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私が中央図書館長だったのは平成18年度の僅か1年。その間に新中央図書館の開設準備をはじめ雑司が谷図書館の廃止や目白図書館の大規模改修など課題山積な1年であった。新中央図書館は豊島区初の市街地再開発事業を成功に導くために、区が約70億円という巨費を投じて保留床を購入したものだ。かつて再開発課の職員として事業に携わった私には、その重要性が十二分に理解できた。
当時、図書館行政政策顧問であった粕谷一希先生(※1)の理想は高く、職員が一丸となって特色ある図書館創りにまい進した。新館の目玉として、トキワ荘を始めとしたマンガや落語のコーナーを企画した。中央図書館に隣接するサンシャインシティは巣鴨プリズンの跡地にあるため、地元自治体の責務として東京裁判に関する資料も充実させた。文化の発信装置としては、この図書館通信や地域研究ゼミナールを用意した。特に、私の中学時代の恩師である伊藤榮洪先生(※2)には、図書館専門研究員としてゼミの講師をはじめ、様々な面でご指導をいただき、本当にありがとうございました。この場をお借りして、改めて粕谷先生とともにお二方のご冥福をお祈りしたい。
また、新規事業の一環として、全ての地域図書館に地域文化コーナーを設置した。その一つが千早図書館の横山光輝コーナーである。このコーナーの実現に向けて横山先生のご親族にお手紙を差し上げて以来、ご親族をはじめ光プロダクションの方々には、貴重な資料を数多くご提供いただくなど、多大なるご協力をいただいた。ぜひ、今後も充実・発展させていただきたいと願う。
こうした中で、随分と無理を言って苦労をさせた図書館奉仕員(※3)の方々には、この場を借りてお詫びしたい。最後に再開発課当時、事業協力者であった大成建設株式会社の担当者として共に苦労した長谷川君とライズアリーナビルのオーナー会議で、お互いに課長となって再会できたことは良い想い出となっている。
※1 粕谷一希(かすや かずき):1930年~2014年。平成18年豊島区図書館行政政策顧問に就任。『図書館通信』の編集指導・助言を行う。
※2 伊藤榮洪(いとう えいこう):1932年~2016年。豊島区史編纂委員、豊島区図書館専門研究員、豊島区参与を歴任。区発行著書に『ぶらり雑司が谷 文学散歩』など多数。
※3 図書館奉仕員:図書館業務を行い、来館者にサービスを提供する人のこと。司書も図書館奉仕員に含まれる。
プロフィール
豊島区長崎生まれ。中央大学商学部を卒業しキヤノン株式会社に入社、その後豊島区に転職。区では文化商工部長や区議会事務局長を歴任。ヨネクラジムに在籍中プロボクシングC級ライセンスを取得し現在もジム通いを続ける。趣味は格闘技、クルマ、腕時計及びゴジラ。
私の師匠、ブンさんは、故郷信州の農村に眠っている。
50年以上前、ほとんど偶然のようにして入った放送の世界。東京では都電が地下鉄に代り、高層ビルが出現するなど、急速な近代化が進んでいた。一方、私が就職した業界には、まだまだアナログが多く残っていた。
入社後、最初の配属先はラジオ制作の現場。ディレクター見習いとして初日に渡されたのは、ハサミ・色鉛筆・接着テープ。
録音された6ミリテープの音を編集する為の三種の神器である。オープンリールのテープを回しながら、黄色鉛筆で印をつけ、ハサミで切断、接着テープで継ぐ。なんともアナログな技術。しかし、これがなかなか難しい。苦労の連続だった新入社員の私に、神技を教えてくれたのが、「ブンさん」と呼ばれる先輩である。
ブンさんの神技は、こうである。
当時、芸能界と暴力団の関係による不祥事が社会問題となり、日本映画俳優協会が緊急の総会を開き、大スターだった会長が絶縁の声明文を格調高く読み上げて閉会した。
取材を担当したのが先輩、戻って聴き直し、困り果てる。最後がどうも変だ。
会長は「私達の決意と行動が、芸能界にとって大きな力となることを、私は疑って信じない 」と結んでいる。
ブンさんは三種の神器を操って技を発揮。
