体験、携帯トイレの設置・処理のスピードを競うトイレリレーなどを実施いたします。

 防災に対する関心が高まっているこの機を捉え、子どもから高齢者までの幅広い区民の皆様が、改めて防災を自分事として考え直す機会となるよう、積極的に参加を呼び掛けてまいります。

3-4 学校における自衛消防訓練

 学校においても防災の取組みを進めております。

 北区の公立小学校で発生した火災事案を受け、本区では、学校における防火・防災体制を改めて確認するとともに、より一層の安全を確保するため、教育委員会、防災課及び消防署が連携し、今月末までに全ての区立幼稚園、小・中学校での自衛消防訓練を完了いたします。

 訓練は、水消火器による初期消火、屋内消火栓の取扱い、自動火災報知設備の確認など、火災発生時に教職員が迅速かつ適切に行動するための実践的な内容で実施しております。併せて、救助袋が設置されている小・中学校26校においては、防火管理責任者等教職員を対象とした救助袋使用訓練を、まずは区内9校で実施し、使用方法を確認するとともに、教職員自ら、実際に救助袋を使った避難を体験しました。

 年度内には、救助袋が設置されている全校において、教職員を対象に、専門業者による指導のもと、使用方法の確認を行ってまいります。

 また、全校で毎月実施している避難訓練では、給食室など従来の火災発生場所の想定を見直し、「校内のあらゆる場所から火災が発生する可能性がある」という前提のもと、子どもたちの避難経路の精査を行います。さらに、休み時間や放課後の発災など、様々な状況を想定した避難訓練を実施するなど、教職員一人ひとりの防災意識と対応力を高め、子どもたちの生命と安全を守る学校づくりを進めてまいります。

4 区民の生活環境を守る

 次に、区民の皆様が「住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるまち」の実現に向け、良好な生活環境を守る取組みについて申し上げます。

4-1 民泊・一部屋旅館

 まず、住宅宿泊事業について申し上げます。

 昨年12月から民泊担当の組織体制を強化し、民泊標識の現地確認や苦情対応、民泊の適正運営に係る指導を強化しておりますが、「標識の緊急連絡先に何度電話してもつながらない」、「夜中に宿泊者が外で話していてうるさい」、「ゴミが出しっぱなしになっている」、「ゴミを地域の集積所に捨てている」といった、管理体制の不備や騒音、ごみの不適切な排出等の苦情は、8月末時点で97件と、昨年同時期の92件と同様に大変多い状況です。指導を繰り返しても何ら対策を講じない、ごみの不適正な排出をしている事業者には、「豊島区住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例」に基づき、9月4日付で2件勧告するとともに、現在、住宅宿泊事業法に基づく業務改善命令に向けた弁明の機会の付与の手続きを1件行っており、生活環境の改善に向けた取組みを進めています。

 また、旅館業では、本年8月末までの5ヵ月間で、住宅宿泊事業からの鞍替え、いわゆる「一部屋旅館」が44件と昨年度と同程度の水準で推移していますが、苦情は82件と昨年度の約2倍に増加しています。こうした状況から、区といたしましては、区民の皆様が安心して生活できる環境を確保するために、一日も早く実効性のある対策を強化すべく、営業従事者の常駐やフロント設置を義務付けることなどを盛り込んだ「豊島区旅館業法施行条例の一部を改正する条例(案)」を本定例会に上程いたします。

 7月に実施したパブリックコメントでは、事業者からは、営業従事者の常駐やフロント設置に対して否定的な意見がございましたが、区民の皆様からは、生活環境が悪化している実態を訴える声や、速やかな苦情対応のため、営業従事者の常駐などの規定を求めるご意見、また、更なる規制強化を謳ったこの度の条例の早期施行を望む声を多数いただきました。

 この度の改正旅館業法施行条例は、本年12月16日に施行する「豊島区住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例」における住宅宿泊事業の実施に係る区域及び期間の制限と一体的に施行したいと考えております。両条例の施行を契機として、区民の皆様の安全・安心を守り抜く取組みをより一層進めてまいります。

4-2 大塚駅南口公衆喫煙所開設と環境美化活動

 次に、大塚駅南口公衆喫煙所の整備状況について申し上げます。

 町会、商店会、地域団体など、地域の皆様の念願であった「大塚駅南口公衆喫煙所」の整備は、10月中の開設に向けて順調に進んでいます。

 本喫煙所は、パーテーション型の喫煙所を採用しておりますが、喫煙エリアと歩道の間に約4メートルの距離を確保するとともに、内部には中和消臭剤を設置することで、煙や臭いの拡散防止に配慮しております。

