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「伊藤伊兵衛(いとう・いへい)」。みなさんには、あまり馴染みのない人名かも知れません。しかしながら、伊藤伊兵衛は、江戸で一番の植木屋とまで言われ、園芸の世界ではちょっとした有名人でした。その有名人が、かつてこの豊島区内に住んでいました。場所は、豊島区駒込七丁目1番・2番のあたり、現在の都営染井霊園北東側です。
「伊兵衛」というのは、代々世襲の名前です。その中で、江戸時代の元禄・享保期(1688年から1735年)に活躍した伊兵衛三之烝(さんのじょう)・政武(まさたけ)親子の生活と業績を中心に取り上げます。日頃の地道な植物栽培や研究の積み重ねの末に執筆された著作、徳川将軍家から下賜されたと伝えられる瓶子(へいじ)一対、18世紀前半の伊兵衛家の庭を描いた「武江染井翻紅軒霧島之図」(ぶこうそめいほんこうけんきりしまのず)などを展示いたします。
今回の企画展では、まず豊島区地域内に居住した「有名人」伊藤伊兵衛に関する諸資料から、その人間像に迫りたいと思います。そして、三之烝・政武父子が遺した園芸書をはじめとする業績が、その後の江戸園芸の発展にどのような影響を与えたのかについて考えていきたいと思います。
近年のガーデニングブームの原点は、ひょっとすると、彼らの活躍や業績に求められるかも知れません。(展示チラシより)
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