「私は信じて疑わない」と編集で仕上げた。よほど注意をはらって聴いても編集に気付かない美事な技。発言した本人さえ気付いてはいまい。若き日の池部良さんである。
ブンさんには、こうも教えられた。
「私達の仕事には責任がある。聴いてくれる人に確実に伝える為の技と、言葉だ」「飾ることなく普通の言葉で伝える。活字での表現とは違うのだから」と。
私の放送人としての指針を最初に教えてくれた先輩。中村文男さんは、長野の高校を卒業、夜間大学に通いながら放送局でアルバイト、その後社員となるも、現場一筋で停年を迎えた。大切な記憶の中の人である。
プロフィール
1942年大阪生れ福岡育ち、1965年TBS入社ラジオ・テレビの制作担当、2009年大正大学表現学部教授
プロ野球「西鉄ライオンズ(現西武)」を愛し続ける九州男の気質が抜けない。大正大学の学生たちとNPO法人「としまの記憶」をつなぐ会の映像制作を続けている。
子どものころ、一度だけ、「あけぼの号」に遭遇したことがあります。駅前に佇む不思議な造りの自動車、その車内に現れた小さな書庫。いつも通っている千早図書館とは一味違う非日常感に、大変ワクワクしたことを覚えています。
今回のテーマは、「移動図書館とSDGs」。まずは、SDGsの基本理念である「誰一人取り残さない」について、公共図書館にできることを考えてみましょう。
従来、地域館の標準的利用圏は、概ね半径1㎞と言われています。試しに、豊島区の地図を広げて、7つの図書館と雑司が谷図書貸出コーナーを中心にした半径1㎞の輪を書いてみました。すると、豊島区のほぼ全体が8つの輪の中に納まりました。現状、「誰一人取り残さない」=「全ての『地域』に図書館を」という目標は、達成できているように見受けられます。
しかしながら、現在でも、既存の利用圏では対応しきれない方々は確実に存在します。「そよかぜ文庫」(豊島区立図書館の配送サービス)は利用していないけれど、1㎞歩くのはちょっと辛いという高齢者の方。まだ長い距離は移動できない小さなお子さんや、その保護者の方。そんな「図書館に行きにくい」方々のため、老人福祉施設や保育園、区民ひろば、公園など、身近な場所に図書館から出向くことができれば、「誰一人取り残さない」=「全ての『人』に図書館を」の実現に近づくのではないでしょうか。
移動図書館「あけぼの号」は、単なる出張サービスではなく、1966年、豊島区初の図書館である豊島図書館(現・中央図書館)の次に開館した、いわば2館目の図書館でした。68年に巣鴨図書館が開館するまでの2年間、地域館としての役割を一手に引き受け、その後も区内を巡回。区内各地域に8館の図書館が完成した翌年、その役目を終えました。こうして見ると、図書館の利用圏から外れる地域・人をカバーする、「移動図書館」という存在そのものが、「誰一人取り残さない」を形にしたものだったと言えるかもしれません。
これを書いている2022年5月現在、ウクライナ情勢や原油価格の急騰など、日本では物価「高騰」への対策が専らのニュース。そんな中で、本書を推すことに若干の躊躇を抱きつつ、今なぜ?と思っていただくのもいいかなと思い、本書を選択しました。
本書が世に出た12年前、私は豊島区の財政業務を担当していました。当時ベストセラーになり、また新書版ということもあって、軽い気持ちで読んでみたところ、大きな衝撃を受けました。
経済分析の本であるものの、「著者が累計三千回以上行ってきた講演経験を基に構成し」た本書の語り口は、とても平易で学術書に特有の読みづらさは全くありません。
また、著者は「平成合併前の約3200市町村の99.9%、海外59ヶ国を概ね私費で訪問した経験」から、帰納的な論述につき大変自信に満ちており、私も具体的・実践的な姿勢に共感を覚えました。
著者の結論は明瞭で、「経済を動かしているのは、景気の波ではなくて人口の波、つまり生産年齢人口=現役世代の数の増減だ」ということです。本書刊行後暫くして、「消滅可能性都市」が話題を呼び、人口減少問題が一躍、日本の最重要課題になりました。「消滅可能性都市」の指摘から、豊島区が「国際アート・カルチャー都市」を掲げ、「地方との共生」への真摯な姿勢が必要であった理由を理解するためにも、長期デフレ傾向とその根底の人口減少という日本の根本問題を知ることは、極めて重要だと思います。