 周辺の緑地環境を活かしつつ、限られたスペースを有効活用していることから、まちの美化や生活環境の向上、安心して過ごせる公共空間づくりに資するものとして、他地域のモデルとなるものと考えております。

 

 次に、池袋駅周辺のポイ捨て状況についてです。

 池袋駅周辺では路上喫煙やたばこのポイ捨てに起因する苦情が増加傾向にあり、特に西口エリアは多くの苦情が寄せられています。今年5月に設立された「池袋駅西口環境美化推進協議会」では、7月に町会、商店会、地元企業、関係団体、区職員など約70名が参加して清掃活動が行われ、およそ9キロのごみが集まりました。今後、こうした民間主体の活動の輪が広がり、まちの環境がさらに改善することを期待しております。区としても、引き続き、地域との連携を強化し、ポイ捨て防止やまちの美観維持に一層努めてまいります。

 

 次に、スーツケースの不法投棄対策についてです。

 地域の生活環境を脅かすスーツケースの不法投棄対策として、区では6月下旬からリユース事業者との連携による適正処理ルートの確立をはじめ、各事業者や関係団体のご協力により、池袋駅周辺の販売店14店舗、ホテル・旅館・民泊など約2,300か所の宿泊施設、区内すべての鉄道駅19駅、町会掲示板約1,350か所において、多言語チラシの掲示や配布の依頼を行いました。さらに、豊島区観光協会や外国人旅行者に人気の株式会社アニメイトの協力による情報発信、池袋駅周辺の4か所の大型ビジョンによる啓発、パトロール車での巡回強化等にも取り組んでおります。

 その上で、「ごみがごみを呼ぶ」と言われるように、まちを一度きれいな状態にリセットすることは、不法投棄の抑止につながることから、7月には、区内のごみ集積所や区道、区立公園などに不法投棄されたスーツケースの撤去活動を実施し、8日間で計12個を回収しました。

 今後も公民連携によるリユースの仕組みや多言語での周知、そして地域の皆様との見守りを通じて、「捨て得」を許さず、「捨てられない」まちづくりを粘り強く進めてまいります。

5 まちづくり

 次に、都市の防災性を高め、災害に強いまちづくりを着実に進めるため、建物の耐震化など地域基盤の整備に関する取組みについて申し上げます。

5-1 防災街区整備事業の状況

 まず、まちづくりに関する取組みとして、東池袋地区、池袋本町地区、長崎地区での防災街区整備事業の状況について申し上げます。

 7月の熊本地震における住家被害は、全壊・半壊合わせて7,000棟を超え、一瞬で日常が壊れてしまう恐ろしさを実感させられ、建物の耐震化や建て替えの重要性を改めて認識したところです。

 本区では、木造住宅密集地域において、不燃化特区制度による個別建て替えの促進に加え、複数の土地を面的に整備する防災街区整備事業を推進しております。

 本年7月に権利変換計画が認可された池袋本町四丁目1・2番地区では、今月より解体工事に着手いたします。また、本年7月に都市計画決定した、東池袋四丁目35番地区では、今年度末の事業計画認可を目指し基本設計を実施しております。さらに、東池袋四丁目中央地区、東池袋五丁目20・21番地区、池袋本町クロスポイント南東地区、長崎四丁目8~12番地区の4地区では、来年度末までの都市計画決定を目指し、関係機関と協議を進めております。今後もこれらの事業の早期完成を目指し、事業者への支援を行ってまいります。

5-2 「空き家」の活用促進と計画的な取組み

 次に、「空家等対策計画」策定の方向性について申し上げます。

 本区では、7月15日から今月末まで、地域における住環境の悪化を招く恐れのある老朽空き家の実態調査をしております。調査員が現地で外観を目視し、郵便受けや電気メーターの状況などにより、空き家の可能性を判定し、建物の傾きや雨どいのずれなど建物の劣化状況や、植栽の繁茂など管理状況を確認します。その後、10月から11月にかけ、現地調査により、空き家の可能性があると判定した建物の所有者にアンケートを送付し、建物の利用状況や利用していない場合の理由、維持管理の状況、利活用の意向などを把握してまいります。

