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旧丹羽家腕木門

旧丹羽家腕木門

<豊島区指定有形文化財>

豊島区駒込(染井)は、江戸時代から植木の一大生産地として知られ、植木職人が多く集住した地域。丹羽家は天明年間(1780年代)から明治時代末期まで染井を代表する植木屋として活躍した、当地域の地主としても知られている旧家。

丹羽家の旧屋敷地は、JR駒込駅から約400メートル北西の染井通りのほぼ中央に位置し、平成18年(2006)から豊島区の広場として整備が進められ、北角の蔵と西隅の門が区の所有となって現地保存することになった。

旧丹羽家の門は腕木門という形式で、簡素な構造となっているが、格式のある門である。建築年代は不明だが、当初材である親柱には和釘が使用されていることや、親柱、冠木、扉などの風蝕の様子、根継部の「弘化四年未年九月十二日継」という墨書、また、都内の類例との比較などから、江戸時代末期の建築と推定される。

言い伝えによれば、染井通りをはさんで向かい側にあった津藩藤堂家下屋敷の裏門を移築したともいわれているが、柱間や開口部の高さなどを都内の類例と比較してみても、大名家の裏門として使われても不思議はないと判断される。

屋根や部材には、かなり傷んでいる部分があるため、豊島区の指定文化財になったことに伴って、平成19年10月より保存修復工事が行なわれ、平成20年3月に竣工した。

お問い合わせ

庶務課文化財グループ

電話番号:03-3981-1190

更新日:2022年10月25日