今回あらためて読み直してみましたが、本書の分析や処方箋は現時点でも、けっして色褪せていません。処方箋として3つの提案が書かれていますが、これは12年前の「未来予測」でもあります。果たして12年後の今、これらの政策提案は実現したのか。していない部分は、予測が間違ったのか、現政策の方が間違っているのか。ぜひ読者自ら判断し、また、読者同士で議論されれば幸いです。
エビデンスにあふれる啓発の書でありつつ、極めて論争的な本書。著者に出会って良かったなと思った次第です。
プロフィール
1960年生まれ。1986年、東京大学法学部卒業。1986年豊島区入庁後、2020年1月まで33年9か月勤務。うち2006年4月~管理職歴13年9か月(区長室、広報、財政、人事)。うち2016年子ども家庭部長、2018年政策経営部長。2020年1月5日より現職。
寄稿者はとしまコミュニティ大学の内、登録して学んでいる「マナビト生」です。マナビトゼミ担当・当中央図書館開催の書評講座講師の佐藤壮広氏の監修のもと、毎回テーマに合わせて文学、児童書、科学や評論などの分野のお薦め本を紹介しています。
「ロードマップ」という言葉がある。直訳では道路地図のことだ。これがビジネスシーンでは、「目標達成のための実行計画表」という意味になる。前向きな響きの言葉だが、過去の結果や成果を検証する際に参照されるのもこのロードマップだ。
人にもコミュニティにも、たどり来た道がある。人生やコミュニティのプランを見つめ直す機会は、時々あってよい。
書名『FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド/著 上杉周作、関美和/訳 日経BP社 2019年1月
コロナパンデミック、絶えない紛争、地球温暖化、未来はどうなってしまうのか。不安や恐怖が膨らみ、私たちはネガティブ思考からなかなか抜け出せない。まず落ち着いて「ファクトフルネス」10の本能を抑えながら、身の回りや世界を正しく見る訓練をしたい。
まわりで起きている事に関心を持ち、溢れる情報を正しくアップデートし、どんな世界になろうとも良い情報にも目を向け、悪い事ばかり起きてはいないと認識し、悲観しすぎず前向きに生活していきたい。未来が明るいことを信じて。
【 鎌田 和枝( かまた かずえ)】
書名『じっちょりんのあるくみち』かとう あじゅ/作・絵 文溪堂 2011年5月
雑草の種を運ぶ不思議な生き物のお話です。お父さん、お母さん、お兄ちゃん、妹の4人家族。アリのような触覚と、2本の脚、2つの腕があります。団地の隅で朝ご飯を食べた後、種をまきに町に出かけます。小さな生き物なので猫を怖がり、道路を横断するのも大変です。人間に踏まれそうになるとマンホールのくぼみに隠れます。身の回りの雑草もひとつひとつ覚えます。小さな生き物から見る世界は、これまた不思議に満ちています。観察眼が育つ素晴らしい本です。
【 辻 秀幸( つじ ひでゆき)】
署名『〈日本人〉の境界 沖縄・アイヌ・台湾・朝鮮 植民地支配から復帰運動まで』小熊英二/著 新曜社 1998年7月
日本は、国防という大義名分のもとに琉球、アイヌ、韓国を併合し、そこに住む人々を「日本人」として包摂してゆきました。それは、日本が「欧米」の存在を意識しながら、欧米に対する劣等感の裏返しだと思います。
日韓併合を正当化するための「東洋平和」と教育による「日本人」化。だが、国内的には「日本人」から排除するという体制が築かれていく。日本が「いつか来た道」を辿らないためにも、日本を過度に賛美する風潮には距離を置きたいと ころです。
【 髙橋 和子( たかはし かずこ)】
「東アジア文化都市2019豊島」でも、西安(中国)と仁川(韓国)と豊島区をつないだ一つの文化が日本のマンガ・アニメ。多文化共生の視点で一度読み終わったマンガ・アニメを手に取ると…。そこには「相手を知る・自分を知る」新たな発見が!!