 今年度改定する「空家等対策計画」には、この調査結果を反映させ、空き家の「発生予防」「活用の促進」「適切な管理」「老朽空き家の除却」の四本柱で、区の空き家施策を推進してまいります。

6 教育

 次に、子どもたちが安心して学校生活を送り、多様な学びや経験を通じて自分らしく成長していくために必要な、豊かな学びと健やかな育ちを支える環境づくりについて申し上げます。

6-1 校内教育支援センター(SSR)の開設

 今月から2学期が始まり、学校生活が再開いたしました。子どもたちにとっては、友だちとの再会などが楽しみであると同時に、夏休み明けは学校生活への不安や悩みが現れやすい時期でもあります。こうした状況を踏まえ、細やかな配慮が必要となる2学期に間に合うよう、校内教育支援センターを全ての小学校に開設いたしました。各校の空き教室や相談室等を有効活用し、教員や支援員等が児童の支援にあたっています。

 新学期が始まってまだ2週間ではありますが、校内教育支援センターで自分のペースで勉強したり、好きな本を読んで過ごしたりするなど、教室には行けなくても、家に引きこもることなく、学校に登校できている児童や、好きな教科の授業や教室の時間には教室で過ごし、辛い時には校内教育支援センターに戻る児童など、安心して過ごせる居場所の確保が学校への登校や、教室復帰へのチャレンジにつながっているという事例が多数報告されています。

 教室に入りづらい、集団で過ごすことに不安があるといった子どもたちが、自分のペースを大切にしながら、安心して学びを進めていける居場所として、校内教育支援センターの有効活用を進めてまいります。

6-2 部活動

 次に、部活動について申し上げます。

 本区では、子どもたちが継続してスポーツ・文化芸術活動に親しむ機会を確保するとともに、教員の負担軽減を目的として、外部人材の活用を中心に部活動改革を進めております。部活動外部人材は、令和5年度末に48名でしたが、現時点では92名まで増員しております。また、吹奏楽部の外部指導者は、これまで地域の方や卒業生等が中心でしたが、昨年度より東京音楽大学と連携し、大学の授業の一環として、学生が部活動で専門楽器の指導を行う巡回指導も実施しております。様々な立場から部活動を支援していただくことで、これまで以上に活動内容も充実してきており、今年度の東京都中学生吹奏楽部コンクールでは4校が金賞を受賞するなど、成果につながっております。

 また、7月には、トップアスリート等が特別講師として部活動の指導にあたること等を定めた「次世代グローバル人材育成に関する連携協定」を一般財団法人ピースコミュニケーション財団と締結いたしました。今回は、池袋中学校のサッカー部、バレーボール部、バドミントン部、美術部において実施し、子どもたちにとりましては、トップアスリート等の技術に触れ、指導を受けられる貴重な機会となります。

 引き続き、子どもたちが安心してスポーツ・文化芸術活動に取り組めるよう、地域や大学、企業等と連携しながら、本区の特色を生かした魅力ある部活動の実現を目指してまいります。

7 子どもたちへの支援

 次に、家庭の経済状況に左右されることなく、誰もが望む教育を受け、夢や希望を持って成長できる社会の実現に向けた、子どもや保護者への支援の拡充について申し上げます。また、断じて許されるものではない子どもに対する性暴力から、子どもたちを守る環境づくりについても申し上げます。

7-1 大学等進学に対する給付型奨学金制度

 まず、給付型奨学金制度の創設について申し上げます。

 私はこれまで、「生まれ育った環境によって、子どもたちの将来の可能性が左右されることがあってはならない」との思いのもと、子どもたちへの支援に取り組んでまいりました。

 しかしながら、経済的な事情や家庭環境によっては、進学や学びの継続に不安を抱える家庭や子どもたちが少なくありません。意欲や能力があっても、経済的な事情により進路選択の幅が狭められることは、大変残念なことであります。

 教育は、一人ひとりの可能性を広げるものであると同時に、地域や社会の未来を支える重要な投資でもあります。未来を担う子どもたちが、自らの夢や希望に向かって挑戦できる環境を整えることは、自治体の重要な責務であると考えております。

 このため本区では、この度、給付型奨学金制度を創設するため、令和9年度に大学や専門学校へ進学する非課税世帯の子どもを対象に、返済不要の給付型奨学金として、40万円を支給する補正予算案を上程いたします。

