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金剛院本堂・客殿

金剛院本堂

金剛院客殿

<国登録有形文化財>

金剛院本堂は、昭和29年(1954)に完成したと推測される。設計は足立一郎、施工は株式会社三和工務店である。

内陣と外陣をそれぞれ独立した異なった建物で構成した双堂形式を採り入れた独特の形式の寺院建築である。その外観、内部意匠も伝統的な和様を基調としつつも、屋根部分では垂木形を省略し、また、皿斗や大斗、枠肘木などの細部も単純化したもので、鉄筋コンクリート造という新しい構法に即した合理的な造形を指向した建築の事例といえ、全体的雰囲気も簡素ながらも伝統性の感じられる独特の味わいがある。わが国戦後の鉄筋コンクリート造の寺院建築としては早い初期の事例に属するもののひとつといえる。

金剛院客殿の建設年代は棟札によると、上棟が昭和9年8月26日と書かれている。棟梁は内田浅蔵、棟梁脇は足立孫太郎。木造平屋建て檜造り、屋根は入母屋造りで妻壁には狐格子を嵌め、仕上げは引っ掛け桟瓦葺き、外壁仕上げは簓子下見板張りと漆喰塗りである。延べ床面積304.29平方メートルで、改造は水廻りなど部分的に行われているが主要な部屋は当初のままで現在まで使用されてきた。

昭和9年に建てられた金剛院客殿は、高級な材料と伝統的な質の高い技術が使われている。書院造りの形式を基本とした建物で、現在まで狂いも少なく、当時の影響を受け建ちが高く、質の高い正統な建物である。

 

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庶務課文化財グループ

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更新日:2022年11月1日