東京外国語大学オープンアカデミー短期日本語・日本文化研修プログラム「アニメ・マンガを使って探究をしよう!」受講学生の連載コラム。2022年1 月〜2月、東京外国語大学にてオンライン日本文化研修が実施された。国内外の学生がZoomで繋がり、アニメ・マンガから日本文化の特徴を探究した。
今年の1~2 月に、東京外国語大学が開催する日本文化研究プログラムに参加する機会を得た。このプログラムの目的は、日本語を学ぶ外国人留学生と共にアニメ・マンガを通して日本文化の特徴を見出すことだ。私は韓国、中国、台湾から来たメンバーと「『美少女戦士セーラームーン』の変身は何を意味するのか」をテーマに研究することになった。議論を重ねる中で、セーラームーンの変身後の衣装などに日本の「カワイイ文化」が見られるという意見が出た。この「カワイイ文化」という言葉は以前から耳にしていたものの、メンバーの出身地と日本の文化は比較的似ており、各言語を見ても日本語の「カワイイ」に相当する単語があるため、本当に日本独自の文化と言えるのか疑問に感じた。しかし、さらに話を聞くと中国・台湾で日本語の「カワイイ」に相当する「可爱(クーアイ)」は子供に対してしか使わず、韓国語の「キヨップダ」は「カワイイ」より大人っぽい容姿を意味するようだった。
辞書の上では同じ意味を共有している言葉であっても、その言葉が持つニュアンスは各言語によって異なる。当たり前のようでいて意識しにくいこの事実に初めて気づかされたのは、多和田葉子さんの『エクソフォニー』を読んだときだった。エクソフォニーとは母語の外を出た状態を意味する。多和田さん自身も母語である日本語と第二言語であるドイツ語で執筆活動をしており、筆者は文中で、母語でない言語で創作するからこそ、その言語を日常的に使用しているネイティブスピーカーに比べてより敏感に言葉の特徴を感じ、潜在的な魅力を引き出す可能性があると説いていた。
今回のプログラムは、まさに日本語を外国語として学ぶ留学生が参加したからこそ、私自身が気づかない日本語・日本文化の特徴を発見することができた。最終的に、私たちは上述した議論をもとに「カワイイ」が日本文化であるとしたうえで、セーラームーンの変身では海外の変身ヒロインのように強くなるだけでなく、日本で可愛いとされるセーラー服を身につける点に日本の「カワイイ文化」が表れているという結論に至った。
私は議論開始時に、メンバーの母語に「カワイイ」に似た単語があることから「カワイイ文化」が日本独自の文化であるか懐疑的であったが、そもそも日本語の「よろしく」に対応する英語が無いように、異言語間の表現は必ずしも一対一で対応するわけではない。また、類似した意味を持つ単語であっても、その言葉の使い方や、聞いたときに連想するイメージが異なる場合もあることに気づかされた。このプログラムを通じて、母語の世界を出て外国語を学ぶことは、新しい表現方法を知り、考え方を広げることにつながると感じた。世界の切り取り方が異なる外国語の世界に飛び出すことは、自分を取り巻く世界を多角的に見ることをも可能にするのではないだろうか。
監修 東京外国語大学 大学院国際日本学研究所 准教授 幸松 英恵(ゆきまつ はなえ)
プロフィール
専門は日本語学。豊島区図書館経営協議会委員。
図書館というものは、これまでどのような道をたどり、今後どのような役割を果たしていくのでしょうか。 区制施行90 周年を迎えた豊島区の区立図書館が歩んできた歴史を振り返り、未来へ向けた展望をご紹介します。
地域資料と聞くと何を思い浮かべますか?
