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自由学園明日館

自由学園明日館の写真

<国指定重要文化財>

大正10年(1921)、羽仁吉一、もと子夫妻が創立した自由学園の校舎として、アメリカが生んだ巨匠フランク・ロイド・ライトの設計により建設。

明日館建設にあたり羽仁夫妻にライトを推薦したのは遠藤新である。

帝国ホテル設計のため来日していたライトの助手を勤めていた遠藤は、友人でもある羽仁夫妻をライトに引きあわせた。夫妻の目指す教育理念に共鳴したライトは、「簡素な外形のなかにすぐれた思いを充たしめたい」という夫妻の希いを基調とし、自由学園を設計した。

木造で漆喰塗の建物は、中央棟を中心に、左右に伸びた東教室棟、西教室棟を厳密なシンメトリーに配しており、ライトの第一期黄金時代の作風にみられる、高さを抑えた、地を這うような佇まいを特徴としている。プレイリースタイル(草原様式)と呼ばれるそれは、彼の出身地・ウィスコンシンの大草原から着想を得たもので、池袋の界隈に開放的な空間を演出している。

道路を隔てた南西には、遠藤新設計で昭和2年(1927)竣工の講堂がならび、重要文化財・自由学園明日館は構成されている。

昭和9年(1934)に自由学園が南沢(東久留米市)に移転してからは、明日館は主として卒業生の事業活動に利用されてきた。その後、明日館の歴史的、芸術的価値が評価され、平成9年(1997)5月、国の重要文化財指定を受けた。関東大震災や第二次世界大戦の空襲からも免れた明日館であったが、80年の歳月のなかで老朽化が顕著になったため、平成11年(1999)3月から平成13年(2001)9月まで保存修理工事が行われ、同年11月に再開業した。

平成24年に実施された耐震診断の結果、講堂の耐震性能不足が指摘されたため、平成26年から29年までの計画で耐震対策工事が実施されている。

お問い合わせ

庶務課文化財グループ

電話番号:03-3981-1190

更新日:2022年10月25日