 奨学金制度は、単に経済的な支援を行うだけではありません。地域全体で子どもたちを応援し、「あなたの挑戦を支えたい」「あなたの未来を信じている」というメッセージを届ける取組みであり、子どもたち一人ひとりが、自らの夢や目標に挑戦できる環境の充実を図ってまいります。

7-2 性暴力対策

 本区では、子ども一人ひとりの権利が尊重され、子どもたちが安心して自分らしく成長できるまちづくりに取り組んでおります。

 昨年9月、本区の区立小学校で教員による性暴力行為が発覚し、逮捕に至る重大な事件が起きました。この事案を受け、教育委員会では「豊島区教育委員会児童等に対する性暴力等根絶のための対策推進本部」を設置し、12月には「豊島区教育委員会児童等に対する性暴力対策指針」を策定し、全教職員を対象とした性暴力防止研修や、盗撮探知機器を用いた定期的な校内点検など、子どもたちを守るための取組みを進めております。

 こうした中、学校や保育園など、子どもと接する施設等において、子どもへの性暴力を未然に防ぎ、安心して学び育つことのできる環境を確保することを目的とした、「こども性暴力防止法」が制定され、本年12月の施行が予定されております。

 この法律の施行に伴い、学校や児童相談所などは、関係法令の改正により、職員の犯罪事実確認など、子どもへの性暴力を防止するために必要な措置を講ずることとされております。一方、保育園や中高生センタージャンプ等については、区が条例で定める児童福祉施設等の設備及び運営に関する基準に、同様の措置を位置付ける必要があることから、本定例会に関係条例の改正案を上程いたします。

 なお、子どもスキップなど、法律への対応が義務とされていない認定対象事業についても、法律で定められた性暴力を防ぐ取組みや、犯歴情報を適正に管理する取組みを実施する体制を整えることで、積極的に国の認定を受けてまいります。

 子どもたちが安心して学び、遊び、成長できる環境を守るためには、制度や仕組みの整備だけでなく、子どもと関わる全ての施設や関係者が、子どもの安全を最優先に考え、それぞれの立場で取り組みを重ねていくことが重要です。本区は、関係機関との連携を図りながら、子どもへの性暴力のない安全・安心な環境づくりを推進してまいります。

8 ストーカー被害者支援

 次に、犯罪被害者等支援について申し上げます。

 本年3月に豊島区内で発生したストーカー殺人事件を重く受け止め、本区では、これまで以上に区内3警察署との連携強化を図るとともに、ストーカー被害に遭われた方々の身の安全を確保するため、警察から書面警告や禁止命令が出された加害者からの一時避難を目的とし、来月より新たに、一時宿泊費用の助成を実施いたします。ストーカー被害に遭われた方の多くは、警察による一時保護が解除されてもなお、日常生活において、強い緊張感と恐怖感を抱えることが少なからずあると伺っています。そのため、今後は転居費用の一部助成についても検討を行い、年明け1月の実施に向けて準備を進めてまいります。

9 おわりに

 来月からは、先般の第二回定例会の補正予算で議決いただいた、所得に関わらず1,000円の自己負担で東京都シルバーパスを購入できる助成制度が始まります。身近なバスや都営交通などを積極的にご利用いただくことで、高齢者の外出機会の創出と社会参加を促進し、健康寿命の延伸につなげてまいります。

 また、11月4日からは、総合窓口課において窓口時間の延長を開始します。毎週水曜日は、午後7時まで受付時間を延長し、マイナンバーカード関連業務や住所異動、印鑑登録等を取り扱い、平日の昼間に来庁が困難な区民の皆様の利便性を向上させてまいります。

 最後に、国土交通省から藤原健二副区長が7月1日付で就任いたしました。就任早々、関係団体との面談や現場視察などを重ねるとともに、区政に関わる諸課題の解決に向けて、日々、精力的に取り組んでおります。これまでの国政での豊富な経験や知見を活かし、まちづくり分野を中心に区政を牽引するリーダーとして、大いなる活躍を期待しております。

 なお、本定例会には、条例6件、決算認定4件、補正予算3件、その他7件、合わせて20件の議案を提案しております。よろしくご審議のほど、お願い申し上げます。

 以上を持ちまして、令和8年第三回区議会定例会招集挨拶を終わります。

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