地域資料はこれまで、そしてこれからの地域を知るためあらゆる分野に関して収集していくかけがえのない資料です。
今回は図書館に所蔵している地域資料を紹介します。
①豊島区史
区の歴史や重要な出来事を調べるにはまず『豊島区史』です。明治時代までの豊島区は畑が多い地域でした。区制定以前の資料として、『西巣鴨町史』、『高田町史』も所蔵しています。
②地図
道路地図は区全域の大まかな位置関係を知るのに便利です。住宅地図には建物名や戸別の情報が載っています。昭和30年代より前の地図には航空地図や火災保険図がありますが、保険会社の料率算定の為に作成されているため、保険が売れる見込みの市街地が主で、畑が多かった地域は掲載されていない所もあります。昔の地図と今の地図を見比べてみると、豊島区がどのように発展してきたかがひと目でわかります。
③行政資料
区で発行した区政に関する資料(刊行物)です。最近は資料のデジタル化が進んでいますが、図書館では書籍として保存しています。
④その他
古い地名を知りたい時は『角川日本地名大辞典』や『日本歴史地名大系』(中央図書館所蔵)を見てください。地名の成り立ちや変遷を知ることができます。
地域資料とは別に、区内各図書館が地域ごとの特色にあわせて収集している資料を紹介します。
駒込図書館は桜に関連する資料を充実させたソメイヨシノライブラリーを設置しています。染井村にはもともと植木屋が多くあり、ソメイヨシノ発祥の地と言
われています。
巣鴨図書館は「地蔵」「中山道」「明治女学校」関連の資料収集に力を入れています。「地蔵通り商店街」は中山道で栄えた板橋宿に近い休憩所として発展した名残といえます。また野上弥生子氏らを輩出した明治女学校が1897 年に校舎を新設したのが巣鴨でした。
上池袋図書館は旧国鉄用地に整備した上池袋さくら公園の一角にあり、現在もJR池袋電車区に隣接していることから、鉄道関係の本を収集しています。
池袋図書館は外国人居住の多い土地柄、中国を中心とした東アジア関連本を収集しています。近隣には江戸川乱歩氏が晩年を過ごした住居があり、乱歩コーナーが設けられています。
目白図書館は日本の児童文化運動の父とされる鈴木三重吉氏の自宅兼赤い鳥社が目白にあったことから、童話と童謡の雑誌『赤い鳥』関連資料を収集しています。
千早図書館の入口では鉄人28号が出迎えます。千早の地で晩年を過ごした漫画家横山光輝氏に係わる作品を収集しているのです。何度も映像化された桃太郎侍の著者で近隣の要町に住んでいた山手樹一郎氏の著作を集めたコーナーもあります。
中央図書館はトキワ荘出身の漫画家に関する資料を多数所蔵しています。マンガはもちろんアニメに関する本の収集にも力を入れています。5 階では年6 回地域に関する特集展示を行っています。
今年は区制施行90周年、図書館で豊島区の魅力を探してみませんか?
巣鴨図書館は高度成長期真っ只中の昭和43年8月に豊島区では2番目の図書館としてオープンしました。老朽化のため約1年間のお休みをいただき平成27年4月に全面改修を終え現在に至っています。
当館は区が直接運営をしており、区東側の駒込図書館と上池袋図書館(いずれも指定管理者が運営)と連携しながら様々なイベントを展開するほか指定管理館運営の監督を行う区東側の地域中心館としての役割も担っています。
館の外観は、床面積1,018㎡と小さめですが、ソメイヨシノの大木(樹齢60年以上)3本など四季折々の草花が咲き誇る前庭、障子のある閲覧席など落ち着いた雰囲気でお客さまに心地よく滞在していただける空間となっています。そして館内には、お客様の図書お探しのお手伝いを積極的に行うホスピタリティにあふれた司書が大勢います。
ご存じのとおり、令和2年7月に豊島区は内閣府から「SDGs未来都市」と「自治体SDGsモデル事業」にダブル選定されました。これを受けて巣鴨図書館では、「親子向け特集展示」「クイズラリー」「SDGsおはなし会」などをいち早く実施。SDGs関連本の背表紙に17の目標アイコンを貼り、内容が一目でわかる工夫をしました。この取組は他の図書館でも行われるようになりました。
また、今年1月からは「りんごの棚」を児童コーナーに新設しました。この「りんごの棚」はスウェーデンの図書館で始まり、世界各地に広まっている取り組みで、「すべての子どもに読書の喜びを」をモットーに「布の絵本」「点字のついた絵本」「さわって楽しむ本」「LLブック(スウェーデン語で「やさしく読みやすい」の略)」「大きな文字の本(大活字本)」を揃えています。これらの取組は、出版社などから取材を受け雑誌などに紹介されています。
本年区制施行90周年を迎え、豊島区立図書館として様々なイベントを予定していますが、巣鴨図書館独自では前庭を利用するイベントを企画しています。改定されたばかりの「豊島区立図書館基本計画」にある「にぎやかな公共図書館」に着目し、イスやテーブルを用意して利用者のみなさまがくつろぎながら本を手に取る空間をつくります。そこでコーヒーなどを出すキッチンカーを呼ぶ企画を進めています。
これからも巣鴨図書館をご利用いただくすべてのお客様に満足していただくために、サービスの向上に努めてまいります。
豊島区立図書館7館の特別整理が今年も終わりました。特に中央図書館は共有部の大規模修繕を行いましたので、休館が長くなり皆様にはご不便をおかけしました。
中央図書館は早いもので開館から15年が過ぎ、今年度は廊下やトイレの床、リフレッシュコーナーの壁などの修繕を行いました。窓がないリフレッシュコーナー(飲食スペース)の再開は大きな課題でしたが、このスペースをいつまでも使用禁止にするのではなく、飲食スペースを減らすことで間隔をあけ、情報コーナーを設置することで利用を再開します。飲食スペースは少なくなりますが、多くの方に、館内とは少し違うほっとできるスペースとして活用していただけたらと思っています。ぜひ譲り合ってご利用ください。
昨年、一昨年は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、区も多くのイベントを休止していましたが、今年は感染対策を行いながら、様々なイベントが再開されています。私たち区立図書館も7月に夏のイベント「にぎやかな公共図書館フェスティバル」を開催します。
これまでなかなか実施できなかったおはなし会、そして懐かしい16ミリフィルムも上映します。職員が古い機械と古いフィルムを使って上映しますので、ハプニングがあるかもしれませんが、それも含めて一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです。また、複数の企業、団体の皆様にもご協力をいただき、子どもから大人まで、少しでも多くの方に楽しんでいただけるよう工夫を凝らしています。今年のポスターデザインは中央図書館の司書が、本を通じたにぎやかな公共図書館のイメージを描いてくれました。図書館ファンを増やせるよう、図書館も次の100周年に向かって進んでいきます。
お問い合わせ
電話番号:03-3983-7861